EPISODE GUIDE
ULTRA WOLD
第3話後編
by しぃさぁ

本部に戻った科特隊は早速怪獣対策を協議していた。
「キャップ、イワ市郊外には第3火力発電所がありますね。」
「じゃあヤツが本当に電気を食う怪物だとすると、今度はそこを襲うわけだ」
「うん、私もそう考えていたんだが、ハヤタ君、第3火力発電所のデータを頼む」
次に怪獣が狙う位置を特定し、そこを重点的に守ろうというのである。



「うん!そうだ!いっそのことですね、エー、
 一時的に関東地方全部の発電を止めたらどうでしょう」
突拍子もない発言をするイデ隊員。すかさずアラシ隊員がたしなめる。
「乱暴なことを言うなよイデ。電気が止まったらどうなると思う?
 電信電話も不通になる新幹線も動かなくなる、それにまだあるぞ、
 ガス、水道、新聞、病院!」
「そうか、電気が止まったら仕事が出来ませんね」
「社会の機能は完全にマヒしちまうんだよ」
アラシ隊員のお説教にすっかりしょげるイデ隊員であった。

そんな会話をよそに、ハヤタ隊員は火力発電所のデータ報告をする。
「第3火力発電所の出力は一日2千万キロアットアワー。
 東京より関東地方の約60%を供給しています」
「うん。第3火力発電所の火は、何が何でも止められないんだ」
ムラマツキャップも必死の形相だ。

ちょうどその時、退院したフジ隊員とホシノ少年が帰ってきた。
「おっ!ホシノ君。大丈夫かい?」
いち早く気づいたアラシ隊員はホシノ少年の体を気遣う。
「ウン・・・」
ホシノ少年はさえない表情で生返事。
しかし、アラシ隊員の横に無造作に置いてあったスパイダーに目がいくと、
すかさずそばにかけよりそれをを抱きかかえ
「アラシさん、これ貸してよ」
とせがんでみせた。

「おお、これはあぶないよ」
あわてて取り返そうとするアラシ隊員。だがホシノ少年はあきらめない。
「ネロンガに復讐してやるんだ」
「ネロンガ?なんだいそれ」
「あの海にはね、昔、ネロンガっていう怪物が住んでたんだって。
 それをムライジンエモンていう侍が退治したっていうけどまだ生きてたんだ。
 だって僕、こんな大きな目玉見たんだもん」
ホシノ少年は興味深い話をし始めた。

「ほお、発電所荒らしをやってる怪物がそいつだっていうのかね」
アラシ隊員も聞き耳を立てる。

 「ですからねホシノ博士、
 何百年もの間、じぃっとしてたヤツがなんだって急に暴れだしたりするんです?」
イデ隊員は否定的だが、ムラマツキャップも
「だが水力発電所で電圧が異常に下がる現象は、
 2年前に地下ケーブルを作ってから始まったんだ。」
と、ホシノ少年の話の具体性を述べた。

「ネロンガのヤツ、何かのきっかけで、
 電気をエネルギーに変える事を覚えたってわけだ。
 あまり電気を食いすぎて巨大になりすぎ、井戸の中じゃ狭くなったんで外へ飛び出した。
 なるほど、ホシノ君の報告もまんざらデタラメじゃなさそうだね」
ホシノ少年の話に筋を見つけたアラシ隊員も納得顔だ。

「よし、第3火力発電主付近の住民には非難命令を出してもらう
 それからイデ君、防衛隊にも連絡して発電所の周囲を固めるんだ」
ムラマツキャップの指示で、科特隊はビートルで第3火力発電所へ向かった。

現場に着いた科特隊と防衛隊はすでに攻撃準備を終え、ネロンガを待ち受けていた。
「感度あり!距離約1500」
ハヤタの震度計が反応した。姿こそ見えないが間違いない。
ネロンガ襲来だ。

「よし、先手を打って攻撃開始だ。正確な位置を頼む」
科特隊と防衛隊に緊張が走る。

透明になっているネロンガの位置を特定し、防衛隊は一気に砲撃を開始した。
一瞬静まりかえる発電所。だがネロンガにはこの程度の攻撃では通用しなかった。

発電所からは職員たちが次々と退避してくる。
「最後のギリギリまでがんばりました。もうダメです。
 発電のコントロールがメチャメチャになりました」
「いや、よくやってくださいました。こうなっては仕方ありません。」
悔しがる職員にねぎらいの言葉をかけ、非難を促すムラマツキャップ。

その間にもネロンガは我が物顔で暴れ回り、発電所を木っ端微塵に破壊していった。
「あ、ホシノ君だわ」
フジ隊員が叫んだ。その視線の先にはなんと、ネロンガめがけてスパイダーを放つ
ホシノ少年の姿があったのだ。

