一枚の小説、思いの記録



  運命を待ち続ける


  心に迷いが生じているとき

  僕は風の声に耳を傾けた

  風の声は僕にこう言った

   心に迷いのあるときはなにも決断してはいけません

   心に迷いが消えたときはじめてなにかを決断しなさい

  僕はその声に応えてこう言った

   心の迷いが消えるときなんてあるのでしょうか

   僕はいつも迷いの中で生きて来ました

   いつも迷いがこの心を去ったことはありませんでした

  風の声はこう言った

   迷いが消えることを待つことが出来ないなら

   せめて運命に身を委ねようとする事を止めなさい

   運命を探ろうとしてもそれは人には出来ないことなのだから

  僕は応えた

   この世にもし運命があるとしたら

   僕はそれを知りたいと願います

   運命を知れば 迷うことはないかもしれないのだから

  風の声はこう言った

   運命を知ろうとすれば 運命は逃げていきます

   運命を知ろうとしても それは意味のないことです

  僕はこう言った

   この世にもし運命なんてものがないとしたら

   運命を待ち続けてる人たちはどうなってしまうのでしょうか

  風の声がこう言い残して去っていった

   永遠に待ち続けることになるでしょう

   それが運命を待ち続けるものの運命なのだから