お人好し妻本文へジャンプ 

その2


鈴木さんとのセックスを突きつけられて、否定できなくなった妻の姿。
 もちろん、性欲で鈴木さんとセックスしたがるとは思えません。しかし、眉を寄せて、あたふたとしながらの「困った」という表情は、既に半ば、受け入れてしまったのと同じなのです。
『本当は、もう、鈴木さんの苦しみを救って上げる気なんだよな。いつもの、自分を犠牲にして、ってやつだよ、きっと』
 普通であれば、いくらなんでもと切り捨ててお終いのはず。ですが、今までの信頼関係と、下ネタOKになるほど気を許した相手だと言うことも手伝って、妻にとっては「絶対拒否」の枠ではなくなってしまっているのです。
 少なくとも、信頼した相手に対して生理的な拒否感は湧かないはずでした。サクリファイスの心が膨れ上がっている妻に、最後のダメ押しは、真面目路線に限ります。
「ね、紗奈、真面目な話、さ。考えてごらんよ。奥様を亡くされてから鈴木さんは、今までずっと長い間、出せなかったんだよ。相当に苦しかったと思うんだ」
 鈴木さんのマネをして、お人好しの妻の「急所」に、ズバリと直球勝負。私の真剣さにたじろいで、チラッと鈴木さんの方を見る、黒目がちの瞳には「同情」が刻まれています。
「それが紗奈に会ったおかげで、長年の辛いことから救われるかも知れないんだ。しかも、理想の女性だとまで言ってくれてるんだよ? 救ってあげられるのは紗奈だけなんだ」
 ウルウルとした目は、泣きそうにも見えますが、私の話をキチンと聞こうとしている気持ちは伝わっています。
 その表情には、確かに「困っている人を…… 世話になっている鈴木さんを助けたい」という意志が見えていたのです。
 あと一押し。
「な? 鈴木さん可哀想だろ? オレは同じ男だから、わかる。そんなに長い間、出せないなんて苦しいと思うよ。紗奈も、少しは、その苦しさが分かるだろ?」
「う、うん、そうだけどぉ」
 いえ、分かっています。妻に「出せない苦しみ」なんて、いくらなんでも分かるはずはないことくらい。
 その代わり、他人が苦しむことに敏感な分だけ、理解できないからこそ、その苦しみを、必要以上に過大に受け止めてしまうのです。
 つまり「こんなに辛い」と言われると、言葉以上に、大きな苦しみとして受け止めてしまうに決まってました。
 素直すぎて「天然」と、しばしば呼ばれる妻に、思わず噴き出てしまいそうになるのを必死にこらえながら、ことさらに厳しい表情を作らねばなりませんでした
 そして、自分の表情が沈痛で、重々しくなればなるほど、噴飯物の「長い間出してない人のために出してあげる」という行為が神聖なモノになっていくはずでした。
 ゆっくりと低い声で語ります。
「それにさ、鈴木さんが、この世で一番愛してた奥さんがこの世にいないだぜ? そこに理想の女性だとまで言える君に出会えたんだ。だったら、その人に…… 君に頼むのが普通なんじゃない? 奥さんを愛していた男なら、ヘンな女には頼めないだろ?」
「そんな、理想だなんて」
「いえ、紗奈ちゃんはオレの理想なんです。本当に、本気で、理想なんです。もしも、一回でもさせてもらえるなら、もう、死んでも良いくらいです」  
 頭を絨毯にこすりつけながら、その声は真剣です。
「そんな、鈴木さんまで」
 声が消え入りたげに弱々しくなっていました。
「ね? 鈴木さんは真面目だから、紗奈に会ってしまった以上、今後、二度と他の人に出してもらうようなことはできないと思うよ。もう、一生涯、鈴木さんは、射精できなくさせる?」
 土下座したままの鈴木さんは、ウンウンと頭を動かします。
 しかし、いかに妻のサクリファイスが強烈でも、さすがに「苦しみから救うために他人とセックスする」というのでは、ハードルが高すぎるのは承知の上。
 だから、最後の最後で、助け船を提供するわけです。
「ま、さ、いきなりセックスってわけにはいかないだろうから、どうかな? 手で出して上げて、後は、君ができるところまでってくらいなら、どう?」
「手で?」
「うん。そう。手で出して上げるだけ、さ。万が一、本当のセックスまでは、できなくても、鈴木さん、いいよね?」
 いつの間にか、セックスを前提にして「もしもダメなら手だけ」という論法にすり替えているのを、妻は気付くでしょうか?
「もう! それを思っただけでも、幸せすぎです。ホントにさせてもらえなくても、これからの、生きる希望になります」
「ちょ、ちょっと待ってよ、あの、えっと、確かに、オジさんがお気の毒だとは思うけどぉ、あの、だって、私、奥さんなのに……」
「だから、夫が許可しているだろ? 辛い人に優しくして上げるのは、君の最大の美徳だもの。夫として、困っている人を見捨てるようなマネを、妻にして欲しくないな」
 違います。
 妻が他の男とするところを見たい、と言うのがホンネなのです。しかし、妻は、正面を切って真面目に語る私の言葉に、明らかにグラッと気持ちが動きました。
 それに、本当は妻の内面で「何とかして上げたい」という気持ちがあったからだという気がします。そんな妻に「必ずセックスするとは限らない」という逃げ口は、最高に魅力的に映るはずでした。
 結局、さんざんためらったあげく「ちょっとだけなら」と、ポツリと言ったのです。
「ありがとう! サッちゃん! ありがとう! ありがとう!」
「わっ、わっ、鈴木さん、ちょっと鈴木さんってばぁ」
 喜色満面という言葉をそのまま絵にしたような表情で頭を上げると、ギュッと妻に抱きつきます。
「ちょっと、だめってばぁ、ね、オジさん、ちょ、ちょっと、ね? それに、そんなに喜ばれても、ホントに、ちょっとだけなんですよ?」
 困惑した顔で、ダメ、ダメと言いますが、チラチラとこちらを見るということは、その言葉が私を気にしてのものということ。
 妻自身は、鈴木さんに喜びの爆発のようなハグをされ、背中を撫で回されても、嫌ではないらしいのです。むしろ「自分が犠牲」になって、これだけ喜んでもらえるという満足があった気がしました。
 さんざんに抱きしめて、背中も尻も腰も撫で回した後で、いったん落ち着きます。
 鈴木さんの凄みは、そこからでした。
 驚くべき事に、その後、ずっと浮かれた表情を見せながらも、話題をパッと変えて、大いに盛り上げたのです。
 さすがと思わずにいられません。
 ただ、一つだけ、それまでと違うのは、鈴木さんがそのまま、妻の横に座っていたこと。
 もちろん、あからさまに触ったりはしませんが、狭いテーブルの一辺です。角っこになるような場所であっても、すぐ横で飲んでいれば、ちょっと酌をする度に自然と腕は触れますし、テーブルから遠くなる分、何かを取って渡す仕草も増えます。
 その時、手と手が触れてしまうのは、ごく当たり前のことですが、言葉には出さなくても、そうしたちょっとした接触が妻に「何か」を与えていったのは事実です。
 頬が見る見る紅潮していったのを見なくても明らかでしたし、その紅色は、鈴木さんが帰るまで、濃くなることはあっても、消えることはなかったのです。
 そして、翌日、ワザとぼかして「いつにしようか」と言っただけで、妻は、目を伏せながらも、ハッキリと、再来週の土曜日なら、と即座に答えたのには驚きました。
『紗奈のヤツ、本気なんだ』
 驚きはありましたが、妻の性格を考えてみれば当然なのかも知れません。たとえ、飲み会の席の話であっても、自分が「ちょっとだけなら」と受け入れてしまったことです。
 しかも、あれだけ鈴木さんに大喜びされてしまえば、忘れたフリをしたり、誤魔化したりするなんて、できないことに違いありませんでした
 おそらくは一晩、妻は悩み抜いたはず。
 しかし、悩み抜いたあげくに、しっかりと日にちを決めていたのです。
『そこは生理の直前…… うん。安全日ってやつだよな』
 子どもが欲しい私達は、いつも、逆に「排卵日の直前」を狙っています。だから、私まで妻の排卵日を正確に知っているため、その日が「安全日」だということを理解できたのです。
 妻が受け入れたのは、あくまでも「ちょっとだけ」です。それが、セックスを意味するとは思えません。おそらくは、手で出して上げるという妥協案で受け入れたハズ。
 しかし、男のモノを「出して上げる」という行為をするにあたって、妻にも、それなりの決意と配慮があったに違いないのです。
 ここで、私がモヤモヤしてしまうのが、よりにもよって「生理前」を妻が指定した点。安全日だと言うことは分かりますし、妻なりに、考え抜いたことでしょう。
 しかし、妻自身は気付いていませんが、生理前という時期には別の要素が生まれるのです。
『異常に感じるようになるんだよなあ、生理前って』
 真面目で貞淑な人妻を絵に描いたような紗奈ですが、最近は、生理前の数日間、今まででは考えられないほど感じやすくなって、エッチなことを受け入れやすくなっているのです。
 だから、今は「手で出して上げるだけ」だと考えていても、二人っきりで、実際に、そんな行為をしたらどうなるのか……
 二人とも大人なのです。
 しかも、セックスの味を覚えた人妻が、最も感じやすくなる時期に、男と二人っきり。
 今までのようにお茶を飲んで、世間話をするのではなく、鈴木さんのチンポを扱くことは約束のウチ。
 そこには、それなりの覚悟があるはずでした。
 もちろん、悩み抜いた間に淫靡な発想など少しも混ざってはいないはずですが、いざ、実際に、チンポを扱くとなれば、また別のこと。
 紗奈だって、ちゃんとセックスの快感を知った人妻のですから、二人っきりでそうしているウチに何も感じないわけがないと思えてしまうのです。
『鈴木さんのモノをシゴいてたら、紗奈がオカシクなっちゃうかもしれない。いや、鈴木さんが、その気になって迫ってきたら、本当に拒めるのか?』
 鈴木さんのモノを潤んだ美肉に受けいれてしまうんじゃないかという想像は、私の心を真っ赤に溶けたマグマで溢れかえらせるのです。
 我ながら矛盾していました。
 寝取られ、と言うのでしょうか。妻が鈴木さんに抱かれる姿は見たいのです。しかし、私しか男を知らない妻が、なんだが、汚されてしまう気がして、どうしようもなくイヤなのです。
