妹・ういっち〜ず 


 第2話



 目ざめても、ベッドから起き出すのは億劫だった。
 けだるさが抜けていなかったって言うのもあるけどさ、ひどく恥ずかしかった、っていうか気まずかったんだ。だって、生まれて初めて、他人の手で、いいや、あの天国みたいな口の中で、何度も射精したんだもんな。
 恥ずかしさもあるけど、このまま起きていって、真由美さんに会う時、オレはいったいどんな顔をすればいいんだ?
 おまけに、腕の中では、仔犬のような無邪気さで、寝息を立てている結衣がいる。
 ついつい、習慣になって、最近では毎日一緒に寝ているけれど、考えてみれば、これも少々ヘンなのかもしれないって、改めて思ったんだ。
 だって、相手はまだ子ども、と言ったって、サラサラの金髪からは、ちょっと、ミルクの匂いが混じった、それでも、やっぱり女の子の柔らかな匂いがしてるんだよ。
 おまけに、昨日、覚えた、真由美さんに似た匂いを、結衣も持っているんだと初めて気がついたんだ。
 それは、まだ、この年なのにオンナの匂いなのかも知れない。けれども、やっぱり、結衣の匂いでもあったんだ。
 オレは、慌てて首を振って、結衣の「オンナ」の匂いを振り払ったけど、やっぱり、女の子を抱えているんだなと思ったら、急に、なんだか恥ずかしくなって、慌てて、昨夜のことだけ、頭に浮かべようとした。
昨日の夜、真由美さんに、4回も出してもらったんだ。最高にキモチ良かったけれど、最後は、ほとんどナニも出てなかった。
 まるで夢の中にいたような時間だった。
 あっという間だった気もするし、いつまでもエンドレスのように続く時間みたいだった。自分の部屋に戻って、時計を見たら「夢」のような時間は、たった1時間だったのか、って、驚くしかない。
 その時は、夢中だったけど、いかにもガッついてるみたいで、まあ、実際そうなんだけど、いったい、オレのこと、どう思われたんだろう。
『いつもならティッシュに出すのに。あの変な匂いのする精子を、飲んでもらったんだよな』
 どうしたら良いんだと、頭をかきむしりたくなるその横で、結衣が、もぞもぞと動き始める。
 そろそろ目を覚ますのかも知れない。
 オレは慌てて、寝たふりをする。
 タッチの差で、結衣の起きる気配。オレは、そのまま寝たふりをしていた。
 初めは、そっと自分だけ起きて、なにやらじっと我慢していたようだけど、とうとう我慢できなくなったのだろう。いつものように、オレを起こそうとする。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お、に、い、ちゃん、たらあ」
 小さな手が、オレの身体を揺さぶっている。
 いつものように甘えて、オレを揺り起こそうとしてくるけど、今日は、断固として寝たふりを続けた。仔犬のように懐いている結衣に、合わせる顔がないような気がしたんだ。
 不意に、結衣が動きを止めた。オレの様子を窺っている。
 小さな息づかいが、オレの顔のすぐ側にあったんだ。
「おにいちゃん?」
 声を潜めて結衣が俺を呼ぶ。まるで、オレが起きたら困るみたいな声だった。
 もちろん、今さら、起きてましたなんて言えるわけもない。オレがじっとしていると、唇に柔らかなモノが当たったんだ。思わず目を開けてびびった。
『結衣!』
 温かくって、柔らかい。小さな唇がオレのに重なっていたんだ。
『結衣がオレにキスを……』
 眼を閉じた結衣の顔が、目の前だ。
 きっと、潜めた声は、起こすためじゃなくて、オレが寝ていることを確かめたんだろう。
 女の子はマセているから、雑誌かなんかで見たに違いない。好奇心を満たすのに「やさしいお兄ちゃん」は、ピッタリだったんだろう。
