ステップ9「日常食としての自作ラーメンと、健康と、」
前回、費用対効果を見つめ直す中で、日常食としての自作ラーメンや時短といった要素を、考慮して作りました。今回は、更にその要素を掘り下げつつ、健康面についても考慮して行きたいと思っています。
店で食べている時には、スープに溶けている事もあり、深く気にしませんでしたが、家二郎を作る過程で投入した背脂を見て、今までこれが胃袋の中にすべて納まっていたんだ…、と思うとぞっとしました。わざわざ作って、食べておきながら言うのは難ですが、正直、とても健康に良いとは思えません。
…それに、二郎でのアブラ・カラメとか、家系の味濃いめ・油多めなど、そう言ったものは駄目だ、と言う事を、健康診断の結果が教えてくれました。せめて色々な数値を平常値に戻すまでは、健康に留意したラー食生活をする必要があります。
ある意味、今回は、自分の為に作るラーメン、と言えなくもないです。
そうでなくても昔からラーメンは身体に悪いとは言われていました。理由は幾つかあります。
前にも書きましたがラーメン、と言うより中華麺ですが、これに含まれるかん水は、明らかに身体に害を及ぼします。ただ、常識的に摂取している量であれば問題はありませんし、かん水は中華麺にだけ含まれている訳でもありません。問題がかん水だけならば、すべて玉子麺に切り替えれば、問題は簡単に解決するのですが、そう単純ではありません。
ラーメンに限らず麺類全般に言える事ですが、一杯がそのまま一回の食事になるケースが、ほとんどだと思います。そこで構成要素を見てみますと、ラーメンの場合でしたら、炭水化物、塩、油(脂)といった、身体にとって必要ではあるけれど過剰に摂取するのには問題がある栄養素が、そのほとんどを占めています。
これに関連してになりますが、麺類は、噛まない為に満腹感が得られ難く、結果として必要以上に炭水化物を摂取してしまう。また、食物繊維が少ない為に、吸収もされ易いと言えます。特につけ麺の場合は、その傾向が、より一層強いと言えます。
これらの要素に加えて、インスタントラーメンでしたら、スープ以外にも、麺を揚げた時の油が古くなって酸化するなど、更に悪い要素が加わります。
希に、外で食べる程度であれば、他の食事で帳尻を合わせる事も可能ですが、日々の食事の中でラーメンを食べ続けるとなると、やはり健康面での要素を軽視する事は出来ません。
今回のテーマの一つである「健康」を考えるなら、塩分は控える、油(脂)の使用量を極力減らす、食物繊維を多くする、といった辺りが、先ずは切り口になりそうです。
健康面に配慮してみたタンメン
さて、両手両足を縛られている状態でのラーメン作りになりますが、とりあえず叩き台でも良いので、何か作らないとなりません。上記の要素を考えると、食物繊維を増やす→野菜を多くする、油(脂)を極力減らす→アッサリ系、この2つの要素を軸に据えると、思いつくのはタンメンです。
単純に野菜が入っているラーメンの筆頭格ですし、アッサリ系の方が様になります。と言うわけで、先ずはタンメンを作ってみる事にしました。
今回のタンメン作りのポイントですが、前述のように日常食である点を考慮して時短の要素を重視、健康面に配慮して塩分や油の使用は控える、と言った辺りをポイントにしました。
よく高血圧の食事療法として塩分を控える場合、旨味を強くする、辛さやすっぱさを上手く使うようにする、と言われていまず。その点では「酸辣湯麺」が最適かも知れませんが、それを研究するのは先にする事にして、今回はタンメンです。
以前に塩ラーメンを自作した折に、塩味ではなく、うまみあじになり失敗した経緯があるだけに、塩を減らしはするが、旨味が過多にならないようにして、リベンジを果たしたいところです。
さて、スープ作りですが、前回の「家二郎時短版」を応用する事にしました。ベースは鶏がらスープの素、これに肉と野菜を加えて出汁を取り、更に具材の野菜もスープの中で煮る事で、時短を計りつつ、味の向上を狙います。
また、炒めないことで、油を使わずに済みますから、健康面への配慮も計れると思います。
材料としましては、豚コマ(80g)、キャベツの芯2枚分、生姜少々、ネギの青い部分、ニンニク2欠片、水300ccを鍋に入れ、水から炊いていきます。ニンニクは、電子レンジで加熱して、柔らかくしてあります。
沸いてきましたら、灰汁を取りながら、麺茹で用の湯が沸くまでの間、スープを取って行きます。
そろそろ麺茹で用の湯が沸くかな? という頃になりましたら、ここに鶏がらスープの素小さじ11/2、酒大さじ1、塩小さじ1/3、貝柱スープの素少々を入れて、ラーメンのスープに仕上げていきます。
