ゾンビランド(Zombieland)人を見たらゾンビだと思え
スリルと笑いを融合させた痛快エンタテインメント 作品情報
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■STAFF
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:レット・リース&ポール・ワーニック
撮影:マイケル・ボンヴィレイン
編集:アラン・ボームガーテン
音楽:デヴィッド・サーディ
■CAST
ウディ・ハレルソン(タラハシー)
ジェシー・アイゼンバーグ(コロンバス)
エマ・ストーン(ウィチタ)
アビゲイル・ブレスリン(リトルロック)
&......ビル・マーレイ(ビル・マーレイ)
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作品レビュー

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映画ファンをこれでもかというくらい喜ばせてくれる映画。
ゾンビのグロテスクさとスリルを見せながら、それらさえもネタにして笑わせてしまうコメディセンス。
他の映画を連想させるシーンを盛り込んだり、スペシャルゲストを用意して観客を興奮させてくれたり。
そして、映画の中を暴れまわるキャラクターが持つ魅力。
こうしたものがゾンビ映画というこのジャンルに最高の味付けをしてくれているのです。
■恐怖と笑いの融合
この映画のすごいところは、観客に恐怖や緊張を感じさせつつ、笑わせてくれるところです。
同じく、笑えるゾンビ映画に『ゾンビーノ』がありますが、
この『ゾンビーノ』は確かにゾンビは登場するのだけれど、ほのぼのし過ぎてしまっていて、恐ろしいゾンビ映画の味はありません(面白いのですが)。
でも、この『ゾンビランド』は、恐ろしく、グロテスクなゾンビ映画の味を十分に残しつつ、
台詞回しやキョーレツなゾンビへの攻撃などで笑わせてくれます。
ハラハラしながら、思わず笑ってしまうのです。
そして、この二つの味をさらに引き立ててくれているのが、スピーディな展開。
ハイスピードで進んでいくからドキドキするし、笑える部分での爽快感も一層大きいのです。
良い意味で、絶叫マシーンに乗っているような楽しさを味わえる映画です。
■ウディ・ハレルソンの魅力
何よりこの映画に凄まじい魅力を与えてくれているのが、
タフなゾンビ狩り中毒者を演じたウディ・ハレルソンです。
とにかくキョーレツなインパクトで、彼が画面の中にいるだけでワクワクするし、
ゾンビを倒すシーンはどの場面でもエキサイティング。
終盤で、おとりになって大量のゾンビを挑発しながら戦う所ではその魅力が爆発し、はじけ飛ぶようなカッコよさ。
顔とか姿とか、そういう問題じゃない、彼が持っている、観る者をスカッとさせる魅力が全開となっているのです。
作り手もそんなハレルソンの魅力をよく分かっています。
大量のゾンビに囲まれて絶体絶命の状況になってもハレルソンを決してくたばらせたりはしない。
どう考えても殺されるような状況でも、殺させない。
これは当然、駄作モンスター映画にありがちな「主人公の前ではなぜかモンスターが急に弱くなる」という納得の行かない現象とは全く別物です。
そういうモンスター映画は、意図してモンスターを弱くなったように見せている訳ではなく、
主役を生き延びさせるために結果的にそうなってしまった、失敗です。
しかし、この映画は、意図して確実に殺されるような状況を作り出し、画面の中に絶体絶命の絵を映しています。
そしてあえて、それでも死なないハレルソンの姿を見せ、
その「スゲー強さ」とハレルソンがもともと持っている魅力が完全にマッチし、
感動に近い、スカッとする爽快感を与えてくれています。
意図してありえないほど強いハレルソンを描くことで、
彼が持つ魅力を十二分に発揮させているのです。
この映画を観れば、誰だってハレルソンのことが好きになるでしょう。
■映画全体の完成度
この映画は全体を見ても、非常に良くできています。
ゾンビ映画でありながら、最初から最後にかけての主人公の変化や、彼が今まで持っていなかったものを得る様子など、押えるべき所はしっかり押えながら、全く説教臭い嫌味もない。
スペシャルゲストのくだりも最高に面白いのですが、ネタばれになってしまうので、控えます。
とにかく、映画というものの良さがたっぷりつまった、ジェットコースタームービーです。
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