歩いてきた道


  あの日 僕は住みなれた町を捨て

  ブルーハーツのTrain-Trainを聞きながら

  各駅停車に乗った

  夢を叶えるあてもなく 共に語れる友もなしに

  新天地を求めて進んでいった

  

  どうして旅立つのか その理由もわからずに

  漠然とした志の影だけを心に抱いて

  次の町で暮らし始めた


  置いてきた過去が時折り 足取りを重くし

  夢を見ることがかえって 頭を締め付ける日々が続き

  僕には生きている意味がわからなくなったかもしれない


  もしかしてあの町を捨てなければ 僕の人生はささやかだった

  かもしれないけれど 捨てた未来には帰れない


  時は流れ なんとか成功をつかんだが

  いつしか夢は光を失い 町を捨てた意味はなくなったかもしれない


  あの日の夢は自分にとってなんだったのかがわからないけど

  僕はあの日 影しか見えてなかった志を いまではしっかりと形にしている

  もう生きている意味に悩むことはないだろうと思いながら

  悩んでいた過去を懐かしく思う


  自分の選んだ未来を歩くしか 歩く道はないけれど

  過去に抱いたたくさんの未来が 時に頭をもたげたりすることもある


  いまもTrain-Trainは頭に流れたりすることもあるけれど

  昔感じた気持ちはもうわからない


  自分の歩いてきた道が 自分が歩むべき道だったかどうかは

  死ぬ直前までわからないだろう