味付けは、意外なほどシンプルですが、不足しているなら後から足せば良いと考え、前回の轍を踏まないよう控えめにしました。
塩分ですが、現在、厚生労働省が出しているナトリウムの一日の目標量は、食塩相当量で8gです。これを3食で割ると1食当りの許容量は約2.7gとなります。使用する麺、料理酒、鶏がらスープの素などにも含まれていますが、その辺りは後ほど考証する事にして、今はプラスα程度と考えます。
そうなるとスープに使える塩は、多くて2.5g、目安としましては小さじ1/2程度となります。少なければ、それに越したことはありませんから、先ずは1/3にしてみました。
上記の分量でスープに味付けをしたところが、左の写真になります。見た目としては、いかにもタンメンっぽい感じです。味見をしたところ、勿論あっさりとしていますが、悪い感じではありません。
麺の方ですが、出来ればたまご麺を自作にしたいところですが、手軽さから市販されている中華麺を使用しました。
具材の方は、冷蔵庫の中から使えそうな物として、キャベツ、モヤシ、ニンジン、タマネギ、長ネギといった辺りを選び、麺を茹でるのと同時に、こちらもスープの鍋に入れます。
スープに対して、野菜の量が多いので、煮るというよりかは蒸すに近いですが、それでも火が通る事は、前回の結果で分っていましたから、問題はありませんでした。
上に具がのってしまうと、麺とスープの感じが分り辛いので、素の状態でも写真を撮っておきました(右写真)。見事な澄み切った琥珀色のスープが、期待感を抱かせます。
具材も、ドンブリに盛って、完成です。
時間の方も、30分程度と、時短面でもクリアと言えるでしょう。

実食!
先ずはスープから。う〜ん、実に微妙です。あっさりなのは作る過程から十分に予想していましたが、あっさりと言うよりかも味が薄いんです。じゃあ、不味いのかと言えば、別に不味い訳でもないけど、絶賛するほど美味しくもありません。
スープの時点では、それなりに良かったのですが、野菜の分だけ味が薄くなったのだと思います。勿論、その辺りも予想はしていましたが、塩味が薄くなった分は、野菜から出た旨味で補えるだろうと思っていましたが、そこまでには至らなかったようです。
ただ、味変アイテムとしてラー油を入れると、結構、いい感じになりました。ゴマ油の風味とコク、辛さが加わり、やや薄めでぼやけていた味に、一本芯が通った感じです。
健康面への配慮から油を抜いてきましたが、良質の植物性油は、むしろコレステロール値を下げるので、オリーブオイルなど健康に良い油は、味の面でも使うべきだったと思いました。
さて、今回のタンメンですが、上記のように絶賛するほど美味しい訳でもありませんが、卑下するほどに不味くもありません。一言でいうなら、普通です。30分程度とはいえ作る手間、材料費などを考えると、大手チェーン店で食べるのに比べて、どの程度の優位性があるのか、それこそ微妙です。
そこで出てきますのが、健康面への配慮です。外食産業は基本的に味優先で、塩分などについては(メニューに表記している店もありますが)、おそらく度外視していると思います。
このタンメンのナトリウム量(食塩相当量)ですが、使用しました食塩が小さじ1/3(1.6g)、そして鶏がらスープの素ですが、こちらは、なんと2.4g! 後から気付きましたが、使用した鶏がらスープの素だけで、ほぼ一食当りの許容量に近い数字でした。
また、こちらも盲点でしたが、袋の表記を見ましたら、使用した麺の方にも、食塩相当量で1.4g程度は含まれていました。麺に含まれている塩分のうち、何割かは茹でる時に湯の溶け出すので、すべてが体内は入る訳ではありませんが、それでも何割かは確実に摂取してしまう事になります。麺に使われている塩分量(ナトリウム)は、何種類か調べてみたところ、意外と使用量の差が大きかったので、少ない物を選ぶのも手だと思います。
料理酒につきましては、大さじ1に含まれる食塩相当量は、0.3gになりますので、これにつきましては気にする数字ではないと思います。
使用した野菜が多かったと言うこともありますが、実食した感想としては、かなり薄味です。もし、このタンメンを普通に外で食べるのと同じくらいの味にするとしたら、かなりの量の塩を使う事になると予想されます。
そう思って、大手チェーン店のHPを幾つか見てみましたら、タンメンの食塩相当量はそれぞれ8g、8.9gと出ていました。見た目では今回のタンメンより野菜の量が大幅に少ないですが、それでも使用している食塩量は1食どころか、厚生労働省が定めている1日の摂取量と同等か、それ以上です。
…そりゃあ、高血圧にも、なるわ!
