♂ アル・マディオ … 16歳。大国デルトリクで炭鉱夫(ディガー)の仕事をしている。まっすぐな性格。

♀ フィーナ・マディオ … 14歳。アルの妹。可愛くて気立てが良くて料理も得意と、まさに三拍子揃った理想的の妹。

♀ ルティア・シュタイン … 16歳。デルトリク王都オーガンの技術者。まだ若いが技術・知識面ではオーガン随一。性格はいわゆるツンデレ。

♂ ガルモート … デルトリク侵略を狙うジオード国の軍人。性格はサディスティック。目的の為には手段を選ばない。

♀ ??? … 人型兵器サテライターに搭載されているOSが発する合成音声。機械ゆえに無感情。

■設定資料■



N 「その昔、人間の最も愚かな行為によって、地表の95パーセント以上が海に沈んだ。
   生き残った人々は、残された大地から過去の遺物を掘り起こし、糧とした。

   デルトリクで炭鉱夫(ディガー)を営む少年、アルは、ある日謎の巨大な卵を掘り当てる。
   その卵の価値を鑑定してもらうべく向かった先で、アルは一人の少女、ルティアと出会う。
   彼女は卵を見るやいなや、その中身を確信する。
   人型機動兵器、サテライター。それが卵の正体だった。

   発見の喜びも束の間、サテライターを奪取せんとする隣国ジオードの軍人、ガルモートが二人の前に立ちはだかる。
   アルは妹を人質にとられ危機に陥るが、からくもサテライターの起動に成功したのだった」


ガルモート 「この……! 離せクソ餓鬼!!」


 足を抱え込んで離さないルティアの頭を踏みつける。


ルティア 「うっぐっ……アル! 早く乗ってぇ!!」

アル 「って言われても、どうすりゃ乗れるんだよ!」

ガルモート 「クソが! 離しやがれってんだよ! おらぁ!」


 微塵の容赦もなく何度もルティアを踏みつける。


ルティア 「ぐっ……ああっ!!」

アル 「おいお前! 頼むっ! なあ! どうすりゃいいんだよ!? 早くしないとルティアが……!
    お前、聞こえてるんだろ!? とにかく何でもいいから俺を乗せてくれ!!」


 半ばパニックになりながら訴えるアル。一瞬、目の前が真っ白になったかと思うと、次の瞬間、アルは見知らぬ場所に居た。


アル 「……へ?」

ルティア 「やった!」


 目の前のモニターの中に、ガルモートと、それに激しく抵抗するルティアが見えた。少し離れた所にフィーナも倒れている。
 自分は今サテライターの中にいるのだと瞬時に認識する。


