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| 妻の絶頂 |
圭子が、母と一緒に台所で夕食の準備をしている。ペチャペチャと、よくああ話すことがあるものだ。
この家は男兄弟が二人。母も自分の娘が出来たような心境なのだろう。
居間では、父と兄がムッツリとテレビを見ている。兄の子供たちが、台所と食堂の間を飛び跳ねている。
僕は圭子と母に命じられて、卓上コンロの設置におおわらわだ。今日は皆んなで鍋でも突っ突くのだろうか。
あれから、圭子が変わったかって?
いや、あいかわらずさ。何も変わりはしない。
でも、圭子は祖父の面倒をよく見るようになった。
前は、どちらかといえば母の方が多かったんだが、それが、今では圭子が祖父の部屋の掃除から食事の世話、排泄の世話まで、ほとんど一人でやっている。
もちろん、圭子には兄の子供たちが金魚の糞のようにくっついて歩いている。
それに、祖父はあの風呂場の出来事が信じられないくらい、すっかり老衰の寝たきり老人に戻っていた。
また、風呂に入りたいとも言わないようだ。
だから僕は、そんな圭子を安心して見ていた。
ただ、僕はきっかけを探していた。何のきっかけかって?
それは、祖父があの時、どうやって圭子を絶頂に導いたのか知りたいっていうのかな。あのあと、僕と圭子は何回となくセックスをしている。でも、僕がどうやっても圭子は変わらなかった。
前と同じさ。
最後の一線を超えさせてあげることが出来ない。
僕は正直、いらついていた。
圭子は決して不満をもらさなかった。いつも、僕を優しく迎えてくれる。僕の望むように受け入れてくれる。
でも、それが僕をますますいらつかせた。
だから、その晩、セックスをして、圭子の中にたっぷり放出した後、圭子の身体の余韻を味わいながらそのまま腰の動きを続けていた時、僕は圭子にそっと聞いてみた。
あの時、どういうことがあったのか。 ……あの時、祖父にどういうことをされたのか、と。
僕の腕の下で、僕の腰の動きに合わせて、最後の一滴まで吸い取るように懸命に腰を振って応えながら、圭子は満面の笑みを浮かべて首を振った。そして言った。
「あなただって素敵よ。今だって、たくさん、たくさん、感じたわ…… 」
でも僕は悔しかった。
いや、自分のふがいなさに嫌気が指していた。
僕はそのまま抜かずに、二度目の挑戦をしていた。圭子のものから僕の精液が漏れている。音がした。
僕は腰の振りをさらに早くした。
圭子は僕の真下で、目をつぶって、そして ……感じようと努力している。いや、思い出そうとしている。
僕はそう感じたんだが……
僕の腰の動きが激しいから、圭子の顔が揺れている。
「元気なのね。今日のお鍋が効いたのかしら…… 。でも、明日、大丈夫?」
僕が二度目の放出をした後、圭子は、そう言って笑ったんだ。
ある日曜日。
一面の雪景色ながら、空はカラリと晴れて、温かい日差しが部屋に差し込んでいる。
親戚に法事があって、父も母も朝早くから出かけていた。そして、兄や兄の子供たちも、別れた義姉に会うために出かけていた。
二組とも、帰りは夜遅くになるだろう。
家には、僕と圭子だけが祖父のお守りをしていた。こんなことってめったにない。
僕が提案をして、今日は一日中、祖父の部屋で過ごすようにした。いや、僕が仕向けた。
僕にはちょっとした企みがあったのだ。
(作者注・続きは期待なさらずに)
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