EPISODE GUIDE
ULTRA WOLD

第11話前編
by しぃさぁ

広い宇宙には不思議な生き物や物体が数限りなくあるものなんですねえ。
そんな不思議な物体がもしも地球に落ちてきたら・・・一体どんなことになるのでしょうか。
今回はそんなお話でございます。

それはある晴天の日の出来事でした。
ホシノ君たちは原っぱでウマとびをして遊んでいるところです。
女の子達は近くのドラム缶に座り、ホシノ君たちを楽しそうに眺めています。

そんなときでした。
流れ星がひとつ、青空を横切り、流れていきました。
気付いたのはもちろん、好奇心旺盛のホシノ君。
ウマとびを抜け出して流れ星に見入ります。



「痛いなあ、なんだよ急に!」
ホシノ君が抜け出したせいでウマとびは大混乱。総崩れになってしまいましたが、
ホシノ君は気にすることなく流れ星を見つめています。

他の少年達もホシノ君のその様子から、流れ星を見つけ、
しばしの間、口も聞かずに見入ってしまいました。

「空飛ぶ円盤かしら?」
「まあ、だいたいそんなとこね」
女の子二人も不思議そうに眺めているこの流れ星はやがて、近くの工場付近の草むらに落下したのです。

ホシノ君たちはもうウマとびでどころではありません。
我先に、とばかりに流れ星の落下した地点に走っていきました。

興味に引っ張られて草むらを探索するホシノ君とお友達。
しかしそう簡単に流れ星は見つかりません。

「ちぇ、何にもないじゃないか」
「絶対円盤だと思ったのにね」
「バカ、そんな大きなものじゃなかったよ」

そう、彼らは流れ星の正体が円盤だと思い込み、円盤の形をした物体を探していたのです。
その間違いに気付いたのは、やはりホシノ君でした。

「そうだ!もしかしたら隕石かもしれないよ」
「うん!隕石だよきっと!」
「よし!みんなで探そう!」

ホシノ君の考えの下、今度は隕石風の形を捜し求める少年達でありました。
女の子もみんな総出で大捜索開始です。
やがて・・・

「これだ!!」
ホシノ君が手に掲げた物は、直径15センチくらいの丸い石でした。
「違うよ。こんなちっちゃい物じゃなかったよ」
すぐさまお友達から反論が飛び交います。
確かに流れ星ですから、そんな小さいわけがない、そう思えますね。



「だけど・・・」
ちょっとがっかりするホシノ君。ですがみんなは、
「ただの石ころだよ。こんな物よりビー玉の方がよっぽどいいや」
ホシノ君の手から奇妙な色をした石を取り上げ、軽く後ろに投げ捨ててしまいました。

「あら?ビー玉に変わっちゃった?」
エッ!?なんですって!?そ、そんなわけは!?
みんなが振り向いてみると、そこにはさっきの奇妙な石がころがっているばかり。

「おかしいわ、確かにビー玉に変わったのよ」
ミエコちゃんは不思議そうに先ほどの石ころを見つめています。
「うん、ボクもそう見えた」
ホシノ君もミエコちゃんに同調しますが、
しかしそこにあるのは確かにさっきの石。ビー玉などはどこにも見当たりません。

「きっと、光の加減でそう見えたんだよ」
「かもしれないね」
「行こう行こう」
拾い上げた石をホシノ君に返すと、少年達はウマとびを続行するために
もといた場所に向かって走り出しました。



手に戻った石ころを見つめるホシノ少年がつぶやきます。
「この石、ビー玉なんかじゃなくて、レーシングカーなんかに変わったら面白いだろうな」
「調子いい事言ってるわ」
ホシノ君もあきらめたのでしょうね。石を大きく後ろに放り投げ、みんなのところに走っていきます

・・・・・が!!
その後ろからは、なんと!レーシングカーの音が聞こえてくるではありませんか!?



ホシノ君はあわてて振り返りました。
「今、あんな事言って投げたら・・・」
「イサム君これきっと、魔法の石よ」
「うん!もしかしたら、自分の欲しいものになる魔法の石だよ」

目の前にあるレーシングカー。それは確かにホシノ君の目の前にあるのです。
そう、これは、宇宙からやってきた「魔法の石」だったのです。

「あ!」
またまたホシノ君が驚きの声を上げました。
レーシングカーに姿を変えていた石が、今度は星野君たちの目の前で元の石の姿に戻ったからです。

「分かった!思うのをやめると、また元の石に戻るんだよ」
「やっぱりさっきも、ビー玉になったのよ」

そうです。そのとおりなんです。
この石は、人の意思を感じてそのものに形を変化させることが出来るのです。
石が形を変化させたところをホシノ君はしっかり見たのですから、これはもう間違いないでしょう!

