イラク戦争から見た のアメリカ・ろな日本
−平和を守るための「整憲論」(第九条考え直し論)-



■1、当時のアメリカの経済状況■



●不況の兆候●



E:
さて、クリントン前大統領の頃はまだ景気、つまり経済状況が良かったが、ブッシュが大統領になった頃には、IT産業のバブルが崩壊(2000)し、そしてもっと後には同時多発テロの経済的影響もあり、それまで好景気を謳歌していたアメリカ経済も不況局面に入る予感が濃厚だった。今ではずいぶん景気も上向いているけれど、当時は不安がとても大きかったに違いない。

 だから当時、大統領としての力量が問われていたように思うんだ。この難局を何とかしなくてはならん。そこで国民の批判の矛先を国の外部へ向けて…、つまりアフガニスタンへの空爆(2001・10/7)へと。

H:そうそう、あの頃はデリバティブ(金融派生商品)(6)も勢いがなくなっていたし、のちに京都議定書(7)から離脱(2002・8)してまで守ろうとした高度消費社会(アメリカンドリーム=アメリカの繁栄)が維持できなくなりそうな危機感があった。


●企業との癒着の発覚●



E:
それに、アフガニスタン空爆で経済に明るさが兆した(軍需産業+半導体産業の活況)と思ったら、ブッシュ自身に関わる不祥事が社会問題になった。

 ブッシュの地元テキサスの巨大企業で全米第七位のエネルギー商社エンロンの不祥事(8)、つまりエンロンの膨大な粉飾決算の発覚による経営破綻(2001・12)がそれだ。それとともに、エンロンの政界との癒着(ケネス・レイ会長はブッシュに対し総額七十万ドルの政治献金)等が暴露されたわけだ。その他にもインサイダー取引や証券詐欺、そしてクレディット・デリバティブによるリスクや自殺者などを出したし…。それだけではないよ。それ以降、次々と大企業の不祥事が暴かれていったんだ。こうしてアメリカ全体の企業体質の醜悪さが国民の目にさらされてゆくことになる。
 特に、全米第二位の長距離通信会社ワールドコムの不正経理問題(2002・6)と政府との癒着の発覚による倒産の問題は大きかった。これは企業会計不信と通信バブルの崩壊を予測させ、投資家の心理を冷え込ませることになったんだ。

 ともかくその頃、経済を背景にした難問が目白押しだったから、ブッシュ政権はこれらの問題から国民の目をそらさなければならなくなったわけだ。

H:それはそうなんだが…。それに確かに戦争をすることで経済が上向くことも分かるが、でも国民の目をそらそうとしてイラク戦争を起こしたなんて、 “そこまでやるかぁ”って気分がするよ。

E:僕もそう思うよ。でも、きっとブッシュには緊急な課題であったのは事実だと思うな。もっともそれ以前に、ブッシュの「政策集団」が問題なのだが、経済問題はイラク戦争の開始に多かれ少なかれ影響を与えたのかもしれないね。


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