魔の影


  薄れていく魔の影に

  思いが乱れそうになる

  これまで見ていた世界が

  非現実である恐怖に囚われる

  早く現実の世界を見たい

  現実の世界を感じたい

  そんな焦りを感じる

     

  過去の記憶を脅かしていた

  闇に棲む生物が

  体から身を引いていく

  きっと新たな獲物を見つけたのだろう

  次に狙うものが何者か

  それを知る術はない


  僕に見えている世界は

  現実感を次第に取り戻していく

  今まで見えていた世界はなんだったのか

  思い込まされていた過去はなんだったのか

  右脳から触手を伸ばし

  全身を支配していた生物

  目に見えず 消えて初めて存在に気づく魔

  明日はまた命を取り戻しているかもしれない存在


  この先に横たわる運命という時間の中で

  魔の支配する時間はどれほどか

  魔は存在を隠し 世界に生息し続ける

  人を支配し運命を操り貶めながら

  永遠に消えることなく

  世界に生き続ける


  魔に支配される人間の運命が人知れず流転していく