改めて今回のタンメンの塩分量を見てみましたら、かなり気を使って減らしたつもりでも、だいたい5.5g程度で、目標数値の倍になっていました。
市販されている生麺タイプの塩ラーメンですと、スープだけでも6g〜8gは含まれていますし、それに麺の方にも多いものでは6g近い量が含まれており、合計すると8g〜14gになります。
参考の為に調べてみましたら、インスタントの塩ラーメンですと(麺とスープの合計数値)、サンヨー食品5.8g、東洋水産6.1g、と意外に少ない事が分かりました。
上記の数値が分り易く比較する為に、すべて食塩相当量で比較しています。本当に気にする必要があるのは塩分(食塩)ではなく、塩化ナトリウムのナトリウムの部分です。厚生労働省が発表している数値が食塩相当量で8gとしているので、それを基準にする為にも食塩相当量で換算、記載してきました。
これが曲者で、塩化ナトリウム以外にも、○○ナトリウムもあり、調べてみるとナトリウムが含まれていない調味料を捜す方が難しいです。前述の鶏がらスープの素も、食塩以外にも、おそらく他のナトリウムが含まれている為、結果として食塩相当量にすると、あの数字になったのだと思います。
肝心の健康面でも期待したほどの数値ではなく、今回のタンメンが、まったく成果なしで、ダメダメか? と言えば、そうでもないと思っています。
何より、今まで考慮してこなかった食塩(ナトリウム)に気付かせてくれた事です。時短と油(脂)の面で重宝していた鶏がらスープの素ですが、ナトリウムは盲点でした。これについては、市販品を使わず自分でスープを取れば、使用量は0とは言わないまでも、大幅に減らす事は出来そうです。短時間で旨い出汁を取る方法というのも今後の課題になります。
麺についても、手軽さで市販の中華麺を使用してきましたが、太さなど形状だけを気にして、含まれているナトリウム量までは、気にしてきませんでした。先にも書きましたが、スープよりかも、麺の方が含まれているナトリウム量の差が大きいかったも、意外でした。
むしろナトリウム量だけ見ましたら、インスタントラーメン(袋ラーメン)の方が、より良いと言えなくもありません。
また、市販のラーメンスープですが、醤油、味噌、塩など、味によって含まれるナトリウムの差は小さく、この要素に関しては気にしても仕方なさそうです。
よく塩分の摂取量を控える方法として「麺類の汁は飲まないようにする」と言われています。このタンメンを作って、食べた感想としましては、ある程度の味をキープしつつ調理に使う塩の量を減らすのには限度があり、そうなると後は体内に取り込まないようにする、入った分を出すようにする、この二つに頼らざるを得ません。
後者は、カリウムの摂取などの方法がありますが、前者に関しては、汁を飲まなければ良いだけなので、簡単に実行出来ます。
その観点から言えば、これは屁理屈っぽくはありますが、あまり美味しくないのであれば、スープをすべて飲む事もないので、塩分の摂取量を減らす事が出来ます。「うどんは、汁の添え物」と関西では言いますが、その逆で、スープは麺を食べきるに足るものであれば良い、と割り切る考えも必要かも知れません。
味の面では、確かに賞賛に値するラーメンではないと思いますが、健康面について考える良い機会になったラーメンと思っています。
低カロリーに挑む
前項では、主に塩分と油(脂)の面を重視してタンメンを作ってみました。残念ながら期待したほどの減塩にはなりませんでしたが、使用した材料を見る限りでは、今回のテーマであるカロリー面は、引掛りそうなのは炭水化物としての麺、出汁兼用で使用した豚肉くらいで、そう大きな問題は無さそうですが…。
ざっくりとした計算ですが、麺428kcal、豚肉約200kcal、野菜50kcal程度、調味料約20kcal、合計約700kcalとなります。
…ヘルシーなつもりでいましたが、意外と高カロリーだったのは、驚きです。
幾つかのHPでラーメンのカロリーを見てみましたところ、表示されている数値に差はありますが、だいたい380kcal〜550kcalと出ていました。
下の数値を採った場合、使用した麺だけで、普通のラーメン1杯分って、どう言う事なんだ?
