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その1

  
 
結婚する時に引っ越すのは良くあること。
 でも、独身の頃から住んでいるアパートを出て、別のマンションに入ってみたら、大家さんが同じだったというのは、珍しい気がします。
 まあ、人が良くて、面倒見の良い人さんだけに、私としては気心の知れた大家さんで良かったというもの。
ところで、この大家さんは、このあたりの大地主で自分は働いたことがないというのが自慢です。たくさんのアパート、マンションを持ってはいても、管理する人間を雇って、自分は美大を出てから、趣味で絵を描く毎日。
 ちなみに、バツイチ、二人の子ども達は海外で暮らしているとのこと。
 五〇代半ばとなって髪の毛は薄くなりましたが、温厚でユーモラス、そして大資産家のわりに、山田一郎という、ウソのように平凡過ぎて逆に珍しいお名前です。
 でも、暇をもてあましているせいか、観察力の鋭い人間通で、他人の弱みも強みもすぐに見抜くなんて辺り、単なる絵描きではありません。
「案外、波瀾万丈の人生を送ってきてたりして。バツイチで、子どもが海外って言うのも、なんかワケありだしな。実は某国のスパイだとか? 」
「もう〜 お世話になっているのに悪いよ。第一、あなたが、インフルエンザで動けなくなった時に助けてもらったりしたんでしょ。とってもいい人だわ」
「お、良く覚えてるね。そう。オレが熱を出して、玄関先で倒れてたのを発見してくれたのはオッちゃんでね。ずっとドアが半開きだったからってだけの理由で見に来てくれたんだよなぁ」
「ね? そんなに親切なんだよ。ヘンなことを言ったら、オジさんに、失礼だと思うわ」
 佳奈の口調はかなり本気。
 まあ、オッちゃんは、気に入った店子、特に若い人を自分の子どものように思う人で、そんな私が再び自分のマンションを選んだことに大いに喜び、ついでに、その嫁が美人であることに喜んでいます。
 それ以来、佳奈は「息子の嫁」として、ムチャクチャ気に入られています。まあ、男は何歳になっても美人が好きなもの。
 オマケに、ナチュラルメークでも、目鼻立ちがクッキリした整った顔立ち。お人形さんのようだね、というのは佳奈を見た私の父母が言った言葉です。
 人擦れしてないお嬢様育ちのせいで、その仕草や顔つきは、結婚した後も、素直さをまとった、実に清楚なモノ。女子高校生に混じっても違和感のない、と言うよりも、本物の女子高校生以上に、清純な少女の雰囲気を持ち合わせているのです。
 持って生まれたモノと、育ちが醸し出した清潔感というのでしょうか。人妻になってからも、まるで処女のような鮮烈さを持ち合わせている佳奈の「ニコッ」には、たいていのオジさんが虜になってしまうのですから、オッちゃんが気に入るのも当然かも知れません。
 一方で、佳奈は、幼い時に父親を亡くしただけに、頼れるオジさんとして山田さんのことを父親のように慕っています。
 いえ「山田さん」なんて言うと、別人のようですね。私にとって常に「オッちゃん」でした。
 このオッちゃんと、佳奈は、このところ急速に仲良しの度合いを増して、ほとんど毎日のように会っているようでした。
 今日も今日で、ネクタイを締めている私に、妻は嬉しそうに話しかけてきます。
「ねぇ、今日は、オジさんが買い物に連れて行ってくれるって言うから、一緒に行ってくるわ」
 もともと、運転の苦手な妻は、オッちゃんの国産超高級車の助手席が、このところのお気に入り。
 私の職場に合わせて住まいを決めたため、この辺りの土地勘がありません。だから、給料が良いかわりに、土日も接待に休日出勤が続く私を頼れない妻にとって、頼れる人と言えば、オッちゃんだけ。
 そして、父親のように何くれとなく面倒を見てくれた結果として、妻とオッちゃんは、本当の親子以上に親子のように、仲良くなっていったのです。
 今日も今日とて、玄関まで見送りに来た妻は「レッスンもないし、オジさんの買い物にじっくり付き合っちゃうね」とニコニコしています。
 レッスンというのは、ダンスとヨガのこと。専業主婦の時間を活かして、ダンスとヨガを習っていて、それなりのレベルになっているのです。