 かといって、こんなことは「やっぱりダメ」と一言ですむのを知りながら、今さら変えられないと妙に意地を張る自分もいて、その一言が言えそうにありません。
 そして、妻が鈴木さんのをシゴくシーンを思い浮かべると、いえ、裸になった妻と鈴木さんの抱き合う姿が、いつの間にか浮かんできて、腹の底のドロドロとした欲望が、これ以上無いほどの強さで妻を求めさせるのです。
毎日、激しく妻を求めてしまいました。
「まあ、どうしたの?」と驚きながらも、嬉しそうに受け入れてくれる妻。
 そして、ただでさえ感じやすくなった人妻の肉体は、毎日、二度三度と私を受け入れて、なぜか、日を追うごとに、さらに感度を高めていったのです。
 かくして、たった二週間で、それまでとは比べものにならないほどエッチな身体になってしまった妻は、生理前を迎えたのです。
 そして、ここに、鈴木さんの「悪魔の囁き」が私の心を犯していたのです。
「もしも、本当にそのつもりなら、サッちゃんを貸してくれる三日前から、イカせちゃだめだよ」
 まるで、転んで膝をすりむいた少年に手をさしのべるような表情で、こんなことを言われた私が、ハハハと乾いた笑いで受け流して、そのくせ、従ってしまったのは、自分でもなぜなのかわかりませんでした。
 そして、今日を迎えました。
 妻が今朝から数えて三度目のシャワーを浴びにいっている間に、スピーカー音量を0にしたノートパソコンとスマホをスカイプで結びます。
 設定を変え、スリープにならないようにして液晶を切っておけば、まさか音声が聞かれていると考えるはずもありません。
「マイクは、ここでいいよな?」
 まさか夫婦の寝室で、と言うわけにはいかない以上、鈴木さんとする部屋は消去法でもリビングだけなので、マイクを仕掛ける位置は簡単でした。
 そして、ちょっとだけイタズラをしたのです。
 妻が洗い物をしているブラインドをついて、リビングの真ん中に客用布団を敷いてしまいます。
 手早く、音もなく。
『な、なんだ? なんで、こんなに……』
 やってみるまでは、ちょっとしたいたずらに過ぎなかったハズなのに、リビングの真ん中に出現した布団は、異様なまでの迫力で「この後」のイメージを私に送り込んできました。
 チラッと見る、洗い物をする妻の後ろ姿に目が吸い付きます。 
 ちゃんと私の言ったとおりの、フレアになったアイボリーのミニスカートから目が離せません。
『このスカートをまくりたい』
 本来なら「いい」のです。自分の家で、相手は妻なのですから。
 しかし、もしも、それをしてしまえば、破裂しそうなほどに膨らんでる怒張を、妻の美肉に突き立てねばいられなくなるのがわかりきっていました。
『今はダメだ。しちゃダメだ』
 身体にフィットするモスグリーンのセーターは、そのまま妻のヌードを見せつけてくる気がしています。
『もしかしたら、オッパイのホクロだって、見られるカモだよな』
 今日まで、私だけが見ることを許されてきた、左のオッパイの中腹にあるホクロ。ビキニですら、覆い隠してしまうその場所にある、小さな、小さなホクロ。それを鈴木さんが見てしまうかも知れない。
 そんなイメージを浮かべてしまったら、突然、戦慄のようなモノが背中をグンっと突き上げてきました。
『ん? なんだ、これ、あ、ヤバい、出てしまうっ!』
 背中を駆け上ってきたのが、射精スイッチを押そうとする電流であったのに気付いて、とっさに、こらえました。
『ヤバい、出ちゃうところだった。あ、いや、ちょっと、こぼれたかも』
 危うく、リビングの真ん中で、妻の背中を見ているだけの射精をしてしまうところでした。
 派手な射精だけは、辛うじてこらえることができたものの、強烈な衝動をこらえている私の目は、妻の尻から離せません。
『うぅう。マジでヤバいぞ。これで、キスでもしたら……』
 今まで生きてきた中で、最高の努力と意志の力を発揮して、私は、コッソリと出かけようとします。
 その背中に「あなた!」という声。
 敷いてある布団を発見したようです。
「じゃぁ、行ってきま〜す」
 知らぬ顔をして出かけようとする私を追いかけて走ってきた妻は「むぅ〜」と唇を尖らせながら、私の袖を掴んで、半ばでかかった私をドアの内側に引っ張り込みます。
 いきなり抱きついてきた妻に唇を奪われました。
「わぉ。……んっ」
 それは、滅多にないことですが、妻から舌を入れてくる、熱烈なキス。
 ギュッと抱きつく力は、思ってもみないほど強いのです。
 さっきまでのものすごく強い衝撃は、いったん靴を履いたせいなのか、辛うじて押さえることができるようです。
 そして、思わぬほど冷静な頭があって、舌を絡め合いながら『あれ? 紗奈のやつ、歯を磨いてるじゃん』と考えてしまったのです。
 そう気付いた瞬間、理性が動向動く前に、手が勝手にミニスカートの裾をたくし上げて、ヒップを撫でています。
『あれ、これ、確か、こないだ買った、あの上下セットのやつだよな。やっぱりこれを穿いたんだ』
 妻は何も言いませんでしたが、偶然、ゴミ箱に見つけたレシートは、良く行くショッピングセンターにある下着専門店のもの。
 ピンと来た私は、その時、こっそりと妻の下着を入れた引き出しを覗いたのです。
 そこには、真新しいショーツとブラが、片隅に入っていました。Eカップの胸を包むには少々生地が少なめの、扇情的なブラに、底の部分以外はレースになっているショーツのセット。
 サックスブルーこそ、妻の好みですが、今まで妻が自分では買ったことのないタイプの「男の目」を意識した下着です。
『なんだかんだで、やっぱり抱かれることを考えてるのか?』
 その瞬間は、確かにむかっとしていたのが本当です。
「手で出してあげるだけ」のはずが、わざわざ下着に、こだわっていたという事実が、胃の下の方に痛みに似たものを突きつけていました。
 そういえば、先週、珍しくエステに行った妻が、下の毛も大胆に小さくしていたのは、あのショーツを穿くためだったかも知れません。
 確かに「ムカッ」とする気持ちはあっても、腕の中の妻が、とてつもなく愛しい存在に思えていて、手が離せません。
私は、ヒップを撫で回しながら、すべすべする生地の下に手を入れて、美肉を確かめたくなっているのをこらえていました。 
 千々に乱れる私の気持ちを知ってか、知らぬか、妻は、ツんと唇を突き出して、可愛い抗議をしてきます。
「もう! あなたったら、ひどいわ。お布団なんて使いません」
 妻の顔は、真剣です。しかし、その真剣さは、頭に「それ」がある裏返しなのだと、私は知っていました。
「いや、一応だよ。それに、男性は横になった方が楽な場合もあるからね」
「え? そ、そうなの?」
「そ。だから、敷いたままにしておくんだよ」
 私が真面目に主張したためか、とたんに困惑してしまうところが、妻の可愛い所。私への信頼が大きい上に、男の生理については、ひどく疎いのです。
 それを自覚している天然妻としては、私の言葉を受け入れるしかありません。
「このまま、敷くんだよ?」
「そうなんだ……」
 納得したかのように口を閉ざしても、納得できるわけがないのを知っています。
 なにしろ、どんな風に言いつくろってみても、この後の妻を待つのは、男性と二人っきりになって「射精させる」という事実。
 どれほど真面目で貞淑な妻であっても「射精」という行為が、性行為の一部であることを考えないわけがないのです。
 性行為…… 
 そんな言葉を頭に浮かべてしまえば、敷きっぱなしの布団から想像するのが「セックス」であるのも当然です。
 妻の目には、ハッキリと困惑が浮かんでいました。
 もちろん、布団を見た鈴木さんが、途端に襲ってくる、などとは考えてないでしょうが、布団が敷かれた生々しさからは「セックス」が露骨に薫ることには違いが無いのです。
 ちょっと眉を寄せて、首をかしげる妻の顔に、一つ「うん」と頷いて見せます。
「やる以上は手を抜かないよね? 紗奈は、全力を尽くすんだろ?」
「それはそうだけどぉ」
「じゃ、終わったらメールして。駅前のカフェにでもいるからさ」
「は、はい。あ、あなた、あの、その」
「大丈夫、君を信じてるから。でも、オジさんの最後のセックスになるかもしれないんだからってことだけは覚えておくんだよ」
「そんな。私、そこまでは、しません ……きっと、できないわ」
 そう訴える表情には必死さと、そして苦しさが込められています。
『サナは、鈴木さんの苦しさを考えてしまってる。それを楽にして上げたいという気持ちが、ちゃんとあるんだよね』
 妻の中にあるのは、自分がどうなっても、他人のために尽くしたいというサクリファイス。それを達成させないのは、私への気持ちだけ。
 そんな気がしました。
 いえ、直感としては「サナは、鈴木さんにセックスさせて上げたい」のだと、思えました。もちろん、それは妻にとっての性欲とは無縁なモノではあります。妻を亡くして気の毒な、しょぼくれた初老の男性の性欲に、我が身を差し出すというサクリファイスだけが、その全てです。
 だから私は知っています。優しさに溢れる妻が、鈴木さんに、その身を委ねてしまう可能性は、限りなく高いのだと。なによりも、妻自身が、それを知っているからこそ、下着にも、エステにも気を配っているのでしょうから。
 心拍数が一気に高まってくるのを押し殺して、私は平静に努めます。
「ま、それはその場で。じゃね、そろそろ鈴木さん来る時間だ。顔を合わせちゃうと、ちょっと照れるだろうから、僕は、出かけるね」
「は、はい。あの、い、行ってらっしゃい」
「うん。行ってきます。君もイッてね」
「もう! 莫迦!」
 まだ何か言いたそうな妻を振り切って、下の駐車場に向かいます。車の中で全てを聞くつもりでしたが、さすがに、マンションの駐車場で長時間、車に閉じこもっているわけにもいきません。
 少々離れていますが、河川敷まで足を伸ばします。冬だけに、ここなら、誰も来ないはずでした。
 運転しながら音声を聞いてしまえば、間違いなく事故るに決まっています。一刻も早く聞きたい。焦る気持ちを抑えながら、ようやく、開けた場所にたどり着いたのです。
 その間、二十分ほどでしょうか? 
