♂ アル・マディオ … 16歳。大国デルトリクで炭鉱夫(ディガー)の仕事をしている。まっすぐな性格。

♂ モール・ウルフ … 36歳。熟練のディガーで、アルに親方と呼ばれている。口調は乱暴だが面倒見の良い性格。

♀ ディナ・ウルフ … 31歳。モールの奥さん。威勢がよくアネゴ肌な性格でかなりの美人。炭鉱の落盤事故が原因で片足が不自由なため、いつも松葉杖をついている。

♀ ルティア・シュタイン … 16歳。デルトリク王都オーガンの技術者。まだ若いが技術・知識面ではオーガン随一との呼び声も高い。性格はいわゆるツンデレ。

♀ ジェミニ … 16歳(?)明るく天真爛漫な性格。人工精霊と呼ばれる存在で、その意識はサテライターの中にある。主な役目は操縦者のサポート。

♂ ジロン・タル … 鑑定屋。高齢のため腰を痛めており、いつも店にいる。

♂ ケイファー・ナースホルン … 20歳。ルティアと同じオーガンの研究所で働く技術者。性格は温厚で、サテライターに関する知識はルティアに引けをとらない。

♂ 町人1 … ディナ様親衛隊会員No.0012 古参。

♂ 町人2 … ディナ様親衛隊会員No.0205 中堅。

♂ 町人3 … ディナ様親衛隊会員No.1124 新参。

♀ 町人4 … どこでも働いている。ベテランアルバイター。

■キャラ・設定資料■



 空がやっと白み始めた早朝。アルはひとり炭鉱の奥でツルハシを振り上げていた。
 眼前には青みを帯びた鉱石が、ぼっこりと岩間から顔を出している。
 いびつな形を成したその鉱石の一角に狙いを定める。


アル 「よっ!」


 硬質な音が響き、鉱石が周りの岩ごと削り取れる。


アル 「親方を納得させるにはやっぱりこれしかない。ディガーなら当たって砕けろだ」


ルティア 『双魂のジェミニ 第八話 男の戦い、女の戦い』


 アルの家。


アル 「ふうー……朝っぱらから疲れた」

ジェミニ 『おかえり、マスター』

アル 「ジェミニ、起きたのか。早いな」

ジェミニ 『マスターこそ、こんな朝早くに起きてどこ行ってたの? あれ、手が真っ黒だ』

アル 「炭鉱に行ってたんだよ。ついでに親方のとこにもな」

ジェミニ 『話はついたの?』

アル 「これからつけるさ」


 アルはジェミニの大きな手のひら(マニピュレーター)に海色の石を置いてやった。


ジェミニ 『えっと……これ何?』

アル 「決心石だよ」

ジェミニ 『ケッシンセキ?』

アル 「ああ。こう見えてすんげぇ硬いんだぞ?
    どうしても自分の意志を貫きたいとき、その”意志”の強さを示した”石”を相手に渡して勝負を挑む。それがこの町の伝統なんだ」