「うん、よし!みんなで実験してみよう!」
そうとわかれば早速ホシノ君の好奇心が顔を出します。

戻りかけたみんなを再び招集したホシノ君は、
ドラム缶の上に置いた魔法の石を囲んで、さあ、実験開始!

「よおし!それじゃ、ボクね、デラックスなケーキだ!
 ケーキになれ!ものすごく大きなケーキになれ!出て来い!出て来い!出て来い!」
少年の一人が呪文のように石に気持ちを伝えると・・・
「ばんざ〜い!」
そう、そこにはとても大きなバースデーケーキが現れたではありませんか。
みんなはケーキを囲んで大喜びです。



ところが・・・
「あれ・・・」
みんなでおおはしゃぎする中、突然ケーキは元の石に逆戻りしてしまいました。
「思うのやめたら、元に石に戻っちゃったよ!チェ!」

そういうこと。この石は、その人が思っているものに姿を変えるけど、
思うのを止めると同時に元の姿に戻ってしまうんですね。

ちょっとがっかりするみんなを押しのけて、ミエコちゃんが前に出てきました。
「今度は私の番よ」
得意顔でミエコちゃんは石の前に立ちます。

「ミエコちゃんは何を思うんだい?」
「私はねえ、私は・・ピ・ア・ノ」
石を手に取ったミエコちゃんは自分の思いを伝えると、石を高くに放り投げました。

するとどうでしょう!石が落下したところには、白くて大きなグランドピアノが現れたのです。
またしても思うものに変化した魔法の石。みんなはピアノに走り寄って行きます。

ピアノが大好きなミチコちゃんはもう得意の絶頂で、
すぐさまみんなにピアノを弾いて聴かせてあげていますねえ。
みんなも回りに集まって、ミチコちゃんの曲に聴き入って、もう魔法の石のおかげで大満足です・・・
みんなの実験を影からずっと盗み見ていた、不審な男がいたことも知らずに・・・



空のかなたから落ちてきた不思議な石は、ホシノ少年の手によって直ちに科学特捜隊に届けられました。
そして科学特捜隊から科学センターに回された不思議な石は、
ヤマモト博士があらゆる方法で分析していったのです。
そしていよいよその結果が発表されることになりました。



だが・・・

その会見場に向かう一人の男。
ああっ!この男は、さっきホシノ君たちの実験を影から見ていた男ではありませんか!
こりゃあ良からぬことを考えていますね。嫌な感じがしますよ。



発表の会見には、たくさんの研究者やマスコミが集まり、賑わっております。
科学特捜隊のアラシ隊員も同席し、警備にあたります。

「発表いたします。少年達が発見した石は、地球上には存在しない、
 全く未知の元素の化合物であることが、わかりました」
ヤマモト博士の驚くべき発表に場内はどよめきます。



すぐさま質問が飛びました。
「やはり、宇宙のどこかから飛んできたものなんですか?」
「まあ、そういうことになりますね」
「すると隕石の石と考えもいいわけですね」
「いやあ、それが・・・」
「じゃあ、生物なんですか?」
「現在私が言えることは、生物の能力を持った鉱物。そのような言い方しかありません。
 つまり、生きている石、とでも言いましょうか・・・」

さまざまな質問にヤマモト博士もいまひとつ歯切れが悪そうです。
それは当然です。地球の科学では到底考えられない物体なのですから、この石は。
生きている石。それはどういう物なのでしょう?

「博士、とにかくその生きている石ってヤツを拝ませてくださいよ」
質問した記者さんの希望に答えるべく、ヤマモト博士は助手に命じ石の姿を公開したのです。

「はぁ、それがねえ・・・その石に向かってなんか思うと、自分の欲しいなあ、って物になっちゃうんですか?」
記者さんはまだ石の能力を信じられないようですね。
それが当然です。思ったものに変わっちゃうなんて、そんな石があるわけないのですから。

「ええ。どうぞ、試してください」
ヤマモト博士の言葉に、喜んで、いや、半信半疑で立ち上がる記者さんです。
「こちらへそうぞ。2メートル以内でないと術が効かないのです」
「ああ、なるほど」
助手にも促され、記者さんは石の前に歩み寄りました。

「それでは、私が毎日毎日欲しい欲しいと思ってますものを・・・」
記者さんは石を手に取り、思いを伝えると部屋の隅に放り投げました。
すると出てきたものは・・・

ウエディングドレスを着た美人の花嫁さんでした。
記者さんに向かってにっこりと笑顔を作る花嫁さん。
記者さんはもう有頂天。すぐに花嫁さんに近づいて手をとると、すっかりご機嫌でデレデレ笑顔。

しかしぃ・・・次の瞬間、花嫁さんは記者さんの上司に大変身!
そうなのです。記者さんがほんのちょっとだけ、上司に怒られるところを思っちゃったから、
石は見事にそれを察知してしまいました。

