EPISODE GUIDE
ULTRA WOLD
第2話前編
by しぃさぁ

世界の平和を守るため、科学特捜隊は日夜活躍しているのだ。
そして今日もまた、突然やってくる異変に備え、
隊員たちは寝る間も惜しんで働いている。・・・って、
ちょっとちょっとイデ隊員、どうしたの?その目のアザは。



「いや、これですか、いや〜、こりゃどうも。そんなに目立ちます?」
「目立つなんてものじゃないわよ。ねえ。」
あれ、フジ隊員も知ってるの?何があったのよ、教えてよぉ。



「なぜ、こんなになったか。君にだけ話してあげよう。友達には内緒だぜ」
そんなことわかってるよぉ。大丈夫。誰にも言わないよ。
「話は今から38時間前。つまり、真夜中に始まるんだ。」
へえ〜。そいじゃ、何があったのかゆっくり聞くとしましょうか。

     * * * * * *

平和な夜だった。気温も快適湿度も快適。
さすが夜更かしの東京もすやすやと眠っている夜だった。
だがここに不幸な男が一人いた。
2段ベットで仮眠をとるアラシ隊員とイデ隊員。
イデ隊員はアラシ隊員のいびきに苦しみ、眠れずにいたのだった。
「羊が○○○○匹、羊が○○○○匹」

緊急ブザーが鳴った。召集だ。アラシ隊員は跳ね起きた。
「イデ!何をしている!集合だ!」
イデ隊員に一喝し、アラシ隊員は本部に急行していった。



ちなみにさっきも言ったがイデ隊員は起きている。
ただ誰かさんのせいで眠れずに意識朦朧としているだけなのだ。

「何が起こったんですか、キャップ」
早速駆けつけたアラシ隊員の質問に
「防衛基地から連絡があった。
 東京上空に強烈な電波を発する物体が飛来したので警戒中、
 突如電波を感じなくなったと言うのだ」
ムラマツキャップは状況を説明した。
「じゃあ、空とぶ円盤でも飛んできたっていうんですかね?」
イデ隊員が突っ込む。

「パトロール中のハヤタ君に、ただちに防衛基地に急行してもらったんだが・・・」
つぶやくように言いながら、ムラマツキャップは計器を見つめた。

そのころハヤタ隊員は防衛本部にいた。
「キャップ、電波が止まった位置は北緯○○○、東経△△△。
 尚詳しくは電子計算機が調べております」
ハヤタ隊員の報告を聞き、
モニターに映る地図を見ながら現場を探すムラマツキャップとイデ隊員。

「ややっ、東京のど真ん中じゃないですか!」
イデ隊員が驚きの声を上げた。
「パリの本部から連絡が入りました。
 現在人工衛星を打ち上げている国は、世界中どこにもないそうです」
追いかけるようにフジ隊員が報告を入れる。

今度は無線のランプが通信を示す。
「科学頭脳の計算が出ました。御殿山です。
 科学センターのある御殿山が怪電波の消えた地点です」
ハヤタ隊員からの報告だった。
どうやら事態は急を要しているようだ。

「アラシ君」
ムラマツキャップがアラシ隊員を呼んだ。
出動だと思ったアラシ隊員はすぐにキャップの元に駆け寄る。



しかしムラマツキャップは意味不明の言葉を繰り出した。
「アラシ君、君は、優秀な科学特捜隊員だ」
「ハイッ!僕も、そう思っています」
「だたし・・・」
ムラマツキャップはアラシ隊員の足元を指摘するかのように見つめると、
・・・なんと、アラシ隊員はブーツではなく、仮眠室用スリッパを履いていたのだった。

「冷静に、常に冷静に、これは、我々のモットーだ」
気まずい顔のアラシ隊員を諭すように言った。
「よし、行きたまえ」
出動命令の出たアラシ隊員を、イデ隊員がここぞとばかりに大笑いでからかう。
「冷静に、冷静にだよ。ん〜!」
「こいつ!」
アラシ隊員はイデ隊員の足を思い切り踏みつけて、車庫に向かった。
「あ〜!」
大げさに痛がるイデ隊員を尻目にアラシ隊員は
車に乗り込み科学センターへと向かったのだった。

