【Heroine's story】 -初めての天下一武道会- 「さぁ。ここが地球ですよ」 「ここが…」 師匠である界王神とキビトに連れられてやってきた小さな少女。 漆黒の髪と深緑の大きな瞳には青い空と沢山の地球人が映っていた。 「人が沢山いるのですね。界王神様」 「はい。これから天下一武道会が開かれますからね。 しかしそれも魔人復活を阻止しなければみんな滅んでしまいます。 、使命は忘れていませんね?」 界王神はと呼んだ少女をじっと見つめた。 少女は息を呑んで 「『魔導士バビディを倒して魔人ブゥの復活を阻止する』です」 「よろしい。 あなたはこの戦いでの切り札です。私の支持が無い限りはこの会場を離れてはいけません。 後…あなたも天下一武道会に出場しなさい。確か、子供の部があったはずです」 「えぇ!?どうしてですか?」 「万が一魔人が復活してしまった時の為だ。危険な場所にお前を連れて行くわけには行かない。 武道会に参加するのも、その方が自然だからだ。我々は大人の部に参加する為、しばらく一緒に行動ができん。 その間、お主のような子供が1人でいたら周りの人間が関わってきて巻き込んでしまうかもしれん」 キビトがの肩を叩いた。 「それに子供の部には2人。強い者がいる。これも修行だ」 「2人?」 界王神は小さく微笑んだ。 「丁度良い機会です。参加なさい。 後、ここでは私の事は『シン』と呼びなさい。界王神だとばれてしまっては元も子もないので」 はい!と元気よく返事をするの手を引き2人は会場へ向かった。 「それよりシン様。超サイヤ人とはそれほどのものなのでしょうか…」 「わかりません。しかし今回の戦いには彼らの力なしには絶対に勝てません」 の頭上で2人の会話が飛び交う中。は黙って俯いていた。 (超サイヤ人って…金髪になっちゃうアレの事だよねきっと…) は自分が超サイヤ人になれる事を2人に言えずにいた。 物心つく頃に修行中に偶々なる事ができた超サイヤ人。 それが本当に『超サイヤ人』かどうがは父親が残してくれたコスモ人の膨大な知識で明らかではあった。 しかし自身が『超サイヤ人』になるのを嫌っていた。 (界王神様以上の力がある事を知られたくない…せめて使命を果たすその時までは) それは彼女の小さな願い。 ヒナが巣立ちの時を拒むような感覚に彼女はずっと苛まれていた。 … 「それでは天下一武道会準決勝戦を開始いたします!!!」 マイクを持った司会者の声が木魂した。 は何だかんだで準決勝まで楽々勝ち続けていた。 武道会とは言っても子供の部。 みんな子供も遊びの様なものに自身少々戸惑ったが適当に場外や気絶でもさせてここまできてしまったのだ。 (そろそろキビト様が仰っていた『2人』にぶつかってもいいのですが…) 極限まで気を抑えて様子を見ていたもさすがに困惑してくる。 参加させた当の本人達は大人の部の審査でこの場にはいない。 思えば1人で行動するのはこれが始めてで少し心細い感情が沸いてくる。 「準決勝戦はトランクスくん8歳と…子供の部では珍しい女の子の出場者、ちゃん7歳です!!」 の前には自分と同じ位の背丈の少年が出てきた。 銀髪で青い瞳の少年からは自分と同じ…それ以上の気を感じた。 (どうやら『2人』のうちの1人のようですね) は抑えていた自身の気を開放し始めた。 一方観客席では ブルマ・チチ方面 「あら、相手女の子なの? トランクスー!!顔に怪我させちゃダメだからねー!!!」 「あれまー。 もしかしてあの子、トランクスにプロポーズでもするんじゃなかべか? 何だか昔の自分を思い出すだな〜♪」 「あんた達と一緒にすんな!!」 悟空、ベジータ方面 「お?まだ準決勝かぁ〜。どうやらトランクスと悟天の決勝までに間に合ったみたいだな」 クリリンがホッとした様子で口にした。 「いや…どうなるかな?なぁベジータ?」 「フン。俺の血統があれ位のガキに負けるはずがない」 の気に気付いたZ戦士達は彼女に興味を示していた。 トランクス方面 (女…だもんな…。いつも以上に力抜かないと…) は自身の気を少しずつ解放していた為か、トランクスは彼女の気に気付いていない。 お互いに試合の構えが出来た所で 「では試合開始ー!!!!」 司会者の声と共にドーンとドラが鳴り響いた。 「参ります!!」 はドラと共に力強く地面を蹴り上げ、トランクスの前から姿を消した。 「なっ!?」 突然の事で驚くトランクスではあったが、自分の後ろに強い気を感じ紙一重での攻撃を避けた。 (コイツ、さっきまで気を消してたのか?) 幼馴染の悟天以外、自分と同等の力を持った子供はいないと思っていた彼にとってこれは予想外の展開だった。 しかもそれが男ではなく女の子であった事にも動揺が隠せない。 一方も、同世代との戦いは初めてであり、自分のスピードについてくる相手が居た事に驚いていた。 しかし驚き以上に、自分の力量が試せるような気がしてとても嬉しかったのだ。 