一枚の小説、思いの記録
夏に響くギターの音
朝焼けに吹く風に抱かれる
夏の香りがほのかに香っている
夏が近づくと
君が弾いていたギターを思い出す
君はいつも
プロになると言っていたっけ
僕と同い年の君は
もういい年になっているはず
君の名前を聞かないのは
僕がその道に詳しくないせいか
それとも君はもうギターはやめたのか
僕はなんの夢も持っていなかった
ただ漠然と受験勉強をしていた
将来の目標を持っている人間を
僕はただ漠然と
うらやましいなと思っていた
夢は果たせなくても
君は満足しただろうか
それとも
夢を果たせて
君は満足できただろうか
僕はこうして詩を書いているが
それを夢見てたわけじゃない
成り行きでそうなっただけさ
でも自分の詩に満足している
君は結局
自分で満足できるギターの音を
出すことができただろうか
夏のにおいが君のギターの調べを
ほんとに運んできてくれればよいのに