前回使用した麺ですが、内容量は150gと、市販されている生麺の1玉としては多い方ではありますが、特別に大盛の麺という訳ではありません。麺1玉の量ですが、少ないもので110g、多いものですと150g、一般的なものは120g〜130gになります。
調べた範囲では麺1g当りは2.6kcal前後でしたので、40g違えば100kcalくらいは差が出ます。今回使用した麺の1g当りのカロリー量は、前述の平均的な値を上回っています。
量が多ければ、それに比例してカロリー量が上がるのは予想できましたが、麺1g当りのカロリーの差については、想像していませんでした。
小麦粉1gで、だいたい3.7kcalになります。加水率30%だとすれば、おおよそ麺1gに含まれる小麦粉の量は、0.7gになりますから、麺1gあたり2.6kcal前後という平均値とも一致します。
おそらく今回使用した麺は、加水率が低いものだったのでしょう。逆に言えば、多加水麺を選んで買えば、重さは同じでもカロリーは低い事になります。
麺のカロリーは上記のようになりますが、スープやトッピングを込みにした、ラーメン全体では、どうでしょうか? 本当にラーメン一杯は、400kcal程度なのでしょうか?
ラーメンのカロリー表示がされているHPで確認できた範囲では、「すがきや」の389kcal、「東秀」の460kcalといった辺りが低い数字でした。中には、特にトッピングが豪華な訳でもなく、背脂がギトギトというのでもなく、見た目は普通の醤油ラーメンなのに、700kcalを超えているラーメンもありました。
確かに1杯400kcal程度のラーメンが存在するのは事実なので、否定は出来ません。ただ、どちらかと言えば400kcal程度と言うのは下の数字で、平均として見るなら、もう少し高めの数値で扱うべきでしょう。
さて、実際に1杯400kcal程度のラーメンがあるとして、どうすればその数値に収める事が出来るのか?
低カロリーなノンフライ麺、脂質0のインスタントラーメンなら、麺とスープだけで300kcal程度なので、残った許容範囲内でトッピングすれば、わりと簡単に作る事はできます。ただ、袋麺を使用するのは反則っぽいので、この方法は除外します。
それに前述の「すがきや」にしても、「東秀」にしても、袋麺を調理して、提供している訳ではありません。
1g当り2.5kcalの平均的な麺で、量としては最低水準の1玉110gでしたら、麺のカロリー量は275kcalになります。
トッピングですが、ラーメンでしたら、最低でもチャーシュー1枚は、のっています。1枚の重さは店によって異なりますし、使用する部位によってもカロリーは変わりますが、少なく見ても20kcal、多めに見るなら80kcalになります。
また、定番としてメンマくらいは欲しいです。メンマその物は食物繊維が豊富で、マイナスカロリーとまで言われていますが、ちゃんとカロリーの数値はあります。ただ、メンマその物は、ほぼ0で、調理に使われている調味料分の数値になります。味付けにもよりますが、だいたいメンマ1本で1〜3kcalになります。
ナルトや蒲鉾といった練物ですが、こちらも低カロリー食品ですし、ラーメンのトッピングとしても彩り程度で、使う量は極めて少量です。麺類の上にのせてある薄切りの物が一切れでしたら、せいぜい3kcal〜4kcal程度です。
あと、トッピングでカロリーがありそうなのがは、玉子です。ゆで玉子を半個のせたら、それだけで45kcal。1個だと90kcalになります。
低カロリーのラーメンを目指すのでしたら、玉子は論外。極薄のしょぼいチャーシューを1枚。メンマと練り物はそれなりに大丈夫、あとは海藻類で稼ぐしかありません。
トッピングを抑えて30kcal程度にするとして、ここまでの合計で305kcalですから、スープに許されたカロリーは、90kcal程度となります。
そうなるとスープに豚骨や背脂を使うのは不可能です。市販の顆粒タイプの鶏がらスープの素に調味料を使えば、400kcal以内には収める事も可能ですが、流石に普通の店でそのようなラーメンは出していないでしょう。