どうやら彼はネロンガに復讐するため、こっそりビートルに乗り込んでいたようだ。
「ええい、これでもかネロンガめ」
ネロンガめがけて必死でスパイダーを放つホシノ少年。
ところがこれが功を奏し、ネロンガの左目を破壊したのだ。



手負いとなったネロンガの怒りは収まらなかった。
触覚からあの強力光線を放ち、あたり一面を破壊しまくる。

その衝撃がホシノ少年に飛び火した。あたり一面を破壊した衝撃で、
彼の小さな体は簡単に飛ばされ、その場に倒れ意識を失った。



「ホシノ君!」
救出に来たハヤタ隊員とアラシ隊員に抱えられ、助け出されたホシノ少年。
「おーい!大丈夫か!ホシノ君!!」
「しっかりしろホシノ君!」
口々に叫ぶハヤタとアラシ。
だがホシノ少年はうわごとで、もっとも信頼している人の名を呼んだのだ。
「ウルトラマン、ネロンガをやっつけてくれよ」

そのうわごとをハヤタははっきりと聞いた。
そして、ハヤタの目に、確かな決断の色が浮かんだ。

ハヤタはホシノ少年をアラシ隊員に預けると、自らはネロンガに向かって走り出したのだった。
ハヤタはネロンガの前で足を止め、ベータカプセルを天に向かって高々と突き上げた。



「あ、ウルトラマンだ!」
意識を取り戻したホシノ少年は大喜びだ。
「ホシノ君、ウルトラマンが来てくれたのよ」
「君が呼んだから着てくれたんだよね、がんばってくれよ」
フジ隊員とイデ隊員がホシノ少年に話しかける。



ウルトラマンは仁王立ちでネロンガをにらみつけた。
ネロンガは怒りの強力熱線を放つが、ウルトラマンは微動だにしない。
胸を叩いて自らの強さを誇示してみせる。



怒りのネロンガはウルトラマンに向かって突進した。
体格に勝るネロンガ。力に任せてウルトラマンに責めかかる。
と同時にウルトラマンのカラータイマーが赤く点滅した。
まずい!時間がない!



ウルトラマンも必死にネロンガに組み付いていく。激しい肉弾戦だ。
一進一退の攻防が続く。がんばれ、ウルトラマン!

しかし我々の心配をよそに、
体格に劣るものの頭脳では大きく勝るウルトラマンは、ネロンガとの死闘を優位に戦っていく。

やがて、ウルトラマンには敵わないと知ったか、ネロンガは再び地底に逃げようとし始めた。
逃がしてなるものか!
ウルトラマンは逃げるネロンガを掴み、大きく持ち上げ、地上にたたきつけた。



さすがのネロンガもこれにはグロッキーだった。大音響と共にのた打ち回るネロンガ。
そして、とどめはスペシウム光線だ!
見事命中!ネロンガは大爆発を起こして四散した。



「バンザーイ!ウルトラマンさようなら!」
全てを終え、空に帰るウルトラマン。
その勇士をホシノ少年はいつまでも見送っていた。

事件を解決し、笑顔で集まる科特隊。
ハヤタ隊員が陽炎の中、一人歩いてくる。
しかし・・・そんなハヤタ隊員に疑問を持つ隊員が一人。
「おかしいなぁ、あいつ・・・」
イデ隊員は不思議顔でハヤタ隊員を見つめていたのだった。



「きれいな夕焼けだわ」
「まるで、あんなことがあったなんて信じられないな」
ビートルから夕日を見つめる隊員たち。幸せを実感する瞬間だった。

「それじゃあ、帰ろうか。」
ムラマツキャップ自らの操縦で基地へと飛び立つジェットビートル。
今日もまた、ウルトラマンと科特隊の活躍で地球の平和が守られたのだった。

あとがき
今回は透明怪獣ネロンガが大活躍でした。
電気を吸って大暴れする、なんとも厄介なヤツでした。
しかし我らがウルトラマンはそれほど苦戦することなくやっつけてくれたので、
物語としては、文章を書くに当たって・・・苦労しました(ToT)

今回面白いなと思った場面は、後編の、アラシ隊員がイデ隊員に
「電気」の重要さを説いているところです。

ただの子供番組というなかれ、こんなちょっとしたところにも、
大げさに言えば社会のしくみが描かれているんですね。

なかなか奥が深いウルトラマンです。

さて次回は第4話です。
今度はこいつが活躍してくれます。
次回もお付き合いのほど、よろしくお願いします。