 そりゃ、美少女にキスされて、喜ばないわけがないだろ?第一、これで起きていることがバレたら、結衣が傷つくに決まってる。
 オレは寝たふりを続けることにして、とっさに眼を閉じたんだ。
 小ちゃな唇がくっついている。
『オレのファーストキスは、結衣に奪われたな』
 そんな言葉が浮かんだオレは、心の中でニヤリとする。もちろん、恋人とするキスとは違うんだから、結衣にとってはドキドキする「イタズラ」だろうけど、オレにとっては、こんな風に慕ってくれる結衣が愛おしくなるだけだよ。
『それにしても、ずいぶん長いキスだな』
 どうやら、結衣は、唇をくっつけながら、もっと大胆なことに挑戦する覚悟を決めていたらしい。
 おもむろに、ピッタリとくっついた唇が広がって、軟体動物のような舌が、ぬるりと入ってきたんだ。
『ディープキス』
 驚いた。
 まさか、結衣がそんなことを知っているなんて。
 いや、だって、オレだって、もちろんこんなことをしてみたいとは思ったことがあるけど、まさか、その相手が結衣になるだなんて。
『こりゃ、完全に、ファーストキスだよなぁ』
 それでも、オレは心の中で苦笑しながら、結衣がしたいようにさせてやりたかったんだ。だって、今さら、オレが起きていることがバレたら、結衣だっていたたまれないだろうと思うんだ。
 おずおずと、舌が俺の舌を探しながら入ってくる。やがて、オレが偶然を装って、舌を触れさせると、愛おしげに俺の舌を舐め回すように、絡めてきたんだ。
 オレの身体に、そっと重なった結衣の身体が、微妙に震えてるのが分かるんだから、きっと、緊張してるんだろう。
 絶対に経験なんてないはずだよなあ。
 それなのに、このテクニックはどうだ。
 ひょっとして、結衣の読んでいる女の子向けの雑誌の影響かも。最近の雑誌は、すごいことまで書いてあるのを、チラリと読んだことがあるんだ。
『気持ちいい』
 想像していたのと、まったく違ってた。舌をくっつけただけなのに、何で、こんなに、ゾクゾクするんだろ。
 調子に乗ったオレは、寝ぼけたフリをして、ちゅうちゅうと結衣の舌を吸い上げるようにすすったんだ。
『え?』
 重なった結衣の細いからだが、いきなりビクビクビクって震えたんだ。身体に一気に力が入った。絡めたままの結衣の舌にま、きゅん、と力が入っている。そんな舌を愛おしげに、オレは吸っていたんだ。
 1秒、2秒、3秒…… ホンのわずかな間、硬直した結衣の身体から、いきなり力が抜けたんだ。
 ぐったり、って感じ。
 まるで、大人の女の人がセックスすると感じる「オーガズム」って感じ。
 その反応は、とっても激しくて、可愛らしかった。
 でも、まさか、こんな小ちゃい女の子が、オーガズムなんてなるわけがない。おまけに、ホンのちょっと、舌をすすっただけだもの。
『きっと、緊張してたから、ビックリしたのかも』
 オレは、そうやって自分を納得させたんだ。だけど、どう考えても、単なるビックリとは思えなかったけど。
 ビックリと言えば、オレだって、そうだ。
 結衣の舌をすすったら、甘いツバが落ちてきて、オレは思わずコクリと飲み込んだんだ。
 他人のツバを飲み込むなんて、今まで考えたこともなかった。
 だけど、信じられないことだったけど、確かに結衣のツバは、甘くて、おまけに、飲み込む瞬間、ゾクゾクと、背中を快感が突き抜けたんだ。
『きっと、結衣のだからだ』
 オレは結衣がますます愛おしくなっていたんだ。
 結衣は、と言えば、ビクビクって身体を震わせた後、一気に力が抜けてしまって、お人形さんのような、細い身体は、オレの上でぐったりとしている。
 思わず、その身体を抱きしめたくなったけど、起きているのがバレたら、結衣は、傷つくに違いない。
