女のたたかい ふくよかな人は必読 大原まり子『胃動理論』


バカ度:☆☆☆

デブへのオススメ度:☆☆☆☆☆

 私は少しだけ「ふくよか」な体をしています。「デブ」などと直接的な言葉を使ってはいけません。傷つきます。太った人を言い表すときには、くれぐれも婉曲な言い回しをしてください。「あなたにはぷに萌え属性がおありですね」とか。
 さあ、そんな冗談は置いといて、今日は
大原まり子の『胃動理論』です。この短篇は『金色のミルクと白色(しろ)い時計』(角川文庫)に収録されています。
 花子(仮名)はいくら食べても太りません。対照的に(表面的には)友人であるAは少食の癖に醜く太っています。花子は美人で鼻持ちならない女。Aはその容貌と性格ブスのため、理性の鎧をまとっているという女です。ある時、Aはある疑念を抱きます。
自分たちの胃は実は異次元で繋がっているのでは?その疑念は当たっていました。そして、自然は常にそのバランスをとろうとします。だので、この異常事態の反動が起きてしまいます。二人が喧嘩をして、争った晩から、太っていたAの体はしぼみはじめました。逆に、花子(仮名)の体は・・・・・・。さあ、どうなるのでしょう。
 ふくよかな方はぜひ読んでみてください。「スカッと爽やか」な気分になること請け合いです。この『金色のミルクと白色い時計』には「まり子のMはモンスターのM」という
デブ(あ、自分で言っちゃった)には憧れの短篇も収録されています。その羨ましいシーン。主人公「わたし」はゼリー状のモンスター。人型の鋳型に体を流し込み、人体を成形します。微妙に固まってくると、鏡の前に立ち、余計なぷるぷるした部分を包丁で削げ落としたりして、理想のスタイルになります。羨ましいー!ちなみに、この短篇はのちに、『物体Mはわたしの夢を見るか?』という長篇になりました。こちらもオススメです。
 大原まり子は漫画家とり・みきの友人でもあり、少年漫画にも出演していました。『くるくるくりん』という「週刊少年チャンピオン」に連載された作品でお尻のぺたんこな「大原まり先生」を拝むことができます(ぷに萌えキャラ(?)です)。ところで、この『クルクルくりん』、昔、マガジンで連載されていた『ガチャガチャ』というマンガにそっくりです(いや、『ガチャガチャ』のほうがそっくりなのか)。読み比べをしてみると面白いかもしれませんよ。いつの時代も男の願望って変わらないのよネ。ほんっと、バカなんだから。(←誰?)
 ものすごくテーマからずれた感がありますが、むりやりに次の言葉で締めくくりたいと思います。
なんにせよSFは面白い

収録:『金色のミルクと白い時計』(角川文庫)