アル 「どういう仕掛けか知らないが……よぉし、行くぜ相棒!」


ルティア 『双魂のジェミニ 第二話 欠けた双子星』


??? 『シングルキャストモード、オン。出力は50%に制限されます』

アル 「とにかくルティアを助けないと! おいこれ、どうやって動かすんだ!?」

??? 『本機の操縦は全てキャストの意識下で実行されます。意識を集中させて下さい』

アル 「意識を集中ってどうやるんだよ!? 行け……行け……行け……行けえッ!」

??? 『加速(ブースト)』


 サテライターの背部からジェットが噴出され、爆発的に加速する。
 機体がガルモートとルティアの居る場所に急接近した。


ガルモート 「うおおっ!?」

ルティア 「きゃあっ!」

アル 「止まれ止まれ!!」


 脚部から爪がせり出し地面を削りながら急停止をかける。


アル 「あっぶね……」

ルティア 「この馬鹿! もう少し考えて動きなさいよ! あやうくぶつかる所だわ!」

アル 「わ、悪い!」

ガルモート 「チッ……オイ小僧!」

アル 「小僧じゃない、俺はアルだ!」

ガルモート 「こっちにはまだ人質がいるってことを忘れんなよ? そこから一歩でも動いてみな、可愛い妹ちゃんの首を掻っ切るぜェ」


 縛られたままのフィーナの喉元に、ナイフが突きつけられる。


フィーナ 「いやっ!」

アル 「や、やめろ!」


 思わず腕を伸ばすアル。


ガルモート 「動くなっつってんだろうが」

ルティア 「卑怯者!」

ガルモート 「いいねえ、最高の褒め言葉だ。俺は卑怯な事が大好きなんだよ。ホラ、どうだ? 動いてみるか? あぁ? ヘッヘッヘ」

アル 「くっ……」

ガルモート 「クハッハッハッハ! 形勢逆転だな小僧。妹を助けたいならその機体から降りるんだ」

アル 「……わかったよ」

ガルモート 「おっと、機体のデータを初期化してからだ」

アル 「え?」

ガルモート 「お前が降りても、後で使いもんにならなきゃ意味がねえ」

ルティア 「……随分詳しいのね」

ガルモート 「機械を発掘してるのはこの国だけじゃねえんだぜ。どの国も必死で掘ってんのさ。馬鹿みてえにな」


 ---コックピット内での会話---

アル 「初期化……ってなんだ?」

??? 『初期化を行った場合、あなたのユーザーデータが消去されます。それにより新規ユーザーの登録が可能となります』

アル 「なるほどな……」

??? 『初期化しますか?』

アル 「くっ……言う通りにするしかないのか」

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ルティア 「ねえ軍人さん」

ガルモート 「動くなっつったろ」

ルティア 「喋るだけならいいでしょ? 私、これでもサテライターには詳しいのよ。あなたよりもね」

ガルモート 「……」

ルティア 「疑うのも無理ないかもしれなけど、この襟のバッジ、デルトリク王立科学省のバッジよ。動いていいなら胸ポケットに証明書も入ってるから──」

ガルモート 「何が言いたい?」

ルティア 「つまりね……物心ついた時から機械が大・大・大好きで、デルトリク王立機械学校に入学して、気がついたら主席で卒業しちゃうくらいなのよ」


 言いながらルティアはアルにウインクをする。


アル 「ルティア……?」

ルティア 「そして今は、権威ある王立科学省でロストテクノロジー研究にすべてを捧げてる……稀代の天才美少女サイエンティスト。
      ルティア・シュタインとは、、、、私のことよっ!」


