| EPISODE GUIDE ULTRA WORLD 第19話前編 by しぃさぁ |
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| 地球上には今だに人々の知らないことがたくさんある。 海の中や地面の中。 偶然掘り起こして見たものが大発見だったり。 今回は、偶然見つけたものが、実はとてつもなく恐ろしいものであった。 古代の悪夢が今ここに復活する、というお話。 東京のビル工事現場から、不思議な金属で出来たカプセルが発見された。 宇宙考古学の権威フクヤマ博士と共に科学特捜隊は現場へ向かった。 ![]() 工事現場から掘り出されたという銀色のカプセルは、 細長く、そして一部が破損し、大きな穴が開いている。 早速フクヤマ博士が放射能検知器でカプセルを調べ始めた。 ![]() 「大丈夫。放射能はありません」 その言葉が合図だったかのように、そっとカプセルに近づく科特隊。 ハヤタ、イデ両隊員が二人がかりでカプセルを持ち上げ、フクヤマ博士の元へ運ぶ。 しゃがみこみカプセルを凝視するフクヤマ博士。 「うーん・・・だいぶ以前に壊れたものですね」 破損部分を手でなぞり、確かめるかのように説明する。 「フクヤマ博士、宇宙から飛んできたものとは考えられませんか」 ムラマツキャップの質問にフクヤマ博士が振り向いた。 「そうですね、我々が将来の人類に残そうとして、 いろいろな資料をカプセルに入れて、地底に埋めたことがありましたね」 博士はカプセルを手でなぞりながら、自らの考えをムラマツキャップに話した。 「つまり、タイムカプセルですね」 宇宙からの飛来物でなかったことに、一応の安心を見せるムラマツキャップ。 「ええ。それと同じ目的で埋められたものじゃないでしょうか」 フクヤマ博士のとりあえずの見立てではあるが、 この時点でこのカプセルはそれほど危険なものではないようだ。 ![]() イデ隊員が前に進み出た。 「はあ、では何千年も昔の人類の遺産が入っているんでしょうね」 フクヤマ博士はカプセルについているひとつの化石を手に取った。 「いや、このカプセルについている化石はもっとずっと古いものです。 そう・・・3億5千年くらい・・・」 3億5千年。地球誕生から4億年と言われる現代。 地球の歴史から見ると、誕生間もない頃の遺品ということになる。 「さあ、何が出てくるかな」 興味津々のイデ隊員は恐る恐るではあるがカプセルを覗き込んでみた。 「何もないみたい」 その横で、少々不安げなフジ隊員。 「開けてみろ」 ムラマツキャップの命令により、カプセルの封印が解かれる。 中を注目するフクヤマ博士と科特隊メンバーたち。 ![]() カプセルの中には、なにやら青い溶液らしいものが詰まった、 更に小さなカプセルが収められていた。 それともうひとつ。 「あら?なにかしら」 小さなカプセルのすぐ脇にあった、銀色の、そう、 アルミ板のような一枚の板にフジ隊員が気付き、手に取った。 ![]() 「うちの研究所で調査してみます」 フジ隊員から受け取った金属板を注意深く眺めるフクヤマ博士。 「お願いします」 ムラマツキャップの了承を得ると、 フクヤマ博士は今度は鉱物試験場所長のイシオカ先生に協力を要請した。 「あ、イシオカさん。この青い液体の方をお宅の鉱物試験場で分析してみてくださいませんか。 そちらからも、何か分かってくるかもしれません」 「承知しました」 巨大カプセルの中にある小さな青いカプセル。 こちらの調査はイシオカ先生の担当となった。 とにかくここ、現場ではこれ以上のことは解からない。 