インスタントラーメン怪しい伝説

 

怪しい伝説1
非公開なカインズPB「ソース焼きそば」のOEM供給元を推測する

 既にデータベースの方にも書いてありますが、個人的には「大黒食品工業梶vだと推測しています。その根拠ですが、「カップ焼きそばを研究する」から、

・お湯目安は、使用している容器に関係するので、同じメーカーでは、同じ量になる。違っても、差は少ない。
→お湯目安 520ml 大黒食品工業の他製品も、520ml。

・麺の材料、成分表示の数字には、各メーカーで傾向がある。
→麺の材料にラードが含まれておらず、麺1gあたりのカロリーが低い。
→食塩相当量が、平均よりかも、かなり少ない。

 この条件に完全に合致するのが「大黒食品工業」、次点は「明星食品」と「ヤマダイ」です。

 「ヤマダイ」ですと、お湯目安がは540mlと少し多くなります。麺については現行の同社製品とは違いますが、一種類しかないとも思えませんから保留としますが、傾向としてラードが含まれますから、その点では候補としては弱くなります。
 また、食塩相当量についても低い製品もありますが、候補として推すには弱さがあります。

 「明星食品」も似た感じで、お湯目安は540mlか550mlですから、数値としては近いと言えます。脂質や食塩相当量の数字は、近い製品もあるのですが、決め手に欠ける感じがします。
 多くのPB商品を手掛けているだけに、その実績からしても本命っぽくはありますが、これと言う決め手を欠く気がします。

 「サンヨー食品」は、お湯目安の数値は近いのですが(510ml)、食塩相当量がもう少し高くなります。「東洋水産」は、お湯目安、麺の材料からして、完全に除外。「日清食品」もお湯目安は近いですが(510ml)、食塩相当量やカロリーなどから、候補の順位は下の方と考えられます。「麺のスナオシ」は、容器の印刷やシュリンクなどから、これも除外して良いと思います。
 もし、ダークホースになるとしたら、「エースコック」です。現行の商品に標準的なカップ焼きそばがないので、数値として比較し難いと言うのがあります。ただ、食塩相当量が、もしエースコックが作ったらと概算してみますと、もう少し高いと思われるので、あくまでダークホースです。

 カップ焼きそばの空き容器を捨てる時に、嵩張らないように重ねようとすると、一見すると同じ四角形に見えて各社で微妙な違いがあり、重ねられなかった、と言う経験がありませんか? ストックしてあるカップ焼きそばを、縦に積んでみますと、やはり各社の容器で、微妙な違いがある事に気付きます。

 もちろん、たまたま同じ容器だった、と言うのも考えられます。容器は自前で製造しているメーカーもありますから、そう言う所でしたら他社と違っていて当り前ですが、中小も含めまして全メーカーが自社調達している訳でもないでしょうから、偶然の一致という可能性も、また完全には捨てきれません。
 しかし、右の写真にありますように、大きさは、完全に一致しています。

 容器の大きさ以外にも、前述のように麺の材料、食塩相当量の少なさなど、「大黒食品工業」の特徴が、色濃く窺えます。

 これが2時間サスペスでしたら、血気盛んな若手刑事が「ヤツを、任意で引っ張りましょう! 必ず、落としてみせます!!」、と意見すると、「状況証拠だけで、物証が何もない」、と十津川警部の台詞が出そうです。
 確かに、麺の原材料や成分表示、容器のサイズ、お湯目安にしましても、すべて状況証拠だけで、後は推理です。メーカー側の証言も、物証もありません。

 研究の副産物ではありますが、上記の検証から、カインズPB「ソース焼きそば」のOEM供給は、大黒食品工業だと推理しますが、どう思いますか?

 

 

 

怪しい伝説2
賞味期限が切れたカップ麺は?

 先ず、左の写真は「ペ○ング・ソースやきそば」ですが、これは賞味期限を越える事、約半年。

 写真を見て頂ければ分かると思いますが、具であるキャベツが変色しています。これだけで、かなり危険な香が漂ってきます。

 それでも麺の見た目は、普通っぽい感じなので、大丈夫そうにも思えますが…。

 とりあえず、お湯を入れて3分後、湯切りして、ソースを混ぜて、完成。

 実食!