そもそもスープの厳密なカロリーを出すのは、実質的に不可能と言えます。前回のタンメンのように、既製品に表記されていれば、そこから使用量分のカロリーを算出できますが、普通に素材から出汁を取った場合には、カロリーは分りません。
更に言うのであれば、食品などに表記されているカロリーにしても、そう正しい数値ではありません。食品のカロリーを算出する方法は、大きく分けて2通りあります。一つは、出来上がった料理を、しかるべき機関に持ち込み、計測してもらう方法です。この場合は、本当に正しいカロリーが計測されますが、費用と時間が掛かりますので、個人レベルでは不可能です。
もう一つは、文科省が発行している「日本食品標準成分表」を基に、使用した材料のカロリーの合計数値を使用するケースです。ほとんどの場合は、この数値がカロリー表示として用いられています。
材料を、ほぼそのままで食べるケース、焼肉や焼き魚などでしたら、材料のカロリーと料理のカロリーに、そう大きな違いはないように見えます。それでも、例えば鶏唐揚ですが、この方法で算出すると鶏肉、衣、油のカロリーがすべて足され、当然ですが元の鶏肉よりかも高いカロリーになります。しかし、実際は高温で揚げる為に鶏肉に含まれていた脂が融け出して、料理として完成した時には、元の鶏肉の時よりかもカロリーは下がっています。
高く間違える分には、あまり困る事はありませんが、多くの場合はヘルシーさを出す為に、数値を低く見積もる傾向があります。
話しを元に戻しますが、ラーメンのスープの場合は、素材として使いますが、食材として食べる訳ではありません。鶏ガラから何gの油が融け出して、など計測する事など出来ません。
麺とスープの次は、具材です。野菜=ヘルシーというイメージがありますし、健康に良い食品であるのも間違いありませんが、カロリーが無いわけではありません。今回、もっとも多く入れてましたモヤシですが、100gあたり14kcalはあります。1袋200g入りの物を1袋半(300g)使いましたので、モヤシだけで42kcalとなります。
後は目分量になりますが、キャベツが10g程度として2kcal、ニンジンも同じく10g程度でしょうから1kcal、合計で45kcalくらいですが、目分量のアバウトさを考えて、少し多めに50kcal程度としておきました。
野菜が多ければ健康的という感じもしますし、それも嘘ではないとは思いますが、カロリーの数字で見たら、野菜でも量を増やせば、それだけカロリーの総量は増えるという事にはなります。
別に意識した訳ではありませんでしたが、結果として種類は少ないものの、1日の野菜摂取量の目標でる350gに、ほぼ近い量を1食で食べられるのは、健康面に配慮したレシピとしてはプラス要素と言えると思います。
最後になりますが、調味料にしても、0kcalという訳ではありません。今回、サンプルとして扱っている前回作りましたタンメンですが、鶏がらスープの素も調味料に含めていますが、それ以外にも料理酒の分もあります。
食塩その物は0kcalですから、味付けの面だけ見たら、タンメンは正解だったと言えます。これが醤油や味噌でしたら、その分のカロリーも足される事になります。
ここまでの考証の結果として、ラーメン1杯を400kcal以内に収めるのは不可能ではないが、かなりの制約や制限を受ける事になる。と言えると思います。
さて、サンプルとして扱っている前回のタンメンですが、もともとカロリーを気にして作った訳ではありませんが、1杯700kcalという数値は、やはり見過ごせません。
改善点があるとしましたら、先ずは、豚肉。
豚肉のカロリーにつきましては、部位による差もありますし、表示されている数字にも違いがありますが、80gの使用量でも約200kcalですから、これを何とかしないとなりません。
