EPISODE GUIDE
ULTRA WOLD
第4話後編
by しぃさぁ

偶然にも居合わせたホテルから、問題の白い航跡を発見し、任務に移ろうとするフジ隊員とホシノ少年。
しかしミチコはおなかいっぱいになったのか、うたた寝状態だ。
「あれ、ミチコちゃん、眠くなったんだろ。部屋まで連れてってあげようか?」
都合よく足手まといのミチコが眠ってしまったのをいいことに、部屋に寝かせてホテルの外へ出た。

そのころ、ビートルのアラシ隊員もマリーナのすぐそばまで来ていた。
「白い航跡発見!」
アラシ隊員の目にははっきりと白い航跡が確認された。

それは、ホテルにいるフジ隊員にも同時に確認されていた。
「白い航跡です。まっすぐこちらに向かってきます」
「よし、ホテルの全員を表に!どんなことがあるかわからん!!」
ムラマツキャップはフジ隊員に指示を出し、次にはハヤタ隊員に連絡する。
「ハヤタ、ハヤタ、大至急ミウラハントウ、ハヤママリーナへ行け!白い航跡が表れた!」
「ミウラハントウ、わかりました」
ハヤタ隊員もフジ隊員の待つマリーナへ急行した。

ホテルではフジ隊員とホシノ少年が宿泊客と従業員の非難活動を行っていた。
「みなさん、早く逃げてください!」
「早く早く!こっちこっち!!」

その時、本部のムラマツキャップから通信がが入った。
「はい、こちらフジです」
「特捜隊はそちらに向かって行動中。到着次第ハヤタの指揮下に入れ」
「了解」
心強い通信だ。フジ隊員はホテルの人を安全に非難させるべく、
ホシノ少年と力を合わせ、退路へ誘導していった。

その時ついに例の怪物が姿を現した。まるで今にもホテルを破壊しそうな雰囲気だ。
「早く早く」
「向こうの方に逃げてください」
一気に緊張が高まる中、フジ隊員は冷静に立ち振る舞う。

しかし、
「あ、ミチコちゃん忘れてた」
ホテルの部屋に寝かせてきたミチコのことに気づいたフジ隊員。
すぐそこまで怪物が来ている。急がなければ。
フジ隊員とホシノ少年は、ミチコ救出のため再びホテルへと戻っていった。

ハヤママリーナに向かうにはフェリーが最短と判断したハヤタ隊員は、
途中から船に乗り込み、トウキョウ湾を横断中だった。

そのハヤタ隊員に、ムラマツキャップから通信が入った。
「ハヤタ、白い航跡の正体がわかった。ラゴンだ!」
「ハヤタ、ラゴンだ!しかも身長30メートルだ!」
キャップの隣にいるイデ隊員はすっかり興奮しきっていた。

「ラゴン?確か日本海溝に住む海底原人だ。しかし身長が30メートルもあるなんて」
冷静に分析を開始するハヤタ隊員。
だが局面はハヤタ隊員が想像していた以上に緊迫していたのだ。
「爆発した原爆の放射能で突然変異を起こしたとしか考えられん。
 しかもだ、ラゴンは体に、問題の原爆をぶら下げているんだ」
「原爆!?」
ハヤタ隊員の顔が一気にこわばった。もしここで原爆が爆発したら・・・

「現在、ミウラハントウからカントウ、更にシズオカ方面に緊急避難命令が発令中だ」
「急げハヤタ、急ぐんだ!」
キャップとイデ隊員はハヤタ隊員を急かすが、
「急げったって」
さすがのハヤタ隊員も船の上ではどうすることも出来ない。
ただ困惑の表情を浮かべるしか、今のハヤタ隊員にはできなかったのだ。

ミチコを救うべくホテルの部屋にもどったフジ隊員とホシノ少年。だがそこはもうラゴンの間の手が伸びていた。
「フジ隊員、500メートル先にビートルが着陸できる場所がある。そこへ早く!」
アラシ隊員から通信が入るが、今は応答している暇はない。
「フジ隊員、どうした?」
叫ぶアラシ隊員をよそに、フジ隊員はラゴンとにらみ合う。


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ミチコはいまにもラゴンにつかまれそうになっているのだ。何とかしなければ!
するとホシノ少年が、テーブルの上に置いてあった果物ナイフを握り締めた
そして勇気を振りしぼり、ミチコを捕まえようとするラゴンの手めがけて突き刺したのだった。
思わず手を引っ込めるラゴン。
このすきにミチコを抱きかかえ、ホテルから非難するフジ隊員とホシノ少年。

