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ハンド100%にこだわり、とにかくハンドで一から仕上げまで、やり抜きました。ハンドを魅せるためでなく、ハンドを活かす事・意味を考え、なぜを求めてやり通した作業でした。
これも自分流の経験に繋がり、これからの仕事に、答えとして返って来るでしょう。
沢山の方々に見て頂きました。着て頂きました。そして、ご意見を頂きました。手に持つと、カシミヤの重さを感じるが、袖を通し、肩で支える事で、「服が軽くなった」「柔らかい」と好印象を頂く一方、販売する方にとっては、「ハンド100%が見て解らない」「値段の付け様がない」と現実的な意見もあり、双方の意見が私にとっては、作り手としての貴重な指針になりました。
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ハンド100%にこだわる事で得た大きな経験は、ハンドの利点、ミシンの利点を使い分けることが、もの作りにとってはベストかな、と思います。つまり、道具を活かす事で素材もより良く活かす事が出来る。貴重な時間も能率的に使う事が出来る。
私は、以前、手縫いで服を仕上げる話を聞いたことがあります。しかし見た事はありませんでした。阪急百貨店の催しで、オーダーフェアーがありました。イタリー大御所の作品で、オールハンドの服が、6点ほど人台に飾ってありました。今では博物館に飾ってある服だから触ってはいけません、と私のそばに係員がくっ付いてまわる警戒振りでした。服はイタリー独特のシルエットと、柔らかそうな手仕事も、見た目はピリピリでした。
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東京のルビナッチから出向している方に、「なぜ、ハンドで仕立てるのですか、ミシンは無かったのですか」と尋ねると、「素材を活かすためです」との答えでした。「服の一番重要な箇所は肩周りです。肩周りを合わせるために、2度3度の仮縫いを行います。」とも教えて頂きましたが、どの国もいつの時代も、同じ考えで勉強しているのだな、と思いました。
縫製の勉強に尽きる事はありません。しかし、お客様からの服の魅力としては、素材・色・デザイン・縫製と技能努力も、魅力の一部に過ぎません。
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