 食べる時にはソース色に染まるので、キャベツの変色は、まぁ、気にならない範囲です。やや麺の戻りが悪い気もしましたが、味の方は、概ね普通と評するに足る範囲でした。
 一抹の不安は残りましたが、少なくても腹を壊すとか、体調不良を引き起こす事はありませんでした。

 次に、某メーカーとしておきますが、縦型容器の「きつねうどん」。こちらも賞味期限を越える事、約半年。

 蓋を空けますと、見た目からして、かなり危なかったです…。スープが、別に小袋で添付されているタイプではなく、麺と一緒になっていて、お湯を注ぐだけのタイプなのですが、粉末状のスープの素は溶けた飴のようになっており、麺にこびり付いています。

 そして容器の内側も、一部、不可思議な黒色に変色しました。おそらく濃縮された粉末スープが原因だと思います。流石に、こちらはメーカーに対する嫌がらせと取られそうなので、写真の掲載は自粛します。

 「ペヤ○グ・ソースやきそば」がいけるのなら、「きつねうどん」も大丈夫だろう!? と、根拠の無い自信と共に、お湯を注ぎ、指定された3分間待ちました。

 実食!!

 もう、香りからして、変です。  例えるなら、極端に濃くとった昆布ダシに近い異臭が漂い、味は、「味の素」を入れ過ぎたような感じで、化学調味料が全開。醤油の味は…? と、いった感じです。おそらく保存期間の間に粉末スープが分離、醤油分は容器の内側や麺へと染み込み、旨味成分だけが残ったと思われます。

 麺も、やはり戻りが悪く、妙な硬さが残るうえに、スープに侵されたのか、ところどころ変色しています。どうも賞味期間が過ぎた油揚げ麺は、戻りが悪いようです。

 何とか胃袋に押込もうと、懸命に努力しましたが、1/3程度が限界でした…。ホント、マジに、気持ち悪くなりました…。特にスープのケミカルさは、半端ではありません。

 唯一、まともだったのは、具として入っていた、油あげです。

 身を以って実験した結果、スープが別途添付されているタイプの方が、長持ちする。しかし、カップ麺の賞味期限は、守った方が良い。というのが、結論です。

 余談ですが、インスタント食品は、食品としての劣化が遅いので(長期保存を前提としているので当り前ですが)、表示されるのは賞味期限です。

 賞味期限とは、その食品がベストな状態で食べられる状態の期間で、それを過ぎても品質的には落ちるけど、食べられない訳では、ない。と言う意味です。

 一方、消費期限は、劣化の早い食品に対して使われる目安で、これを過ぎたら食品衛生上の安全は保障できませんよ、と言う意味の期間になります。

 勿論、両方とも指定された方法で保管されているのが、絶対条件です。ですから、賞味期限が過ぎても、多少は味が落ちるけど食べるのには差支えがないグレーゾーンな期間があり、その後に食べられなくなる、と言う訳です。

 同じ長期保存が可能なレトルト食品、その代表格とも言うべき「ボンカレー」ですが、かつてCMでも「ボンカレーは2年間、美味しく食べられます」と言っていました。

 賞味期限(=美味しく食べられる)のは2年間ですが、大塚食品によりますと、本当は4年間は大丈夫なそうです。ただ、4年間の半分の2年間だったら、絶対に大丈夫だろうと言う事で、2年間に設定しているそうです。

 この大丈夫の意味が、美味しさの意味でなのか(賞味期限)、単に食べられると言う安全性だけの意味なのかは、分かりません。後者で採ったとしても、賞味期限が2年間あった後に、グレーゾーンが2年間あり、合計4年間は食べても安全だと考えられます。

 今回、取り上げた2品ですが、「ペ〇ング・ソースやきそば」は、ぎりぎりでグレーゾーン。某社製縦型容器の「きつねふどん」は、アウトだったと思われます。偶々、手元にあった賞味期限が切れたカップ麺が、焼きそばとうどん、スープ(ソース)が別なタイプと、一緒のタイプでしたが、ノンフライ麺、或いは「チキンラーメン」のようにスープが麺に完全についているタイプ、こう言った製品の賞味期限が切れると、どうなるのか?

 ちょっと興味があります。

 

  

 

怪しい伝説3
「日清 どん兵衛」の共通性は?

 「どん兵衛」(日清食品)と言えば、「赤いきつね」(東洋水産)と人気を二分するブランドで、往年のマンガの台詞を借りるのであれば、「ヤンキースとドジャースみたいなもんで、どちらかが倒れるまで、プレーオフは来ない」と言った感じです。余談ですが、このマンガが描かれた時点で、既にドジャースは、ブルックリンからロスアンゼルスに本拠地を移転していたので、台詞のセンスは良いですが、意味は分り難いと思います。 

 一方で、単にカップうどんと言うだけではなく、「どん兵衛」は、日清食品のうどんを代表するブランド名であり、袋麺、冷食なども出ています。
 何しろ、日清食品のHPにおいて、ブランド順では、「カップヌードル」の次に、「どん兵衛」が載っております。

 そうは言いましても、カップタイプが数の上でも圧倒的で、主流なのは間違いないですが、フォームが違う製品間に、ある程度の共通性は、あるのか? 