 周囲から見られない場所に止めるやいなや、イヤホンを耳に突っ込みます。
「あの!」
「は、はい!」
 いきなりテンションの高い鈴木さんの声が飛び込んできました。
 二人とも、聞いたことがないほどテンションの高い声。
 異様な行為への異様な緊張は、我が家のリビングに、信じられないほどのテンションを作り出しているようです。
 なんとなくですが、二人は、布団ではなく、ソファに座っている気がします。どうやら、さっき来たばかりのようでした。
『あぁ、こんなことなら、やっぱりカメラもつけておけば良かった』
 心底後悔します。
 でも、何度か実験した結果、我が家の回線だと、動画も送ると切れてしまう可能性があり、それだけは避けようとした結果、音声だけを選択したのです。
 自分の消極性を死ぬほど後悔しながら、耳を澄ませます。
「あぁあ、ごめん。えっと、あの、やっぱりヘンだね、こんなの。サッちゃんにしてもらうだなんて」
「いえ。私が考えて決めたことですから。それに、あの、私、オジさんの役に立てるのって嬉しいんですから、あまり遠慮しないでください」
「そ、そうなの?」
「ええ。いっつも優しくしてくれているし。それに、お辛いですよね? それが少しでも慰められるなら…… 嬉しいですから」
 これからやろうとしていることの是非はともかくとして、鈴木さんを少しでも楽にして上げたいというのは、本心に違いありません。
 どれほど、内面での飲み込めない物があったとしても、ついさっきの「困惑」を相手に見せるような紗奈ではないのです。
 今の紗奈の表情には、一欠片の迷いも浮かんでいないはず。
 だから、今この瞬間、いつものソファの前に跪いている妻は、あの優しくて整った顔で、ニコッと天使の微笑みを浮かべているはずです。
 喜びそのものの表情をしながら、やや首をかしげて、クリンとした目で鈴木さんを見上げているに違いありません。
 そして、妻の、あの魅力的な笑顔に心を盗られない男なんていないのです。
「ありがとう。本当にありがとう」
「もう〜 オジさん。そんなに感謝してくれるほどじゃないかもですよぉ。だって、あの、精一杯頑張りますけど、さっきお願いしたとおり、やっぱり、ホントのエッチはできないですし」
 どうやら、その点について、先に妻は話したのでしょう。最初に限界点を話すことで「手で出すだけ」のラインを守ろうとしているに違いありません。
 献身を考えてはいても、私しか男を知らない紗奈にとって、貞操もまた、重大なことに違いは無いのです。
『いや、紗奈からしたら、他の男のチンチンを触ろうというだけでも、大進歩だよな』
 このところのセックスで強いてきた、鈴木さんとセックスするシチュエーションを何度も想像させられ、私の性癖への理解が、なにがしかの影響を与えていることも、ハッキリしていました。
『やっぱり、セックスしちゃうかもって、紗奈も思ってるんだよな』
 だからこそ、先に「セックスはできない」と予防線を張った、とも考えられるのです。
「いや、そんなことはいいんだ。サッちゃんの前で、オトコとして蘇れれば、もう、この後は一生、それを思い出に生きていけるから」
 鈴木さんはその当たりまで見抜いているのでしょうか? 
「そんなあ。オーバーですよぉ」
「いや、オーバーじゃないんだ。実はさ、昨日だって」
「昨日?」
「うん。サッちゃんのことを考えたら、少しだけだけど、蘇りそうになったんだ。こんなことって、本当にあるんだなぁ、本当に、サッちゃんはオレの人生の最後に現れた天使だよ」
「あら、そんなにおだててくれても、何にも出ませんよ〜」
「いや、出して貰うのはオレの方だったよね」
「え? あっ! んっ、もう〜 エッチなんだからぁ、あっ、でも、オジさん、いっつも明るいけど、こんなに芯から元気な感じって初めてですね。なんか、私まで嬉しいです」
「そうかな? う〜 でも、緊張しすぎてるかも。じゃ、えっと脱いだ方が良いかな?」
「えっ、あ、は、はい。お願いします」
「じゃ、お言葉に甘えて」
 よく考えてみると、なんとも珍妙なやりとりの後で、ガサゴソとした音。
「キャッ」
 微かに悲鳴もどきの声。
「どうしたの?」
「いえ。えっと、あの、す、すみません。私、彼の以外、あの知らなくて、ちょっとびっくりしただけですから」
「あ、サッちゃん、ご主人しか知らないんだ? じゃあ、ご主人が普通だったとしたら、ちょっと、オレのデカイからビックリしただろ?」
「ええ…… ごめんなさい。あの、思っていたよりも、ずっと、あの…… あ、でも、あの、大丈夫ですから」
「握ってくれる?」
「これでいいですか」
 気配だけですが、なんの逡巡なく鈴木さんのモノを握ったのが、ハッキリ分かりました。
 さんざんに悩んだあげくに出した結論ですから「手で出して上げる」という答えに、もはや微塵もためらう余地はないようです。
 いえ、ひょっとして「手だけで済めば」と願う気持ちもあるのかも知れません。そう考えてしまうほど、妻の動きにはためらう感じがなかったのです。
「ありがとう。ああ、なんて嬉しいんだ。気持ち悪くないかい?」
「いえ。なんか温かいです。それにオジさんのですから」
「嬉しいことを言ってくれるね、サッちゃんのその声、すっごく可愛いんだよなあ、ね、しごいてくれないか」
「はい。これでいいですか?」
「お、いいね、ゆっくりとね。きっともうすぐ、デカくなると思うから」
「え? これで大きくなってないんですか?」
「だって、まだフニャフニャだろ?」
「そうですけど。だって、もう、こんなに大きいのに」
「いや、それ、普通の状態だよ」
「え〜 こんなに大きいのに? 邪魔じゃないんですか?」
「ははは。ま、サッちゃんが知っているのよりも、ちょっと大きいよね」
「ええ。こんなにハッキリ見たことないですけど、これだと、彼の倍くらいは…… あっ! あん、もう、いやん、忘れてください、そんなこと」
「いやあ、サッちゃんが知ってるチンポの倍か〜 いや〜 嬉しいことを言ってくれるね〜 ああ、それに、夢にまで見たサッちゃんの手だ。幸せだ。もう、明日、死んでも良い」
「ダメですよ! そんなこと言っちゃあ。もっともっと楽しいことだって、きっとありますから」
「そうだよなあ。サッちゃんにこうして握ってもらえるなんて、考えもしなかったもんなあ。本当にありがと。ね、ありがとう、ついでに、お願いしてもいいかな」
「なんですか? 私にできることなら、なんでも言ってください」
「お〜 ありがとう、そこまで言ってくれるなら、遠慮したらかえって悪いよね」
「そうですよぉ。頑張りますから。遠慮なんてしないでほしいです」
「いや、じゃあ、お言葉に甘えるね。あのさ、だらしないことに、いざとなると緊張しちゃって、なかなか、デカくならないんだよ」
「えっと、どうして上げたら良いのかしら? テレビかなんか点けますか?」
「いや、そんなコトしたら余計に集中できなくなる。あのさ、原因は分かってるんだよ」
「原因、ですか?」
「うん。言いにくいけど、オレだけ、それも下半身だけ脱いでるじゃん? それがヘンな緊張を生んじゃって。できれば、サッちゃんも脱いでくれないかな?」
「私も脱ぐんですか? そんなぁ、ちょっと恥ずかしすぎます」
 声が消え入りたげに小さくなりますが、そこに拒否の色は見えません。
「そうだよな。ゴメン、調子に乗りすぎた」
「ああん、そんなに落ち込まないでください。あれ? せっかく少し硬くなってたのに」
 少しの間。
「もう〜 こんなに落ち込まれたら、哀しくなっちゃいますよ。ハイハイ。もう〜 わかりました。でも、全部はダメですよ。それと、触ったらダメ。彼に悪いもの……」
 そして「彼には内緒にしてくれますか?」と小さな声で続けます。
「もちろんだよ! ああ! サッちゃん。なんて優しい子なんだ」
「ああん、なあに? オジさん、いきなり大きくなってきましたよ。すごい、さっきよりも、もっと大きくなってる、スゴい、こんなになるんだぁ」
「いや、本格的にデカくなったら、こんなもんじゃないよ」
「そうなんですか? でも、こんなの入れたら、痛そう……」
「え?」
「んっ、な、なんでもないです。あ、でも硬くなったし、これなら脱がなくても…… はいはい。そんな哀しそうな目をしないでください。 わかりました。でも、ちょっとだけそっちを向いててください」
 恐らくためらいを捨て去るために、一気に脱いだのでしょう。とはいえ、暖かくした室内ですから、セーターとミニスカートをストンと脱ぐだけでいいはずです。
 衣擦れの音が聞こえます。
『あああ、紗奈の下着姿が見られてしまう…… で、でも、下着まで見せるなんて』