 そのまま、黙って寝たふりをしてから、慎重に、ちょうど今、目ざめてきたように腕を動かして、少しずつ、結衣の身体を確かめたんだ。
「おにいちゃん?」
「う ……ん?結衣? あ、おはよう……」
「お兄ちゃん。あの、あ、えっと、おはよう。ね、もう朝よ。起きて」
「う〜ん、もうちょっと寝かせてよ、結衣」
 顔を枕に埋めて、ゆっくりと寝返りをする。わざと寝ぼけたフリをしたんだ。
 結衣は、それ以上、オレを起こさないことに決めたんだろう。夏休みなんだし、オレが、別に早く起きる必要もないのを結衣は知っていたからね。
 それに、きっと、さっき「寝ているお兄ちゃん」に、こっそりキスをしちゃったのだって影響してるはず。
 結衣からしたら、オレが知っているとは思ってないはずだけど、もし、やっぱり、目を合わせるのは恥ずかしがるに違いないんだ。
 だからオレが寝ていた方が、結衣だって、よかったはずなんだ。
「仕方ないなあ、お兄ちゃんてば」
 言葉だけは、仕方なさそうなフリをして、結衣が階段を下りる音がした。
 さすがに、疲れていたんだろう。いつの間にかうとうとしていたらしい。
 いきなり、レモン色の風のように飛び込んできた結衣が、ちゅっと、ホッペにキスをして、また、すぐに飛び出していった。
「お兄ちゃん、行ってくるね。帰ってきたら、宿題教えて」
 オレが、身体を起こしたときには、玄関から行ってきますの声がしていた。
 今度は、いつもの結衣だった。
「行ってきます」のキスは、今日に限ったコトじゃない。いつもしてること。
 別に、Hな意味なんてないよ。だけど、ヨーロッパのお人形さんのような外見の結衣が、チュッとしてくれるのは、いかにも、って感じでオレも気に入ってる二人の儀式。
 いつもらなら、金髪の頭をグニグニと撫でて「行ってらっしゃい」となるところだ。
 ただ、さっきのキスを思い出して、なんだか、照れくさかったから、オレは寝ぼけたフリでごまかしていたんだ。
 ラッキーなことに、結衣は、午前中一杯、学校のプールのはず。
 結衣とのやわらかなキスを反芻していると、やっぱり、最後に、ビクビクビクって震えた瞬間を思い出してしまう。
『まさか、だよなあ』
 しかし、やっぱり、あれって「イク」瞬間じゃなかっただろうか。あんな小ちゃい子だって、そうなることもあるってことは、どこかで聞いたことがある。
『だけど、まさか、なあ』
 もし、逝ったのなら、オレは生まれて初めて、女がイクところを見たことになる。そんな風に思ったら、なんだか下半身がモヤモヤとしてきちまう。
 ふと、AVみたいに、結衣の中に、オレのを突き立てているイメージが浮かんできそうになったから、慌てて、振り払ったんだ。
『え〜い、おかしいぞ、オレ!結衣は、妹だぞ。それに、あれは興味本位で、オレで試してみただけなんだから。そんなことを勘違いするんならロリコンになっちまうぞ』
 懸命に自分に言い聞かせては見ても、もはや怒張は、張り切りすぎていて、パジャマの中で痛いほどに硬くなっていたんだ。
 ともかく、結衣が出かけた後、こうなってくると、もう一度寝る気分にもなれない。かといって、すぐ下には、真由美さんがいるのかと思うと、オナニーする気にもなれやしない。
 かといって、真由美さんに「また」を期待していたわけじゃないんだよ。だけど、眠れなくなってしまったオレは、仕方なく、着替えて降りたんだ。
「おはよ。裕也くん」
「あ、お、おはようございます」
 どうしたって、こんな時は、ぎこちなくなっちゃうよな。ジーンズの中で上を向けてあったけど、オレの怒張は苦しいぐらいに膨らんで、一向に弱まる気配はない。