 

 と言う訳で、今回は「どん兵衛 きつねうどん 液体つゆ仕上げ」と「どん兵衛 生うどん食感 鰹だしつゆ付 5食パック [東]」を比べてみました。

 先ず、カップタイプは従来の油揚げ麺ですが、袋タイプはノンフライ麺で、同じインスタントのカテゴリーであっても、既にフォーマットからして違っています。
 また調理方法も、カップタイプはお湯を注いで5分、袋タイプは鍋で5分間煮ると、その違いもあります。

 今回は、フォーマットが違っていても、「どん兵衛」の名前を冠する以上は、何か共通した要素があるのでは? それが検証テーマですから、上記の違いはあまり問題ではありません。

 それぞれメーカーが指定した方法で調理してみました。

 

 

 先ず、麺ですが、カップタイプは慣れ親しんだ「どん兵衛」らしい麺ですが、袋タイプのノンフライ麺は、幅はそう気になる程ではありませんが、厚みはなく、かなり薄いです。
 また、食感は、カップタイプは油揚げ麺らしい、ふっくらとした食感なのに対して、袋タイプの方は、つるつる感が強いのが特徴で、うどんの性質のベクトルからして全く違います。

 次に、汁ですが、こちらの方が違い大きいです。カップタイプの方は、油揚げ麺のコクに負けない、強めの味です。それに対して袋麺の方は、規定量を指定された方法で調理したのですが、正直に言って薄いです。
 確かに、うどんの汁と言えば、こんな感じですから、これはこれで良くはあるのですが、二つを同時に比べると、明らかに味が薄いと思えてしまいます。

 味の濃さは、まったく違いますが、風味については、ある程度は共通した感じは、受け取れます。

 多分、この風味が、「どん兵衛」なんだろう、と思います。 

 他に、比較して思ったのは、当り前ですが、カップタイプが湯を注いで5分なのに対して、その間ずっと鍋で加熱し続けている袋タイプの方が、仕上がった時点での熱さは、断然に上です。
 熱いものが苦手な猫舌な人もいますから、熱い=良いとは言い切れませんし、食品には美味しく感じる適温もありますので、単純に優れている点とは言えませんが、差は、思っているよりかも大きかったです。

 

 ついでに袋麺タイプについて、少し触れておきます。

 袋麺のキャッチコピーに「生うどん食感」と書かれていますが、食べた率直な感想は、生うどんではなく、乾麺のうどんを茹でて食べた感じに、酷似しています。乾麺のうどんも、物によっては5分程度の茹で時間な製品もありますが、そう言った製品と同レベルです。
 むしろ、一度茹でた後に水で締める分だけ、乾麺の方が上な気もします。この点は「どん兵衛」も、そう言う作り方をすれば、と言う可能性も有りますので、あくまでメーカー側が指定した調理法に沿った場合になります。
 また、乾麺でしたら4食〜5食分で100円で購入出来ますから、それに3倍希釈タイプの麺つゆを買ったとしても、最終的なコスパで言えば、やはり乾麺の方が上です。

 比較対象が100均の店頭にある製品ですが、ちゃんとした乾麺をきっちり茹でると、かなりレベルの高いうどんになりますから、そうなると袋タイプの「どん兵衛」に勝ち目はありません。(但し、茹で時間も、かなり長いですが…)
 ついでに言うのであれば、チルド製品でしたら3玉で100円程度の製品も多いですから、安さと手軽さでは、こちらの方が更に上と言えます。

 先の検証で「どん兵衛」らしさは、麺としてのうどんではなく、汁の風味と結論付けましたから、わざわざ袋入りの「どん兵衛」を買うとしたら、汁の風味が魅力だと思います。そう考えますと「どん兵衛 釜めし」や「いきなり! 雑炊 鴨だし仕立て」も、風味に起因しているだけに、アリです。

 ただ、それなら素直に「どん兵衛 麺つゆ」を製品化してくれるのが、消費者としては、最も有難いと思います。

 つまり、「日清 どん兵衛」とは、うどんではなく、の風味である

 

 

 

怪しい伝説4
通常版/限定版/廉価版 お得なのは、どれ?