 妻の人の良さと言うべきでしょうか、あるいは犠牲的精神というのでしょうか。まあ、もちろん、イヤらしい気持ちなんて一カケラもないのは確信できますが。
 ただ、逆に、その分だけ、他人の前で下着姿になってしまう妻が、何とも哀れなのですが、哀れさは同情よりも嗜虐心を生み出してしまうのは不思議です。
『あんな、扇情的な下着を着けた紗奈が見られてしまう』
 それは、何とも不可思議で、途方もない興奮でした。
 私は、周りに誰もいないのを確かめてから、チャックを降ろして、硬くそそり立つ自分を解放します。
『それにしても、案外だな。そんなにデカイのか』
 妻の声にあった驚きは、素直なモノでした。しかも、倍だとハッキリと言っています。
 ごく平均的なサイズの私の倍。しかも、まだ勃起してないというのに…… 
『そんなデカイモノを挿れられたら、紗奈のオマンコがどうなっちまうんだよ』
 頭の中に、ペットボトルくらいはあろうかというチンポを握っている妻の姿が浮かびます。
「あの、これで勘弁してくださいますか」
 一分とたたずに聞こえた、震えそうに、消え入りたげな声。
 それなりに覚悟は決めていたのでしょう。
 案外と手早く脱いでしまったようです。 
「おおぉお! サッちゃん、ブラまで取ってくれるなんて! わぉ! やっぱり巨乳なだけじゃなくて、見事なカタチだね! すごい! すごい! ロケットバストってヤツだろ?」
『ブラまで? おい。ブラジャーまで脱ぐ必要なんてないだろう。あのオッパイを全部、見せちまったのかよ』
「え? ブラはしてて良かったんですか?」
 意外そうな声。
「いや、そりゃ取って貰いたいけど、無理かと思ってさ。おぉ、おぉ、ありがとうね、サッちゃん」
「あの〜 ブラをしても良いなら、あの、今からでも」
「ほら、ね? せっかくだもん、その手をどけてよ、頑張ってブラまで脱いでくれたんだろ?」
「で、でも、あのぉ、やっぱり、恥ずかしすぎますよ、これぇ、ああん、もう〜 どうしよ」
「サッちゃん」
「はい?」
「じゃあ、さ、これを両手で握ってくれないか? 根本と先端と。半立ちになってきたから、サッちゃんの手なら、両手でちょうど良いだろ?」
 妻の小さな手でも、上と下に分けて握れるとしたら、相当のデカさです。
「良いですけどぉ、あっ! オジさん、それだと、結局、手を離さなきゃだから見えちゃいますよぉ。もう〜 エッチなんだからぁ。 ……あの、あんまり、見ないでくださいね」
「おお! 綺麗だ! なんて綺麗なオッパイなんだ! あああ、優しい子だ、その手、良いよ。うわぁ〜 サッちゃんの乳首、本当に綺麗なんだな。ああ、うらやましいよ」 
「いやん、言わないで。恥ずかしいです」
「恥ずかしいコトなんてあるもんか。自信を持って。デカイだけじゃない、乳首がピンク色してんだもん。形も良いし。どこに出しても恥ずかしくない。立派なオッパイだ。綺麗だよ」
「あん、そんなに、言わないで。褒めてくれるのは嬉しいですけど、恥ずかしいです」
「恥ずかしがる必要なんてないよ。これだけすばらしいオッパイなんて、オレの短い命の残りじゃ、二度とお目にかかることなんてないよ」
「あっ! すごぉい、また大きくなりましたよ。こんなに大きくなって。すごぉい…… こんなの……」
「どうだい? 一番、デカくなるところを見たくないか?」
「え〜 これでも、一番じゃないんですか? 凄く硬いのに。 でも、こんなに大きくなるなんて。なんか、すご〜く、お元気ですね。あん、ゃん、動いてますよぉ」
 他人の怒張の勃起を素直に褒める妻の声。その声には、嬉しそうな様子が見えていて、何とも、モヤモヤが増幅されます。
「普通なら、これが最大だけど、このオッパイを見てしまうとなあ。ね、サッちゃん、触っちゃダメって言ってたね? じゃあ、触らないから、せめて、ここにキスさせてもらえない?」
「え? 胸にですか? え〜 でもぉ」
「そう。だって、一番大きくなるところ、見たいだろ? サッちゃんのここにキスさせてもらえば、絶対に、マックスになる。硬さだって、鉄みたいになるからな」
「だって、今だって、すっごく硬いですよ」
「いや、まだまだだ。サッちゃんのオッパイを吸わせてもらえば、もっとデカくなるし、もっと硬くなるんだ。ね、サッちゃん、頼むよ、吸わせてよ」
「もう〜 オジさん、調子に乗りすぎです」
「ごめんごめん。でも、お願いだよ。どうせなら、百パーセントの自信を回復したいんだ。自分がここまでヤレるってことを確かめたいんだ、サッちゃんこの通りだ。頼む」
「もう〜」
 耳をそばだてると、わずかにソファの軋む音。
「ちょっとだけ、ですよぉ」
「あぁ、良い匂いだ。サッちゃんの匂いだ。乳首は特別に良い匂いなんだよなぁ」
「いやぁ、恥ずかしいから、匂いはダメぇ、んっ、くっ、はふぅ〜 ああん、いきなりなんて。ビックリしちゃいますよぉ。んっ、ウックッ、はうっ」
 ハア、ハア、ハア
「んっ、ね、まだ? んぁ、ああん、あれ? ホントだ、オジさんの、すっごい。鉄でできてるみたい! わっ、すごぉい! なんで、こんなに大きいんですか? 指、全然、届きませんよぉ」
 その言葉をしっかりと聞けば、夫のモノはこんなに大きくないし、硬くもないのだと告白しているのと同じです。
 しかも、指が届かないほどの太さだと言ってみせるのは「普段のチンポは、指が届く太さです」と教えているのと同じです。
 鈴木さんが、それをどう思ったのかわかりませんが、何だか、男として原始的な屈辱を感じてしまって、後悔、と言う文字が点滅します。
 しかし、耳は、異様なまでに研ぎ澄まされていました。
 チュバチュバと吸う音。
 そして、耐えきれずに漏らす「あぁ」という小さな声。
 会話が途絶えています。
 元々オッパイが感じやすい妻ですが、乳首は、特に弱点です。ここを吸われてしまえば、強烈な快感に貫かれてしまい、声を我慢するのがやっとなのです。
 これでは、話をするどころじゃないのでしょう。
 耐えきれずに漏れ出す、小さなため息。
 そして、乳首を吸い、なめ回す音だけが微かに響きます。 
「んっ、あっ、ね、まだ? んっ、で、んっ、すか? んっ、あふ、はふぅ〜 あぁあ、ね、も、もう、許して、ねぇえ、あぁあ」
 三分もしないウチに、小さな喘ぎに変わってしまった妻は、これ以上の「愛撫」に怯え、許しを請うていたのです。
「んぅ、ふぅ、はぅ、んっ、んっ」
 喘ぎとも、ため息ともつかない、ピンク色の声。慈母の表情で乳房を与えながら、あっという間に、そこに淫靡な影を浮かべて、乳首を吸われている妻が脳裏にはっきりと見えていました。
 今この瞬間、男は私しか知らない紗奈が、他人に愛撫されているんだという現実に、気が遠くなりそうです。
「んっ、あんっ、や、もう、あふぅ、んっ、ね、もう、もう、許して、ああああう! あう、ね、そろそろ、やめっ、あぁあん!」
 止めようとする度に、強く吸われたりするのか、喘ぎ声になりかける声を懸命に鎮め、鎮める度に、さらに熱心に吸われているのでしょう。
 吸い始めて十分以上はたった頃、突然、少し哀しげな鈴木さんの声が入ります。
「ね、サッちゃん」
「んっ、あうぅ、はぁい? なんですかぁ? そろそろ出ますか? んっ、んんっ」
「ゴメン、もう止めよう」
「え? でもぉ、まだ出してませんよぉ。男の人って、このままだと凄く辛いんですよね? サナ、もっと頑張りますから、出してくださいよぉ」
「よく知ってるね、その通りだよ。辛いさ。だけど、サッちゃん、手が疲れてきたろ? それに、オレ、このままだと、多分、あと何時間してもイケない」
「あぁあ、ごめんなさい。やっぱり私が下手だからですよね。どうしよ。オジさんを余計に辛くさせちゃうなんて。途中で止めると、男の人ってお辛いのに、あぁ、私のせいだわ」
 妻の声には真摯な思いがこもっています。
「いや、サッちゃんが悪いんじゃないんだ。たださ、人間って、贅沢にできているから」
「なにか、いけないことでも?」
「いやあ、さ、目一杯硬くなった分だけ辛いんだけど、オレ、女の人に手だけで出して貰ったことなんてなくてさ」
「え? それって手じゃなくて?  ……あ! だけどぉ、それだけはダメですよぉ。エッチは。それだけは彼に悪いもの」
「彼に悪くなければ、サッちゃんの意志はどうなの? オレが出せなくても? サッちゃんは、オレを辛い所から救いたいって思ってくれるんだよね? 優しい子だ、サッちゃんは」
「そんなこと言われても。私の気持ちなんて…… だって彼に悪いもの」
「本条君は、最初、サッちゃんを抱けと言っていたよ? でも、サッちゃんの気持ちでこうなったんだよね? それなら、彼に悪いってことはないんじゃない?」
「でも、それはぁ」