 ルティアが右手の中指に嵌めている指輪に仕込んでいた閃光弾を炸裂させる。


ガルモート 「うっ!?」

フィーナ 「きゃっ!?」

アル 「うわっ!?」

??? 『異常な光量を感知。対閃光モード、オン』

ルティア 「離れて!」


 無我夢中でフィーナが前方に跳ぶ。人質を失ったガルモートの首筋にルティアが何かを押し当てた。


ガルモート 「グあああアぁぁぁっ!!!」


 バチバチという音と共に青白い電光が走り、ガルモートの体がびくんと跳ね上がる。
 肉の焦げた匂いが鼻をついた。いつの間にかサングラスを装着しているルティア。


ルティア 「これがスタンガンの味よ。覚えておきなさい。
      アル! 手のひらを上にして! 地面につけて待機!」

アル 「わ、わかった!」

ガルモート 「ウグっ……う、く、く………クソガキがああァァっ!!」


 ガルモートが滅茶苦茶にナイフを振り回す。だが閃光で眩んだ目では当てられるはずもない。


ガルモート 「ハア、ハア……! ウウウ……! どこだアァ!」

ルティア 「アレを喰らってまだ動けるなんて……!」

アル 「ルティア! フィーナ! 来い!」


 サテライターの手のひらに、縛られたままのフィーナを抱えてルティアが駆け込む。


ルティア 「ここを突破するわ。合図するまで直進して!」

アル 「任せろ! 合図なんかなくったって進めるさ。ここは俺の庭だからな」

ルティア 「そうだったわね」

ガルモート 「ハア、ハア……。チィッ、どこだっ!? どこにいるうゥッッ!?」

アル 「二人共、しっかり掴まってろよ」

フィーナ 「うん!」

ルティア 「あ、あんまり揺らさないでよ」

アル 「行くぜっ!」

??? 『ブースト』






 ---炭鉱近くの草原---


ルティア 「うっぷ……気持ち悪い……」

フィーナ 「ルティアさん、大丈夫ですか?」

ルティア 「うー…あんまり大丈夫じゃ、ない……」

アル 「だらしねえなぁ、俺なんか何時間トロッコ乗ってても大丈夫だぞ?」

ルティア 「トロッコと一緒にするな! ……うぷ」

フィーナ 「ルティアさん」

ルティア 「く、屈辱だわ……」

アル 「はは。あ! そういやフィーナ、お前はどこか痛い所とかないのか?」

フィーナ 「うん、私は大丈夫だよ」

アル 「あっ、ここ赤くなってんじゃねーか! こりゃ痛かっただろ……あの野郎、無茶苦茶しやがって」

フィーナ 「大したことないってば。もう、心配性なんだから」

アル 「いや、だってさ……」

ルティア 「アル、あんたってもしかしなくても、シスコンよね」

アル 「何とでも言え」

ルティア 「少しは否定しなさいよ」

フィーナ 「もう、お兄ちゃんてば……」(恥ずかしい)