悟空・ベジータ方面 「チッ!トランクスのヤツ。相手が女ってだけで油断しやがって」 「まぁいいじゃねーかベジータ。オラだってあれだけ出来るヤツが居るなんて思ってなかったんだしよー」 「…まぁいいさ。所詮は地球人。戦闘民族のサイヤ人の血統が負けるはずがない」 … それからと言うもの2人の試合は中々決着がつかなった。 力で言ったらトランクスの方が有利だ考えていたこの試合。 の戦闘知識とセンスがそれをカバーして見方によっては彼女が一枚上手でもある。 (このままじゃあラチがあかねー!!) 自分の攻撃が当たらない事に苛立つあまり、トランクスは悟飯から『超サイヤ人禁止』の約束を破り超化した。 「!?」 は驚いた。自分と同じ『超サイヤ人』がそこにいた。 トランクスの雰囲気が変わった事で会場中がざわついていたが、そんな音は彼女の耳には届かないほどに。 は咄嗟に舞空術で空を飛んだ。 それを追いトランクスも空を飛んだ。 「なぁお前!悪いことは言わないからさ降参しろよ!! 下手したら怪我だけじゃ済まないぞ!!」 超サイヤ人のトランクスは、の身を案じて叫んだ。 しかしもここまでやって棄権なんてしたくない。 それはやはり彼女に流れる戦闘民族の血故のものかもしれない。 「心配無用です!」 は初めて人前で超化した。 この時、はもしかしたら界王神達にばれてしまうという事よりも、 今はこの戦いを楽しみたい欲求が勝ってしまったのだ。 これにはさすがに観客席で見ていたZ戦士達やブルマ達も驚いた。 悟空・ベジータ方面 「「「「何だと!!?」」」」 「なぁ悟空…超サイヤ人になれるのってサイヤ人だけ…だよな?」 「…オラもそう思っていたんだけどよー…ベジータもしかしてオメーの子か?」 「んな訳あるか!!? 大体オレとブルマの子だったらあんな目の色した奴が生まれるか!! …しかしどういう事だ?サイヤ人はオレとカカロット。 トランクスとカカロットの餓鬼2人だけだったはず!!…まだ生き残りがいたと言うのか!?」 みんな驚いたが一番驚いたのはやはり戦っているトランクスだった。 「何で超サイヤ人になれるんだぁ!!?」 さっきまでの殺気が嘘のよう。 驚いてあたふたしているトランクスに些か困惑する。 その時 『?会場が騒がしいようですが何かあったのですか?』 の心に響いてきた界王神の声。 審査のしている界王神がテレパシーで尋ねてきたのだ。 (シン様っ!!?) はその声で正気に戻り、超化を解き、地上に降りた。 そしてスタスタと司会者に向かって歩いていく。 「どうかしましたかちゃん?」 「…棄権します」 白熱していた試合から一転、本人以外は唖然とした。 もちろんトランクスも。 超化まで見せておいてそれはない。 「ちょっ…何だよそれ!!逃げるのか!!?」 「…」 降参しろと言ったのはあなたでしょう?等と思ったではあったが口にはしなかった。 トランクスには申し訳ない気持ちはあったがやはり本来の目的を見失ってはいけない。 自身かなり反省はしていた。 『…、どうしたのですか?』 返事の遅いので再度テレパシーを送ってきた界王神には 『すみません。試合に負けしてしまいました。すぐにそちらに参りますので』 (また嘘をついちゃったな…) 司会者はずれたサングラスを掛け直してマイクを持ち直した。 「えーちゃん。本当に棄権でいいのかな?」 コクンと頷くをみて 「えーとじゃあ…勝者トランクスくん!!!!!」 司会者の声を聞き届け、は会場を後にした。 会場出入り口では試合を見ていた悟天がに興味を持ち話しかける。 「君、強いね〜。トランクス君と互角だったんだもん。びっくりしちゃったよ」 (この子は…『2人』のもう1人) 悟天の気を感じたはそれを知るのは容易だった。 「あなたはトランクスくんのお友達?」 「うん。いつも一緒に遊ぶよ!」 「そっか…それじゃあ伝えてくれないかな?『ごめんなさい』って」 「?…いいよ!伝えればいいんでしょ?」 ありがとう そう言っては界王神の居る場所へと歩いていった。 「悟天!!あいつは!!?」 が去った後、トランクスが駆け足でやってきた。 「行っちゃったよ?トランクス君!あの子がね『ごめんなさい』って伝えてほしいって!」 「…何だよそれ…。 オレはあんなの納得しないからな!!」 トランクスは大声で出入り口で叫んだ。 しかし彼女からの返事はなかった。 FIN ------------------------------------------------------ 長くなってしまいましたメインストーリー2話目…。 ここまで読んで下さって有難うございます!! 何かもう会場・観客席と場面をうまく変える文章能力がないせいでかなり読みにくい状態に(汗) どうかお許しを… 次回は破壊王子が出てくる場面まで書きたい…です。 あくまで予定ですが… がんばります。 H21.11.04 次へ お戻りの際はプラウザを閉じてお戻り下さい。