「いいんだよ。だって、やっぱりオレみたいなオッサンのチンポを入れるなんて、気持ち悪いんだろ? いいんだよ。正直に言ってくれて。 ……無理を言ってすまなかったね」
 鈴木さんの声は、まさに「意気消沈」の見本のようなもの。その場にいなくても、しょぼくれてしまった鈴木さんの姿見えるような、ガッカリした声です。
 もちろん、そんな姿を、黙って見過ごせる妻ではありません。まして、その原因が「自分のせいだ」と思ってしまえば、必要以上の決断をしてしまうのは良くあること。
 妻はサクリファイスのためなら、好んで身を投げ出してしまうお人好しなのです。
「そんなぁ。気持ち悪いだなんてこと、ありません。オジさんには感謝してるし。それに、尊敬もしてますから」
「でも、これを入れるのは嫌なんだろ?」
「えっと…… だ、だって、私、奥さんだし。彼に悪いし。こんなに大きいと、入らないかも知れないしぃ」
「じゃあ、本条君の奥さんて立場を離れて考えてよ。紗奈ちゃん個人として。うん、一人の女としてはどうだい? オレみたいな、オッサンのチンポを入れるのは気持ち悪いんだろ?」
「一人の女として、ですか?」
「ああ、本当のことを言ってくれ。こんな小汚いオッサンのを入れるどころか、こうして触るのだって嫌だって、本当のことを言ってくれ。ホントは、こうして見るのだって気持ち悪いんだって」
「そんなぁ、そんな風に考えたコトなんて…… イヤだなんて、そんなことありません」
「だって、そうなんだろ? 入れるなんて考えただけでも、気持ち悪いんだよな?」
 鈴木さんは、妻の本質を知り尽くしているのかも知れません。こんな風に言われれば、相手を傷つけないように、過剰に迎合してしまうのが妻のクセなのです。
「あの、こういう時だから、正直に言いますね。本当にイヤじゃないです。だって、いくらなんでも、こんな風にするなんてことだって、嫌な人にはできないですよぉ だけど……」
 妻の声には、必死になって鈴木さんを慰めようとする優しさに満ちあふれています。
「じゃあ、さ、サッちゃん、ホントは、オレが出す瞬間まで、責任を持って見届けたいんだよね? だって、それは、サッちゃん自身が言ったことだもの」
「それは、そうです。仰るとおり、最後まで責任を持ちたいです」
「おお! じゃあ、一人の女としてなら、サッちゃんのオマンコで出しても良いって言うんだね? オレのコト、気持ち悪くないって言ってくれるんだろ?」
「でもっ、私、あの…… 奥さんだから、他の人とエッチはしちゃダメなんです」
 妻自身がどう思ったのか分かりませんが、この言葉は、「私の気持ちは鈴木さんとセックスしてもいいです」と告白したも同然です。
 嫌な汗がジトッと流れ落ちてきました。
「じゃあ、さ、こういうのはどうかな?」
「なんですか?」
「ナカに入れるのはダメだろ?」
「ええ。ごめんなさい。それだけは。でも、それ以外なら、できる限り頑張りますから」
 声に真摯な気持ちが込められています。
「じゃあ、さ、外側はどう? 中に入れなければ、ただの皮膚だろ? こうして、手で握ってくれるのと同じだと思うんだ」
「どういうことですか?」
「サッちゃんのオマンコの谷間。ヌルヌルの場所でこすらせてもらえないか? 中に入れなければ、単なる皮膚だろ? 今、手に握ってもらうのと同じだと思うんだ」
「え? あ、あの、でも、アソコにくっつけるって、あの、手とは、ちょっと」
「あくまでも外側だけだよ? ナカに入れるのがダメなんだから、サッちゃんの外側のヌルヌルで、こすらせてよ」
「そんなぁ。それに、そんな恥ずかしいコト、言わないでくださいよ」
「あ、もう、ヌルヌルになってるってことかい?」
 恐らく妻は黙って頷いたのでしょう。瞬時の間を開けて、鈴木さんの声が響きます。
「だって、オレのカンチガイじゃなければ、サッちゃんも濡れてるだろ? それも、かなり」
「いゃん。そんなことないです」
 その声には、明らかに甘やかなものが含まれています。
「じゃ、こうしよう。濡れてないなら、あきらめるからさ。でも、もし濡れてるなら、オレのをくっつけさせてもらえないかな? サッちゃんのヌルヌルで包まれれば、きっと出せると思うんだ」
「え〜 でも、それって、彼に悪くないかなぁ」
 今度は、自分が濡れていることを否定しませんでした。
 そして、あくまでも「夫]に気を遣っている風情ですが、反面、それは、紗奈自身が嫌がっているとは言ってないということ。
 ただでさえ弱い乳首を、これほど長く吸われていれば、濡れないわけがないのです。いえ、この声の持つ雰囲気だと、私とのセックスの時並課、それ以上に濡れそぼっていても不思議ではありません。そんな、濡れそぼった秘所に、硬くなった怒張をくっつけられてしまえば、そのまま貫かれてしまったとしても、防ぎようもないのです。
 紗奈は、どうしようもないほどお人好しですが、決して頭が悪いわけではないのです。人妻である以上、その程度の理屈は分かるはず。
 そんなこと拒否して当然です。セックスを絶対に避けようと思うのならば、ですが。
「オレみたいなヤツが、くっつけたら、サッちゃんは気持ち悪いかい?」
「いいえ、そんなことは決してないですけど…… でもぉ……」
 拒否ではなく、渋っているだけ。こんな反応の「女」を相手にして、引っ込む男はいません。
「くっつけるだけならセックスじゃないだろ? オレも、生涯の思い出に、墓穴まで持っていくから、サッちゃんのオマンコの、せめて入り口だけでも、味わって死にたいんだ」
「う〜 どうし…… あぁん、んっ、ダメぇ、考えてるんだからぁ、そこ、ダメっ、ああん、吸っちゃダメぇ。ん、んっ、ダメぇ、はふっ、あぁ、うっ、うっ」
 そこから、しばらく、苦悶するような声。
 懸命に快感を押し殺そうとして、そのくせ、決して成功していないのがバレバレの、淫靡な呼吸音が続きます。
「ね? 頼むよ、少しだけ。少しだけで良いから、ね? くっつけさせてよ、外側だけだから」
 まあ、男というモノは「何もしないよ」と断言しながら、平気で、それを踏み破る気満々でホテルに誘うモノ。たとえ口だけであっても、入れるための算段を「お願い」したら、相手が悩んでくれた時点で、それは成功したも同然なのです。
「な? サッちゃん、頼む! オレ、このままじゃ出せないんだよ。ね? お願いします」
「も〜 ズルい気がしますよぉ」
 その甘やかな声には、既に「答え」が出ていました。
 ズキンと心臓に杭が刺された気がした私の耳に「いいですよ」という言葉。
「でも、ホントにくっつけるだけですよぉ。それに」
「それに?」
「絶対に出してください。私、これだけ頑張ったのに、オジさんが苦しいまま帰っちゃうなんて嫌ですから。少しでも楽になって貰いたいのに、逆に辛くしちゃったら、私、哀しいですから」
「ありがとう、ありがとう。サッちゃんは優しいね。うん、オレも精一杯努力するよ。サッちゃんのオマンコで、う〜んと出すから」
「はい。一杯出してくださいね」
 おそらくは、必死になってしまったんでしょう。鈴木さんを楽にしたい一心で、自分が何を言ってしまっているのか頭が回っていないようです。「オマンコで出す」と言われているのに、それを咎める言葉は一言もなく、ただひたすら、鈴木さんの射精を願ってしまうのです。
『どこまでお人好しなんだよ、お前ってヤツは……』
 たとえ最初は「外側」だとしても、男がヌルヌルになった秘部にチ○ポをこすりつけてしまえば、すぐに、それが侵入してくるはずだとは、考えられなかったようです。
『紗奈。今、君は、自分のオマンコを差し出しちまったんだぞ』
 自覚しているとは思えませんでした。
「じゃ、脱がすよ」
「あん、ダメっ、待ってください。自分で脱ぎますから」
「いいのいいの。脱がせるのも男の悦びなんだよ。さ、ここに横になって。ウン、そう、ちょっとお尻上げてね。可愛いパンティーだねぇ。うん。すっごく可愛い」
「だって、あのっ、ああん、恥ずかしッ、あああんダメぇ、見ないでぇ。いやああ」
「わぁあ、サッちゃん。びっしょりじゃないか」
「いやいやいやいやいや、言わないでぇ。あぁあ、仰ったら、いやぁあ」
「ありがとう。じゃ、くっつけさせて貰うね。協力してくれる? ほら、ちょっと脚を広げて」
「こ、こうですか? わうっ、これ恥ずかしすぎます。お願い見ないで」
「すっごく綺麗だな。美人さんは、オマンコまで綺麗なんだね」
「そんなことないです。あんまり見ないで。ものすご〜く、恥ずかしいんですから」
「こんなに、ピンク色なんだ。サッちゃんのここを見たことのある男は、幸運だなあ」
「でも、私、男の人って、彼しか…… 彼にしか、見せたことないから。本当に恥ずかしいんです」