しかしこの行動がラゴンの怒りを買ってしまった。
ホテルを出て森の中に逃げ込むフジ隊員たちをラゴンは執拗に追いかけてきたのだ。
絶対に許さんぞ、という気迫がラゴンからあふれている。

ビートルからそれを目撃したアラシ隊員は気が気ではない。すぐさま攻撃態勢に入ろうとする。
「フジ君たちが危ない!攻撃する」
その通信を聞いたムラマツキャップは、あわててアラシ隊員を制止した。
「アラシ、スーパーガンを打っちゃいかんぞ。いいな、原爆が爆発したら一大事だ」
必死でアラシ隊員を抑えるムラマツキャップ。
「アラシ、もうすぐオレが行く。早まるな!」
フェリーから降り、猛スピードで車を飛ばしてマリーナへと急ぐハヤタ隊員も、
歯軋りするアラシ隊員をなだめつける。

  
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「ちきしょう!怪物を目の前にして攻撃できないなんて」
ムラマツキャップとハヤタ隊員に制止され、アラシ隊員は悔しがるが今はどうしようもない。
ジェットビートルのアラシ隊員は、それでも何か出来ないかと考えた。

「ハヤタ、君はどんなことがあっても原爆を奪い返すんだ。いいな、頼むぞ。絶対に奪い返してくれよ」
「ラゴンを怒らしちゃいかん。いいかアラシ。何千万の人間の運命がかかっているんだぞ」
ムラマツキャップはハヤタ、アラシ両隊員に矢継ぎ早に指示を出す。

その間にもラゴンは、山中に逃げるフジ隊員たちを追い掛け回している。
その体に引っかかった原爆は、今にも落下しそうに不安定に揺れている。

「アラシ、離れろ、原爆が落ちたら20秒で爆発だ」
状況を見極めたハヤタ隊員。アラシ隊員のビートルに警告を送る。
「しかし・・フジ君と二人の子供が・・」
唇をかむアラシ隊員。眼下にはラゴンから逃げ回るフジ隊員とホシノ少年の姿が映っていたのだ。


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子供好きのアラシ隊員は、科特隊の中でも一番ホシノ少年を可愛がっていた。
子供たちの窮地を救ってやれないもどかしさに、アラシ隊員は顔をゆがめた。

ラゴンは執拗にフジ隊員たちを追いかける。
アラシ隊員はラゴンの気を逸らすため、わざとラゴンの頭付近を飛行した。
だがアラシ隊員は無理をしすぎた。
子供たちを守ろうとするあまり、ラゴンに近づきすぎたのだ。

その一瞬の隙をラゴンは見逃さなかった。口から白色光線をはくと、それは見事ビートルに命中。
危機一髪アラシはパラシュートで脱出した。
「アラシさん!」
地上で見守るフジ隊員が叫ぶ。
「キャップ、ジェットビートルがやられました。アラシはパラシュートで脱出」
ハヤタ隊員が本部へ報告する。

だが事態はこれだけでは収まらなかった。
アラシ隊員のパラシュートは不運にもラゴンの目の前に落下していったのだ。
パラシュートを見つめるラゴン。アラシ隊員が危ない!

「わーいわーい、こっちだぞ!わーいラゴン、こっちこっち」
不意にホシノ少年が飛び出した。彼は、アラシ隊員からラゴンの気を引こうと試みたのだった。

そして彼の計算どおり、ラゴンはアラシのパラシュートから目を離し、計算どおりホシノ少年を追いかけてきた。
ホシノ少年はラゴンの気を引きながらゆっくりと海に向かう。

ミチコを抱いたまま立ち尽くすフジ隊員。もうホシノ少年に全てを託すしかないのか。
自分に苛立ち、あわててホシノ少年を追いかけようとするが、しかしそのフジ隊員を制する手があった。
「フジ君、アラシを頼む」
「ハヤタさん!」
ハヤタ隊員だった。心強い味方の登場にフジ隊員は安堵の表情を浮かべた。
ハヤタ隊員はフジ隊員を安全圏に逃がすと、自らはラゴンを追いかけ始めた。


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ホシノ少年はラゴンを誘導し、やがて海へ。しかしそこからは切り立った崖になり、行き場を失ってしまった。