□廉価版編 

 「インスタントラーメン ローカルインディー探検隊」の方にも一部収録されていますが、通常の商品、コンビニ限定商品、廉価版商品と、同じ製品(或いは同種)でも、幾つかのバリエーションがあります。そこで気になるのが、どれが消費者にとって、最もお得なのか? と言う点です。

 先ず、左写真の「和庵(東洋水産)」ですが、誰が、どう見ても、「赤いきつね」の廉価版でしょう。他に「どん兵衛」と「日清御膳」、「ペヤング  ソースやきそば」と「ペヨング ソースやきそば」など、同じ関係にある製品はありますが、とりあえずコレを題材に据えてみます。

 「赤いきつね」を通常商品として考えた場合、実売価格で「和庵」は30円程度、安くなっています。メーカー、卸業者、小売業者、この三者が、どちらを売っても、1個につき同じだけの利益を得ると仮定するなら、単純に言って出荷額が30円程度安い事になります。

 自分は、東洋水産鰍フ人間ではありませんから、正確な数字は分りませんが、一般的にカップ麺の原価は50円程度で、そこにメーカーの利益を乗せた出荷額が100円前後と言われています。

 そうなりますと、原価50円から、コストを30円をカットして、20円程度で製品を作る事になります。20円程度で製造できるのか? その可否は置いておくとして、別の角度からも推測してみます。

 「和庵」は、高くても100円ショップの100円、スーパーなら90円弱で売られていますから、経済の仕組みからして、出荷額は、おそらく70円弱程度と推定されます。確かに普通のカップ麺の推定される出荷額の100円より、30円程度は安いですから、辻褄は合います。

 そうなると、カップ麺は頑張れば1個20円で作れるのか、それとも東洋水産鰍フ取り分が少ないのか、どちらかが安さの理由になります。

 

カロリー Na お湯 内容量
赤いきつね 432kcal 2.6g 410ml 74g 96g
和庵 89% 88% 85% 89% 88%

 ただ、それはあくまで「赤いきつね」と「和庵」の中味が同じ、というのが大前提になっています。勿論、そんな筈もなく、「和庵」の方は、量も少なくなっていますし、具も蒲鉾と玉子が間引かれており、七味唐辛子も付属しません。

 しかし、いくら廉価版と言いましても、容器や包装は必要ですから、削れるのは内容量、それも数%だけです。

 これも一般的に言われている大まかな数字ですが、削れる対象になる麺、スープ、具などは原価の半分、削れない要素である容器、包装、揚げ油などが残り半分です。つまり原価の半分にあたる25円から、約10%程度の内容量を引く事で、稼ぎ出せるコスト減は2円〜3円が精一杯です。

 そうなると単純に言って50円から、3円引いて、47円が原価となり、それを70円前後で出荷する訳ですから、メーカーの利益は通常商品に比べて半分程度です。

 いくら何でも、メーカー側の旨味が、無さ過ぎます。そもそも企業とは利益を追求する社会集団であって、慈善団体ではありません。

 

 話しは少し変わりますが、昔、自分が「週刊少年ジャンプ」を買っていた頃、一冊170円でしたが、「週刊少年サンデー」や「週刊少年マガジン」は、180円でした。この10円の差は、巻頭カラーのグラビアページの有無の差で、ジャンプはそれが無い分だけ10円安いのだと、勝手に思っていました。
 後に、友人から聞いた話しでは、ジャンプが10円安い最大の理由は、他誌よりかも質の悪い紙を使う事で、コスト減を計っているところにあるそうです。

 

 そこで、あくまで仮説ですが、廉価版の製品も、内容量だけではなく、原材料でコスト減を計っているのでは、ないでしょうか? 

 

 前述の「赤いきつね」と「和庵」を比較しますと、なかなか気付き難い所では、「和庵」のアレルギー物質の表示には、「さば」と「乳」がありません。

 ほとんどの数値が「和庵」は、「赤いきつね」に対して90%弱の比率になっていますが、スープのカロリーだけは、72%と、かなり低い数値になっています。添付調味料の表示の違いで言えば、「赤いきつね」は魚介エキスとなっていますが、「和庵」は粉末かつお節となっています。(おそらく魚介の中に、サバが含まれているのでしょう)

 よくPBなどの低価格商品の傾向として、調味料を削る傾向があります。今回の例で言えば、あくまで「赤いきつね」と「和庵」は別の商品であり、それぞれ味の方向性も違う筈ですから、成分が違っていても、おかしくはありません。
 ただ、他の数値が軒並み「赤いきつね」対して9割近いのに、スープだけが7割と言うのは、明らかに調味料でコストを削っている証拠と言えるのでは、ないでしょうか?