「かな〜 どう? せっかくじゃん。ミニ生足でオッちゃんを悩殺しちゃえば? それとも、いっそ、レオタードとか? 」
 フッとイタズラ心が湧いた私は、いつものように、からかいます。
 ものすごい恥ずかしがり屋のクセに、実は、足のラインの綺麗さをひそかに自慢に思っているのを知っています。そして、最近は、ヨガのせいか身体のラインそのものが、ますます磨かれてきているのを、私も認めているのです。
「も〜 何ヘンなことを言ってるのぉ。しかも、レオタードって何よ。いったい、私がどこに行くって思ってるんですかー 」
 結婚以来、肩よりも、さらに伸ばした髪を、クルクルと弄りながら、笑って返すのは、上機嫌の証拠です。真っ直ぐで光沢のある髪に、最近美容院で軽いウエーブを入れたのは、なんとオッちゃんのおすすめだったらしいのは、驚きではあります。
 それだけ仲の良いオッちゃんをダシにして、ここぞとばかりに茶化すのは、このところの定番でした。
「ま、レオタードはともかくとしてさ、こないだの超ミニなんか、いいんじゃないの? 生足だったら、オッちゃんメロメロになっちゃうぜ」
「あのね〜 オジさんは、ワタシなんて娘としか見て、な、い、の」
 あきれた口調になりながらも、なんとなく気張っている表情になる妻。なんとなく、この間から、オッちゃんのことでからかうと、複雑な表情を見せるようになった気がします。
 はたして、気のせいでしょうか?
「あのね、娘の足を嫌らしく見たりするわけないでしょ。 ……あ、でも、こんな日なら、ミニはありかなぁ」
「お? オッちゃんに見せるなら、ミニもあり? 」
「違いますぅ」
 唇だけで「い〜 」と、可愛く怒ってみせる佳奈です。
 二十六にもなって、夫にイーだなんてやる方もどうかしていますが、幼く見える小顔は、こんな仕草が似合ってしまうから困ったモノ。
 ついでに言うと、高校生と間違われて補導されかかることもちょくちょくあり、そのくせ、隠れ巨乳のブラはEカップというアンバランスさ。
 しかも、百六十六の身長は、巨乳のラインが見えない後ろ姿だと、小さめのクリンと丸いヒップとくびれた腰が強調している典型的な細身にしかみえません。
人妻で、美貌で、抜群のプロポーションなのに、どこをどうとってみても色気というものを感じさせないのを私もからかいますし、妻自身も自覚しています。
「雨の日は、ほら足下が濡れちゃうから、ストッキングってかえって鬱陶しいでしょ? スーパーに行くくらいなら、穿かなくても良いかなって思っただけですぅう、だ」
 佳奈は、オッちゃんが時折見せる、あの目を知りません。だから、自分が女としてみられているのだとは信じないのです。
 でも、長い付き合いのおかげで、妻を子どものように可愛がる一方で、Eカップの胸にしゃぶりつきたそうに見ている目も、しっかりと見ていたのです。
 もっとも、店子の嫁に手を出すはずもなければ、妻が、遙かに年上の初老のハゲ親父になびくはずもありませんから、密かな寝取られ趣味を適度に満たす材料として、最高の相手でした。
 そして、本日、年に数回あるかないかと言う、出張先からの直帰が適った日。暮れなずむ街の中を、家に戻るのは何とも面はゆさを感じます
 ちょうど妻も帰った直後だったようです。
「お帰りなさ〜い。早かったね! 」
 大喜びで、玄関まで迎えに来た妻は、抱きついて、チュッ。
 いつもながら、帰ってきた私を、全身で喜び、素直に出してくれる妻は、何だか、昔飼っていたチビを思い起こさせます。もっとも、チビは、学校から帰ってきた私を見ると、ちぎれるほど尻尾を振りながらついでにオシッコもチビって、そのまま抱きついてくる困りものでしたが、さすがに妻は漏らさないようです。あ、当たり前か。
 大歓迎の妻は、いそいそと私の鞄を受け取ると、見えない尻尾をぶんぶんと振っています。どうにも、いつも以上の歓迎ぶりに、驚くほど。
 弾に早く帰ってくるのも、良いものです。
「ん? 誰か来てる? 」
 見慣れない靴。わりとシンプルなワリに、いかにも値段の高そうな本格ハイヒールでした。
「あ、これ? あのね、オジさんが買ってくださったの」
「へぇ、すごいね。いったい何で、また? 」
 店子に食事の差し入れくらい、あたりまえのようにしてくれる人ですが、靴を買ってくれるなんて珍しいことがあるものです。
 ん? 靴?
