:: 怪ほどき屋
三流霊能者の多賀宮は仲介者の紹介を受けて、鬼に付け狙われている娘の家へと赴く。
行った先では奈(にのまえ)という霊能者も呼ばれていて、分け前が減るとを心配した多賀宮は突っ掛るが、奈は馴れ馴れしく、テンション高い男で、不本意ながらも鬼退治に一緒に取り組むことになる。
story
こういう怪し(あやかし)ものに目がないので、カバー買い。
テンション高くて、馴れ馴れしい。某拝み屋の友人、榎津を思い起こさせるが、笑顔ながらも奈の方がもう少し腹黒いかな。
最初の事件をきっかけに奈と秘書の雪緒と組むことになる多賀宮も描写されている入りとしては結構ひどいものの、意外に素直で人がよく、憎めない。
というより奈に押されて翻弄されるから、むしろかわいそうなのかも(笑)。
生餌(=多賀宮)を使って、因果によって絡め取られた事件を奈が解いていくやり方が面白い。
依頼先で出会う、怪だったり、神様だったり、奈の蘊蓄も楽しい。
今までの適当な霊能者稼業が災いして因果にぐるぐる巻きに絡め取られて、霊障いっぱいの多賀宮は奈と一緒に行動していくうちにいいコンビになっていく。
「依頼人は嘘をつく」
奈の信条の下、事件・依頼の裏には隠された背景があったり、解決後にちょっとしたオチもあったり。
なので、事件の解決の仕方も少し捻りが効いている。
奈自身にも秘密がありそうだし、雪緒にも秘密がありそうなので、続刊が楽しみ。
和洋取り混ぜた異界ものが出てきて、面白い。
character
奈が結構お気に入り。
いつでも気分昂揚で、かなり自分勝手。多賀宮が嫌がっていようがお構いなし。むしろ、嫌がっているのを楽しんでいる節もあり。
素で(奈にとって)楽しいことが大好きで旅行好きでと子供のようだけど、巻末のエピソードでは少々真面目な一面も。
能力は全然見せられてないので、今後の展開に期待。
因縁解いて、解決の仕方も一捻りあって面白い。
一応、主人公のはずの多賀宮。
登場の説明がダメな感じというか屑な感じがするのに、奈には圧倒されっぱなしで、案外憎めない。
暴走しがちな奈と一緒だとむしろツッコミ役。
自分より非常識な人間に出会うと常識人になるという典型例。
奈の秘書の雪緒はいつも落ち着いていて、暴走しがちな奈の押さえ役で、秘密がある。
控え目なんだけど、押さえどころでは活躍するし、出過ぎず、奈と多賀宮の間を繋いでいい3人組になって行く。
能力を使うときなのか、多賀宮が見る、トパーズ色に透ける奈の瞳。
ここにも話がありそう。
怪ほどき屋 (角川ホラー文庫)
怪ほどきや
著者:南澤 径
出版社:角川書店(角川ホラー文庫)
2012年12月
初読 : 2014年10月27日