 また、お湯目安の量が少ないのも、調味料を減らした分の味の薄さを感じさせない為、そう考える事は、出来ないでしょうか?

 もっともゼロにする訳ではないですから、削ったところで、1個あたりにしたら、何銭程度の違いでしょうから、その努力の方に感心してしまいます。

 

 一方、左写真でも分かるように、意外な事に油揚げは、同等です。大きさ、厚さを計測してた範囲では、少なくても同じ物と言えます。

 また、麺につきましても、素材や比率については分りませんが、形状だけならば、明確な違いを見出す事は、出来ませんでした。

 他にも消費者が気づき難いところで、パッケージを印刷するインクの色数、梱包に使用するダンボールとその印刷など、おそらく考え得る限りのコストダウンが、計られているとは思います。

 それで何%かは叩き出せるでしょうが、1個20円近くになるほど、劇的なコストダウンにはなりません。

 

 と、ここまでの仮説は、「和庵」が、「赤いきつね」から、何割か引いて作られているのが、前提になっています。

 

 

 

 別の考え方をしてみますと、ディスカウントストアなど激安系のカップ麺としてお馴染みの「麺のスナオシ」「大黒食品工業」などの製品は、だいたい店頭で60円〜80円程度で売られています。
 ディスカウントストアに限らず、ウチの近所のスーパーでも、「麺のスナオシ」や「大黒食品工業」の製品は、70円前後で売られていますから、流通経路の差が価格に出ている訳ではなさそうです。

 小売業者や卸業者の取分が少なかったら、取扱ってもらえないでしょうから、おそらく大手メーカーとの差は無いと考えるのが妥当で、純粋に出荷額が安いのだと考えられます。

 そうなりますと店頭価格から、逆算して、推定される出荷額は、1個50円前後でしょう。どの程度メーカー側が利潤を乗せているか分かりませんが、半分程度と見積もるなら、原価は25円程度になります。

 上の数字は、あくまで推測ですが、激安のカップ麺は実際に流通していますし、製造するメーカーも存在します。

 会社の規模などに差はありますが、「麺のスナオシ」「大黒食品工業」「イトメン」に出来る事が、「東洋水産」や「日清食品」に出来ない筈もないでしょう。

 

 そう考えるならば、原価1個20円程度のカップ麺は、作れない事もない、と言えます。

 ただ、そうなると「和庵」は、「赤いきつね」の廉価版ではなく、もともと激安向けに造られた製品と言う事になり、抜本的に考え方が変わってきます。

 

 

 そして、もう一つ。これは「和庵」に限った話しではなく、この種の廉価版、低価格帯商品全般に言える事ですが、店頭にある時期と無い時期がはっきり分れ、見掛けない時には、さっぱり見掛けないのです。

 スーパーやコンビニの店頭から、「赤いきつね」が消えた、「どん兵衛」を見掛けない、と言う事はありませんが、「和庵」や「日清御膳」、或いは「ペヨング」がない、と言うのは、珍しくありません。

 

 これも仮説になりますが、あくまで生産ラインは通常商品が優先で、空いている時期を使って、廉価版を生産しているのでは、ないでしょうか?

 

 これなら、出荷にムラがあり、安定して供給されないのも、頷けます。

 生産ラインを空けておいたり、従業員を遊ばせておくくらいなら、多少は利益が少なくても、廉価版の製品を作っていた方が、マシ。と言った感じで。

 また、あくまで噂ですが、「日清御膳」は、昔の「どん兵衛」に近い、という噂もあります。それなら新規に開発しない分だけコストは掛りませんし、生産設備も既存のもので済みますから、維持費だけで、新たな投資も必要ありません。

 それに通常商品の生産が過剰になり、供給過多による価格の下落も防げます。

 

  

 あくまで、これらは仮説です。

 物的証拠もなければ、メーカーの証言もありません。

 ただ、内容量を10%弱削るだけで、原価60%減の製品が出来るとは、とても思えません。安いなら、安いなりの理由がある筈です。

 そうなると、やはり納得できる理由としては、コスト優先で安い原材料を使用している、工場の生産の余力を使っている、と考えるが妥当な気がします。

  

 廉価版の結論を言えば、通常商品から何割かを引いた本当に廉価版としての存在ならば、原価と消費者の取得価格の差で言えば、お得な商品でしょう。

 但し、後半の仮説のように、正規品に対する廉価版ではなく、最初から低価格での販売を前提として作られた商品であるなら、価格相応の内容なだけで、特にお得ではないと思います。