「お〜  じゃあ、この綺麗なオマンコにくっつけられるのは、本条君以外だと?」
「もちろん、初めてですよ。決まってるじゃないですかぁ」
「うん、うん。彼は幸運な男だねえ。心も顔も、オマンコも、こんなに綺麗な嫁さんをもらえて」
「そんなことないです。あああ、もう、見ないでください。お願い」
「だって、こんなに綺麗なんだよ。それにこんな、おお! 垂れてるよ。凄く濡れるんだね」
「いやあ、言わないでぇ、ね、あ、あのぉ……」
「どうしたの?」
「あの…… ほ、ホントにしちゃ、ダメですよ」
 不安そうな声。
 ビショビショになってしまった妻としては、仰向けになって脚を広げてしまえば、鈴木さんがその気になってしまうと、もはや拒む手段がないのを、やはり知っているのです。
 しかし、知ってはいても、今さら拒むことは、思いつかないのでしょう。
 柔らかな声が答えます。
「大丈夫。サッちゃんが良いと言わない限り、奥まで入れないから、大丈夫だよ」
「信じてますからねっ」
 甘えの入った声。
 この声を聞いたら、男なら「もう、入れちゃっても大丈夫なオンナの反応」としか聞こえないはずです。しかも、確かに鈴木さんは「奥まで」と言っています。と言うことは、逆に「途中までは入れる」と言っているようなモノでした。しかし、恐らく頭の中が真っ白になっているはずで、そんなことまで頭が回るわけはありません。
「おおっ、ちょっと、広げるからね」
「いやぁあん、広げちゃだめぇえ、あうぅう。そんな、見ないでぇ、ああん! あっ! 触っちゃいやあ」 
 その声は、感じてしまったサナが上げる声、そのもの。
「悪いけど触らないのは無理だよ」
「だって、そんな風に触ったらぁ、あっ、んっ、んぐっ」
「感じる?」
「知りません! もう〜 あんっ、あああ、いやあぁ、だめぇえ、触らないで、お願い、あああん、いやっ、見ないでください」
「すごいね、綺麗だ。こんなに濡れているし」
「いやあん、そんなに広げちゃ! だめ、見ないでぇ、あああぁ」
「だって、こんなにヌルヌルだしさぁ」
「あぁん! 言っちゃ、いやあぁ」
「おおぅ、何だか動いてるよ、欲しそうだな」
「あん、そんなぁ、ダ、ダメですよっ、絶対」
 少しも「ダメ」に聞こえない拒否のセリフです。
「大丈夫、約束は守るから、サッちゃんが良いと言わない限り、絶対に奥まで入れないからね。でも、その前にっと、おお、サネがこんなに飛び出してる」
「はうううう! ああん、あっ、だ、だめ、だめぁ、ああ、ああぁう、あうう、あ! だめえぇえ! あっ、イッ……」
『イッた?』 
 辛うじて「イク」という言葉は飲み込んだモノの、切羽詰まった呻きは、あっという間に達してしまった声だと直感します。
『十秒もかかってないぞ?』
 いくら敏感な時期とは言え、これは鈴木さんのテクニックでしょうか? それとも、このシチュエーションが、妻をいつもよりも数段、ビンカンにさせているのでしょうか。
 私には分かりませんでした。
 ただ一つ、分かっているのは、たとえ小さくとも、いえ、小さなオーガズムだからこそ、一度でも達してしまった「結果」です。人妻として開発されてきた女体は、小さなオーガズムが呼び水となって、究極的な、最高のオーガズムをひたすらに求めてしまうものなのです。
 妻の胎内では、オーガズムを欲しがる本能が、暴風のように暴れ始めていました。
「おお、すっごく感じてるじゃないか。今、イッちゃったね。感じたかい?」
 ハアハアハア 
 聞こえるのは荒い呼吸の音だけ。
 けれども、私の脳裏に映っているのは、オーガズムの余韻に濡れた可愛らしい顔が、ゆっくりと振られて「違います」と無言で強がっている姿です。
「あれ? イカなかったんだ」
「あぁ、ち、違い、ま、ああん! だめぇ、い、いま、ああん、あっ、だ、だめぇえ!」
「じゃあ、ちゃんとイカせて上げないとだからね」
「あん! いやぁあん、オジさんの指、んっ、なんか、あん、エッチで、あっ、あうう、いやん、そこぉ、あああ!」
「おお、ビンカンだ。今度こそ、このまま弄ってイカせて上げるからね」
「ダメぇ、そんなことしちゃ、あうっ、だめぇ、あああん、いやぁん」
「でも、ほら、なんかモジモジしてきたし、ホラ? イカせて欲しい?」
「あああ、違います、オジさんの指が、エッチだから、ああああん! だめっ、だめっ、ああああ! あぁあ! い、いくううう!」
 今度は、さらに大きな波でしょうか? いつもの通りに「イク」と口走ってしまった妻は、マイクの向こう側で「イヤイヤイヤ」と、羞恥に震えているはずです。
 いえいえ、それとも、会館のすごさに身動きできずに、グッタリとしているのでしょうか。
 しかし、束の間の休息も妻には与えられないようです。すぐに聞こえたのは、甘やかな悲鳴です。
「いやあ、ああん、も、もう、ああん、こん、なぁ、あっ、も、もう! こんなのぉ、恥ずかしすぎですぅ あぁ〜 んっ、も、もう、止めてぇ、オジさん、ってばあ!」
「おお、ちょっとサネを弄っただけなのに。まあ、でも、この辺りも感じるだろ?」
「ダメぇ、あぁああ、あぅう! ダメぇ、あん、あっ、あっ、こ、こんなっ、ああん! あっ、だめぇ、あああ、やめてぇ」
 止めてと口走りながらも、妻は逃げ出そうとする音も、抗う動きの気配すら聞こえてきません。つまりは、オンナの全てを差し出した姿勢を崩してないのがハッキリと分かります。
 つまりは、本気で「止めて」とは思っていない証拠でした。
 もちろん、鈴木さんは止めるどころか、さらに指を加速させたようです。
「あん! だめえぇ、オジさん、紗奈、オカシクなっちゃうったからぁ、もう、ホント、恥ずかしいです。もう〜 ああん、ダメぇ、ね、オジさん、ホントに、ね、これ以上は、触っちゃ、だめぇ〜 あああ! また、ああん、あっ、ま、またぁ、いやああ! え? あ、ウソォ!」
 さっきよりもさらに大きな波が砕けそうな最後の瞬間、妻の声には、ある種の喪失感が生まれます。
『イク直前で、指を離した?』
 こみ上げてきたオーガズムは、大きな波になっています。その分だけ、途中での「オアズケ」には、身体が疼いてしまうはず。
「とっても可愛いよ、サッちゃん。じゃ、そろそろくっつけさせてもらおうかな」
 今にも、大きな快楽を弾けさせる直前に、ヒョイッとハズされてしまった身体に怒張をあてがわれれば、女体がどう反応してしまうのか、そんなことはわかりきったこと。
「んんぅう、恥ずかしいです。えっと、あの、オジさんを信じますからね」
 一瞬の間を開けて、小さな声ですがハッキリと「どうぞ」と紗奈の声。オーガズムをオアズケされた身体ではあっても、頭では、目的を忘れてはいないというポーズ。
 そのくせ、子宮からザワザワする予兆に、妻の声がこれ以上無いほど潤んでいるのを、夫である私にはわかります。
 つまりは、欲しがっているのです。
「大丈夫。安心して、ほら、もっと広げて。ウン、良い子だ。これならくっつけやすいからね」
「あぅう!」
 引きつった快感のうめき。
 入り口とはいえ、私しか知らない粘膜に、他の男のチンポを許した瞬間でした。
「おお、柔らかい、ビショビショの上に、こんなに柔らかく包んでくれてる、いいね」
「んっ。ね、ダメですからね、入れちゃ、んっ、あん」
「ああ、入れないとも。ヤクソクだものね、この先っちょだけ包んでもらって」
「ああん、んっ、なんか、入ってる気が、ああぁああ」
「違うよ、ほら、ちょっと見てごらん。先端しかくっついてないだろ?」
「いやああん、私、エッチなカッコしてる!」
「ほら、よく見て。ちゃんと、くっつけてるだけだって」
「ああぁ、だって、こんなカッコ、恥ずかしすぎますよぉ」
「ほら、全然入ってないだろ?」
「そんなの、あん、見られないですよぉ、こんなところぉ。あああ、恥ずかしくて」
「大丈夫、先っちょだけだよ。こうしてヌルヌルするだけだからさ」
「ああああ!」
「ね? 先っちょだけだからね。ほら、触って確かめて」 
「ああ、本当、で、す、よね? ああっ、でもぉ、なんか、時々、深く、あああん、な、なんかっ、ちょっと、入って、んっ、る、んっ、気がっ、あぅ、するんですけどぉお、んっ」
「ほら、こうやって、こうやって動かすからね」
「あああん!」
「どうだい、サッちゃんも気持ち良いだろ? チンポで、ニュルっと撫で上げると、サッちゃんの小さめのサネがピンと飛び出してるから」
 一瞬の間は、サネ当言葉に反応しなかったから。
「サネってのは、クリトリスっていうんだっけ? ここも、撫でてあげられるからね」
「んっ、んっ、ね、あぁ、ううぅうう、オジさん、んっ、こ、これで、これで出してくれますよね?」