ジェミニ 『へえぇ』

アル 「綺麗な色してるだろ。磨けばアクセサリーにもなる。余分に多く採っちまったから、お前にやるよ」

ジェミニ 『……』

アル 「まあ、こんなもん貰ったって仕方ないか」

ジェミニ 『そんなことないよ! すごく嬉しい』

アル 「そ、そうか?」

ジェミニ 『でも、私が貰ってもいいのかな』

アル 「いいよ。親方にはさっき渡してきたから」

ジェミニ 『じゃあ……いただくね!』


 ジェミニの手が石を握ったかと思うと、手の甲の部分から研磨されたように輝く決心石が浮き出てきた。


アル 「え?」

ジェミニ 『どう? 似合ってる?』

アル 「い、石を取り込んだのか?」

ジェミニ 『うん!!』

アル 「どうなってんだよサテライターって奴は」

ルティア 「もう……朝っぱらからうるさいわよぉ……」

ジェミニ 『ルティア、見て見て!』

ルティア 「ふわああぁ……ん……? んん!? それ何!?」

ジェミニ 『へへー。どう? かっこいい? かわいい?』


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 モールの家。


ディナ 「で、どうするんだい? それ」


 そう言ってモールが握り締めている決心石を顎で指すディナ。


モール 「どうするも何も、言って聞かねーなら勝負で白黒つけるしかねえ。上等だ」

ディナ 「そうかい……。じゃあアタシも乗るよ」

モール 「おう。…………え?」

ディナ 「アタシもボートに乗る」

モール 「いやちょっと待て、そいつは──」

ディナ 「駄目だって言うなら、アタシもあんたに決心石を突きつけて勝負する。ボートの乗船権を賭けてね」

モール 「……!」

ディナ 「足の事なら心配いらないよ、手漕ぎのボートレースなんだからさぁ。それに……もし何かあったとしても、あんたが助けてくれるんでしょ?」

モール 「……けっ、勝手にしろ」

ディナ 「うふふ」

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 鑑定屋、店内。


アル 「──というわけでさ。悪いけど、親方との勝負の見届け役、頼まれてくんないかなぁ」

ジロン 「それは構わんが……アルよ、勝算はあるのか?」

アル 「そんなもん無いよ。でも、親方を納得させるにはこの方法しか無いし、やるだけやってみるさ」

ジロン 「ふう……好きにせい。しかし船は二人乗りじゃろう、お前さんの相方は決まっとるのか?」

アル 「ああ、ルティアに頼んだ」

ジロン 「嬢ちゃんか。大丈夫かのぉ、運動が得意なタイプではなさそうじゃが」

アル 「まあなんとかなるって! じゃあ、見届け役、頼んだよ」

ジロン 「おお。時間は正午じゃな。がんばれよ、アル!」

アル 「うん!」


 アルは店の外へ駆け出していく。


ジロン 「さて、こうしちゃおれんぞ。ひと儲けさせてもらわにゃ」


 ジロンは机に広げた大きな紙にでかでかと文字を書き始めた。


モール 「よう」

ジロン 「おお! モールか。アルから話は聞いたぞ。勝負の見届け役はワシが引き受けた。
     相手が子供とて、この勝負だけは何が起こるかわからん。最後まで気を抜くなよ」

モール 「言われるまでもねえよ。俺様を誰だと思ってやがる」

ジロン 「そういえば、お前さんの相方はどうするんじゃ? まさかディナでもなかろう」

モール 「それがその、まさかなんだよ」

ジロン 「なんと……! それじゃハンデになっとらんぞ。どう考えてもアルに勝ち目はなさそうじゃが……して、ディナはどうした?」

モール 「買い物だとよ。女ってのはのん気なもんだぜ」

ジロン 「ふん。しかしお前さんらが相手となると、アルのオッズは高くなるのう」

モール 「さっきから何を書いてんのかと思えば……賭け表かよ。ちゃっかりしてやがる」

ジロン 「胴元の取り分は4割でいいな?」

モール 「4割だぁ? 取りすぎだ。3割!」

ジロン 「博打を仕切るのは大変なんじゃぞ? 4割は譲れん」

モール 「3.5!」

ジロン 「だめじゃ。大して売れもせんガラクタを毎回買い取ってやっとるのは誰だと思っとるんじゃ」

モール 「そりゃお前の商売が下手なだけだろうが! 仕入先に文句言ってんじゃねえよ!」

ジロン 「なんじゃとおおぉ!?」

モール 「なんだよおおぉぉ!?」


 不毛な言い合いがしばらく続いた。

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 町のお店で水着を選んでいるルティア。


ルティア 「海でボートに乗るなら水着は必要よね〜……あ、これ可愛い」


 純白のビキニを手に取る。白は科学者の白衣を好むルティアにとってお気に入りの色だった。
 ルティアの妄想がはじまる。水着を着たルティアがグラビア写真集よろしく、両手を首の後ろに回した色っぽいポーズをしている。