低カロリーの代表格と言える鶏胸肉に変更すると、同じ80gでも、カロリーは、50kcal程度下げられます。低カロリーの代表格なわりには効果が小さい、と思われるかも知れません。あくまで鶏胸肉全体でのカロリー量を基にして、使用量のカロリー量を出しています。つまり鶏胸肉に付いている皮も、この数値に含まれています。
鶏胸肉が低カロリー、ヘメシーと言われるのは、皮を剥いだ状態になってからです。皮を剥いだ場合ですと、鶏ささみと同じカロリー量と見積もって、80gで84kcalになります。元の数値からしたら6割減になりますから、こうして見てみますと、豚肉と皮を剥いだ鶏胸肉の差は、結構大きいと言えます。
普通に入手できる食肉で、これより低カロリーな物はありませんので、後は使用する量を減らすしかありません。
ただ、肉には旨味を出す役割もあります。ある程度の味をキープして上で塩分を控えるには、どうしても旨味は必要となってきます。
次に着目するべきは、麺でしょう。
使用した麺の袋には150g 428kcalと表記されていました。特にカロリーなどを気にして買った訳ではありませんが、麺1玉のカロリー量としては高めです。
前述しましたように、1gあたりのカロリーも、麺によって若干の差があります。加水率が高ければ、重さが同じでも、カロリー量は下がります。また、麺1玉の重さにつきましても、110g〜120g程度の量が少ないものでしたら、それに比例してカロリー量は下がります。
仕様にあった麺が上手く売られているかは別にしまして、加水率40%の多加水麺で1玉110gの物でしたら、1gあたりは2.2kcal、1玉でも242kcal前後で済みます。もう少し条件を緩くして、加水率35%、1玉120gの麺でしたら、288kcalになります。前者は捜すのが難しそうですが、後者くらいでしたら、売っていそうな気もします。
この検証の結果として、麺の重さとカロリー量が分れば(袋に表記されている事が多いですが)、そこから逆算して加水率のおおよその数値も分る。と言う事にも気付きました。
以上の検証を踏まえまして、1g当り2.6kcalの平均的な麺として1玉110gなら286kcal、これが120gにると312kcalになります。使う肉は鶏胸肉に換えて量を半分にして42kcal、野菜を4割減らすなど(健康面では疑問ですが)、材料の削れるところを削ったとして、概ね400kcalくらいまでは落とせる計算になります。
限界まで削ったラーメンが味的にどうなのか、試してはいませんが、あまり期待できる感じはしません。無理にこのラーメンを作るのなら、ノンフライの袋麺を作って、それに野菜をのせれば良い、という気もします。
それは置いておくとして、ここまで削ったラーメンでも、総カロリー量の75%を占める、麺の炭水化物としてのカロリーが、どうにもなりません。
炭水化物を減らす、カットする、そう言ったダイエット方法を、よく耳にします。
世界的に(多分)有名な料理番組である「世界の料理ショー」で、「炭水化物を使ってないから大丈夫」とか言って、タンパク質や脂質をガンガン使いながら、ヘルシーと言っていました。
その後の「新・世界の料理ショー」では、その事が過ちであったと番組内で明言、こちらではカロリーに気をつけた、本当にヘルシーな料理を作っていました。
話しが少し脱線しましたが、カロリーを下げるのであれば、タンパク質、脂質だけではなく、炭水化物も減らす必要があります。
単純に炭水化物を減らすのであれば、麺の量を減らすのが、最も手っ取り早い方法です。
ただ、麺の量が半分、或いは2/3だとして、それを指して1杯のラーメンと言えるでしょうか? そもそも当HPの主旨は「作る過程を楽しみつつ、世界に一つ、自分好みのラーメン」です。今回のテーマとして健康面に配慮したラーメンを研究はしていますが、ダイエットが目的ではありません。
無理に量を減らして、満足感が得られるのか? という点も問題になります。
