EPISODE GUIDE
ULTRA WORLD
第22話後編
by しぃさぁ

マルス133を握り締め、テレビセンターを巡回するイデ隊員。
自身の発明の中でも一番の自信作、マルス133。
青く光るその銃身が、イデ隊員に勇気を与えた。



倉庫のドアを開けた。中は証明が消え、暗闇だ。
しかしイデ隊員はそこに確かに人の気配を感じた。
アンヌ隊員だ!
そこにはなんとアンヌ隊員がしゃがみこみ、何かに細工をしているではないか。
「アンヌ隊員!何をしている!
 ハヤタはどうした!!」
イデ隊員はアンヌ隊員に組み付いた。

もみ合う二人。アンヌ隊員のサングラスが飛んだ。
「うっ!?」
イデ隊員が息を飲み込んだ。
サングラスをなくしたアンヌ隊員・・・
目がない・・!?
アンヌ隊員の両の目がないのだ!



しばしの沈黙、動かない両者。
先に動いたのはアンヌ。サングラスを拾い上げ、イデ隊員の前から逃走を図る。
マルス133片手にアンヌを追うイデ隊員。

するとアンヌは立ち止まり、胸に手を当てた。
青白い発光が起こり、建物が大きく揺れ、
イデ隊員は立つ事も叶わずその場に倒れこんだ。

同時に屋外では、地中から茶褐色の体をした怪獣が、
恐ろしい鳴き声と共にそのおぞましい姿を地上に現したのだった。



ひとまず屋外に脱出したイデ隊員は本部に急報を飛ばした。
「こちらイデ、こちらイデ!怪獣が現れました!
 女はアンヌではありません!」
そう、イデ隊員の推測どおり、この女はアンヌ隊員ではなかった。
では、一体彼女は誰なのだ?

闇を切り裂きビートルが援護に駆けつけた。
ムラマツキャップ自らが操縦桿を握り、アラシ隊員を伴って出動だ。
怪獣は所狭しとあたりの建物を破壊しまくっている。



先手を取ったビートルのロケット弾が怪獣に着弾。
怪獣もビートルの存在を知り、高熱火炎を口から吐き応戦する。
「ナパーム弾投下!」
「投下!」
ムラマツキャップの的確な指示で波状攻撃を見せるビートル。



怪獣の頭に降り注ぐ無数のナパーム弾。
効き目ありか?
だが怪獣は、痛がってはいるものの大してダメージは受けていない。
「キャップ、ナパームが尽きます」
アラシ隊員がわめくように報告する。

「すごいヤツだ」
呆然とするムラマツキャップ。その心に一瞬、隙が出来た。
怪獣はその隙を見逃さなかった。
「アッ、キャップ、危ない!」
フジ隊員が叫び、我に返るムラマツキャップ。
怪獣がビートルめがけて高熱火炎を噴射した。



かろうじてよけるビートル。
だが空中でバランスを崩し、航行困難に陥る。
「アラシ、垂直降下に移れ!水平に戻すんだ!」
バランスを崩したビートルを立て直すにはそれしかなかった。

空中からの攻撃を捨て、地上戦を挑む。
ムラマツキャップは決断した。
何とか着陸に成功したビートル。

地上に降り立ったムラマツキャップは、援護を待っていたイデ隊員と合流した。
「キャップ、このままではトウキョウは全滅です!」
あまりにも凶暴な怪獣。
イデ隊員の報告を受け、ムラマツキャップは総攻撃の指令を出した。
「よし、行くぞ!」
科特隊は再び怪獣めがけて走り出した。

相変わらず暴れ狂う怪獣。
その足元には、あのアンヌが。
アンヌは暴れる怪獣を見るとニヤリと笑い、
「行け、テレスドン」
怪獣=テレスドンに向かい指令を発した。
このテレスドンはアンヌがあやつっていたのだ。