ルティア 『どうかしら?』

アル 『悔しいけど最高だぜルティア。頭も良くてスタイルも良いなんて、反則だろ』

ケイファー 『天は君に二物を与えたんだな。ああ、女神っていうのは君のような人のことを言うんだろうな』

ルティア 『うふふふふ……それほどでも、あるかなぁ〜〜』


 謙遜しているようでまったくしていない、ニヤケきった顔のルティア。
 ルティア、ハッと我に返る。


ルティア 「──って、何考えてるのよ私ってば!」

町人4 「お気に召されましたか? そちらの水着、良かったらご試着なさいますか?」

ルティア 「え、あ……はい! 試着します!」


 試着終了。


町人4 「これより小さいサイズなんですが、ただいま在庫を切らしておりまして……申しわけございません!」

ルティア 「そ、そうですか……わかりました」


 自分に合ったサイズの品切れに、明らかに落胆の色を浮かべるルティア。
 するとそこに、松葉杖をついた背の高い女性がやってきてルティアと同じ白の水着を手に取った。


ディナ 「これ、試着させてもらってもいいかい?」

町人4 「はい、どうぞ。こちらの試着室をお使いください」

ディナ 「ありがと」


 しばらくして、試着室のカーテンが開く。なんとなく気になってルティアもそちらを向いた。


ディナ 「お姉さん、この水着ちょっと胸がきついんだけど、もう一つ上のサイズないかなー?」

ルティア 「あ……私店員じゃないです」

ディナ 「ん? ああ! ごめんごめん、間違ったよ。……あ〜〜」

ルティア 「……?」

ディナ 「お姉さんくらいの胸ならちょうど良さそうなんだけどねえ……」

ルティア 「な……なっ……!」

ディナ 「あっ、店員さん、この水着なんだけどさぁ──」

ルティア 「……!」


 怒りに震えるルティア。

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町人1 「おい、聞いたか? ひさびさに決心石の決闘をやるらしいぜ」

