一枚の小説、思いの記録


 辞めた会社の思い出


  会社を辞めたとき

  これまで持っていた 会社に対する期待は行き場を失った

  仲間もいたし 会社を発展させたい情熱もあった

  それが 管理職の態度が性に合わず 辞めることになった

  辞めて最初に思ったことは

  もうこの会社のことを考えなくていいんだなあ ということだった

  

  次の会社に入ったとき

  まだ前の会社に対する非難は残っていた

  かつて大きな期待を抱いたことの裏返しだった

  あの人たちはどうしてああいう態度を当然と思えるのだろう

  彼らはどうしてあれで身が守れるつもりでいられるのだろう

  そんな疑問がしばらく頭をもたげていた


  あれから6年が過ぎ 前の会社のことは思い出になった

  かつての仲間のことも 会社の状況も気にならなくなった

  唯一 残ったのは

  あの会社で時を過ごしたという

  あたかも小学校や中学校の思い出のような記憶だけだ


  あの会社がまだ存在しているか なくなったとしても

  僕には全くなんの感傷もないという現実のみが横たわっている