一枚の小説、思いの記録



  変化を告げるニュース


  ひとり電車に乗り帰路を急ぐ

  この町の一部に 僕はなっている

  僕の抱えている夢は この群集とは無関係である

  たとえいつか僕の夢が叶ったとしても

  僕がこの町の一部であることには変わりがない

  この帰路を急ぐ人達が

  それぞれ別の夢を持っている

  もしかして 総理大臣になりたいと思っている人がいるかもしれない

  その人がもしかして総理大臣になったとしても

  僕の人生にはなんの変化も訪れることはない

  町の明かりが ポツポツと窓の外を流れていく

  この風景の中に獲物を狙う犯罪者が埋没している可能性もゼロではない

  もしかしてこの同じ電車の中にいる可能性もある

  僕は辺りに注意を向けながら 自分の部屋へと向かっていく

  僕は自分の夢を持っている

  ここで 夢が叶う妄想に浸ったとしても それは周りにいる人間には無関係である

  かりに性的な妄想に耽ったとしても

  僕はこの町の一部である

  僕は家路を急いでいる

  世の中は今日も少しづつ動いているらしい

  ニュースがそう告げているから 間違いない