バナナフィッシュの世界―映画の小部屋―

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ダレン・シャン(CIRQUE DU FREAK: THE VAMPIRE'S ASSISTANT)

世界から愛されるダーク・ファンタジー

古風なファンタジーと現代性が生み出す味

作品情報

■STAFF
監督:ポール・ワイツ
脚本:ポール・ワイツ&ブライアン・ヘルゲランド
音楽:スティーヴン・トラスク

■CAST
クリス・マッソグリア(ダレン・シャン)
ジョシュ・ハッチャーソン(スティーブ)
ジョン・C・ライリー(ラーテン・クレプスリー)
ジェシカ・カールソン(レベッカ)
渡辺謙(ミスター・トール)
パトリック・フュジット(エブラ)
ウィレム・デフォー(ガブナー・パール)
サルマ・ハエック(マダム・トラスカ)

作品レビュー


■古典的ファンタジーの中に現代のスパイス
この映画は現代が舞台ですが、昔ながらのファンタジーの雰囲気が全編を包んでいます。
ヴァンパイアのクレプスリーをはじめとするフリークたちの造形にしても、墓場やサーカスの映像にしてもダークで不気味だが、どこか温かみのある古典的なファンタジーのスタイルです。
しかし、それだけで終わってしまえば、それはただファンタジーの王道を行っているだけで、特別に誉めるところも無い作品。
でも、この映画はそういう古風なファンタジーの世界に現代性というスパイスが加えられています。
古風な雰囲気の中で主人公が手に持っているのはDSか何かのゲーム機だし、ヴァンパイアのジョン・C・ライリーに恋人のサルマ・ハエックが「ケータイ持ちなさいよ」という場面まであります。
主人公が自身の友人関係について説明する際に、オタクになってしまった過去の友人の話がさりげなく出てくるところなど、まさに現代っぽいです。
そういう現代のスパイスが古風な雰囲気と絶妙に溶け合っています。
どちらか一つだけでは、良さが出ない。二つの味が溶け合うことによって、独特のユーモアが生まれているのです。

■原作を上手く「省いた」脚本
この作品は、原作もののファンタジー。
しかし、この手の作品には大きな罠が潜んでいるものです。 それは、長い原作を120分そこそこの時間にまとめなければならない為におこる、過度の説明による退屈さです。
しかし、この作品では物語を理解させるための説明は最小限に押さえられています。
特に前半は、物語の説明よりは、現代の中学生の心の様子を丁寧に語ることに時間をかけ、
物語が分かってくる後半でも、説明は最小限の単発の言葉で語られ、アクションの味を損なわせません。
この説明の入れ方、いや、省き方が、作品を楽しめるエンターテインメントとして成立させているのです。

さらに、この脚本のよいところは、 主人公の変化が見て取れるところです。

当たり前のようですが、最近はこういうポイントが落ちてしまっている映画がよく見受けられるので、きちんと押えるべき所を押えていると言えます。

描き方は、よく使われる手法で、

最初と最後に入る主人公のナレーションを用いたものです。
そこで、同じことついてでも、最初と最後では捉え方が全く違っていることを見せ、主人公の変化、つまりは成長を伝えるのです。

よく使われている、特別なものであるわけではありませんが、むしろティーン向けのファンタジーにはちょうどいいかもしれません。


しかも、最後にそのナレーションが入ることによって、これがラストなのだということが、観客に暗に伝えられ、
いきなり終わってしまった、という印象を与えずにすんでいます。
謎は何も解明されていませんが、主人公が成長を遂げたこの第1作は意味のあるものだと、
ラストで観客は納得させられるのです。

■演技について
主人公の少年役は、どう贔屓目に観ても上手くはなかったです。
表情はいつも同じだし、台詞はただ読んでるだけ。
おそらく、これからの俳優だから、経験を積んでいけばきちんと演じられるようになると思います。

逆に、上手いと思ったのは、主人公の親友を演じた子役。
『ザスーラ』、『テラビシアにかける橋』などに出演していた、割と売れっ子の子役ですが、
経験が豊富な分、単純に主役より上手くて目を引くし、
それ以外に、何か観る者を惹きつける魅力のある俳優だと思いました。
それは、他の役者がいくら頑張っても出すことはできない、彼独自の魅力。
そういう魅力を大事にして、これからも活躍していって欲しいと思います。

その他、豪華な出演者とその容姿も楽しいです。
個人的には、緑の鱗だらけで出演していたパトリック・フュジットを見れたのが嬉しかったです。
『あの頃ペニー・レインと』の主役で知って以来、見る機会がなかったので。