 また、対象が食品で、好みの問題もありますから、単純に金額の高い、安いだけで、計ることも出来ません

 

 

 

□コンビニ限定商品編

 次に、コンビニ限定商品ですが、「赤いきつね」の場合ですと、油揚げが2枚入っている、という消費者にとって分かり易い違いがあります。

 もっとも上の写真で既にお気づきかと思いますが、通常商品の油揚げが2枚入っている訳ではなく、サイズダウンした小さめの物になっています。
 具体的な数字で言いますと、通常商品は9p×7pですが、コンビニ限定商品は7p×7p、77%のサイズです。それでも2枚入っている訳ですから、量で言えば、多いのは事実です。

 蒲鉾と玉子が1個ずつ少ないなど、微妙な間引きも気になりますが、それ以外の違いは、あるのでしょうか?

 軽く見比べた時点で、油揚げ1枚増えているのに、+7calだけなのは、変だろう? と思いました。少なく見積もっても30kcalは、多くなっていなければ、数字が合いません。

カロリー 蛋白質 脂質 炭水化物 Na B1 B2 Ca
赤いきつね 432kcal 10.6g 19.1g 54.4g 2.6g 0.31mg 0.31mg 172mg
コンビニ限定 +7kcal +0.8g +0.9g -1g -0.2g -0.02mg +0.01mg -6mg

 そこで公表されている数字を、すべて比較してみましたのが、上の表になります。

 中身が同じならば油揚げ1枚から蒲鉾と玉子を引いた分だけ、数字が変われば良い筈ですが、結果は、かなり違っています。

 あくまで見た目で判断したざっくりとした数字ですが、コンビニ限定版くらいの油揚げ1枚でしたら、タンパク質が+1.6g程度、質の良い油揚げを使っていると良心的に解釈するなら+3g、カロリーならば30kcal〜60kcalは増加する筈ですが、どちらの数字を採っても合いません。

 

 また、麺の量が同じなのに、炭水化物の数字が下がっている点も、注目すべきです。製品に表示されているカロリーも、麺の質量は同じなのにカロリーはコンビニ版の方が低く、逆にスープのカロリーは、高くなっています。

 カロリーや成分表示が違う訳ですから、形状と質量が同じでも、中味は違う。と言う事は、誰でも分かると思いますが、では、どう違うのか? です。

 

 麺について言えば、これがチルド製品なら、質量が同じで、カロリーが低いのだから、加水率が高い、と単純に結論付けられます。ただ、インスタント食品の場合、水分を飛ばしていますから、加水率だけが要因ならば、その分だけ乾燥後の質量は軽くなる筈です。 

 つまり乾燥後の重量が同じでありながら、小麦粉よりカロリーの低い、謎の物質(ダークマター)の存在が必要ですが、勿論、そんな物質は含まれていません。

 そもそも原材料表示については、通常商品とコンビニ限定版は同じで、内容分その物に違いありません。ですから、違いがあるとしたら、配合の比率です。

 小麦粉、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、乾燥酵母、卵白、この比率を変える事で、カロリーを下げつつ、質量は変えない、そのトリックがある筈です。

 

 このうち小麦粉はカロリーと炭水化物、油脂は脂質とカロリーを、食塩はナトリウム(食塩相当量)を、それぞれ大きく上げてしまいますから、除外します。
 そうなると、容疑が濃いのは、残っているでん粉と植物性蛋白、そして卵白になります。

 でん粉は、由来する植物によってカロリー量は変わりますが、だいたい1gあたりで3kcal〜4kcal未満ですから、炭水化物や蛋白質よりかは、やや低い数字になります。植物性蛋白は、由来が植物であっても、タンパク質ですから、1gあたり4kcal程度です。(正確には4.3kcal)

 内容分の比率を変えたところで、1gあたりのカロリー量の差は小さいですが、むしろ、その効果の方が大きいと思います。

 

 おそらく「でん粉」と表示されているのは、タピオカではないかと、推測します。

 そもそも小麦粉の成分の多くは、でん粉です。わざわざ原材料表示に「でん粉」と書く訳ですから、小麦粉由来以外と考えるが自然です。また、その目的も小麦粉のでん粉にはない、別の特徴が必要だから、と考えるのが、やはり自然です。

 タピオカは、食品の増粘剤としても使用され、うどんの中に入れると、艶が良くなる、弾力が増す、ツルツル感が良い、と言った効果があります。本来ならば、うどんは、小麦粉、塩、水で作るものなので、タピオカなどを混ぜるのは、邪道です。ですから、あまり公にはしませんが、実際に使用している専門店もあります。