次の手段としましては、多加水麺を自作する事です。中華麺は、ソバやうどんに比べて加水率が低く、結果として同じ重さでもカロリーが高くなってしまいます。仮にソバやうどんの水準で、加水率を45%まで上げたとすれば、1gあたりで2kcalまで下げる事が出来ますから、標準的な量である1玉130gにしても、260kcalで済みます。
また、自作する訳ですから、麺1玉のサイズも自由ですから、必要に応じて変えられるのもメリットです。
ただ、過去に自作した経験からして、自作麺を日常的食にするのは、不可能だと思っています。ラーメンを自作して食べる日から逆算して、そのタイミングで麺を自作しなければならず、まずスケジュールが上手く合うか、と言うのが最初の関門です。
そして次のハードル。作る手間もありますが、それ以上に問題となりますのが、熟成させる期間と場所が必要でありながら、防腐剤を使用していないので消費期限は短い、と言う点です。
冬場で気温が低ければ良いですが、それ以外の季節でしたら、冷蔵庫の容積のかなりの部分を、麺の熟成に取られる事になります。一人暮らしで独占的に使えるのならともかく、家族と共用している家庭でしたら、カミさんに土下座という事にもなりかねません。
麺を熟成させないのであれば、条件の幾つかは緩和されますが、それでも炊飯器でご飯を炊く、ホームベーカリーでパンを焼く、そう言った感覚で中華麺を自作出きるかと言えば、やっぱり無理ですね…。ご飯やパンは材料さえセットしてしまえば、後は機械がやってくれますが、自作麺は完全に手作業です。
流石に、これだけ条件が厳しいと、自作麺を日常食の前提に据えるのは、無理としか言いようがありません。
そうなると満足感(量)をキープしつつ、カロリーを下げるのには、代替食品(代用食品)しかありません。前述の「新・世界の料理ショー」でも、卵はすべて代用卵を使用するなど、代替食品の見本市のような番組になっていました。
最近では、主に低カロリーを目的とした中華麺の代替食品として、よく蒟蒻を使用した物を見掛けます。蒟蒻を麺の代替品とするのは、別に珍しい事ではなく、愛媛の郷土料理である「ふくめん」は、細切りにした蒟蒻を麺に見立てていますし、秋葉原の名物にもなっているラーメンの缶詰、あれも麺は蒟蒻を使用しています。
ただ、既出の蒟蒻を麺の代替にしたものの多くは、スープの中に麺を入れるという普通のラーメンの構成ではなく、冷やし中華やジャージャー麺のように、味が濃く、和えるタイプの麺料理が多いです。
やはり、蒟蒻は味が染み難いので、濃い味付けを絡めるタイプの麺料理の方が、向くのだと思われます。例外はラーメンの缶詰ですが、あれは缶詰という特殊な製法により、時間を最大の調味料にする事が出来ますから、参考にはなりません。
そこで試作品は絡める、和えるという点から、油そばをチョイス。手軽さでは右に出るものなし「川模廠オリジナルレシピラーメン 第四号 超絶簡単油ソバ」、それの白滝Ver.を作ることにしました。
先ずは麺、…ではなく白滝ですが、そもそも茹で時間の設定などありません。蒟蒻を使う時に下茹ではしますが、今回はその後に調理しないので、少し長めに10分程度にしてみました。
一応、一本取り出して試食してみましたが、特に嫌な臭みとか無かったので、これで十分と判断。
油ダレは、たまたま手元に有った醤油ラーメンスープを使用。これにオリープオイル大さじ1、酢大さじ1を加えて、和えました。
まぁ、作り方は簡単その物ですが、見た目は、…良くないですね。これが油そばかと言われれば、せいぜい「白滝のラーメン風サラダ」といった辺りが妥当な表現な気がします。
とにかく白滝に油ダレが絡みません…。
見た目は、ちょっとアレですが、とにかく食べてみない事には、話しになりません。
実食!
まったく期待していなかった事もあり、ハードルは超低かったのですが、思ったほど悪くはありませんでした。確かに白滝は油ダレを吸いませんし、絡みも悪いですが、その細さ故に表面積があり、食べるのに足る程度の味にはなります。
食感は、白滝その物ですが、ぷりっとした感じで、悪くありません。
と、予想していたよりかはマシな物でしたが、今回の主眼であるカロリーは、どうなのか?