フクヤマ博士とイシオカ先生の間で分担も決まり、 一同は一旦、それぞれの研究所へ引き上げることとなった。 丁寧にカプセルを輸送用トラックに積み込む作業員を横目に、 イデ隊員が意味深につぶやいた。 「この他に何が入っていたのかなあ。まだ出てくるんじゃないか?」 「何いってるのよ。3億年も前から何度も地殻は変動してるのよ。 カプセルが壊れたのだって、昨日や今日の事じゃないんだもの。 今頃はきっと、海の中か地球の底で眠ってるわ」 あっさりと夢を壊すような現実を突きつけるフジ隊員に、 苦虫を噛み潰したような顔で腕組みをするイデ隊員。 ![]() 「さっ!」 だがそんなことはお構いナシにイデ隊員の腕を引っ張って、 さっさと車に乗り込むフジ隊員であった。 しかし、当たっていたのはイデ隊員の推測だったのだ。 カプセル発掘現場にほど近いところで、 赤い溶液の入ったカプセルが誰にも気付かれることなく土砂運搬用のダンプカーに、 土砂にまぎれて積みこまれていたことを、イデ隊員も科特隊も、 そしてフクヤマ博士すらも気付くことはなかった。 ![]() ![]() 3億5千年前に、一体誰がどんな目的でこれを埋めたのであろうか。 科特隊本部ではイデ、アラシ、フジの各隊員が考古談義に花を咲かせていた。 「3億5千年前と言えば、恐竜やマンモスがこの地球上を支配していた時代だ。 人類はまだ猿と同じ状態だった。その人類がだなあ、タイムカプセルなんてそんな洒落たものを」 「ちょっとちょっとアラシ隊員。 恐竜やマンモスが歩き回っていたのは1億5千年前です。人類はまだいなかった。 3億5千年前と言えば・・・」 アラシ隊員に取って代わり、熱弁を振るおうと身構えるイデ隊員だが、 そこへすかさずフジ隊員が割り込んだ。 「3億5千年前と言えば、氷河期以前。つまりこの地球上に、 我々よりももっと文明の発達した人類がいたと言われる、謎の時代なのよ」 参考書片手に得意満面でイデ隊員を見つめるフジ隊員である。 「なかなか面白そうな話だな」 いつのまにやら三人の後ろで考古学談義に聞き入っていたムラマツキャップが 少しばかりの笑顔を見せ、自分のイスに腰掛けた。 ![]() 「しかし、我々科学特捜隊にとってそれがどんな時代であったかより、 カプセルの中身は何かの方が問題なんだ」 デスクの前に集合した隊員たちの顔を見て、今一度の注意を促すムラマツキャップ。 いつも最悪の事態を想定して物事に当たるムラマツキャップは、 まだあのカプセルに対し、警戒を解いていないらしい。 「キャップ、現代より文明が発達していたとすると、 あのカプセルの中の青い液体は、水爆以上の破壊力のある爆薬かもしれませんね」 アラシ隊員が進み出るが、それをイデ隊員が真っ向否定する。 「いやあ、それは取り越し苦労というものでしょう。 そもそもタイムカプセルというのは、素晴らしい文明の遺産を後世に伝えようという・・・」 「あれがタイムカプセルだという証拠はどこにもないんだぜ!」 そう出られるとカチンと来る。アラシ隊員もムキになってイデ隊員に食って掛かった。 電話のベルが二人のケンカを仲裁した。 二人の会話をそのままに、ムラマツキャップが応答する。 「はい、科学特捜隊本部。あ、フクヤマ博士・・・はっ、分かりました」 博士から何か情報がもたらされたようだ。 電話を切り、ムラマツキャップは再びみんなと向き合う。 ![]() 「例の金属板はどうも何かの書類らしいぞ」 ムラマツキャップの報告に、聡明なハヤタ隊員は推理をめぐらせる。 「するとやっぱり、タイムカプセルか」 こうなれば行って確かめることが先決だ。 ムラマツキャップの指令が飛んだ。 「イデ、ハヤタ」 「はい!」 