「何から何まですみません…トランクスくん」

「いえ困った時はお互い様ですよ」



悟空さんの時代のオレと一緒にこの時代へとやってきた女性さん。

『もう1人のオレ』の幼馴染であるさんはオレの事も『トランクスくん』と親しみを込めて呼んでくれた。
その明るい性格で清楚でお淑やかな物腰が彼女の育ちのよさを感じた。


そして今、
『もう1人のオレ』は母さんに連行され、2人だけにされたオレ達は都へ買出しに行く事にした。

『もう1人のオレ』の生活用品はオレのを代用すればいいが、
さすがにさんの物は買い揃えないと…


なんて気が利いていればいいのだが本当の所は
昨夜、母さんからさんの買い物に付き合うように資金を預かっていた。





『もう1人のオレ』にはなんと言うか申し訳ない…


今頃は母さんの玩具にされているに違いないのだから











【Today or Future?】
   -芽生える感情-






「…(じー)」

「…」



さんの視線が痛い
買い物に来てからずっとオレの顔を見ているような…



「…あのさん。なにか?」


「え?あっ!いえ…すみません!!何ていうか落ち着かなくて」



何が落ち着かないんだろう?
慣れない都に疲れたんだろうか?



「同じトランクスくんなのに、雰囲気が随分違うので…つい」


「あはは…そうですよね。やっぱり戸惑いますよね。」



確かにそれは無理の無いこと。
オレだって、悟空さんが生きてる過去に行って過去の母さん達に会った時は戸惑った。


そうか。

彼女はその時のオレと同じ状況なんだ…。




「一緒に来た『オレ』はどうですか?さんを困らせたりしてません?」


「はい。とても仲良くしてくれますよ。」




さんが柔らかく笑った。

それはとても綺麗に感じた。







「…そういえばさん。洋服とかは大丈夫ですか?」

「え?」



買った物は本当に最小限の生活用品のみ。
着替えになるようなものはまだ買っていない。



「いえ、この法衣があるので後は中だけ替えればと…」



そう言ってさんは着ている紺の法衣の裾を掴んだ。
神秘的で神聖な雰囲気で何度観てもやっぱり珍しい服だった。





「遠慮しないでください。さんは女性なんですから服は必需品でしょう?」




何から何まですみません。と申し訳なさそうにさんは頷いた。
そんな控えめな所もきっと彼女の魅力なのだろう。





「いらっしゃいませ〜」


「う…」



入ったのは女性向けの洋服屋。
明るく店員が迎えてくれた。


店の中はみんな女性ばっかりだ。
来るまで気付かなかったけれど付き添いとはいえ男のオレがこの空間にいるのは恥ずかしい…


(あぁ周りの視線が痛い…)



「どのようなものお探しですか〜?」

「こちらの時代の方が着ている物であれば何でも…」



「へ?」


さんの要望にぽかんと呆然としている店員。




「あぁ!!すみません!!
取り合えず彼女に似合うものを探してもらえますか!?
さん。オレはあっちのソファで待ってますんで!!」



「トランクスくん。顔真っ赤ですけど…大丈夫ですか?」




さんの気遣いにも応えず、慌ててその場を離れる。
少し離れた場所にあるソファに荷物を降ろし、腰掛けた。




(つ…疲れた)




どんな修行の後よりも身体が疲労で重い。
やはり女性の視線というのは慣れない。


女の人は苦手だ。




あれ?
でもさんとは緊張しなかったな…
どうしてだろう?


『もう1人のオレ』の幼馴染。
他の女性は違う雰囲気をもつ女性。

清楚で
明るくて
それで居てどこか抜けていて…




可愛い人







…






「…くん。トランクスくん!」


「…ん。あぁすいませんオレ寝てました…ね…。え?」




目が覚めたら目の前には白いワンピース姿のさんが立っていた。


「どうですか?店員さんの薦められたまま着てしまったんですが…」

「…」


恥ずかしそうに笑うさん。
彼女の頬は少し赤く染まっていた。


あぁ…


すごく




…綺麗だ



「とってもに…似合ってます」


「本当ですか!嬉しいです。こういう服ってあまり着た事がなかったので」





あ

またさんが笑った。

綺麗な装いでもさんは笑うとやっぱり可愛い人だ。





…ドキン






その時鼓動が高鳴った。
初めての感情にオレはまだそれが何なのか気付いていなかった。















「でもこれじゃあ空も飛べませんし、やっぱり着替えてきますね」

「え!?勿体ないです!なんならオレが担いでいきますからっ!!」


「え…でも」

「店員さん!この服!このまま買いますから!!」











FIN






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何とか出来ました4話目です。
ここまで読んで下さって本当に有難うございます。

結局今回も取り合いなしです(爆)
未トラもどんどん夢主を好きになっていきます…
次回はいけるかもです…取り合い(予定)


H21.12.29
















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