蒟蒻は、以前は0kcalと言われていましたが、どうもそうではないようです。
0kcalと言われていた頃も、あくまでその時点で蒟蒻を人間が栄養として吸収する為に必要な酵素が見つかっていないだけで、別に0kcalと言う訳はない。と言うのが正しい説明なのですが、ノンカロリー食品として売り出したい業界が、0kcalを打ち出したようです。
現在は、蒟蒻のカロリー量は100g当り7kcal程度とされており、今回使用した白滝の裏の成分表示にも、100gあたり6kcalと表記されていました。
これに相当する食品と言いますと、チンゲン菜が100gあたり9kcalと、かなり肉薄しますが、それくらいです。果物で言うなら苺や巨峰1粒、といつた程度のカロリーです。
オリーブオイルについては、カロリー表記がまちまちですが、大さじ1ですと110kcal程度になります。酢は、大さじ1で、4kcal。
これに使用した醤油ラーメンスープのカロリーが90kcal程度として、合計すると210kcal程度です。
凄い! 糖尿病患者の場合、一日の摂取カロリーは1,200〜1,500kcalと言われていますから、その1/3として見ましても、楽々クリアしています。蒟蒻の効果は、絶大です。
今回、使用しました醤油ラーメンスープですが、冷蔵庫の片隅から発見された東洋水産の物ですが、メーカーのHPを見ましてもスープ単体の正確なカロリー表記がなく、他社の似た製品のカロリーの平均的な数値で、90kcal程度としました。
「川模廠オリジナルレシピラーメン 第四号 超絶簡単油ソバ」で使用しました麺と醤油ラーメンスープで、普通に作ったとすると、麺は406kcal、スープは126kcalですから、カロリーの合計は646kcalに跳ね上がります。
こうして見ますと「川模廠オリジナルレシピラーメン 第四号 超絶簡単油ソバ」の場合、カロリーの約6割は炭水化物の麺なので、これを蒟蒻に置き換えた効果は大きいです。ボリュームをキープしつつ、カロリーを抑える。この相反する二つの要素を両立するのに、蒟蒻は、最強かも知れません。
一方で、前回テーマとしました塩分につきましては、市販の醤油ラーメンスープの場合、だいたい7g前後となっています。もう、これは完全にアウトです。市販品を使ったり、外でラーメンを食べると、1食で1日の食塩量を摂取する事になる、と言う事でしょう。
これは、もう油ダレを残すなどして、何とか体内に入れないように努めるしかありません。
「川模廠オリジナルレシピラーメン 第四号 超絶簡単油ソバ
白滝Ver.」の利点としましては、オリーブオイルを加熱しないので健康効果を損なうことなく摂取できる、同じく健康食品である酢も摂取することができる、麺の代替として蒟蒻を使用しているので全体でも低カロリー、相変わらず調理時間が短くて簡単、といった辺りになると思います。
一方で市販品を利用するので、塩分を下げる事ができない、という弊害があります。
あと、健康面に直接関係無いかも知れませんが、白滝(蒟蒻)は、生麺に比べて、格段に消費期限が長い! というメリットもあります。長期間の買い置きが利く、というのも、自作ラーメンでは、結構大きな要素と言えます。
麺の代替品として蒟蒻を使用する、その点につきましては、市販品がそれなりに出回っている事からしても、失敗する要素は少ないとは思っていました。食べた感想しましても、蒟蒻が嫌いでない事が大前提ですが、代替品にならなくもない、と言った感じです。
ただ、それだけでは中華麺を蒟蒻に置き換えただけですし、総カロリーの6割をカットするのだから、もう後は何をやっても低カロリーにはなります。蒟蒻を使うメリットを再認識した点では成果と言えなくもないですが、それでは面白くありません。
単純にカロリーをカットするだけなら、上記の結果から見ましても蒟蒻(白滝)は、最強の食材と言えます。代替食品として売られてはいますが、代替と言う事は裏を返せば、本物ではないと言う事です。
一つの手段と言うか、引出の一つとして、蒟蒻を使うのも手ではありますが、このまま進めていっても、最終的には蒟蒻料理のレシピが出来るだけで、ラーメンのレシピではないような気がします。
今回は、珍しく調理よりかも考証が多くなりましたが、タンメンの例でも分るように、減塩になっているであろう、ヘルシーだと思う、それで作っても結果が出ない事は明白です。こう言ったテーマの場合は、ある程度は数字を出してから、レシピを構成する必要性を感じました。
次回は、当HPの原点を踏まえつつ、日常食として健康面に配慮したラーメン、これを目指したいと思います。
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