町人2 「へえ! そいつぁ珍しいな。一体どこの誰だい?」

町人1 「ディガーのモールと弟子のアルだってよ」

町人2 「師弟対決か、面白そうだな。ちょいと冷やかしに行ってみるか!」

町人3 「おぉいお前ら! ビッグニュースだぞ!! なんと今日の決闘、相方はどっちも女だって話だ!」

町人1&2 「何イィッ!!?」

町人2 「てぇことは、まさかモールの相方は……ディナさんッ……!」

町人1&3 「ぬはあぁッ!!?」

町人1 「そうだ。そうに違いねえ! こうしちゃいられねえぞ!!」

町人2 「召集だあっ!! メンバー全員に緊急招集!」

町人3 「おおっ! 久々のディナ様親衛隊、復活だあっ!!」


 こうしてアルとモールが決闘をするという噂は、瞬く間に狭い町内に広まったのであった。

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アル 「ただいま。……あれ?」

ジェミニ 『おかえりマスター。今日はおかえり二度目だね』

アル 「なあ、ルティアどこ行ったか知らないか?」

ジェミニ 『ルティアなら買い物に行ったよ』

アル 「買い物ぉ? これから決闘だって時に何やってんだアイツは……」

ケイファー 「ふー、暑い。アルくんおかえり」

アル 「ケイファー。ボートの方は問題なさそうか?」

ケイファー 「うん。ひと通りチェックしてみたけど問題ないね」

アル 「良かった。よし、あとはルティアだな」

ルティア 「ただいまー」

ジェミニ 『おかえりルティア』

アル 「遅かったな。これから勝負なんだから、勝手にどっか行くなよな」

ルティア 「買い物があったんだから仕方ないでしょ。
      そうそう、町で聞いたんだけど、親方さん、奥さんを勝負のパートナーにするって噂よ」

アル 「ディナさんを? 冗談だろ? だって足が……」

ルティア 「足がどうかしたの?」

アル 「ディナさんは片足が不自由なんだよ。昔、炭鉱で落盤事故に遭ったって」

ルティア 「ふうん……片足が……」

アル 「それで? 買い物ってなんだったんだ?」

ルティア 「え? ああ、海の上は照り返しがキツイから日焼け止めがいるでしょ? それと、もしものときの為の浮き輪と……」


 言いながらルティアがシャツのボタンを外し始める。


アル 「お、おい!?」

ケイファー 「る、ルティア? 何を……!」


 うろたえる男子二人に構わず、ボタンを外し終えたルティアがいきおいよくシャツの前部分を開いて見せた。


アル&ケイファー 「ちょっ──!!」

ルティア 「じゃーん! せっかくだから買っちゃったー。どう?」

アル 「み、水着かよ……」

ケイファー 「驚いた……」

ジェミニ 『真っ赤だ! かっこいーー!』

ルティア 「ふふん」

ケイファー 「ふ、普段から白衣を好んで着てる君にしては珍しいね。どうして赤なんだい?」

ルティア 「赤い色にはね、人の闘争本能を呼び起こしてアドレナリンを分泌させる効果があるのよ」

ケイファー 「成る程」

アル 「ふ〜ん?」

ルティア 「つまり勝負服にはうってつけな色ってわけ。
      そういう科学的な理由で着てるだけだから。変な勘違いしないでよね」

アル 「アドレナリン、ねえ」

ルティア 「……じろじろ見るなぁ! 変態!」

アル 「どうしろってんだよ……」

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 そして、決闘開始時刻の正午──。
 ボートを軽々と持ち上げたジェミニと、アル、ルティア、ケイファーが浜辺に到着した。
 すでに浜辺では決闘開始を今か今かと待ちわびる観衆でザワついている。


町人4 「冷たいココナッツジュースはいかがですか〜?」

町人3 「おねーちゃん! こっちこっち! ココナッツジュース3つね!」

町人4 「はい! ありがとうございまぁす!」

アル 「な、なんだこのギャラリーは」

ルティア 「一体どういうことなの……?」

ケイファー 「ざっと見ても100人以上はいるね」

ジロン 「おーーいアル! こっちじゃこっち!」

アル 「おっちゃん! これどうなってんだよ?」

ジロン 「いやそれがなぁ、今日の決闘にディナが出るとわかって、むかし親衛隊をやってたやつらが集まったようなんじゃ」

アル 「親衛隊?」


 そのとき、割れんばかりの歓声が響き渡った。


町人1&2&3&4 「おおおおおおお!!」

ジロン 「来おったな」

アル 「え?」


 歓声の的となっているのはモール……ではなく、その隣を歩くブロンドの女性。薄手のガウンを羽織ったディナだった。


町人1&2&3&4 「ディーナ! ディーナ! ディーナ! ディーナ!」

アル 「ディナさん!?」

ジロン 「あのじゃじゃ馬め、顔とスタイルだけはええからのう。結婚して親衛隊も解散したはずだったんじゃが。
     どれ、ちょっと静かにさせてこようかのう」


 ジロン、ギャラリーのほうへ歩いていく。


ルティア 「あの人が親方さんの奥さん……やっぱりそうだったのね」

ケイファー 「美しい……まるで女神だ……」

ルティア 「……ふん!」


 モールとディナがこちらに近づいてくる。


モール 「アル!!」

アル 「!」

モール 「お前の意志、たしかに受け取ったぜ。だが、町を出て旅に出るなんざ認められねえ。
     この国がどこと戦争をしようと、お前が首を突っ込む事じゃねえんだ」

アル 「親方……」

ディナ 「アル。悪いけどアタシも反対だよ。そりゃあアタシだってジオードは許せないよ。
     でもね、これ以上あんたを危険な目に遭わせたくないんだ」

アル 「ディナさん……」

ディナ 「そこのでっかい機械が戦争を止めるカギだってことも聞いた。それを動かせるのはアルだけだって事もね。
     でも、それでアルに何かあったらどうするんだい?
     血の繋がりがなくったって、アンタはアタシたちの大事な子どもなんだ」

