:: 出雲王のみささぎ 西原無量のレリック・ファイル

発掘コーディネーターを目指すことにした萌絵は研修で出雲に向かう。
萌絵と一緒に発掘に赴く予定だった作業員が入院となり、代わりに派遣されてきたのが無量だった。
上秦古墳での事件から1年以上経っての再会だった。
向かったのは神立南遺跡。
行った先で、無量のみ緊急発掘の依頼が入った厳谷へ向かうように言われ、青銅の髑髏を発掘する。
神話が継承され続ける土地の住民は発掘中止を求め、萌絵の携帯に発掘中止を求める脅迫電話が入る中、地権者の息子が発掘現場で死んでいるのが見つかる。

story/trick

地元の有力な家柄の降矢と八頭の家の成り立ちに、古代から近代までを繋ぐ歴史が語られたりと歴史部分も盛りだくさんで読みごたえがあった。
シリーズ1作目の前作よりもミステリーとしても楽しめた。
犯人も最後まで読めなくて、終わりに近づくたびに「この人が犯人?」と何度もどきどきしながら読み進めたし、犯人の目的も、事件の背景も読めなかった。

ミステリー要素と「歴史の裏にはこんなことが!?」と想像掻き立てられるロマンと登場人物のキャラクターも押さえられていて、前作より私のツボにハマりました。
古い家は金田一臭漂っていて、ちょっとくらい感じもまたよし、です。
古い話でドロドロしてる。

トリックも歴史的なものをうまく絡めて、うまく作ったなーと思った。
無量がトリックに気づくまでの話の流れもいい。
殺害方法に気づくところもきちんと発掘の話を絡めているので、ここも必要性が出ていて、読んでて、ぞくりとくる。

戦後、GHQが掘り返して探していたのは青銅の髑髏だったのかとか、急に「新天皇」を名乗った“竹吉”、皇室に献上した『美保岐玉』を模した八頭家に伝わる“御統”、旧家・降矢、八頭の系図等、いくつもの謎に満ちたピースをうまく収めているのは見事だと思う。

character

『ほうらいの海翡翠』よりも登場人物が多く、皆それぞれに一癖あるか、何か抱えていそうで、ミステリーとして面白くしてしる部分だと思う。

無量の祖父、瑛一朗の話もちらちらと出てくるので、そのうちご本人も出てくるんだろうなぁ。
祖父に未だに脅える無量がちょっとかわいい。

そして、期待通りのあの人が♪

以下、ネタばれしてたり、腐的感想があるので、ご注意ください。

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出雲王のみささぎ    西原無量のレリック・ファイル
出雲王のみささぎ 西原無量のレリック・ファイル

出雲王のみささぎ 西原無量のレリック・ファイル
著者:桑原水菜
出版社:角川書店(単行本)
2012年12月

初読 : 2014年10月13日