| EPISODE GUIDE ULTRA WOLD 第3話前編 by しぃさぁ |
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| 警備員に案内され、とある城跡を歩くフジ隊員とホシノ少年。 一体なにがあったのだろう。 警備員が二人を案内した場所は古めかしい井戸だった。 「じゃあ、その恐ろしい声が聞こえるというのはこの井戸ですね」 フジ隊員が警備員に尋ねる。 「はあ、300年も昔のものです」 どうやらこの古い井戸に異変があるらしい。 なんでも、聞くもおそろしいうめき声が井戸の中から聞こえるというのだ。 ![]() 「城が攻められたとき、海への逃げ道として掘られたそうですがね、 今じゃ途中に、ほら、発電所なんか出来たりして、 果たしてどこまで続いているのか、わかんなくなりました。 向こうの岬に出口らしい跡はありますがね」 「岬まで続いてるの?」 警備員の説明にフジ隊員は驚きの声を上げる。 「よし、僕、入ってみる」 好奇心旺盛のホシノ少年は、言うが早いか、 井戸の淵にまたがり、中へと入ろうとする。 「ホシノ君?どうするの?あぶないわよ」 「ぼうや、あぶないよ、おい!」 あわてて止めようとするフジ隊員と警備員を置き去りに、 ホシノ少年は井戸の中、奥深くへと下りていってしまったのだ。 「ホシノ君。ホシノ君」 上から呼ぶフジ隊員の声などお構いなしである。 「ほら、少し風がある。風がどこかの隙間を通る時に、この音が出るんだな、きっと」 自分の指をなめ、風を確認する。 すっかり得意げな顔つきになってしまったホシノ少年。 もうフジ隊員のことなど頭にない。調子に乗って先へと進んで行く。 やがて暗闇の中に分岐点があった。ホシノ少年はそっと先を覗き込む。 するといきなり暗闇の中に照らし出されたまばゆい光に目が眩んだ。 「うわっ!」 なんと、そこでホシノ少年が見たものは、ひとつの大きな目玉だったのだ。 ![]() あわててそばにあった岩に身を隠すホシノ少年。 大きな目玉はホシノ少年を意に介さず、地上へと上がっていった。 そのころ地上では、フジ隊員がホシノ少年の後を追うべく 警備員の制止を振り切り井戸の中に潜入していた。 その時だった。いきなり地面が大きく揺れ、井戸の中のフジ隊員と 洞窟に隠れるホシノ少年の頭の上に大量の土砂が降ってきたのだ。 同時に地上でも異変が起こった。 発電所近くの山から怪光線が放たれ、何者の姿も見えないのに、 発電所が破壊されたのである。 奇怪な鳴き声が山々に響き、設備と建物は大きく損壊し、 後にはただ大きな足跡だけが残っていた。 地上に残された警備員は腰を抜かし、 なすすべなく目の前に起こる怪現象を見つめるしかなかった。 井戸奥の洞窟でホシノ少年を発見したフジ隊員。 顔を泥だらけにしながらも、二人はなんとか無事だったようだ。 だが今の地震で来た道は塞がれ戻ることは出来ない。 思案に暮れるフジ隊員だったが、 さっきの警備員の、海に通じている、という言葉を思い出した。 ![]() 早速水脈を探すフジ隊員。 やがて水の流れる音を聞き、洞窟内に流れる川をを発見した二人 「お姉ちゃん、これ、海水だよ」 ホシノ少年の言葉でフジ隊員は覚悟を決めた。 「ホシノ君、泳げる?」 そう聞くが早いか二人は水中に身を沈めた。 ![]() 所変わって科特隊本部では、 先ほど起こった不可解な大揺れに関しての資料を集めていた。 「じゃあ、突然の山崩れで水力発電所が破壊されたって訳ですか。 しかしおかしいなぁ、関東地方には地震もなかったし」 不審な現象に首をひねるアラシ隊員。 ムラマツキャップは、 「怪獣を見たという報告もある」 とだけ付け加えた。 「怪獣?待ってくださいキャップ」 キャップの情報に今度はハヤタ隊員が反応した。 「実はホシノ君が城の古井戸から妙な音が出ると言う噂を調べに行ったんで 念のためにフジ君を同行させたんですが」 「ウーン、フジ君が着いて行ってるんだね」 「ですが、発電所と城があまりに近いので心配なんです」 そのフジ隊員と連絡を取ろうとしていたイデ隊員が心配そうに駆け寄ってきた。 「キャップ、フジ君なんですが、いくら呼び出しても応答ありません」 「なに?」 「まさか、山崩れに巻き込まれたんでは」 さすがのアラシ隊員も心配顔だ。 