 なぜか心がざわつきました。
「えっと、なんか、今日のスカート素敵だねって。それと、奥様を急に思い出したんですって。それで、同じような靴を履いてくれないかって頼まれたの。ホントは自分で買うって言ったのだけど。すっごく高くて、結局甘えちゃったけど、なんか悪かったかしら」
 高い靴を買う? 奥さん? 
 オッちゃん、奥さんのことなんて話したことなかったよな……
「あ、お茶、すぐに淹れるね〜 私も今帰ってきたところだから」
「それも良いけど、ちょっと座りたいな。佳奈も、座ってよ」
「うん」
 あれ?
 なんか、妻の様子が何とも、しっとりとしている感じです。
『なんか、ちょっと、今日は違う感じだよなあ。早く帰ってくると、こんな感じだったっけ? 』
 それにしても、並んでソファに座ると、ミニが少しだけ上がって太股の半ばまで見えてしまいます。我が妻ながら、ドキッとする生々しさ。
 この脚を、今日、半日、オッちゃんが見つめていたのだと思うと、何だかドキドキしてしまいますが、それにしても、なぜ靴? 
 妻が靴を履き替えるシーンを思い浮かべた瞬間、パチンと音を立てるようにしてオッちゃんがしようとしたこと、いえ「何をしたのか」が分かったのです。
 何気なさを装いながら、尋ねます。 
「ねえ、あれと同じような靴を、奥さんが履いていたんだ? 」
「うん、そうみたい」
 身体をこすりつけるように座る妻を見ると、やっぱりチビを思い出してしまいます。それにしても、今日の妻は、いつもにもまして、身体をくっつけてきます。
「たださ、いざ穿いてみると、やっぱりイメージに合わないらしくって、何回も何回も履き替えたり、立ったり座ったりして、とにかく凄く何回も履き替えたんだからぁ」
 なるほど、妻は、このミニスカートで、なんども座ったり立ったりしたと。
「へぇ〜 スゴイね、その間もつきっきり? 」
 座るシーンを見逃すわけはありません。
「そうなのよ。一度履いたら、ピッタリ足に合っているか確かめてくれたり、立ったり座ったりする時だって、さりげなくサポートしてくれたりして。ホント、紳士だわ、オジさんて」
『分かったぞ! 』
 ドキドキ、鼓動が早くなっていました。
 オッちゃんのコンタンは単純です。
 今日のミニなら、靴屋でしゃがめば、下着が丸見えになるにきまってるのです。
 妻は決して、所作をおろそかにするタイプではありませんが、かといって徹頭徹尾、見えないように気を遣うと言うわけでもありません。特に、信じている相手が「覗く」様なマネをするなんて絶対に考えません。
 だから、普通に座る時に、だらしなく脚を広げたりするはありませんが、何かの都合で、私がミニスカのヒザの間に顔を近づける形になっても、キョトンとしたままだったりします。
もちろん、そういう時には、バッチリ、パンティーも見えていますが、その体勢のまま妻を見上げてニヤッと笑って見せても、いったい何のこと? という風情になるのがいつものこと。
 そして「今日は珍しくピンクなんだね」なんて言うと、慌ててスカートを押させるのですから、そもそも、覗かれることについてニブイのかもしれません。
 オッちゃんに対しても、まさか「覗く」なんて考えてないはずですから、靴屋のイスに座わったミニの中身を、ごく間近で覗かれても、妻は全く疑ったりしないはず。
 私は、焦りを顔に出かないように努力しながら、何気なさを装って尋ねます。
「オッちゃん、ああ見えても、意外に丁寧だからなあ。座ってる君の前で、一緒にしゃがんであれこれ見てくれたんじゃない? こんな感じで」