「ばか者!!」
石が変身した上司に一喝された記者さん。あらら、その場に座り込んでしまいましたよ。

「みなさんは、テレパシーと言うのをご存知でしょう。
 この石は、人間のテレパシーを、受けることが出来る石なのです
 そして、人間の心のままに、自由に姿を変えるのです。
 ですから、使い方によっては、大変恐ろしい石であると言うことが出来るでしょう」

全く持ってヤマモト博士の言うとおりです。悪い心を持った人の手にこの石が渡ったら、
全世界は大変なことになってしまいます。

あれ、なんですか?変なことをしている人がいますよ。
自分の座っている机の裏になにやら変てこなものを貼り付けて・・・



あっ!あんたは!!先ほどの不審な男!!!
そうなんです。ホシノ君たちの実験を偶然見かけたこの男、
こともあろうか、この研究発表会にもぐりこんでいたのです!

やがて会見も終わり、みなさんは会見室を後にそれぞれの会社に戻っていきます。
その中に例の男の姿が・・・
車に乗り込んだあの男は、なにやらトランシーバーのようなものをポケットから取り出しました。

「石よ、石よ、不思議な石よ。オレの声が聞こえるか?オレの願いを聞いてくれ。
 ドロドロ溶けて、液体になれ。液体になるんだ。さあ、早く溶けて、液体になれ」
トランシーバーに向かってささやいた男の声。
それは先ほどの会見室に流れていきました。



そう、さっき男が机の裏に貼り付けたものは、このトランシーバーの電波をキャッチするスピーカーだったのです。
男の声を運ぶ電波。それをスピーカーが見事にキャッチ。
男の声を誰もいなくなった会見室内に響かせます。
とんでもないことです!男はなんと、石に自分の思いを伝えてしまったのです!!

男の声は石に伝わり、石は男の言うとおりドロドロの液体となってケースから流れ出てきました。
ひととおり流れ出たころあいを見計らってでしょうか、男は二つ目の思いを石に伝えます。
「さあ、今度はロケットになって飛ぶんだ。さあ、飛ぶんだ。早く飛んで来い!」
当然のごとく、石は小さなロケットに変化し、男の元へ飛び立って行きました。



「博士!アラシさん!」
そのときになって初めて気付いた助手の女性が悲鳴をあげますが、もう間に合いません。
小さなロケットとなった石はものすごい勢いで男のところに向かっていきます。

「待て!」
悲鳴を聞きつけやってきたアラシ隊員。ですが男は車を走らせ逃亡を図りました。
研究所の門を封鎖し、脱出を阻止しようとするアラシ隊員でしたが、
男は車を乗り捨て、そのまま門の外へ・・・逃げられてしまいました。

これは大変なことになりました。
科特隊本部ではヤマモト博士を囲んで隊員たちが緊急会議中です。

「困った。あの石は恐ろしい力を持っている。万一、悪い心にでも利用されたら、、それこそ一大事だ」
事態は深刻です。どんなことが起こるのか、想像もつきません。
「申し訳ありません。私が、つい気を許したために・・」
泣きそうな顔で謝る助手を担当した女性に、フジ隊員がそっと寄り添います。

「おいおい、それを言ってくれるな。護衛について行ったオレだって、かなり辛いとこなんだよ」
アラシ隊員も苦虫を潰したような顔。
「とにかくその男を捕まえて、石を取り返さなければ」
ムラマツキャップは事の重大さを考慮し、早速行動を開始しました。

「お願いします。私は、なにか恐ろしいことが起こるような、気がするんです」
ヤマモト博士の悪い予感。それが当たらなければよいのですが・・・

そのころ、しっかりと石をせしめたあの男=鬼田は、海沿いにあるホテルに身を潜めていました。
「これさえあれば、もうオレの、思いのままだ。金だって、何百万でも、何千万でも、手に入るんだ
 ご馳走だってこんなにたくさん食える」



石を目の前に鬼田はおおはしゃぎ。それはそうでしょう。どんなことでも言うことを聞く石を
自分のものに出来たのですから。
「そうだ、みんなにいたずらをしてやろう。さあ、怪物になるんだ!怪物になるんだ!」

あ〜!やはりとんでもないことを言い出しましたよ!
鬼田の思いを受けた石は、2メートルほどの怪獣=ギャンゴになって鬼田の前に立ち、
深々と頭を下げたのです!



「おおっ!そうだ、そうだ、その調子だ!」
鬼田はもう大喜びの高笑いです。
困りました・・・一体この男、どんなよからぬ事を企んでいるのやら・・・

その様子はまた後編でお伝えいたしょう。
しかし、悪い男ですねえ、鬼田という男は!

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