頂は霧に包まれている


  君は背中に十字架を背負い ゴルゴタの丘を登るように

  自分を生きている

  しかしこの丘の頂上は果てしなく遠く

  辿りつく前に一生を終える事が堅く約束されている

  君の歩いて行く道には君を見物する者もなく

       泣いてくれる者も 笑う者すらいない

  さればなぜ 君はその運命を捨て 自らを辱める事を止めようとしないのか

  君はなぜ 過去の罪を生き 贖罪の光を求めようとするのか

  君が背負っている十字架は

  とうの昔に 暁の太陽が陽炎と消し去ってしまっているというのに