「うん、気持ち良いよ。ああ、なんて、気持ち良いんだ。忘れてたよ、女のここが、こんなに気持ち良いなんて」
「あぁ、良かった」
「サッちゃんはどうだい? 感じてくれる?」
「あうっ、私、んっ、なんて、あっ、いいん、ですっ。あん、お、オジさんが、あんっ、よく、なれ、んっ、ばぁ、あうっ」
「ダメダメ。女の子が気持ちよくならないと、男は意地でも出せないモノだからね」
「そんなぁ、お願い。オジさん、もう、ああん、お願いです。もう、出してください」
「だ〜め。サッちゃんが感じてくれないと、何時間でもこうしてるよ」
「あぁん、そんなぁ、何時間もだなんて、無理ぃ、あっ、そんなにしてたら、オカシクなっちゃいます」
「嫌な気持ちかい? こうしてくっつけてるのは」
「そんなことっ、な、んっ、ああん、ないですけどぉ、ヘンに、んっ、なっちゃいますからぁ、お願い、もう、出してください。お願い、です、ううぁううう! あああん!」
「サッちゃんが感じてくれたら早く出るよ」
「そう、なんですか? でも、それはぁ、ダメなぁ、ああん! あうう! あんっ、オジさん、なんか、だんだん、深くなってっえぇ、ああんっ!」
「ほら、教えてよ、ホントのこと」
「あぁ、ほんとのっんっ、ことって、あんっ、んっ、だめぇ、なんか、入っちゃって、ませんか? んっ、ああぁあ」
「どうだい? 気持ちいいかい? 言ってくれないと絶対出さないからね。何時間でもこうしてるよ」
「あうぅ、あん、ダメぇ、ちょっと、深いです、あああん、入っちゃってますよぉ、これ、んっ! あぁ、言う、んっ、ですかぁ、あぁ、恥ずかしいですけどぉ」
「感じてるんだね?」
「ああん、もう〜 恥ずかしいのにぃ! でも、こうしてると、はうっ! 何だかとっても、ああん、恥ずかしい…… けど…… いいのっ、きもち、いいですっ、あんっ!」
 時折ピチャ、ピチャと粘液が絡まる音と、ハッキリとした淫声が漏れでていました。
「あん、あっ、あっ、んっ、あふっ、あうう」
「じゃ、こっちもだね」
 そして、いきなり、微かに、チュッと吸い上げる音。
 乳首を吸った?
「あううう! イッ!」
 甲高い声。
 それは一瞬で、オーガズムに弾けてしまった声に違いありません。
「あれ、またイッちゃった?」
「ああん、そんなことぉ、んっ、あ、ありません」
「だって、ピクンと仰け反っちゃったじゃん」
「もう〜 あんなの。い、いきなりは、んっ、ぁあっ、反則ですぅ」
「じゃ、先に断れば良いのね?」
「そういう問題じゃ」
「じゃ、サッちゃん吸うよ!」
「だめっ ああん! ダメってば! んっ、あん、ダメ、あぁあ! お、オジさんったらぁあ、あん、あっ、だ、だめっ、ああああ!」
「ね、サッちゃん」
「んっ、あんっ、な、なんですかぁ?」
「こんなに素敵なオッパイ。見てるだけなんて辛いよ。少しだけ触らせてくれないかな」
「もう〜 オジさん、あぁ、本当に調子に乗りすぎですよぉ。ああん、でも、もう、先端、吸われてるしぃ。あぁん、もう〜 良いですよ。少しだけならぁ」
「おお、ありがとう。うん、すばらしいオッパイだねぇ。こんなに柔らかい」
「ああん、オジさん、触り方、エッチですっ、んっ、さ、好きなように触って良いからぁ、あぅっ、ね、もう、早く出してくださぁい、サナ、もう、ヘンになりそうなんです」
「それって、一番奥まで、入れて欲しくなったってコトかい」
「知りません」
 入れて欲しいのだろうと言われてるのに、それを否定できない紗奈です。
「なんか、だんだん腰が動いてきたよ」
「ああん、そんなことありません。あぅ」
「ほら、動いてる。どうだい、こんなの」
「ああん、オジさんが動いてるんですよぉ」
「ほらほら、気持ちよさそうに動いてるだろ? ほら、オレは動いてないよ」
「あああん、もう〜 恥ずかし過ぎです! でもぉ、何だか、止まらなぃ、んっ、お願い、サナ、もう、オカシクなっちゃうから、お願い、ああん、吸っちゃ、だめぇ! あうう!」
 悲鳴のような甘い声。
「おじさぁん」
「なんだい? ほら、止まらないみたいだね」
「あぁん、お願いです。もう、早く出して…… あああぁ、だめぇえ!」
「分かってる、早く出すよ。あああ、なんて柔らかいんだ」
「あぁあ、うっ、あっ、んっ、お、おじ、さ、ん、ああああ」
 出すよと言う言葉とは裏腹に、鈴木さんの声には余裕があります。一方で紗奈の方は、余裕などカケラも見えず、ネットリとして、甘やかな何かを含んでいました。
 その淫靡なトーンの声は、脚を広げて男を迎え入れながら、やわやわと胸を揉まれているシーンを連想させます。
 とてつもなく柔らかい、オッパイは、私とのエッチでは、乳首だけを尖らせたまま、しっとりと手に吸い付いてきます。そんな時、いつも、ソプラノの快楽の嗚咽を上げているのがいつものこと。
 でも、今の声の方が、いつもよりも幾分低いトーンで、なんとも、何かに粘り着くような声に聞こえて、それが、快感の深さを物語っている気がします。
「ああっ、あうぅ、あっ、あっ、あふぅ、あうぅう、あう! だめぇ、それ、したらぁ、だめぇえ!」
「こうやって絞り上げて、乳首を吸うと、やっぱりサッちゃん、感じるみたいだね」
「あっ、ち、ちがい、ま、ああああ!」
「ほら、こうだよ。感じて、もっと」
 チュッという感じの吸い付く音が微かに聞こえる気がします。
 自慢のEカップを、あの無骨な手が揉み上げて、ピンクの乳首を吸っているに違いありません。
「あっああ、あっ、だめ、お、おぉお、おじ、さん、あぁあ! なんか、すっごく、深くなって、ますっ、ああん、あ、ダ、ダメです、これぇ、あああ! 入っちゃってませんか?」
 ペットボトルサイズのモノが、ドンドンめり込んでいるシーンが浮かんでいます。妻は懸命に脚を広げて受け入れているはずです。
「ああぁ、大きい。大きすぎます、サナ、こわれちゃい、あああん、あうっ、あああ!」
「どうだい? 痛くはないだろ?」
「痛くはぁ、ないですっううう、けど、あああん、これぇ、入っちゃってますよぉ。オジさん、大きすぎます、あああん、サナ、広がっちゃうううう! あううう! いやあ、あああ!」
「なあに、先端だけさ。カリの部分も入れてないからね」
「ダメです。これ以上は。だって、これだけでも、すっごく、入っちゃってるからぁ、んっ、あぁっ、大きいっ、あぁ、だ、だって、彼に悪いからぁ、んっ、だめえ、あぁああ」
「でも、サッちゃん、さっきから、もっと入れて欲しそうに動いてる」
「そんなことぉ、あんっ、ああん、あ、ダメ、これ以上は、ダメぇえ、あああん、あああ! ダメ、ダメ、ダメ、ああああ! だめぇええ! あううう! イッ!」
 辛うじて、またもや「イク」と言う言葉を飲み込んだモノの、その甘やかな絶叫は、オーガズム以外の何ものでもありません。
 ハア、ハア、ハア
 声だけでも、紗奈のオーガズムが、どれほどのモノなのか分かります。いつも私との時にも、こんな風に、壊れてしまったような声など出したことがないのですから。
「サッちゃん、イッちゃった?」
 答えはありません。
「うん、うん。良かったみたいだね」
 おそらく、正直に頷いたのでしょう。嬉しそうな鈴木さんの声。
「もっと動いても、いいかな?」
「え? うそ、ああん、あん、あん、だ、だめ、あああん、あっ、あっ、ああああん」
 荒い息づかいの中で、紗奈のネットリとした快楽の嗚咽は、高く、低く、歌うようなリズムで続いています。
 そして、その声が段々と緊迫感を強めてきたのは、目の前に迫ったオーガズムを身体が予感している証拠でした。
「あぁ、あぁあ、あぁあ、あっ、あっ、あぁ、ああ、もう、ああ、あっ、ま、また、ああぁあ…… え?」
 妻の淫声がいきなり止まりました。
「いま、サッちゃん、また、イキそうだったね。もっと奥まで欲しいんでしょ?」
「そ、そんなことぉ、ありません……」
「いきなり、抜いちゃったら、腰が追いかけてきたよ」
「いやん、そんなこと、ないです」
「もう、イキそうなんだろ? それなら、少しだけ、この柔らかい所で、オレのを包んでくれないかな?」
「ああっ、ダ、だって、オジさん、今も、大きいのにぃ、あああん、こ、こんなあぁ」
「ね? どうだい? もう少しだけ。頼むよ。ね? ホンの少しだけ」
「す、少しだけなら……」
「おお! ありがとう。じゃ」
「ホントに、少しだけですよ? もう〜 あぁあ! はうう! んっ、あああん!」
 紗奈のオマンコに、鈴木さんのチンポが、どんどん入っていくシーンが、浮かんでいます。
「あああん、あっ、あっ、あっ、これ、だえぇえ! あっ、いっ、え? あぁ」
 イキかけた紗奈の声に露骨な落胆。
 沈黙。
 微かに聞こえる音からすると、キスしているのでしょうか?