 まぁ、インスタント食品の場合、既に、卵白やら、乾燥酵母など、他の材料が入っていますから、タピオカが入った程度で、「これは、うどんでは、ない!」と声高に叫ぶ人もいないでしょう。

 タピオカ以外のでん粉、緑豆などの豆類に由来するもの、サツマイモに由来するものなど、その他の可能性もありますが、麺類に一般的に用いられている事からしても、タピオカが、最も可能性が高いと思います。

 

 

 そして、「植物性たん白」と表示されているのは、グルテンではないかと、推測します。これが、単にタンパク質と書かれているなら、保存料として、しらこたん白が使用されている可能性も考慮すべきでしょうが、チルド製品ではないですし、植物性と明記されていますから、おそらくグルテンと断定して問題は無いでしょう。

 小麦粉を水でねればグルテンは生成されますし、そもそも小麦粉製品が形になっているのは、グルテンがあるからです。ですからグルテンその物を使えば、手っ取り早く麺の形になります。ただ、その分だけ味や風味は、落ちます。

 勿論、グルテンだけを純粋に足したならば、成分表示の蛋白質の数値は、跳ね上がります。しかし、今回は全体での質量は変わりませんから、グルテンを足した分だけ、小麦粉などを引く事になります。

 これが結構ミソで、小麦粉の吸水率はせいぜい100%で、つまり1:1が上限になります。それに対してグルテンは約200%ですから、小麦粉の約2倍となります。

 実際のうどんの加水率はそこまで高くはありませんが、便宜上の数字として考えて下さい。
 質量100gに揃える場合ならば、小麦粉50gと水50g、グルテン33gと水67gとなります。小麦粉は1g=3.6kcalですから、100gに揃えた場合には、180kcalになりますが、これに対してグルテンは1g=4.3kcalですから、142kcalとなります。

 これがチルド麺なら、トリックの解く、最大の鍵だと思います。

 

 しかし、水分を飛ばした状態のインスタント製品では、体積は説明できますが、質量の説明が弱くなります。確かに油で揚げたと言っても、何%か水分は残りますが、ダークマターの説明としては、どうしても無理が出てきます。

 

 

 そこで最後の砦、卵白です。

 卵=カロリーが高いと言うイメージがありますが、カロリーが高いのは卵黄で、卵白は驚異的なほど低カロリーです。何と、1gあたり0.46kcalですから、炭水化物やタンパク質と比べて、カロリーの値は1/10です。
 それもその筈で、卵白の90%は水分で、これぞダークマターの正体に相応しいのでは!? と思えてきます。

 卵白に多く含まれるビタミンB2の数字が、微量とは言え増加しているのも、卵白ダークマター説を、補強します。 

 

 一方で、卵白には蛋白質も多く含まれますし、加えてコンビニ限定版は油揚げが増えています。ざっと見積もっただけでも、油揚げ分だけですら、通常商品と比べて増加した蛋白質の数字では、足りません。
 その上、更に麺に使用されている卵白を多くするには、どこかで蛋白質を大量に削らないと、数字が合いません。

 そうなると削れそうな蛋白質は、グルテンしか、見当たりませんが…。

 

 また、麺を作るのに卵を入れるのは、わりとオーソドックスな作り方の一つですが、卵殻、卵黄、卵白で、それぞれ効果は異なります。卵白は、主に麺のコシを強くして、シコシコ感を出しますから、役割としては、かん水に近い感じです。

 中華麺ならば、それでも良いのですが、「赤いきつね」は、うどんです。あまり卵白を多く用いては、うどんらしい食感がなくなりますから、本末転倒です。

 そして、麺類に卵を用いる最大の難点は、コストが跳ね上がると言う点です。

 

 単にカロリーだけを説明するなら、ダークマター卵白説は、まことに都合が良いのですが、蛋白質の数字で辻褄を合わせるのが、より一層難しくなってしまいます。

 

 そこで単独では説明し辛くても、それらを複合的に組み合わせれば、「赤いきつね・コンビニ限定版」の説明が、出来るのではないでしょうか?