 妻の膝小僧の位置に顔の高さを合わせて、靴のサイズを確かめる仕草をすると「わぁ、さすがぁ、そうなのよぉ。よく分かるわね」と、はしゃいだ声が大きくなります。 
 なぜか、佳奈のテンションがテンションが高いのが不思議ですが、目の前に、妻好みの白いパンティーがクロッチの部分までハッキリと見えていて、それどころではありません。
 色はシンプルですが、デザインはそれなりで、クロッチの上の部分は、レースになっているし、レッグカットの深さは、さすがに女子高校生が穿いているのとワケが違います。
 恥ずかしがりヤン佳奈がやってくれるはずはありませんが、もしも、パンティー一枚で正面を向いて立てば、ちょっとしたビキニよりもクッキリとラインを見せてくれるデザインです。
『オッちゃんは、これを見てたのかよ』
 この距離と角度なら、美肉を包むクロッチの上が、レースになっていることも見えたかも知れません。
「ちゃんと、何度も確かめてくれてさ。本当に親切な人だと思うわ。あ、それにね、知ってる?」
 言葉を聞きながら、ふくらはぎを撫で上げると、安心しきっている妻は、手が動きやすいようにわざわざヒザを緩めてしまう「サービス」ぶり。
 ん? クロッチの部分、色が変わっています。
 濡れてる、というよりも、たっぷりと濡れたものが渇いてガビガビになった風情です。
「何を? 」
 私は動揺を気取られぬように、ワザと冷静な表情で、顔を足下に向けながら、視線だけで、質感の変わったクロッチ部分を見つめています。
「女性の靴って、この内側、ほら、この辺りがフィットすると良いんですって」
 と、ヒザを緩めて自分の右手で脚の内側を触って見せます。
 それは、ちょうど内側のくるぶしの辺り。当然、ヒザの間から腕を差し入れる分だけ太股は広がります。
 大股開きとは言えませんが、この距離で、この角度なら、余すことなく、妻の秘部は丸見えでしょう。
 ただ一枚の布地が遮るだけの、三十センチの距離。
 匂いまで伝わってきそうです。
 良く見れば、黒い陰りさえうっすらと分かります。
 こんなにハッキリと妻の生パンを見られてしまった、という焦りが生まれるはずなのに、なんだか、強烈な焦燥感が腹の底から押し寄せて、気が付くと、目一杯勃起していました。
 自分が勃起してしまったことに驚いたのはもちろんですが、それ以上に「こんなにクッキリとみられてしまったんだ」という悔しさに声が震えそうでした。
「でもなあ、足まで触って確かめてくれるだなんて申し訳ないよ。佳奈のことだから、途中からは、ちゃんと、自分で確かめたんだろ? 」
 ワザとのんびりとした口調にしたのは、動揺を知られないようにするためです。
「うん。ちゃんと自分で確かめるって言ったんだけど、オジさんったら、本当に心配そうな顔で覗き込んで、私が確かめるところをじっと見守ってくださるのよ」
 クスッと笑いながら「小さい子になった気分だったわ」と言いながら手を引っ込めて、ピタリと足をそろえてしまいます。
間違いありません。「確かめる」と言いながら手を伸ばして、顔はもっとヒザの間に近づけたのです。
 こんな近さでは、ひょっとしたら、スカートからほのかに薫ってくる、女性自身の匂いすら、嗅がれてしまったかも知れません。
 我慢できなくなった私は「でも、こんな位置になると、パンツ見えちゃうね」と、無理やり笑顔を浮かべます。
「え? 」
 首をかしげた妻のスキを突いて、スカートの中に手を伸ばすと、腰を掴むようにしてパンティーに手をかけました。
「きゃうん、あんたぁ、ちょ、ちょっと、まって、ああん、だめぇ」