早朝の町をアラシ隊員が科学センターに急ぐ間に、羽田を飛び立ったジェット機が
マッハ5の驚くべき速度で走る火の玉を見たという報告が入っていた。

「よ〜し、ひとつやるか!」
気合を入れるアラシ隊員。すると後ろの座席からアラシ隊員を呼ぶ声が聞こえた。
「張り切るのはいいけど、手放し運転は困るな」



ホシノ少年であった。
「なんだ、ホシノ君じゃないか。いつの間に乗り込んだんだ」
「へへっ、まともに頼んだら置いてけぼりにされちゃうからね」
「い、いや、しかしねぇ、君ぃ」
「いいってこと。気にしない気にしないハハハハッ」
困るアラシ隊員を意に介さず、ホシノ少年はしてやったり。
アラシ隊員の運転する車は、やがて科学センターに到着した。

アラシ隊員は、ホシノ少年に本部との連絡係を任せると、
自分は建物の中へと入っていった。

建物に入るとすぐに異変は発見された。
センター職員が緑色に染まり、立ったまま固まっていたのだ。
科特隊員でなければこれを見ただけで気絶してしまうだろう。

しかしここにいるのは勇猛果敢で知られるアラシ隊員なのだ。
彼は動じることなく冷静にあたりを見回した。

ネクタイの怪電波レーダーが反応した。

「ホシノ君、科学センターに異変が起こっていると
 本部へ連絡してくれたまえ。異常な電波が出ている」
そう伝えるとアラシ隊員はスーパーガンを片手に、
敵の気配を探りながら階段を2階へと上がっていった。

突然異様な気配を感じ取り振り向くと、そこには見たこともない怪人の姿があった。
あわててスーパーガンを構えるアラシ隊員。
しかし、次の瞬間怪人の姿はそこにはなく、
なんと今度はアラシ隊員の正面に現れたのだった。

不意をつかれたアラシ隊員は、怪人の放つ怪光線を浴び、
緑色に染まるとその場に固まってしまった。
それを確認したかのように怪人2体が姿を現した。
せみのような形をし、両手は大きなはさみのようになっている。

そして驚いたことにこの怪人は、
1体がもう1体の体に吸い込まれるかのように合わさり、合体してしまったのだ。
どうやら、分身、合体の能力を持ち合わせているらしい。



「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ」
意識なく固まったアラシ隊員を満足げに見つめ、怪人は姿を消した。

外ではちょうど駆けつけたハヤタ隊員がホシノ少年から事情を聞いていた。
アラシ隊員が中に入ったまま出てこないと言う。

ハヤタ隊員はアラシ隊員を捜索すべく、建物内部へと向かった。
中では相変わらず怪人たちが分離合体、そしてテレポートを駆使し、
まだ生きている警備員たちを襲っていた。



ガンを片手に慎重に気配をうかがうハヤタ隊員は
やがて固まったままのアラシ隊員を発見する。
「アラシ君、アラシ君」
ハヤタ隊員の呼びかけにもアラシ隊員は反応がない。

その時だった。例の怪人がハヤタ隊員の前に姿を現した。
「ムッ!」
ハヤタ隊員はスーパーガンで怪人を迎え撃つが、怪人はすぐに姿を消し、
今度はハヤタ隊員の背後に現れた。
ハヤタ隊員もこれに反応し、すばやくスーパーガンを発射。見事怪人に命中した。

だが怪人は全くダメージを受けていない。
「フォーッフォッフォッフォッフォッフォッ」
と高笑いを残し、またしても姿を消したのだ。

さすがのハヤタ隊員もあせりを感じ始めた。
「ホシノ君。手強い相手だ。いったん退却したほうがよさそうだ」
状況を確認したハヤタ隊員は、一時撤退を選択したのだった。
(第2話後編に続く)