![]()
| シュワッチ! 椎名誠『パンツをはいたウルトラマン』 |
バカ度:★★★★
シュワッチ度:★★★★★
| 最近、出光カードのコマーシャルで算盤をはじくウルトラマンをよく見ます。今日はそんなウルトラマンのお話。算盤をはじくウルトラマンがいるのだから、これも映像化してくれないかなと思う今日この頃。今日は椎名誠『パンツをはいたウルトラマン』です。 秘宝館で土日だけのアルバイトをしているサラリーマンの「おれ」は横着して、ショーの合間にウルトラマンのコスチュームを着ていたままにしていたため、コスチュームが脱げなくなり、医者にかかるが、三ヶ月後にまた来るように言われる。(コスチュームは「するべ肉」と呼ばれている特殊な素材が使われているらしく、それがゲルベゾルテ化したらしい。ようわからんけど。) 秘宝館でのバイトだったために、ウルトラマンの股間には巨大なイチモツがぶら下がっており、妻に巨大なパンツを作ってもらい、パンツをはいたウルトラマンとして、生活することになる。会社で上司にイヤミを言われながらも、「おれ」は通常業務を続ける。このウルトラマンのコスチュームによって、通常の1.5倍の大きさ、そして、七倍の力を手に入れ、「おれ」は次第に人気者となり、営業成績も上がっていく。そんな折、駅前で事件が起こり、「おれ」は警察に協力をたのまれることとなる・・・・・・。 子供の頃、「ウルトラマンになりたい」とか、本気で考えたことはありませんか?しかし、通常の生活においては不便なことが多々あるようです。ちなみに、このウルトラマンはスぺシウム光線は出せません(たぶん)。 身体の強靭化というのは、人間の持つ根源的な欲望だと思います。「攻殻機動隊」のテレビシリーズでも「暴走の証明」の回で、「鋼鉄の体が欲しかった」とかなんとか言ってたと思いますが、私もそれに激しく賛意を覚えました。例えば、ロボットものなんかはその典型的な例です。コクピットにいるパイロットの身体の延長が巨大なロボットなわけです。道具というものの歴史は身体の延長、拡張の歴史なのだと思います。で、なにがいいたいかというと、この物語にはそういった願望を充足できる要素がたくさん含まれていて、おいしくて、日常生活に不足しているものを補うことができる健康食品的な物語なんです、ということです。 想像してください。パンツをはいたウルトラマンが電車の車両にちょこんと座っているところを。想像してください。パンツをはいたウルトラマンがオフィスで書類を作成しているところを。算盤をしているウルトラマンよりも、もっと面白いのではないかと思います。ちなみにこのウルトラマンには三分タイマーもありません。 えー、あと、人間の根源的欲求であるコスプレ欲(変身願望)もたぶん満たされることと思います。ぜひ、読んでみて下さい。収録作:『ねじのかいてん』(講談社文庫) |