アル 「……!」

モール 「だから、俺たちでお前の決心を砕く。それが間違いかどうかなんて知ったこっちゃねえ」

アル 「…………。二人とも、ありがとう。

    でも俺だって、親方やディナさんや、町のみんなを守りたいんだ」

ディナ 「……!」

アル 「戦争を止める、その力がジェミニにあるんなら、俺がやらなきゃいけない。そう思うんだ」

モール 「アル……」

ジェミニ 『心配ないよ』

モール&ディナ「!?」

ジェミニ 『何があっても、マスターは私が守ってみせるから』

モール 「その機械、誰か中に入ってんのか?」

ディナ 「女の子……?」

アル 「あっ、えーと、違うんだ。こいつはその、人工精霊ってやつで、何ていうか……まぁあとで話すよ」

ジェミニ 『ジェミニです。よろしくね!』


 不思議そうに顔を見合わせるモールとディナ。


ルティア 「親方さん、ディナさん。初めまして。王立科学省のルティア・シュタインです」

モール 「おお、アルから聞いてるぜ。若ぇのに大したもんだ」

ディナ 「あんたがルティアちゃんか。アタシはディナ。よろしく──あれ? あんたさっきの……」

ルティア 「私たち、絶対に負けませんから」

ディナ 「……ずいぶん強気だね」

ルティア 「はい。胸の大きさが、戦力の決定的差ではないことを教えてあげます!」

ディナ 「はははっ、そういうことか。でも、アタシも負けるつもりはないよ」

ルティア 「のぞむところです」

ディナ 「あんたも、アルは町を出た方がいいと思うかい?」

ルティア 「それは…………出るべきだと思います」

ディナ 「どうしてそう思うんだい?」

ルティア 「……女の勘です」

ディナ 「成る程ね」


 ディナが一歩前に歩み出る。
 ルティアがディナを見上げる形になる。そのたわわな胸の迫力にたじろぐルティア。


ルティア 「っ……」

ディナ 「アルのこと、よろしく頼むよ」

ルティア 「え……はい」

ジロン 「おおい、どうしたー? そろそろ始めんと観衆が待ちきれなくなっとるぞい」

モール 「よぉし、おっぱじめるか」

ディナ 「アル、あたしに遠慮しないで本気でやりなよ!」


 ディナはそう言うと羽織っていたガウンを脱ぎ捨てた。


モール以外全員 「おおっ!!?」


 女性から見ても間違いなく魅力的であろうディナのプロポーションがあらわになる。松葉杖をついているが、そんなことはまったく気にならない。
 豊満なバスト、くびれた腰。出るところは出て、締まるところは締まっている。
 身に着けた純白のビキニからは、こぼれ落ちそうな胸がのぞいている。その扇情的な光景にギャラリーは一層熱を増した。


町人4 「綺麗……!」

町人1 「うおおー! ディナさんのビキニ姿、激マブっす!!!」

町人3 「くぅ〜〜〜!! モールの奴、あんなべっぴん嫁さんにしやがって、羨ましすぎんだよォ!!」

町人2 「モールてめぇこの野郎!!」

モール 「なんで俺がブーイングされてんだよ……」

ルティア 「私だって水着着てるのにぃ……!」

モール 「オヤジ、さっさと始めてくれ」

ジロン 「では皆さん! 大変お待たせいたしました!
     この町の由緒ある伝統、決心石の決闘の開催を、ここに宣言します。
     そして、このたび強固な意志を持って立ち上がったのは駆け出しディガーのアル・マディオとその友人、ルティア・シュタイン。
     これに受けて立つのは熟練ディガー、モール・ウルフとその妻、ディナ・ウルフです」

町人4 「どっちもがんばってー!!」

町人1 「L・O・V・E・ラブリーディナさん!!」

町人2 「モールてめこの野郎ォ!! ディナさーーーん! 俺だぁーーー! 結婚してくれーーーっ!」

町人3 「ディナさんもいいけど、あのルティアって子も結構可愛いよな……ああっ! どっちを応援したらいいんだ!」

ジロン 「ルールは簡単。スタートラインから50メートル先の海岸にボートが置いてある。
     まずはそこまで走っていって、ボートに乗ったらまずは一人が漕ぐ。
     赤い色のウキまでたどり着いたら、あとは二人でひたすら漕ぐのみじゃ。4キロ先の小島に先に到着したほうの勝ちとする。
     では、双方恨みっこなしの真剣勝負。お前さんたち、準備はよいか?」

アル 「オーケー」

ケイファー 「アル君! ルティア! 頑張って」

ジェミニ 『ふたりとも頑張れー!』

モール 「アル、手は抜かねえぜ」

アル 「上等。こっちも全力で行くよ」

ジロン 「それでは位置について。よーーい…………スタート!!!」


 次回予告


ルティア 「アル、どんどん離されてるわよ! もっと早く漕いで!」

アル 「これでも全力だっ!」

ケイファー 「漕ぎ手の二人が息を合わせないと、ボートはうまく進まない」

ディナ 「船のオールも松葉杖も似たようなモンだよ」

モール 「世界平和について語るなんざ、十年早ぇんだよ」

ジェミニ 『次回、双魂のジェミニ 第九話 船上のダブルキャスト・前編』

ルティア 「人工呼吸ってどうすればいいんだっけ……」





つづく

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