 オレは、さりげなく、ジーンズの中で硬くなったモノをズラしながら、ダイニングキッチンのイスに座ったんだ。
「パンで良いかしら」
 オレの返事も聞かずに、真由美さんは、キッチンに立つ。
『なんだか、機嫌が良さそう』
 新婚なのに、オヤジが勝手に旅立ってしまったせいなんだろうと思うけど。このところ、ずっと、なにか、イライラしているように見えたのに、今朝は、すごく、調子が良さそうだった。
 昨日までの真由美さんは、まるで、コーヒー好きなのに、コーヒーを禁止されている人みたいに、始終、ソワソワして見えたんだ。もちろん、優しい、真由美さんは、オレや結衣にに辛く当たったりはしなかったけど、懸命に、イライラを押し殺しているように見えていたんだ。
 ところが、昨日までの真由美さんとは、うって変わって、今朝は、5月の快晴のような、晴れ晴れとした表情なんだ。
 その爽快な表情の真由美さんは、ライムグリーンのTシャツに、ジーンズ姿。キュッとくびれた腰から続いた尻が、クリンと魅力的な身体だ。
 生粋の日本人のはずなのに、スタイルの良さは、日本人離れしている。
『結衣の手足が長いのも、お母さんの遺伝子のおかげもあるのかもしれないなあ』
 オレは、結衣の「お父さん」のことは、無意識のうちに考えないようにいたのかも知れない。だから、余計に、ぼーっと、尻を見つめていた時間が長かったのかも。
「さ、どうぞ。いっぱい食べて」
 あっという間に、オムレツとサラダが出てきたんだ。だけど、ドキドキしちゃって、食欲はちっとも湧いてこない。
 トーストにバターを添えてオレの前に置いてから、テーブルの向こうに座った真由美さんがオレの方を見ている。オレは、チラッと、顔を見ただけで、また、目を伏せてしまった。
 照れくさくって、目が合わせられなかったんだ。
『あの、唇に、オレのが入ったなんて』
 AVだって、それなりに見たことがある。フェラチオってのがあるのくらいは、知っていたけれど、それを自分がしてもらえるなんて、考えたこともなかったんだ。
 ごく普通の、いや、美人なのは認めるけどさ、ごく当たり前の人妻の真由美さんが、あんな風にあっさり、ち×ち×を口に入れられるなんてさ。
 間違いなく昨夜体験したことなのに、こうやって、朝になって、真由美さんの顔を見ていると、なんだか信じられない気持ちだよ。
「あの」
「何?」
 昨日みたいにしてほしい、だなんて言うつもりもなかった。ただ、何かを話さなきゃ、と思ったんだけど、とっさに話題が浮かばない。だけど、何かを喋らなくちゃ。とっさに、前から聞きたくて、聞けるはずもないことが浮かんでしまったんだと思う。
「あの、聞いていいですか」
「何を?何でも、お母さんに聞いて」
 真由美さんは優しい笑顔。コケティッシュって言うのかな。微笑んでくれているだけだって思おうとしても、その唇が妙になまめかしくて、眩しい位なんだ。
 何か言わなきゃ。
 でも、頭が考える前に口が動いてた。
「あの、結衣ちゃんのお父さん、なんですけど」
 あわわ。何を口走ってるんだ、オレ。自分で口にした言葉なのに、目一杯、慌ててた。
「ああ、それ、ね」
 一瞬、真由美さんの細く整った眉が、困った、という感じに動いたんだ。
「あ、ごめんなさい、いけないなら、聞きません」
「ううん、いいのよ。ううん、むしろ、この機会に、言っておくべきよね」
 一瞬、言葉を切った真由美さんが、一回、深呼吸をしたように見えた。
「来て」
 オレの目を見ずに、そう言って、真由美さんは、立ち上がったんだ。
 あわてて着いて行く。
「どうしたんですか」
 それには答えずに、真由美さんはテキパキと布団を敷いていく。オヤジは、海外暮らしが長いクセに、ベッド嫌いなんだ。