そしてテレスドンに命令を下したアンヌ自身は
暴れるテレスドンをそのままに、車に乗り込みある建物に姿を消した。

アンヌが消えた建物の、ある一室では・・・
「ここはどこだ」
一人の男が呟き声を上げた。



ハヤタ隊員だ。
ハヤタ隊員が部屋の中、ベッドに縛り付けられ監禁されている。
その回りには数名の人間と思しき影が・・・
意識朦朧としているハヤタ隊員の耳に女の声が響いた。
「気がついた?ハヤタ。
 今頃地上の世界はメチャメチャになっているでしょう」



「何?地上の世界?」
両手両足を縛られ、自由のきかないハヤタ隊員。
そのハヤタ隊員を取り巻く人影は不適に笑う。
「ここは?君はアンヌ隊員!」

先ほどの声の主は、あのアンヌだった。
ハヤタ隊員はこの時初めて全てを悟った。
パリ本部から派遣されたアンヌ隊員は偽者だったこと。
自分は騙され、眠らされて監禁されていることに。



「ここは地下4万メートルの場所。
 我々地底人がいよいよ、地球全体を征服する日が来たのよ」
「地底?じゃ、君は」
ハヤタ隊員が問うが周りの者から答えはない。
アンヌ隊員はそっとサングラスをはずした。
周りの人影も、みな、同様に・・・

目が、ない!?
みな、目がないのだ!
いったいどういうことなのだ!?
彼らは人間ではないのか。



一人の男が前に進み出た。どうやら彼がこのメンバーのリーダーのようだ。
「ご苦労アンヌ。
 聞けハヤタ。
 我々は氷河期以前地殻変動で地下にもぐって以来、
 晴れて太陽の光を、浴びることの出来る日を待っていた」
地底人!彼らは地底人だったのだ。
目がないのは、彼らが長く闇に潜み、退化したものと思われた。

地底人たちはなぜかその企みをハヤタ隊員に話して聞かせた。
今だにはっきりとしない意識の中で、
それでもハヤタ隊員は地底人たちに臆することなく言葉を返した。



「それじゃあ、なぜ地上を破壊する必要があるんだ」
「我々は地上へ出て、人間を奴隷にしてやる。
 それに君、人間は気付いちゃいないが、我々は、
 ウルトラマンは君の変身だと言う事を知っているんだ」
そこまで言うと地底人たちはみな高笑いをし、ひとつのマスクをハヤタ隊員の顔にかぶせた。

「これは仮眠マスクという。
 君の意思は消えていく。
 君の意思が消えちまえば、我々は君を自由に操れる。
 君は我々の操り人形だ。君は完全に催眠状態になった時、
 我々の思うままに、君をウルトラマンにしてやるんだ」

両手足を縛られ自由が利かない。
マスクはハヤタ隊員の顔に簡単にかぶせられ、彼の意識が薄れていく。
もはや抵抗は出来ない。
「太陽の陽の光を、この身いっぱいに受ける日が、もうすぐ来るのよ」
催眠術で人を勝手にせるように、地底人はハヤタをウルトラマンに変身させ、
ウルトラマンを自由に操ろうとしていた。
ウルトラマンも怪獣と共に、地上破壊の先兵になってしまうのか。

「さあ、ウルトラマンになれ!ウルトラマンになって世界を破壊するんだ!」
「さあ、早くハヤタ。私たちが地上に立つために」
地底人たちが口々に叫ぶ。
もはや意識をなくしたハヤタ隊員は催眠状態。
彼らの言うことに従順に従う僕と化していた。



「よし、さあ、フラッシュビームを焚くんだ!」
地底人の言うとおり、ハヤタ隊員はその意思と関係なく、
フラッシュビームを胸ポケットから取り出し、高々と掲げてしまった。
万事休す・・・

しかし・・
「ああっ!光が!ひかりが!!」
突然地底人たちが苦しみ顔を覆った。
ハヤタ隊員がウルトラマンに変身する時、フラッシュビームから放たれる多量の光源が、
強い光に慣れていない地底人たちの体を焼いたのだ!



