「悟飯さん。どうか私を殺してください。」



にっこり笑ったちゃんから出た言葉はあまりにも間逆な言葉だった。






















【Heroine's story】
   -最後の嘘-ちゃん!何をいってるんだ!?」


「そうです!、一体どういう事なんですか!?」



「大丈夫です。それですべてうまくいきますから…」





ちゃんは動じない。
ずっと笑ったまま。
大きな瞳はどこまでも透き通っていた。


信じたくなる

どうにかなるんじゃないかって



彼女の言うとおりにすれば
すべてがうまくいく


僕よりずっと年下で

悟天と同じ位の彼女の



彼女の笑顔にまったく曇りがないものだから…









(…でも)



「界王神様。界王神様って相手の心を読む事ができますよね?だったら…」


「駄目なんですよ。悟飯さん」


「え?」


「確かに私は心を読む事ができますが、コスモ人の…の心だけは読む事ができないんです」


「コスモ人はその膨大な知識を貯蔵しているが故にその手の精神的な技に強い耐性があるんです」




疑われるのは少し悲しいですね。

ちゃんは苦笑しながら言った。















「僕は…っ!!」



悟飯はを振り払って今にも復活するであろう魔人ブゥの珠にかめはめ波を打った。




「せめてこれで!!」




「悟飯さん…そんな事しても」



悟飯の攻撃で宙を舞う魔人の珠は地面に叩き落ち、
ピンクの煙を出しながらパカっと何ともあっさりと開いた。


中から出るピンク色の気体が邪悪な気の存在を作り上げていく。
全員が脅威に駆られている中、彼女は静かに空に視線を送っていた。




「そ…そんな」



「これで分かってでしょう?魔人ブゥは今のあなたには倒せません。
今は私を殺して『禁術』を完成させるしかないんです」




珠から復活した魔人ブゥにバビディは喜ぶ姿が遠くに見える。




「でも僕は…」



「…」




歯を食いしばり、苦悩している悟飯。
握られた拳は今にも自らを傷つけてしまいそうなほどに強く握られていた。
はそれをただ黙って見ていた。




「…あなたは…」


「シン様…」



は視線を界王神に映したがすぐに悟飯に戻した。
そして少し考えた様子で




「悟飯さん。私を殺せないのなら、せめてシン様と逃げていただけませんか?」



「な!!?」




驚く悟飯と界王神に動じる事もなく、はさらに口を動かす。



「ここは私が、何とか食い止めます。ここにいても魔人ブゥに殺されるだけですから」



「でも君の体力はもうほとんどないじゃないか!なら君も一緒に…」



「私の事はご心配なく。何かあれば未完成とはいえ『禁術』の力もあります。
お二人が逃げ切ったら私も隙をみて逃げますから」



「。必ず…必ず死なないと約束できるなら言うとおりにします。」



今まで黙っていた界王神が口を開いた。
その言葉に悟飯は驚いたが、は少し眉をひそめた。


「…」


「あなたは『界王神』であり、師匠でもある私に嘘をつきました。
だからあなたを信じるのはこれが最後です」


黙っているの目を見て、界王神は言い聞かせるように話続ける。


「…」


「約束できないなら一緒に逃げるんです」


黙っているが表情はどんどん曇っていくに最後に釘を刺した。
は何か考えた様子で口を開く。



「…わかりました。お約束します。悟飯さん、シン様をよろしくお願いします。」



は悟飯に深く頭を下げた。













…




禁術は力にあらず

禁術はコスモ人の膨大な知識のエネルギーと

術者のを

引き換えに相手を殺す呪いの一種。



強者を倒す為、自らが相手の命と半同化し、仲間に自分を殺させる。

元々非力だったコスモ人が編み出した最恐の術。




この事を口外していけないなんて嘘だ



言えなかった

言いたくなかった


言ってシン様を困らせたくなかった

あの方はお優しい方だから





だから




ごめんなさい




最後の最後まで


私はあなたに嘘をつきます。







「…さようなら。『界王神様』」





遠くの空を飛んでいく2人の姿を見つめて、は呟いた。




















FIN






------------------------------------------------------
長くなってしまいました6話目…。
てか前回からあんまり状況が進んでいない(死)




H22.01.11
















次へ

お戻りの際はプラウザを閉じてお戻り下さい。