ルティア 「うっ……だめだわ。本気で気持ち悪くなってきた」

フィーナ 「ルティアさん、しっかり」

アル 「はははは!」

フィーナ 「お兄ちゃん! 誰のせいでこうなったと思ってるの?」

アル 「んー……さっきの軍人?」

ルティア 「それは根源的理由であって、乗り物酔いの直接的な原因は、あなたのヘタクソな操縦のせいよ」

アル 「悪い悪い、おまえがそこまで機械に弱いとは思わなくってさ」

ルティア 「あなたねぇ! 言うに事欠いてこの私にッ……うぷ……わ、私は、乗り物がほんのちょっと苦手なだけであって、断じて機械に弱いわけじゃないわ!」

アル 「わ、わかったからちょっと落ち着けって。興奮すると余計に気分が悪くなるぞ」

ルティア 「うぅ……誰のせいよ……」

アル 「まーちょっとのあいだ寝転んで静かにしてりゃ治るさ」

フィーナ 「ルティアさん、私の膝にどうぞ」

ルティア 「……いいの? 悪いわね、じゃあお言葉に甘えて……」

フィーナ 「はい」

ルティア 「ふー……」







アル 「それにしてもあの機械……サテライターだっけ。すごいモンが地面に埋まってるんだな」

フィーナ 「うん。昔の人ってすごかったんだね」

アル 「普段俺たちが使ってる機械とか、ほとんど発掘したもののコピーだもんな」

フィーナ 「この調子なら、鳥みたいに自由に空を飛べる機械が発見される日は、そう遠くないねっ」

アル 「はは、フィーナはそればっかりだな。でも、あるかもしれない」

ルティア 「……熱気球で良かったら乗せてあげるわよ」


 ルティアが体を起こしながら言った。


フィーナ 「ねつ……ききゅう?」

アル 「なんだそりゃ」

ルティア 「鳥みたいに飛び回るって感じじゃないけど、ゆったり空を楽しめる乗り物よ」

アル 「そんなモンがあるのか」

フィーナ 「る、ルティアさんはそれに乗ったことがあるんですか!?」

ルティア 「え、ええ。私の父が持っていて、前に乗せてもらったことがあるの」

フィーナ 「えーっ! ほ、本当に、それに乗せてもらえるんですか」

ルティア 「本当よ。オーガンの私の家に来てくれればね」

フィーナ 「い、行きます行きます! おにーちゃん!! やったよ! やったあ!」

アル 「良かったな」


 嬉しさが頂点に達し、走り回るフィーナ。


ルティア 「……」

アル 「フィーナは小さい頃から空が好きでさ、いつか空を飛んでみたいっていうのが夢だったんだよ。サンキューな、ルティア」

ルティア 「あ、あんたに礼を言われる筋合いはないわ」

フィーナ 「ルティアさん、ありがとうございます!! あっ、そういえば自己紹介がまだでしたね。
      私はフィーナ・マディオ。えっと……お兄ちゃんの妹です」

アル 「なんだよそれ(笑)」

フィーナ 「だって……。えと、趣味は……お料理と、お洗濯と……お掃除です!」

ルティア 「……」

フィーナ 「あ、あれ……変でしたか……?」

ルティア 「アル、あなたには勿体ない妹さんね」

アル 「まあな」 ←まんざらでもない。

ルティア 「わたしはルティア・シュタイン。趣味はロストテクノロジーの研究。よろしくね」

フィーナ 「はい! よろしくお願いします。それであの、ルティアさんの家にはいつお邪魔していいですか?」

ルティア 「あ……ええと、そうね。アルのサテライターを調べ終わったら、いつでもいいわよ」

フィーナ 「やたっ! あ、お兄ちゃんも一緒に行って大丈夫ですか?」

ルティア 「……」

アル 「おい、露骨に嫌そうな顔するなよ」

ルティア 「冗談よ。大したおもてなしはできないけど、二人でいらっしゃい。歓迎するわ」

フィーナ 「わあ、ありがとうございます、ルティアさ──」


 パンッ。
 唐突に何かが破裂する音。木々から鳥が飛び立つ。


フィーナ 「あ……」


 フィーナは少し驚いた表情になり、糸が切れたマリオネットのように地面に倒れこむ。


ルティア 「フィーナ……ちゃん?」

アル 「フィーナ!!」

フィーナ 「おにい、ちゃん……」


 アル、フィーナに駆け寄る。アルの肩越しに何かが光ったのをルティアは見逃さなかった。


ルティア 「アル! 危ないっ!!」

アル 「!?」


 更に二発の破裂音。間違いなく銃声だった。アルを突き飛ばしたルティアの右肩を一発の銃弾がかすめていく。


ルティア 「つっ!!」

アル 「大丈夫か!?」

ルティア 「……かすり傷よ……大丈夫。それより伏せて! 遮蔽物の無いここじゃ的になる!」


 フィーナは倒れたまま動かない。


アル 「フィーナ! フィーナ!」

ルティア 「アル! 彼女のことは私に任せて。あなたは早くサテライターに乗って!」

アル 「っ……畜生ォッ!!」

??? 『マスター確認。サテライター、起動します』


 サテライターの装甲で爆発が起こる。


??? 『被弾。機体に損傷はありません』

ガルモート 「けっ。いっちょまえの装甲してやがる」

アル 「お、お前ッ……! どうやってあそこから出てきた!」

ガルモート 「出口を塞いだくらいで閉じ込めたつもりか? バァーカ。爆薬でぶっ飛ばしてやったよ。
       この俺を手こずらせてくれた礼はキッチリとさせてもらうぜ」