「フクヤマ博士の研究所へ行ってみてくれ」 ![]() こうして向かったフクヤマ研究所では、 フクヤマ博士が例の金属板を持って出迎えてくれた。 その謎はまだ解明の糸口も見出されていないようで、 さすがのフクヤマ博士も頭を悩ませているようである。 ![]() 「確かにこれには何かが記載されているのですが、分からないのです。 レントゲンでも超短波でも中を読み取ることが出来ません」 「ほほう、なるほど何も見えませんな」 フクヤマ博士から金属板を手渡され、隅々まで見渡すイデ隊員だが、 「アッ、しまった!」 おもむろに立ち上がった時、手を滑らせ金属板を床に落としてしまった。 壊れたら一大事だ。3億5千年前の貴重な資料がふいになってしまう。 あわてて拾い上げようとするイデ隊員。 「待てイデ!」 ハヤタ隊員がこれまたあわてて静止した。 わけが分からず振り向くイデ隊員。 だがハヤタ隊員はイデ隊員には目もくれず、天上の一部を指差した。 「博士!あれを!!」 「うん?おおっ!」 フクヤマ博士の目が大きく見開かれた。 ハヤタ隊員の指差した天上の一部には、 金属板から光の反射を受け、古代文字が映し出されていたのだった。 ![]() 「そうか、反射させればよかったのか」 博士の顔に希望がみなぎった。 「キムラ君、大至急来てくれ。金属片の秘密が分かった!」 フクヤマ博士は興奮気味に助手を呼ぶと、 ハヤタ隊員とイデ隊員に笑顔でお礼を伝え、再び研究室に戻っていった。 ![]() これで古代文字解読の突破口が出来た。 ハヤタ、イデ、両隊員も安堵の表情で研究結果を心待ちにしていた。 そのころ、青い液体の入ったアンプルはフクヤマ研究所を遠く離れた鉱物試験場で、 開けるために必至の努力が続けられていた。 イシオカ先生と助手の面々は、ありとあらゆる手段を用いて カプセルを開こうと苦労していたのだが、カプセルは一向に開かない。 イシオカ先生は少々焦り気味の自分に苛立ちを覚えていた。 再びフクヤマ研究所では、 偶然解読の突破口を見つけたフクヤマ博士が、何かしら手ごたえを掴んだようで、 休憩がてら、ハヤタ隊員のところに顔を見せていた。 「あの文字は沈んだ大陸、ニュー帝国の文字によく似ています。 必ず解読してみせますよ」 タバコを手に、自信を覗かせるフクヤマ博士。 「写真が出来ました」 キムラ助手が写真を手にフクヤマ博士の元へやってきた。 「うん、ご苦労。行こう」 研究再開だ。研究室へ入ろうとするフクヤマ博士をハヤタ隊員が呼び止めた。 「あ、博士、カプセルの謎を解く鍵は、この書類にあると思いますが」 「私もそう思います。努力してみましょう」 もはや解読は時間の問題だろう。フクヤマ博士の口調には強い自信が表れている。 「あ、あのぼく・・手伝いましょうか?」 進み出るイデ隊員。だが、 「結構です。しばらく、時間をください」 あっさりと断り、フクヤマ博士は研究室へと入っていった。 しょげ返るイデ隊員と、それを無視して博士に頭を下げるハヤタ隊員を残して。 フクヤマ博士以下研究所員は文字の謎を解くため、夜を徹して必至の努力を続けた。 研究チームは時間すら忘れ、解読に没頭していた。 「まだ、読めないんですかねえ、ハヤタ隊員・・・」 どうやら寝ずの待機となりそうなことに、 こんなはずではなかった、という表情のイデ隊員である。 ![]() 「うん・・・辞書も何にもなしで、見たこともない文字を解読しようっていうんだから、大変なことだよ」 「それしょうね・・・そうでしょう・・・」 今にも眠りこけてしまいそうな頼りないイデ隊員。 実はちょっとばかり飽きが来ているようだ。 しかしハヤタ隊員は厳しい表情を崩すことなく、イスに座り深い考えを巡らせているようである。 