「ああ! ダメェ、ああう、あ、あ、い、イッ…… あ、ウソっ、そんなぁ」
「ダメダメ、勝手にイッたらダメだよ」
 どうやら、さっきから、イク寸前にオアズケを、繰り返されているようです。 
「ああん、い、意地悪ですよぉ、オジさん、む〜」
『寸止めかよ』
 私が良くやる「オアズケ」を、ペットボトルサイズでジワジワとやられたら…… しかも、この二週間で飛躍的にオーガズムが強くなった妻にとって、それは想像を超える地獄のはず。
「ああん、もう〜 んっ、あああ!」 
 入れた? それとも乳首かなんかを?
「んっんっ、う、うそ、あん、そんなっ、胸ぇ、だめぇ」
 どうやらオッパイを弄っているようです。
「あああ!」
 突き抜ける声は、またもや、挿れられたと思った次の瞬間「あぁあ」とトーンの落ちる声。
「ああん、も〜 ねぇ、あぁあ、ねぇ」
「欲しいでしょ? くっつけただけでこうなるんだもん」
「ああん! あぁあ」
「ね? 離しちゃうと、イケないでしょ」
「あぁ…… 知りません」
「ね、サッちゃん、奥まで、ずぶっと入れたら、最高に気持ちよくなれるよ」
「いやあ、そんなこと言わないでぇ、いやあ、考えちゃうからぁ、ダメぇ、あああぁ」
「あれ? 想像すると感じちゃう? うん、感じちゃうんだね。サッちゃんのナカが、ヒクンとなったよ。さ、そろそろ入れさせてくれないかなぁ」
「ああぁ、も〜」
「ね? ここまで来たんだから、さ、頼むよ」
「ああああう! あっ!」
「ね? どう、これ、奥まで入れさせてもらえないかな? ここまでしておいて、奥を味わえないなんて生殺しだよ」
「だ、だめ、です。そんなコトしたらぁ、ああん、もう〜、すごく入っちゃってるのにぃ、だって、だって、彼に…… 彼に、悪いからぁ……」
「お願い。ナイショにしておくからさ」
「あああん、あっ、もう、オカシクっ、ああぁ、ヘンになりそうなのにぃ、あっ、あっ、あっ、ああぁ〜 そんなぁ」
 またもやオアズケされた落胆は、入れてはダメだと言う気持ちを、ぐらぐらと突き崩しかけています。
 どれほど貞淑な人妻であっても、イキかけた身体を、何度もオアズケされてしまえば、たまったモノではありません。
 まして、こうして、自ら脚を広げてオマンコを差し出した姿で、いつまでも耐えられるモノではないはずです。
「だってぇ、彼にぃ、悪いからぁ、あああん、あっ、だ、だめぇ」
「大丈夫だよ。第一、こうしろって言ったのは、本条クンだろ? 彼が言い出したんだから、ちっとも悪くないよ」
「あぁああ、だってぇ、あああん! あっ、あっ、も、もう、お願い、こ、このまま…… あっ、ウソッ! またぁ。ああん、もう、いやぁ」
「ほら、今も、イキそうだったでしょ?」
「ち、ちが、あぁああ」
「ね? くっつけただけでこうだもん、どう? 生殺しにしないで、さ、思いを遂げさせてよ。ね? サッちゃん、さぁ、頼むよ。一生の頼みだから、さ」
「だけど、あん! ああぁあ! お、オジさん、今、ダメぇ、胸弄っちゃったら、考えがぁ、ああん、オカシクなっちゃうからぁ、ダメぇ、触っちゃっ、あんっ、す、すわないでえ、あああん!」
「ね? 頼む? お願いだよ。このままだと、あと二時間は出せないから」
「えええ? そんなにぃ?」
 それは、まさに悲鳴でした。
「うん。出せるようなるまで、これをずっとするよ」
「そんなに、ですかぁ…… あぁ、サナ、もう、オカシクなっちゃってるのにぃ、」
 これでは、イカせて欲しいと言っているのと同じです。しかしそれを恥ずかしいと思う余裕は既になくなっているのです。
 再三のオアズケに、もはや、女体は屈服しています。一刻も早く、ナカを満たして欲しいという気持ちが、全てなのです。
「頼む。サッちゃんの全部で包んでよ。オレのを、さ。何十年ぶりのオマンコだ。頼む!」
「ああん、もう! いじわるなんだからぁ。オジさんがこんなにエッチだって知りませんでしたぁ、もう〜 あ、ダメ、キスもだめなんですよっ、ホントは、だめ、んっぶっ、んにゅんんん〜」
 ホントはダメなことを許していると、妻は言いたかったのかも知れません。しかし、この音は、舌と舌とを激しく絡め合うキスです。
 はぁ〜 
 激しいキスの後の、大きな呼吸。
「ね? どうだい? 一番奥まで、いれさせてもらえないか?」 
「だ、だめ、です、あぁあ、そ、れだけ、は、ああぁ」
「そうか。こんなになっているのに。オレのを全部包んでもらえないんだね」
 無言が三十秒も続いたでしょうか。
 いったい何をしているのか。
 突然聞こえたのは、どこかしら張りつめたところを持った、妻の優しい声。
「ああん、そんな落ち込まないでください、だって、サナ、全部、オジさんに見せちゃってるんですよ? いまだって、こうして、オジさんのを、くっつけてるし」
 一瞬の間を開けた後「それにぃ」と微妙な、イタズラめいた雰囲気が混ざりました。
「もう、けっこう入ちゃってますよぉ。も〜 オジさん、ズルいですよぉ、こんなにしたらぁ」
 その時、二人の間に、どんなやりとりがあったのかわかりません。しかし、妻の最後の抵抗は、これが最後でした。
 さらに、一分ほどの無言の後で、妻の、潤んだ、そして、物欲しげな声が聞こえます。
「あん、もう! 彼には、絶対に秘密ですよ!」
「いいのかい?」
「いいですっていうか、もう、入っちゃってるしぃ。それに…… それに、私だって、あの、ほ、ほんとは、あんっ、も、もう〜 エッチ!」
「サッちゃん、じゃ、入れさせてもらうよ?」
「あうう! どうぞ…… あああああ!」
 奥まで? 
「ああ、だめっ、なに、これぇ、す、すごい、あぁん、なんか、なんか、来る、来ちゃう! 来ちゃいます!」
 ひぃいいという空気を切り裂くような、細い悲鳴を上げた妻は、辛うじて呼吸をしているのでしょう。
 そして、一拍おいて、ソプラノの嗚咽。
「あぁああ、来ちゃううう、すごい、深い、ですっ! おっきい! 当たるぅう! あああ! サナ、壊れちゃいますぅ、うううう! ああああ!」
 テンションの高い嗚咽の直後に甲高くなった声が「いくっ!」と短く叫びました。
 短い一言ですが、ハッキリと、オーガズムを告白する声です。
 無音の間。
「なんだ、サッちゃん、ホントは、入れるの待ってたんじゃん、入れただけで、イッちゃった」
「あ〜ん、もう〜 意地悪っ! 違うモン、違うモン、あん、あっ、あぁ、あああ!」
「ほら、どうだ、どうだ」
「ああん!  いい! いい! ああ!」
 そこからは、ひたすら、快感を訴える、悲鳴にも似た淫声ばかり。
 少なくともマイクが拾える様な会話は、ありません。
 ひたすら、妻の快楽の声が続きます。
「あっ、い、いく、い、いっちゃう、いくう! あああん、まだ? あっ、今、私、イッちゃったのにぃ、あん、あっ、ま、また、イクッ、イッちゃう、ああああ!」
「どうだ? オレの、大きいだろ? どうだ、奥に当たるか?」
「ああん、これスゴイ、スゴイ、オジさん、私オカシクなっちゃう、あぁ、あっ! 当たりってます! お、奥にぃ、当たってるぅう! す、すごいの! ああああ! おかしく! あうう!」
 切なげな声が響き渡った次の瞬間、さっきよりも数段大きな、切ない声で「いくぅう!」と叫んだのです。



 



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