輝く女性の人生歓走
女子マラソンのパイオニア松田千枝とオリンピックメダリストの中村多仁子が、あなたの”美しい女性の生き方”を応援します。
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〜美とは魂の純度の探求であり、もし魂が存在するならその外形にあらわれずにはおかれない〜
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一瞬の永遠

松田ところがそのチャンスがやってきました。それが、1999年、第21回大会のときです。このとき初めて娘が私と一緒に東京国際女子マラソンに参加できるようになりました。そのときには自分のことよりも娘のことがすごく心配になったのです。それで自分の殼から抜け出ることができました。娘が殼を破ってくれたのです。それが他者を受け入れる、他者とともに走れるようになったきっかけでした。
 それからもうひとつ、次の年2000年の第22回大会のことです、このとき私が初めての著書『ランニングの贈り物』(求龍堂刊)を出版することになりまして、大会間近になったときに、お世話になった方たちに一筆一筆書いて本をお送りしたのです。そうしたら普段やったこともないのに一生懸命ものを書いたものですから背中がカチカチになってしまった。走れば走るほど全身が痛くて、痛くて走れない。それがちょうど大会一週間前。そこでスポーツアロマテラビー(整体と芳香療法を組みあわせたもの)に巡り会えて、なんとか走れる身体にしていただいたのですが、自信はまったくありません。最後まで完走できるかわからない、最後尾でもいいから走ろうと。途中で走れなくなってもいいから走ろうということで走ったレースだったのです。

 そのときにつかんだのが「100%力を発揮する」ということの意味でした。「100%」というのは、その瞬間瞬間、「いま、ここ」を大切にしての100%であればいい。だからゴールまで何分で走らないといけない、ゴールまでたどりつかなくちゃいけない、そういうものはいっさい考えなくていい。そのときそのとき100%、自分が力を発揮できていればいい、そう思いましたら自分の世界が急に変わりました。
 そこで初めて「歓走」のスイッチに完全に切り替わったのです。

中村:私の好きな言葉に「一瞬の永遠」というのがありますが、いま、一瞬かもしれないけれど、振り返ってみれば永遠と同じぐらいたいせつな一瞬だったというような意昧だろうと思います。いまの松田さんのお話はまさにその一瞬、ゴールまでは考えなくていいと、一瞬のいまの自分をひたすら100%だと。

松田:そこにはタイムも順位も消えてしまっています。

中村:いままでこだわっていた「何秒で走ろう」ということが消えてしまう。自己最高記録を出していた当時は、走るたびに「まだ自己記録には及ばない」「もっと速く走れたのに」という言葉を口にされていました。でもそれがきっかけで、もう記録や勝負だとかは抜きにするようになった。
 彼女かそう変わったと同時に私の応援の仕方も非常に変わってきました。トップが外国人であろうと誰であろうと、一生懸命走ってきたのですから大声で「頑張れ!」。プログラムを見ながら「何なにさん、頑張れ!」,そういう応援に変わったのです。
 「今年の松田さんは美しいかしら」とか「今年の松田さんはどのくらい楽な走り方をしているかしら」とか、そういう見方に変わったんですね。そこで、松田さん、あなたにとっての美しい走り、あるいは自己表現をする走りとはどういうものなのか、話していただけますか。

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一瞬の永遠
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