 唖然として、オレは何が何だかわからない。ただ、目の前にしかれた布団だけが、妙に生々しかった。
「脱いで。裕也くん」
 真由美さんは、振り向くと、いきなりTシャツから腕を抜いたんだ。ほら、女子が、教室で、もこもこ着替えたりするやり方だよ。
 腕だけを抜いて、今度は、そのまま、頭から抜き取ると、見事に肉が詰まったブラだけの上半身。ほら、Fカップの巨乳とか、グラビアアイドルのウリ文句があるじゃない。
 真由美さんのブラは、あんな巨乳じゃないけれど、オレの掌をスッポリ重ねられるくらいの大きさ。
 シンプルなカタチのブラは、オレのクラスの女子が、ときどき透けブラで見えるモノより遙かにしっかりしているのは、支える中身が詰まっているせいなんだと思った。
 だって、大きさが半端じゃないモンな。
 鎖骨の下から描いた、柔らかなカーブが、そのブラに隠されていたんだ。
 ふわりと、柔らかな匂い。初めて真由美さんにあった日に嗅いだ匂い。スズランの花。
 そのスズランの匂いをまとわせて、真由美さんが脱いだTシャツを簡単にたたんでる。
 鎖骨がくっきりと見える薄い肩がオレのすぐ目の前にある。
「あの……」
「裕也くんも、脱いで」
「あ、はい」
 オレは、わけもわからず、Tシャツを脱いだんだ。もちろん、目の前の真由美さんの身体に目は釘付けだったけど。
 オレが、Tシャツを脱ぐ間に、真由美さんは、いっきに、ジーンズを扱き降ろして、下着だけになってしまう。
 細い身体から、信じられないほど、大きな、丸いお尻が、ピッチリとした薄いグリーンのパンツに包まれていた。
 オレは、オロオロしてたんだと思う。
 目の前で、女のヒトが裸になっていく。それが「義理」とはいえ母親だってことは、頭にあるんだけど、オレはこの人に、昨夜、たっぷりと出してもらったんだよ。
 もちろん、襲いかかろうだなんてことは、これっぽっちも頭に浮かばない。かえって、ブラを外した瞬間、目を反らさなきゃ、って思ったくらいだもの。
 でも、オレだって男の子。
 真由美さんみたいに魅力的な女性が、オッパイを惜しげもなく、すぐ目の前に曝してくれたなら、目を反らせるはずがない。
 ぷるん。
 俺の手に余りそうな大きさのおっぱいが、目の前で、揺れたんだ。
「あ、あの」
 オレの方をちっとも見ないで、まるで、たった一人で、これからシャワーでも浴びるような調子で、ブラを、さっと、脱いだTシャツの下に入れると、そのまま、大きなお尻から、薄いグリーンのパンツを一気に脱いでしまったんだ。
「あら。まだ、脱いでないの。もう……」
 まるで、小さい子がボタンを外せないのを手伝うみたいな表情は「仕方ないわね」ってな感じ。
 そのまま、オレの方に向き直ったんだ。
 裸の女性が、すぐ目の前にいる。
 童貞くん、どころか、彼女がいたこともないオレとしちゃ、緊張以上の緊張だ。
 そりゃ、ね、期待はしたよ。だけど、相手は、義理の母親。つい先週まで、オヤジと毎晩、してる気配に、悶々とした相手。
 おまけに、昨夜は、このつやつやとした唇に包まれて、4回も放出しちゃった相手なんだ。
 良いか、悪いか、とか、良識、なんて言葉はどこかに吹っ飛んじゃうのは仕方ないよな。
 でも、だからといって、そのまま襲いかかれるってなモンでもない。凍り付いてしまったように硬直したオレの前に跪いた真由美さんは、ジーンズを脱がしにかかったんだ。
 思わず、片脚ずつあげて、素直に脱がされてしまう。ふらふらのオレは、バランスをとるために、つい真由美さんの肩に手を置いてしまった。
 すべすべなんだ。
 痩せ形だと思っていたんだけど、掌の中の肩には、やわらかな肉が付いていて、その上、すべすべの肌。