嫌なことが起こらなければ良いが・・・ 解読を待つハヤタ隊員はひとり胸騒ぎを覚えていた。 いつの間にか雨が降り出した。 カントウ地方に大きな雷雲が発生したと言う事だった。 科特隊本部では突然発生した雷雲に注意を傾けていた。 「トウキョウ都北部に雷雨発生。落雷のため被害が出た模様。なお、雷雲は南部へ移動中」 フジ隊員が気象情報をチェックし、報告する。 「もうすぐここらあたりにも、季節外れのカミナリがやってくるってわけだな」 怪獣以外ではそれほど大げさに反応しないアラシ隊員。 何気なくフジ隊員の報告を聞き流していた。 この雷雨によって恐ろしいことが起ころうとしているとは知らずに。 一方、発見された青いカプセルとは別に、 人目につくことなく土砂と一緒にダンプで運ばれた赤いカプセルは、 開発用地に放り出され、誰にも気付かれることなく草むらにころがっていた。 ところが、この季節外れの雷雨が来ると、カプセルは突然不気味に赤く光だし、 自ら呼び込むかのように雷を受け、大爆発を起こしたのである。 雷雨の中に黒煙が上がる。 そして黒煙の中から出てきたのは、大きな、真っ赤な怪獣だった。 怪獣は復活の雄たけびを上げ、雷鳴響く夜の街に向かって進撃を開始したのであった。 ![]() 「わ〜あ痛たたたたたたた〜!」 ついつい居眠り、イスから転げ落ちてしまったイデ隊員。 フクヤマ博士たちの研究はまだ続けられている。 不意にハヤタ隊員が立ち上がった。 「イデ!本部と連絡を取ってみろ!何か異常なことが起こってるような気がする」 「はい!」 ハヤタ隊員に怒鳴られ、あわてて通信するイデ隊員。 時同じく科特隊本部には、怪獣出現の通報がもたらされた。 「はい、科学特捜隊本部。えっ?何?怪獣?? うん、真っ赤で、うん、場所は?うん、よし、分かった!」 アラシ隊員の電話の応対に、ただならぬ事態を感じ取ったムラマツキャップ。 「アラシ、事件だな」 「ビートルで出動します」 「頼む」 アラシ隊員に全てを聞かず、即座に送り出した。 ![]() 怪獣出現の方はすぐさまハヤタ、イデ隊員にも連絡された。 「赤い怪獣ですって!?場所は?」 「トウメイ高速道路、第4現場付近だ」 ハヤタ隊員の胸騒ぎが当たった。 「キャップ、早速現場へ飛びます」 イデ隊員が戦闘態勢に入ろうとする。が、 「おっとっと、あわてるな。すでにアラシが行ってる。 頭のいい君はフクヤマ博士のアシスタントでがんばってくれ」 ムラマツキャップに皮肉られ、またしても不満顔。 「ちぇ〜アラシのヤツ、頭きたな、もう」 冷静沈着なムラマツキャップだが、アラシ隊員を送り出したことで、 まだいくばくかの余裕を持っているようだった。 そのころ鉱物試験場では、何とかカプセルを開こうと、 イシオカ先生の懸命の努力が続けられていた。 「よし、雷撃してみよう」 イシオカ先生の発案で雷撃波が用意された。 激しい衝撃の雷撃波がカプセルに当たる。 暗い室内にまばゆいばかりの閃光が光る。 しかしカプセルはびくともしなかった。 ![]() だが、雷撃=雷。 まさかその手段が恐ろしい結果をもたらすなど、イシオカ先生知る由もない。 小型ビートルで現場に到着したアラシ隊員は、 闇夜にくっきりと浮かぶ赤い怪獣が暴れ狂っているのを確認した。 「キャップ、攻撃を開始します」 「よし、どんなことをしてもトウキョウへは入れるな」 ムラマツキャップの攻撃指示の元、怪獣に砲撃を開始するアラシ隊員。 だが、この時点で科特隊はまだ事を甘く見ていた。 闇夜に突然現れた赤い怪獣が、 アラシ機1機ではとても太刀打ちできないほどの強敵だということに、 ムラマツキャップもアラシ隊員も気付かなかったのであった。 (後編に続く) |