X-MEN ファースト・ジェネレーション(X-MEN First Class)共存か支配か
対立する二つの意志の力 作品情報
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■STAFF
監督:マシュー・ヴォーン
原案:ブライアン・シンガー&シェルドン・ターナー
脚本:ザック・ステンツ&アシュリー・ミラー&ジェーン・ゴールドマン&マシュー・ヴォーン
製作: グレゴリー・グッドマン&サイモン・キンバーグ&ローレン・シュラー・ドナー&ブライアン・シンガー
撮影:ジョン・マシソン
音楽: ヘンリー・ジャックマン
■CAST
ジェームズ・マカボイ(チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX)
マイケル・ファスベンダー(エリック・レーンシャー/マグニートー)
ケヴィン・ベーコン(セバスチャン・ショウ)
ジェニファー・ローレンス(レイヴン・ダークホルム/ミスティーク)
ニコラス・ホルト(ハンク・マッコイ/ビースト)
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作品レビュー

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ブライアン・シンガーが復帰したからだろう、
一作目、二作目と同様、人間と共存できるか、という大きなテーマを取り戻したのが大正解。
社会性も織り交ぜたことで、物語がより厚みを増す。
キャストの演技も素晴らしく、
中でもマグニートーを演じたマイケル・ファスベンダーの迫力が圧倒的で、
復讐心とそれが人間への憎しみに変化していく様子に大きな説得力を与えていた。
個性豊かなミュータントも楽しく、それぞれに活躍の場が与えられているのがうれしい。これまでのシリーズに無理ない伏線を敷いているのも面白く、X-MENファンが喜ぶ作りにもなっている。
■作品テーマと社会性
このシリーズは一作目、二作目までは「ミュータントは人間と共存すべきか、それとも滅ぼすべきか」という問題提起が芯となって物語を貫いていたが、
その後の二作ではあまり多くは語られなかった。
しかし、今作では再びそのテーマが取り戻され、アクションでありながらも、奥行きのある作品に仕上がった。
特に優れているのは、そのテーマが常に場面に緊迫感を持たせている点だ。
その緊迫感は、物語が進行していくほどに濃くなっていき、
プロフェッサーとマグニートーの終盤での攻防で見事にピークに達する。
お互いの意見の相違と意志の力が画面により大きな迫力を与え、緊迫感あふれる素晴らしいシーンを作り上げている。
それだけでも奥行きのあるテーマは、社会的背景を織り交ぜたことにより、よりリアリティと厚みを増している。
キューバ危機をベースに、深刻化するアメリカとロシアの対立と、
その裏でうごめくミュータントの陰謀、そして巻き込まれていく別のミュータントたちを丁寧に描いている。
敵対するミュータントの狙いが徐々に明らかになっていく行程も分かりやすく、且つスリリング。
そして、キューバ危機での人間対人間、ミュータント対ミュータント、という争いが、ミュータント対人間へと発展していく構造も素晴らしく、作品のテーマに迫力と説得力を与えていた。
■マイケル・ファスベンダーの迫力
俳優陣も素晴らしいのだが、中でも際立っていたのが、マグニートーを演じたマイケル・ファスベンダー
冒頭から寡黙な中に大きな復讐心を抱いている迫力が感じられ、
その緊迫感に、観客は画面にくぎ付けにされるだろう。
中盤、マカボイ演じるプロフェッサーやミュータント仲間とやり取りする中では、ソフトな一面と繊細さを見せたが、
終盤では、個人的な復讐心を超越した人類と対峙することを決意したミュータントのリーダーの風格を見事に表現した。
ラストの彼は最高にカッコいい。
また、マグニートーの持つ悲劇的なエピソードに寄りかかり過ぎなかったのが正解。
寄りかかりすぎると、ただのメロドラマになってしまうところをきちんと抑えて、彼の迫力を損なわせなかった。
■個性豊かなミュータント
ひとりひとりのミュータントも、それぞれに個性を輝かせていた。
それぞれが、観ていて魅力的な能力を持っており、それが訓練によって開花していく様子が面白い。
ミュータント同士の戦いでは、その訓練の成果が発揮され、強力なミュータントと同等以上に渡り合うのが何とも気持ちいい。
また、ミスティークやビーストがミュータントである自らを受け入れる過程も丁寧に描かれており、
ミスティークがビーストに向けてラストで口にする台詞が心に残る。
■X-MENファンへのサービスも満点
重厚なテーマだけでなく、エンターテインメントとしても最高。
これまでのシリーズにつながる伏線をちりばめ、物語と物語が、かちりと音を立ててつながるような感覚が楽しい。
スペシャルゲストも用意されていて、彼が登場したことに大興奮!
X-MENシリーズ最高傑作と言っても過言ではないほどの出来栄えで、とにかく続編が楽しみな作品。
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