アル 「よくも……よくもフィーナを!! うああああああっ!!!」


 ガルモートに向かって突進するサテライター。が、激突する瞬間にガルモートの姿が消えた。


アル 「なっ……!? ど、どこだ!?」

??? 『敵機接近』

ガルモート 「ド素人が!!」

アル 「ッ!? うわああっ!!」


 強烈な衝撃が機体を襲う。
 体当たりをしてきたそれは、アルのサテライターとは形状が異なる、装甲の鋭利なエッジが特徴的なサテライターだった。


ルティア 「あの機体は……ジオードの!?」

??? 『脚部損傷。通常歩行に問題発生』

アル 「くっ……痛ってぇ……」

ガルモート 「気が変わったぜ小僧」

アル 「……?」

ガルモート 「回収はやめだ。そのガラクタもろとも、バラバラに刻んでやるよ」


 ガルモートの機体が巨大なチェーンソーを振りあげる。唸りをあげて高速回転するブレード。
 だが損傷したアルの機体はそれに反応できない。


アル 「動けクソッ! 頼むよ!」

ガルモート 「ひははァ……まっぷたつだァァァァッ!!」

アル 「ダメだ! 間に合わない!!」

ルティア 「アルッ!!」

アル 「(死ぬのか!? こんな所で、誰も守れずに……フィーナ!!)」


 アルが死を覚悟し、固く目を閉じた。その時だった。
 ready...
 <M.D.C.S>
 モニターに文字列が浮かびあがる。


??? 『マスター、目を開けて!』

アル 「!?」


 先ほどまでの無機質な機械音声とは別人の、生き生きとした音声が聞こえてきた。


??? 『しっかり前見て! 行くよ! ブースト全開ッ!』

ガルモート 「なっ、なにィ!? ウオオオオッ!」


 アルは爆発的な加速でガルモートの攻撃を避ける。勢い余ったチェンソーが地面に突き刺さった。


アル 「よ、避けれたのか? 今の声は……?」

??? 『考えるのは後! 今は敵に集中して!』

アル 「わ、わかってる! でも、どうすれば」

??? 『一人じゃダメ。でも、二人なら──』


 サブモニターに <finish arts : Meteor Crush> の表示が点滅する。


アル 「フィニッシュアーツ……」

??? 『できるよ。マスターと私の100パーセント、見せてあげようよ』

ガルモート 「ぬ、抜けねェ!!」

??? 『今だよ!』

アル 「ああ!」

??? 『フルブースト!! 行っけえーーーーーッ!!』


 背部のブースターが猛烈な勢いで炎を吐き出し、機体を一気に加速させる。


アル 「うおおおおおおおおおおッ!!!」

フィーナ 『メテオ!!』

アル 「クラアァァァァァァッシュ!!!」

ガルモート 「そんな……馬鹿なああああぁぁぁッ!!!」


 大きな弾丸となったアルの機体が、敵の機体を粉砕する。
 そして、爆炎。




アル 「フィーナ!!」


 機体から降りたアルが、フィーナとルティアのもとへ駆けてくる。
 仰向けになり、ルティアの膝に頭を預けているフィーナ。


ルティア 「アル!」

アル 「フィーナ、大丈夫か!?」

フィーナ 「おに……ちゃん……ケガは、ない……?」

アル 「怪我してるのはお前の方だろ!? 痛むか?」


 フィーナの胸に巻かれている布が真赤に染まっている。
 止血のためにルティアが自分の白衣を破り、巻きつけたものだった。


フィーナ 「痛く、ないよ……ちょっと寒いだけ」

アル 「……!」


 笑顔で応えるフィーナだったが、尋常でない出血量が事の重大さを物語っていた。


フィーナ 「あはは……熱気球……乗ってみたかったけど……無理……かな……げほっげほっ」

アル 「もう喋るな! すぐに医者に連れてってやるから!」

フィーナ 「空って……どんなかなぁ。やっぱり……気持ち、いいかな……?」

アル 「ああ! 空を飛ぶのがお前の夢だったんだろ? 気持ちいいに決まってる。だからもうじっとしてろ」

フィーナ 「もういいの……」

アル 「っ……なにがだよ!? いいわけないだろ!? ルティア、手伝ってくれ!」

ルティア 「ええ! サテライターで運べば数分で──」

フィーナ 「おにいちゃん……私……先に空……行くね……」

アル 「何言ってんだよ……ダメだフィーナ! しっかりしろ!」

ルティア 「フィーナちゃん!」

フィーナ 「ルティアさん……せっかく会えたのに……もっと色んな機械の話……聞きたかった……」

ルティア 「元気になればいくらだって聞かせてあげる。だから頑張って! 諦めないで!!」

フィーナ 「ううん……わかるの……自分のこと、だから……」

アル 「フィーナ……!」

フィーナ 「見てるから……」

アル 「だめだ」

フィーナ 「空から、見てるから……」

アル 「だめだ、フィーナ」

フィーナ 「おにいちゃんは……一人じゃないから……ね……」


 眠るように、瞼を閉じるフィーナ。


アル 「フィーナ……? フィーナ?」

ルティア 「フィーナちゃん!」

アル 「起きろよ……こんな所で寝たら、風邪ひいちまうだろうが……」

ルティア 「……」

アル 「なあ。そういう冗談はダメだって。笑えねえって……おいこらフィーナ、もうバレてんだぞ! ほら……目ぇ開けろって」


 ぴたぴたとフィーナの頬を叩くアル。だが、その指先から伝わるフィーナの体温は徐々に失われていく。


アル 「なあ……!」

ルティア 「アル……! アル……! もう彼女は……」

アル 「ルティア……嘘だって、言ってくれよ……なぁ? こんなこと………有る訳ないって……」


 答えることができず、俯くルティア。


アル 「フィーナ…………うあああああぁぁぁッ!」




N 「次回予告」

ルティア 「次回、双魂のジェミニ 第三話 影星(かげぼし)」

??? 『私がマスターの双子星になってあげる』



つづく

Copyright(C) 双魂のジェミニ製作委員会