地底人たちのもくろみもここまでだった。
ウルトラマンは光の子である。宇宙の彼方、M78星雲からの正義の使者ウルトラマンは、
たとえハヤタが意識を失っていようと、光の国のスーパーマンだったのである。



光、という膨大なエネルギーをいきなり体に受けた地底人たち。
周到な策を練り、ここまで完璧に遂行してきた地底人たちの唯一の誤算だったのだ。
策を労し策におぼれた地底人はここに全滅した
これで残るはテレスドンのみ。
ウルトラマンはテレスドンの元に急行した。

地上で我が物顔に暴れるテレスドン。
その目の前に今、ウルトラマンが勇姿を見せたのだ。
青いカラータイマーが闇夜にくっきりと浮かぶ。



いきなり目の前に現れたウルトラマンに敵意満々のテレスドンは、
組み付き潰そうとするが、ウルトラマンに巴投げを喰らい簡単に投げられてしまう。

怒り狂うテレスドン。
再びウルトラマンに組み付き、今度は確実に浴びせ倒した。



この怪獣、力はある。
先ほどの科特隊のナパーム攻撃にびくともしないことで分かるとおり、体も強靭である。
力勝負でこのまま押さえ込まれればウルトラマンが不利だ。

しかし技と頭脳ではるかに勝るウルトラマンは、
のしかかってくるテレスドンを両足で蹴り上げ、いとも簡単に振り払うと、
三度突っ込んでくるテレスドンを今度は軽くいなして首投げを見舞い、
一気に体力を弱らせた。

こうなればもうウルトラマンの一方的な戦いだ。
背中を見せたテレスドンの尻尾を掴んでたたきつけ、更に弱らせると、
そこからウルトラ一本背負いをお見舞いする。



自らの体重があだとなり、完全にグロッキー状態のテレスドン。
ウルトラマンがテレスドンの懐に飛び込んだ。
そしてとどめのウルトラ一本背負い。
闇夜の勝負はそこまでだった。

本部のドアが開き、一人の男が入ってきた。
「おい!」
「おい!ハヤタ!」
「お前無事だったのか!」
そう、ハヤタ隊員が帰還したのだ。

「このやろう心配かけやがって!」
抱きつき喜ぶアラシ隊員に笑顔で答えるハヤタ隊員は、
「みんなに珍しい人を紹介しよう」
そう言って一人の女性を招きいれた。

「おお!これは!」
その女性の顔を見るなり科特隊メンバーは顔を引きつらせた。



それもそのはず、その女性とは、アンヌ隊員だったのだ。
言葉を失うメンバーの後ろでひとりニヤつくハヤタ隊員。
アンヌ隊員はサングラスをはずした。



だが大丈夫。今度はちゃんと、きれいな青い目があった。
アンヌ隊員は笑顔でみんなの顔を見た。
「私は、パリから来る途中で、地底人に誘拐されたのです。
 私に、生き写しの 地底の女がすりかわりました。でも・・・」
「アンヌさんは、地底に閉じ込められていたのをウルトラマンに助けてもらったんだって。
 オレはニセのアンヌさんのおかげで、だらしなくのびちゃったけどね」

ハヤタ隊員とアンヌ隊員を取り囲み、笑いの輪ができた。
かくして、地底人の恐怖は去った。
改めてハヤタは、本物のアンヌ隊員と共にパリへ発ったのである。

今回のお話はテレスドンが活躍してくれました。
闇夜に地底から現れるという不気味な設定で、
しかも強いんだか弱いんだかよくわからない怪獣でした(笑)

これを操っていたのは地底人。
この地底人というのはウルトラマンシリーズで結構出てくるんですね。

ウルトラセブンに出てくるノンマルトや、
このウルトラワールドでも第12話で取り上げました、
ミイラ&ドドンゴなどは有名ですが、
どのお話も魅力ある内容が多いようです。

更には、地底人=先住民族、というのが定説になっているようで、
言ってみれば「住家を争う戦い」ということになるのでしょうか(笑)

今回では、地底人がハヤタ隊員を取り囲むところ、
子供のころの記憶があり、とても不気味に思ったことを覚えています。

みなさんは覚えていましたか?

さて次回は本当に悲しいお話です。
科学の犠牲になった一人の男が今・・・
こんなのが大暴れしてくれます。



今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回もぜひお付き合いください。

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