バナナフィッシュの世界―映画の小部屋―

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夜になる前に(Before Night Falls)

ぼくには伝えたい言葉がある

迫害を受けながらも力強く生きた詩人

作品情報

■STAFF
監督:ジュリアン・シュナーベル
製作:ジョン・キリク
脚本:ジュリアン・シュナーベル&カニンガム・オキーフ&ラサロ・ゴメス・カリレス
撮影:ハビエル・ペレス・グロベット&ギジェルモ・ロサス
音楽:カーター・バーウェル
編集:マイケル・バレンバウム
原作:レイナルド・アレナス


■CAST
ハビエル・バルデム(レイナルド・アレナス)
リヴィエ・マルティネス(ラサロ)
アンドレア・ディ・ステファノ (ぺぺ・マラス)
ジョニー・デップ (ビクター軍曹/ボンボン)

作品レビュー


■溢れ出す生命力と監督の手腕
映画が始まり、そして終わるまで、常に画面の中には生命力がありました。
雄大な山々、溢れ出し、そして流れてゆく滝や川。そういう自然描写が伝える生命の力強さは、それだけで感動を引き起こします。
そして、その生命力が主人公の内面にも重なっていき、大きな共感が生まれていきます。
さらに、朗読される詩の、繊細だが力強い言葉も重なり、ラストでは、感動が最高潮に達します。
観終わった後にまで、感動の余韻が残る、そんな映画でした。

これはまさしく、監督であるジュリアン・シュナーベルの手腕によるものです。
この前公開された『潜水服は蝶の夢を見る』でも、同じく画面には溢れんばかりの生命力がありました。
こんな風に、命あるものの美しさと強さを映像によりここまで表現できる監督は他にはいないでしょう。
その意味で、シュナーベルは頂点を極めていると思います。


■主演、ハビエル・バルデムの演技
シュナーベルの演出に加え、この映画をすばらしいものにしているのは、主演ハビエル・バルデムの演技です。
内に秘めた欲望や自由への渇望を、持ち前のこゆい顔で十二分に表現。
特に病に冒された終盤の演技は観る者に感動を与えます。
その内には表現したい心の叫びがあり、その方法も知っているのに、病で体が動かないために、それがどんどんできなくなっていく。
その悲しさと、心に秘めた感情の存在を感じさせる演技をできる俳優は稀だと思います。

シュナーベルの演出とバルデムの演技がこの映画を傑作と呼ぶにふさわしいものにしているのです。