「ほら、オッちゃんに見られちゃったパンティー、脱がしちゃうぞ〜」
「ああん、オジさんは覗くようなマネなんてしません。あなたがワザと、覗くからよぉ」
 ダメぇと、恥ずかしがる手をかいくぐって、グッと脱がそうとすると、意外なほど強くパンティを掴んで抵抗するのです。
「ね? なんで、抵抗するの? なんか、本気で抵抗してない? 」
 いつもと違って、その抵抗は本気でした。もちろん、暴れるわけでも無いのですが、必死になって下着を掴む姿に、少しだけ違和感を感じています。
「あん、だって、まだ、シャワーも浴びてないんですもの」
 その瞬間の表情に、見たこともない表情が浮かんだのを見逃しません。
『なんだ? なんで、こんなにエッチな表情になってる? 』
いえ、それは、実際には「見えた」のではなく、直感したのです。理由は分かりませんが、妻が、とってもエッチな状態になっているんだと。
 そして、それを私に知られまいとす抵抗は、本気の本気だけに、このまま脱がすには、必死でパンティーを押さえる手をどうにかしなくてはなりません。
 そして、なんであれ、力尽くで何かを強いるのは、苦手です。
 私は、手を変えます。
「よし、じゃあ、シャワーしよう! 」
「え? キャ、あなたダメぇ」
 お姫様抱っこをして、お風呂場に直行。
「あん、あなたってばぁ、どうしたのぉ、急にぃ」
 こういう時、私の性欲が高まっているのだというのが、夫婦の間の暗黙の了解事項。
 抱きかかえられるままに大人しくなったのは、いつもの通りですが、首につかまっている妻の顔は火照っていました。
 耳にかかる吐息に熱がこもって、まるで、妻自身が猛烈にセックスしたがっているみたいです。
『間違いない。佳奈のやつ、興奮してるんだ』
「もう〜 あなたったら、どうしたの、急に? ダメよぉ。晩ご飯の支度もまだなんだからぁ」
 ダメと言いながら、その口調は、あまりにも甘やかです。
 拒否どころか、欲しがっているとしか思えません。
「いいじゃん、たまには。急に、ほしくなっちゃったんだし」
「もう、いいけどぉ。後で、お腹減っても、知らないからね〜 」
 いかにも「しかたないわね」という体を装うが、甘やかに首に絡めてくる腕は、私以上に、佳奈が欲しがっている証拠なのです。
 ダイエット知らずの軽い身体を、そっと風呂で降ろします。
 まるで、当然という顔で、妻は「あなたが先に入ってらして。今、背中をお流ししますから。服、脱がせて上げようか? 」」とニッコリ。
 いつになく、そんなセリフを付け加えて、なにげなく私を先に入らせようとする妻に「あ、ゴメン、ちょっとトイレに行っておかなきゃ、先に入ってて。すぐ入るから」と逆に言って、風呂場を出ます。
 妻が何かを言ったのかどうかを確かめもせずに、トイレにこもって、ドア越しに様子をうかがいます。
 すると、案の定、素早く脱いだのでしょう。すぐにシャワーの音がします。
 様子をうかがいながら、そっと戻ると、妻の服は綺麗に洗濯機の中。夫婦しかいないのに、洗濯機のフタが締まっていて、推測は確信に変わります。
そっと中を探ると、ありました。わざわざ、一番下に入れてあるパンティー。
『なんだこれ? グショグショじゃん』
相当長時間にわたって濡れていたのか、クロッチの部分にはネットリと糸を引く分泌物の跡。
 間違いありません。妻は、昼間、濡らしてしまったのです。
 さっき私に見られて濡らした、というものではなく、昼からたっぷりと濡らしてしまったとしか思えないパンティーを手に愕然と隣ながら、そのくせ、猛烈に勃起してしまったのです。
 もはや、我慢など不可能でした。