万事休す。

本部では対策に悩むムラマツキャップにイデ隊員がかみついていた。
「キャップ、どうするんです!」
苦渋の色を浮かべるムラマツキャップ。もはや万策尽きたか。
その姿を見たイデ隊員は、最後の望みを口にしたのだった。
「ウルトラマンさえ来てくれたらな。ウルトラマン、来てくれ!」

現場でもホシノ少年が追い詰められ、ついに崖下に転落。
ハヤタ隊員は意を決し、ベータカプセルを取り出した。
次の瞬間、まばゆいばかりの光が当たり一面を包み込んだ。

 
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「キャップ、ウルトラマンが現れました!」
「そうか!」
イデ隊員の言葉にムラマツキャップも笑顔が出た。
やはりキャップもウルトラマンに期待していたようだった。
「やっぱりウルトラマンが来てくれたか」
イデ隊員は食い入るようにモニターに映るウルトラマンを見つめていた。

しかし原爆を気にするウルトラマンはいつものように戦えないでいた。
原爆奪還が第一と考えるウルトラマン。迂闊には動けない。

  
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ためらうウルトラマンにラゴンは容赦なく襲い掛かる。その時、ラゴンの体から原爆が落下したのだ。
すかさず原爆めがけて飛び込むウルトラマン。すんでのところでその手に収めた。

しかしその結果、ウルトラマンはあまりにも無防備な状態となり、
ラゴンの攻撃をまともに受けることとなったのである。

胸のカラータイマーが赤く点滅を始めた。

ウルトラマンを支える太陽エネルギーは地球上では急激に消耗する。
太陽エネルギーが残り少なくなると、カラータイマーが点滅を始める。
そしてもし、カラータイマーが消えてしまったら、ウルトラマンは二度と再び立ち上がる力を失ってしまうのである。

「ウルトラマン、がんばれ!」
崖下から這い上がったホシノ少年が叫ぶ。
しかしウルトラマンはラゴンの強力な攻撃に、その手に握っていた原爆を離してしまった。

ついに原爆は地上に落下。パイロットランプが点灯してしまった。これで爆発まであと20秒。時間がない。
だが頼みのウルトラマンは、ラゴンの執拗な攻撃に苦戦する一方だ。

しかし、ウルトラマンはここであることに気がづいた。
それは、もはやラゴンの体に原爆はない。躊躇することは何もなくなったということだ。

そのことに気づいたウルトラマンは、ラゴンと一定の間合いを取り隙を窺った。
そしてラゴンの動きに一瞬の隙を見つけると、必殺スペシウム光線を叩き込んだのだった。

ラゴンはその場で大爆発。そのまま断崖絶壁へと落下していった。

しかし勝利の余韻に浸っている暇はない。原爆が爆発するまであと10秒。
ウルトラマンは原爆に近寄り、その手に掴むと宇宙に向けてものすごいスピードで飛び立った。

  
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「ウルトラマンが」
呆然と見送るホシノ少年。
「原爆の爆発まであと10秒しかない」
脱出に成功し、合流したアラシ隊員も、ただウルトラマンを見送ることしか出来ない。
「5・4・3・2・1・・ゼロ」
アラシ隊員の空しいカウントダウン。やがて空には小さな爆発の音がこだました。

「ウルトラマンは、ウルトラマンはどうなったの?」
アラシ隊員にしがみつき泣きじゃくるホシノ少年。

その時だった。
「よう!」
ハヤタ隊員が笑顔で歩み寄ってきたのだ。

「ハヤタさん、ウルトラマンは本当に死んだのかしら」
フジ隊員の悲痛の問いかけ。だがハヤタ隊員は胸を張って言ったのだった。
「大丈夫だよ。彼は不死身だよ」

力強くうなずいてみせるハヤタ隊員。二人にも笑顔が戻った。
こうしてまたウルトラマンの活躍で地球の平和が守られたのである。

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今回はラゴンが大暴れしてくれました。
やはり原爆の脅威でしょう。ウルトラマンも科特隊も大苦戦です。

このラゴン、本文ではカットさせていただきましたが
元々は音楽が好きだったのに、原爆の放射能のせいで
音楽を聴くと狂ったように暴れだしたりと、放射能の影響も伝えているんですね。

自分たちの生活が、人間の身勝手のとばっちりを受けて滅茶苦茶になってしまったわけで
それを考えると、ラゴンが怒るのも無理はないですね。

核の脅威を表す意味でも、今回は面白いお話だったのではないでしょうか。
書いていても自然に熱が入るストーリーでした。

さて次回、第五回は、こいつが活躍してくれます。

またおつきあいください。

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