「よし、行ってみよう」 ついにムラマツキャップの出動命令が発動され、科特隊は現場に急行した。 ![]() 「それで、あなたが見たという怪物はどこへ消えたんですか?」 現場に到着したムラマツキャップとハヤタ隊員は発電所職員に質問をしてみるが 一向に的を得ない答えが返ってくるばかりである。 「はぁ、こう、ふわっと消えてくような、発電所は前から狙われてたんですよ」 「というと?」 「時々異常に出力が落ちることがあるんです。この怪物が電気を吸っていたんですよ」 にわかに信じがたい発電所職員の受け答えに、 さすがのムラマツキャップも腕組みで考え込むしかなかった。 ![]() ちょうどその時、車でフジ隊員とホシノ少年の安否を確認しに行ったアラシ隊員が戻ってきた。 「キャップ!フジ君とホシノ君は無事でした。 この先の海岸に泳ぎ着いたところを助けられたそうです」 「海岸だって?」 ムラマツキャップは益々持って不思議顔になる。 「ええ。車は城の近くにありました」 「どういうことなんだ、そりゃあ?」 ハヤタ隊員も詳しく知りたがるが、アラシ隊員に知る由はない。 とにかく、救出されたフジ隊員とホシノ少年に事情を聞くため ムラマツキャップと隊員たちは二人が収容された病院へと向かうことにした。 ![]() 「すると君もその声を聞いたんだね」 ムラマツキャップの質問に 「ええ、確かに」 フジ隊員ははっきりと答える。意識はしっかりしているようだ。 あんな局面を経験しても少しも動揺が見られない。さすがは科特隊員だ。 ![]() 「姿は見なかったのかい」 今度はハヤタ隊員が質問するが、フジ隊員は 「ええ」 と答え申し訳なさそうな顔をする 「姿なき怪物かぁ、こりゃあお手上げですね」 アラシ隊員の言葉が全てを表していた。 事情聴取してみたものの、ますます謎が深まるばかり。 フジ隊員もまだ申し訳なさがあるのか、神妙な顔つきで それでも懸命にハヤタたちの質問に答えようと記憶をたどっていた。 その時だった。室内の明かりがいきなり消滅した。 「あ、停電だ」 百戦錬磨の科特隊に緊張が走った。 同時に、本部の留守を守るイデ隊員から通信が入る。 「キャップ、イワ送電所から送電事故が起こっております」 「了解」 ムラマツキャップは通信を受け取ると、その明晰な頭脳ですぐに分析に入った。 「イワ送電所というとここから近いな」 「さっきは発電所で今度は送電所ですか。どっちも電気に関係有だな」 ハヤタ隊員も、この事件は電気に関係有り、ということをうすうす理解してきたようである。 「よし、君たちは送電所へ飛んでくれ。僕はもう一度水力発電所にいってみる」 迅速な判断で命令を下すムラマツキャップ。 ハヤタ、アラシ両隊員は現場に急行した。 「何が起こったんですか」 早速現場職員に事情を尋ねるハヤタとアラシだったが 「わかりません。とにかく電圧が急激に下がってほとんどゼロになってしまったんです」 先ほどの発電所職員と同じに、ここの職員にも原因はわからないようだった。 「故障じゃないのか」 「いえ、全部調べたんですが故障箇所がないんです」 職員も困り果てた様子でハヤタ隊員を見る。 しかし今度は、その謎を解く事象が目の前に現れた。 大きな破壊音と共に、発電所を荒らしたと思われる怪獣が、 ハヤタとアラシの目の前に姿を現したのだ。 犯人とおぼしき怪獣は、どうやら電気の関係で体を透明にし、 人の目に映らなくすることが出来る能力を備えているらしい。 これで科特隊には全てが理解できた。 ![]() 「これが透明怪獣か、ようし!」 いつものように勇猛果敢に怪物に挑むアラシ隊員。 「あ、アラシ、待て!」 ハヤタの制止も聞かず、怪物めがけて突っ走っていく。 アラシ隊員はスーパーガンで怪物を撃退しようと試みる。 だが怪物は2本の角を接触させ、そこから強力なエネルギー波を発射。 アラシ隊員はこれを直撃し、倒れこむ。 ![]() 「アラシ、大丈夫か」 あわててアラシ救出に向かうハヤタ。 そんな二人には見向きもせず、怪獣はゆっくりと触覚をケーブルに当て、 思いのままに電気を吸い始めたのだ。 「ちくしょう。電気を吸うと姿を現す。全く恐ろしいヤツだ」 にらむハヤタには目もくれず、思う存分電気を吸い終わった怪物は、 やがて後ろの山に溶け込むかのように、ゆっくりと姿を消していった。 (第3話後編に続く) |