 ガチャッと戸を開けると、シャワーの中の妻の裸身。
 もうもうとした湯気の中で、水を弾きながら、スラッとした姿態が浮かんでいました。
 細身からは信じられないほどバストが突き出して、腰から尻にかけてのカーブは、思わず、そこを掴み締めてバックで入れることを考えさせる曲線を見せつけています。
「佳奈っ」
「あん、あなたったら。ん、ん、ん〜 」
 いきなり舌を絡めるキス。
 いつもなら佳奈は、舌を絡めるキスを、あまり好きじゃないと言いますが、ウソのように積極的に動く舌が絡みついてきます。
 互いの唾液を吸い合うような、激しいキス。その間も、腕の中で柔らかな身体を撫で回し、右手を二人の間にニュルッと入れて、手に余る膨らみをギュッ絞り上げます。
 掌の中央に、コリッと当たるのは尖った乳首です。
「んっ、ん〜 」
 間違いありません。
 いきなり強く握ると、決まって痛がるはずなのに、舌を吸い上げられながら漏らすのは、なんとも甘い啼き声。
 キスと言い、オッパイと言い、今日の佳奈は、触る前から信じられないほど興奮しています。
 その原因はオッちゃんと会っている間に何かあったのだと考えるしかありません。
『まさか、オッちゃんと浮気ってな話はないと思うんだけど』
 その原因がなんであれ、私が知らない所で、こんなに発情してしまったという事実が、猛烈な興奮をかき立ててきたのです。
 グッと片手で抱きしめながら、左手を伸ばします。
「あんっ、いやん、あなたぁ、あああん! 」
 全身をピンとさせて、反応するしなやかな女体。
 驚くほど濡れていました。
 恐らく、風呂に入るやいなや、妻はシャワーで洗い流していたはずなのに、新たに湧き出したぬかるみは、秘部の形すら分からないほどです。
「ああん、恥ずかしいっ、だめぇえ」
 ちっともダメではないダメを口にしながら、クナクナと細い顔を振る妻の全身は快感に打ち震えます。
 これほど感じやすい妻は初めてです。
「ああぁ、あなたぁ」
 潤んだ眼で見上げてくる佳奈。
『こんなにエッチな表情ができるのかよ』
 初めて見るような、妖しいオンナの顔。
 もはや、我慢などできませんでした。
「佳奈、そこに手を突いて」
「え? え? 」
 手を添えて後ろを向かせると、妻の腰を掴みます。
 こうなると、さすがに人妻。
 私のしようとしていることくらい、わかります。
 拒むどころか、クリンと丸い、柔らかなヒップがクッと後ろに突き出されて、両脚が肩ほどに広がったのは、妻も、すぐに、私を迎えたがっている証拠です。
「ああん! 」
 いきなり奥まで突き入れた怒張を、ヌルヌルの美肉が巻き付くように包み込まれます。
 滅多にしたことのない角度で突き入れたせいか、キュッと締め付けてくる力はいつになく強くて、一ミリの隙間も無いほど密着してくるヒダは、一つ一つが、別々に蠢いています。
 立ちバックのカタチは、尻肉に阻まれますから、ともすると浅くなりがちです。しかし、信じられないほどの大胆さで突き出された小さめの丸いヒップは、膣奥まで迎え入れています。 先端が、膣肉とは違う感触に行き当たったのは、子宮が怒張を迎えに来ているのかも知れません。
 身体全体が震えます。
 小さなオーガズムが、白い背中を駆け抜けていくのがハッキリと分かりました。
「あああん、あ、な、たぁ、ん、す、す、すごい、あなぁ、ああうう、あうう! あ、いくうっ! 」
 ビクン、ビクン、ビクンと身体を震わせます。
『もうイッた? こんなに早く? 』
 もちろん、あまりにも淫らな妻の姿に、私の方は止まりません。