 東洋水産のHPに掲載されている両製品のキャッチコピーを見ますと、通常商品は「コシのある麺」、コンビニ限定版は「なめらかな麺」と、それぞれ特徴についての記載があります。

 これを前述の仮説にあてはめるのなら、多加水麺なのは、ほぼ間違いないと考えられます。そして、タピオカの増粘性と包水力が、その大きな要因で、それにグルテンが一枚噛んでいるのではないか、と。

 ただ、専門の機関で然るべき設備で分析できない以上、あくまで推理の域を出ません。

 

 オフィシャルで味の方向性の違いについてのアナウンスがありますから、単にコンビニ向けの商品として、油揚げを増やしただけの商品ではなく、「赤いきつね」の「東向け」の「コンビニ向け」の専用商品を開発したのは、間違いないでしょう。 

 基本的にコンビニと言えば、若い年齢層の利用が多いイメージがあります。

 ですから、そう言った年齢層にターゲットを絞って、タピオカの配合比率を高め、弾力があって、艶が良く、ツルツル感の強い、多加水麺を作った。

 スープのカロリー量と食塩相当量が、通常商品に比べて数値が高いのも、若者の方が濃い味を好む傾向が強いですから、やはりターゲットに合わせて、と考えるべきでしょう。

 ただ、それだけですと消費者に違いが分かり辛いですから、より明確な要素として、油揚げを2枚した。

 それが「赤いきつね・コンビニ限定版」ではないか、と考えます。

 

 通常商品に比べて、玉子と蒲鉾が1個ずつ少ないけど、油揚げのサイズは小さいけれど2つ入っている、と、そう言った単純な違いの方が、比較するには、むしろ楽です。味が違うとなると、もうそれは好みの問題の方が大きくなりますから、お得か、否かについて、論じ難くなります。

 

 ここで、ちょっと対象を移して、カップうどんにおける双璧とも言うべき、「日清のどん兵衛」も、見てみます。

 メーカー側からの正式なアナウンスはありませんが、「どん兵衛・液体つゆ仕上げ」も、コンビニでしか見掛けません。

 こちらも表示されている数字を見ますと、通常商品とは、やはり微妙にが違っています。

 ただ、傾向としまして、通常商品に比べて、「液体つゆ仕上げ」の方が、すべての数字が高くなっています。

 単純に考えるのであれば、コンビニをよく利用する若者向けに、濃い目の味にしてある、と考えられます。

 実際に食べた時にも、確かに味が濃いとは感じましたが、正確に計ってお湯を入れた訳でもなかったので、「ちょっと、少なかったかな?」くらいに思っていました。

 こちらについても、そもそも「液体つゆ仕上げ」がコンビニ限定である確証はありませんから、仮説の域を出ません。

 それでも成分表示からすれば、少なくても内容が完全に同じではない、とは言えます。

 

 さて、内容も異なり、ましてや好みの問題もあるだけに、お得か、否かを論ずるのには無理がありますが、それでも価格についても、一応は触れておきます。

 だいたい普通のカップ麺でしたら、スーパーでの店頭価格は130円前後、特売なら100円程度まで下がります。それに対してコンビニは、ほぼ定価売りですから、取得価格は50円〜80円高くなります。
 油揚げ1枚が、汁が粉末から液体なになるだけで、50円以上も高くなる訳です。

 どう考えても、お得な訳ないでしょう!!

 極端な話し、油揚げが2枚欲しいのであれば、「和庵」を2個買ったとしても、価格で言えば、そちらの方が安いくらいです。「どん兵衛」も、袋タイプから、液体つゆだけ抜き取れば、と言いたいですが、残念ながら、こちらは、味が、まったく違います…。

 

 ただ、これも考え方次第で、スーパーなどで売られている通常商品とコンビニ限定品の取得価格を比較しての話しで、カップ麺に限らず大多数の商品は、スーパーでも、コンビニでも、同じ製品が売られており、当然ながらコンビニの方が、高いです。

 そうなると同じ商品を利便性の良さだけで高く買うよりかは、少なくても何かしらの要素がプラスされている分だけ、コンビニ限定商品は、お得と考える事も出来ます。

 そもそもコンビニは、流通の仕組みからして、スーパーなどとは違うので、利便性も含めて、同じ尺度では計れません。しかし、消費者が支払う1円は、スーパーでも、コンビニでも、同じ1円の価値です。

 コンビニ限定版の結論を言えば、どうしてもコンビニで買い物をする必要があるなら、せめて限定版の製品を買った方が、他の普通の製品よりかは、まだお得だと思います。

 「カップヌードル」は、何処で買っても同じ「カップヌードル」だけど、「どん兵衛」は、コンビニが買うと、「液体つゆ仕上げ」になる、と言った具合です。

 

 中には、文字通りコンビニ限定で、特定のチェーンでしか取得できない商品もあります。流石に、こうした商品は比較のしようがありませんし、他に取得の機会もありませんから、素直に買うしかありません。

 個人的には、そこでしか買えないと言う点で、こうした商品の方が買う意義を見出し易く思えます。

  

 

 

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