【Heroine's story】
   -最初の出会いは-








「…たく…うるさいねぇ…少しは泣け止めっての…」



そこは銀河の果ての果て。
生物が居ないはずのこの星には、1人のサイヤ人と赤ん坊と球体の宇宙船。
サイヤ人からは大量傷と血が流れ出ている。
血が流れ出す傷口を押さえる手が少しずつ弱くなる。
それに対して、腕の中の赤ん坊は一層大きな声で泣いて止まらない。



「父親の方が…懐いてたからってね…
もう…あいつは死んじまったんだから…頼むから我慢しておくれよ」




(このままじゃああたしは死んじまうねぇ…)




泣く赤ん坊をぼんやり見つめながらサイヤ人は瞳を潤ました。
そんな時。




「…っ!誰だい?」



それは音もなく、気配もなく突然現れた。
見慣れない容姿の2人の男。背の低い男と背の高い男だった。




「…!?よかったまだ生きてますね!!」




背の低い方が大きな声を上げる。
突然の事にサイヤ人は赤ん坊を強く抱きしめる。



「何だって…いうんだいあんたたち…くっ!!」



「動くな。今回復してやる。話をその後だ」



背の高い男がサイヤ人の頭上に手をやると一瞬ものすごい重力が体に圧し掛かるような感覚が走る。
そしてあっという間にサイヤ人の傷が回復してしまった。



「…なっ!!?」



「全回復とまではいかないがこれで話はできるだろう」


サイヤ人は傷が治った事に動揺したがそれもすぐに冷静な表情に戻る。
男達の不信な行動にさらに警戒する。


「誰なんだいあんた達は?何でこんな事する。目的はなんだい?」


「私は界王神。こちらは付き人のキビトと申します。
 単刀直入に言います。あなたと一緒に暮らしていたコスモ人のさんに会わせて頂きたい」

『』の名前が出て サイヤ人の目付きが一層厳しいものになった。



「界王神?神様ってヤツかい?怪しいね。その『界王神様』があいつに何の用だって言うんだい?」

「…彼は、あなた方を襲った魔人を倒す『鍵』に成りうるかもしれないんです」


「…ふふ」

「な!?何が可笑しいんですか!?」


サイヤ人の場違いな笑いに界王神とキビトは眉間に皺がよる。


「…だって可笑しいだろ?そのはさっき殺されちまったんだからね
弱い癖にその『魔人』からコイツを逃がす為に」


サイヤ人は泣き疲れていつの間にか眠っていた赤ん坊の首根っこを掴んだ。



「な…なんですって!?」

「あんた『界王神』の癖に何も知らないんだね。
だいたいあんな弱いやつが『魔人を倒す鍵』だって?これが可笑しくてなんなんだい?」


「…っ。ではその子はあなたとさんの?」



ぐっと堪えて界王神は尋ねる。


「…まぁね。あたしに似て美人だろ?将来は母親を超えるほどの魔性の女になるかもね〜。
目の色はあいつに似ちまったけど」

「あなた…。夫が殺されたのになんでそんなふざけた事が言えるのですか!?」

「うるさいねぇ。んじゃあこいつを持って行けばいいだろ?」


サイヤ人は赤ん坊をぬいぐるみを放る様に界王神とキビトに向けて投げ捨てる。
何とか界王神が赤ん坊を受け止める。


「お。ナイスキャッチ♪」


 
「ちょっ!!!何してるんですか!!!?
仮にもあなた母親でしょう!!!」



「そいつはあいつの能力を受け継いでるんだ。あいつの代わり位にはなるだろうよ
あいつが死ぬ間際にこいつに変な術かけてたし」


「何ですって!?」


よっこいしょと両手が開放されたサイヤ人は立ち上がった。


「ちょっとどこに行くんですか!?」

「あぁ?そんなの決まっているだろ?戻るんだよ。魔人達の所に」

「何を血迷っているんですか!!?あなた死ぬ気ですか!!!」

「折角、瀕死の状態から回復したんだ。どの位強くなっているか知りたいし、
それに…やられっぱなしは性に合わないんだよ」



サイヤ人は自分の手の平をじっと見て不敵な笑みを浮かべる。



「ようやく足手まといも居なくなったし、おもいっきり戦えるしね」


「あなたはわが子が可愛くないのですか!!?
無責任ですよ!!!」


界王神は激怒した。
母は子を大事にする。
そんな生命の常識をはずしている目の前のサイヤ人に怒りがこみ上げる。



「…何とでも言いな。そいつはあんたが好きにすればいいさ。
育てるなり、捨てるなり。文句はないよ」


自分に向けた彼女の精悍は表情に界王神は何も言えなくなった。



彼女がそこまで戦いに拘るのは



最愛の人の為か

それとも戦闘民族サイヤ人の血なのか



それは宇宙船に乗り込む彼女しか知らない。


界王神とキビトはただ、死にゆく彼女の宇宙船をを見送る事しかできなった。



…



「界王神様…その赤ん坊、いかが致しますか?」


「…」



界王神はキビトの問いに戸惑いながら赤ん坊の顔を覗き込んだ。
よく眠っていた赤ん坊の小さな寝息が何とも愛らしく感じ目元が綻ぶ。



「名前を…聞くのを忘れてしまいましたね。キビト」


「え?」



よく見ると赤ん坊の巻いてある布には見知らぬ文字で刺繍があった。


「これは…コスモ語で『』と読みますね」


キビトがさりげなく口に出した。


「…あなたの名前はですか…。
これからは私とキビトがあなたの『親』ですよ。キビト良いですね?」

「えぇ!!?正気ですか!!」

「当たり前です。コスモ人の血を受け継ぐのはだけなのですよ」


言い出したら聞かないと知っているキビトは大きなため息を漏らしながらがっくりと肩を落とした。



「わかりました。では界王神界に戻りましょう。」


キビトの瞬間移動で3人は音もなく姿を消した。
これから起こる彼らの運命を今は誰も知らない。





(魔性の女性にならないよう、ちゃんとした教育をしなければなりませんね。頼りにしてますよキビト)

(えぇ!?私がやるのですか!!?)








FIN










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はい。何とか始まりましたメインストーリー…。
てか主人公の母親、名前が一切でてないのに死んだ父親は名前が出てくるという不条理。
しかも母親はその後どうなったかとか…多分死んでますね自分的に(爆)
この無念はどこか別な話で挽回したいです(汗)
この後、主人公は界王神界で育ちます…。












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