はじめに
ヒグマは世界中のクマの中の王者で、北半球のアラスカ、東欧、コーカサス地方、ロシア全域などに分布しており、日本では北海道にしか生息していない。クマの系統には6種類あり、ヒグマはその中の1つで、さらに100種類以上の亜種がある。クマの系統は以下のように分類できる。
| 1. ヒグマ (学名 Ursus Arctos) (1) ヒグマ、アカグマ (2) ハイイログマ (3) アメリカヒグマ (4) アメリカクログマ 2. クログマ、ヒマラヤグマ 3. マレーグマ 4. ナマケグマ 5. メガネグマ 6. ホッキョクグマ、シロクマ |
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日本においてヒグマは現在北海道にしか生息しないが、本州や四国、九州の採石場や湖底などからはヒグマのものと思われる化石が発見されており、大昔は全国に生息していたと考えられる。これには北海道がアジア大陸と陸続きだった時代に、サハリンから北海道を経て本州に移動したという南下説がある。また、北海道にある5つの離島のうち、利尻島、礼文島には生息していたという記録があるが、天売島、焼尻島、奥尻島にはその記録はなく、ヒグマが生息していたかどうかは不明である。
古来ヒグマは北海道の全域に住んでいたが、明治以降の開拓によって、現在ヒグマはその住み場を追われ、山岳地帯の森林部へ押し込められた状態にある。北海道の森林総面積は全体の約7割で、そのうちのさらに7割がヒグマの生息地域及び行動範囲であると考えられている。すなわち、わずか150年の間にヒグマの生息地域は約半分に狭められているといえる。
現在の北海道のヒグマの生息頭数は約2000から2500といわれている。これは調査方法などによってばらつきはあるが、ほぼ信頼できる数字とみて差し支えない。また、北海道内でもヒグマの出没の多い地域と少ない地域があり、その生息分布には偏りがある。
一般の人にとってヒグマと出会う機会は普通の生活をしている限りはほぼ皆無である。頻繁に山歩きをする人でも、熊のフンや足跡を目撃することはよくあっても、実際ヒグマと遭遇することはめったにない。このことはヒグマがこちらの人間を警戒して避けているということを示している。たまにヒグマと会ってみたいという人がいるが、ほとんどのヒグマは人間を警戒している限り、会うのは非常に困難であるし、そんな状況の中で会うというのは危険である。見たいという人はクマ牧場などで見るのが最もよいのではないかと思う。