「あっ、ダメッ、も、もう、イッちゃったのに、ああん、あっ、ああん、あん」
 パン、パン、パン、パン 
 弾力たっぷりの尻に打ち付けるようにして、大きなストロークを、連続して最奥へと動き続けました。
「あああ、いく、いくうぅう! 」
 ビクンと仰け反る背中。
 搾り取るように動く美肉に、私のクライマックスが迫るのを感じますが、くびれた腰に手をかけて、止めません。
「あああ、あなた、ね、もう、もう、い、一緒に、ね、あなた、もう、あああん、い、い、いっちゃうひゃらぁあ〜 あああ、いい! いっくぅう! 」
 尻を突き出しながら、白い背中がカクンと逆ブリッジを作り出します。腰のくびれをグッとつかみしめた私は、その際奥へと、全てを放出するのです。
オンナの本能が、ぴっちりと包み込むその奥に、オトコを受け入れるための膨らみを作り出しています。
 ドクン、ドクン、ドクン
 固まりのような精子を発射した後も、人妻の子宮口めがけて、ドクドクと注ぎ込みます。夫だけの特権でした。
「あぁああ! あなたぁ! れ、れれるぅう〜 あぁあ、まらぁ、いくうう! 」
 子宮の奥に打ち込まれた精子によって、妻は再びのオーガズムに到達します。
『またイッたのか? 精子を受け入れたってことだけでイクのか? 』
 こんなイキ方をするのは初めてでした。
 キュ、キュッと奥と中程の美肉が締め付けてくるのも、滅多にないこと。
 秘められた欲望が爆発したかのような、短いセックスです。技巧もな人もあったものではなく、単に入れて突いただけなのに、相当に深くイッてしまったことを物語っています。
そして、いつにない美肉の締め付けと妻の反応は、こちらの快感も増幅させてしまいます。
強烈な快感に腰から蕩けてしまいそうになりながら、最後の一滴まで絞り尽くそうとするオ○○コの締め付けを味わって、怒張に力の残る限り、ゆっくりと動き続けたのです。
 突然妻から力が抜けます。
「はふうぅう」
 強烈なオーガズムが身体の自由を奪ってしまったのでしょう。ガクンと崩れ、私のモノはスポッと抜けてしまいます。
 慌てて身体を支えながら、抜け出た怒張を見て唖然とします。ビッショリと膜に包まれたようになっているのです。
『こんなに濡れるのものなのか? 』
 唖然としながら、グッタリとなった妻の、ハア、ハアという息づかいを見つめていました。
「あ、な、た…… 」
 湯船の縁に載せた手に、顔をもたせかけながら、妻は上目遣いで「すごい、どうしたのぉ」と甘い声を上げたのです。
「いや、そんなことないけど、さ」
「凄かったわぁ、あなたったら。もう、こんなにぃ」
 ドキンとします。
 深く感じた後の女性特有の、気だるげな満足感に満ちあふれた表情に満ちあふれていて、普段は色気よりも可愛らしさ中心の美貌が、今は、なんとも妖艶な美しさをたたえていたのです。
「愛してるわっ、あなたぁ」
「あ、あああ、愛してるよ」
 目線で求められたキスに応じながら、フッと、今の自分を冷静に見て仕舞った自分がいます。
なんともはや、新婚時代以上に、熱々なセックスを演じてしまったのが、自分でも恥ずかしくなってしまいます。
 こういう時、フッと我に返ると、逆に恥ずかしさが増してしまうものです。私は、妻を支えて湯船に入れると、そそくさと身体を洗ったのです。
 ほうっ〜 と惚けたように天井を見つめる妻は、快感の余韻から、降りてきません。
 結局、私は「先に上がってるよ」と妻を振り返りもせずに、先に上がったのです。



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