 俺は思わず、その肩を、そっと撫でたんだ。
「あん。だめ、まだ」
 そっと、手をどかされたけど「まだ」ってコトは、この後、触って良いってコトだよな。オレの中の「男」は、完全に野獣モード。
 パンツをグッと突き上げるのが恥ずかしくて、ちょっと腰を引いてしまったんだけどさ、真由美さんの手は、いきなり、ゴムをかいくぐってきたんだ。
「すごいっ」
 ビリビリってな感じで、いきなり、頭のてっぺんまで突き抜ける快感。柔らかな手で握られたんだ。
 オレのを握ったまま、片手でパンツを扱き降ろされる。
「元気ね。来て、こっち」
 真由美さんの声が、なんだか湿っている気がする。
 布団の上で、真由美さんが、顔を寄せてきた。
『あ、この香り。スズランの花のこの匂い』
 オレは、真由美さんの匂いに包まれている。
「あ、あの、あ、あの」
「初めて、よ、ね」
 オレは、からくり人形のように、首を縦に振った。でも、とっさに、今朝の結衣とのキスが、なぜか頭に浮かんだんだ。
 チクリと、胸が痛んだ。
「あら、キスは」
 突然、そうつぶやいてから、クスクスって真由美さんは、笑ったんだ。
「え、あ、いや」
 まるで、結衣とのキスを知らてしまったような気がして、オレはドキリとした。
「いいのよ」
 にっこり微笑む真由美さん。
 オレの心は、ほわーっとした雲に包まれてしまう。あれ?結衣とキスしてもいいって?
まさか。きっと、オレにキスの経験があるくらい、良いってコトだろう。
 オレの心を知ってか知らずか、真由美さんの潤んだ瞳が、きらりと光った気がした。
「こんなオバサンでよかったら」
 耳元に唇を寄せて、耳元に囁いてきたんだ。
「来て」
 なんだか、頭の後ろで、カッっと燃え上がるものがあったんだ。
 気がついたら、裸の真由美さんを押し倒してた。
 オレの下の柔らかな身体。
 むさぼるみたいに真由美さんにキスをする。夢中で唇に吸い付いていたら、ヌルッと、舌が差し出されて、気がついたら舌を絡めていた。
 結衣とのキスとは、まったく別物。ヌルヌルと動き回る舌が、別の生き物みたいに絡みついて、ヌルッと滑る度に、頭の奥にガーンと衝撃が走るような快感が湧いてくるんだ。
 唾液がこぼれ落ちそうになって、一生懸命すすっていたんだけど、真由美さんがそのまま吸い付いてくるから、そのうち、流れ落ちるに任せたんだ。
 こくり、こくり、こくり。
 したたり落ちたオレの唾液を、真由美さんが飲み込んでくれる。
『気持ち、良いのか?』
 今朝、結衣のこぼれ落ちてきたツバを飲み込んだ快感を思い出しいていた。真由美さんの表情も、なんだか恍惚としていた。
 オレのツバを飲み込みながら、真由美さんが、キモチ良くなっているのを、その時、確信したんだ。
 もっと欲しいとでもいいたげに、舌を絡めてくる。
 むさぼるような音を立てて、オレも舌を絡める。
 たったそれだけのことが、こんなに気持ちいいなんて思わなかったよ。もちろん、男の本能は、それだけじゃ満足できない。
 右手は、柔らかな膨らみを、ムニュムニュと揉み潰していた。
『なんて柔らかいんだ』
 キスも魅力的だったけど、オッパイの魅力には勝てないよな。軟式テニスのボールよりも弾力のある、そのくせ、どこまでも、指が沈んで行ってしまう、底なし沼のようなオッパイを、思わず力一杯握り締めながら、その先端に吸い付いたんだ。
「あん」
 小さな声が、漏れたんだ。
『感じてる?』
 その声が、オレを逆に落ち着かせたのかも知れない。息をするのも忘れるくらい、夢中でムニュムニュ揉み続けていたオッパイを、初めてゆっくり見たんだ。
 初めて見る、ホンモノのオンナの乳首だった。耳に入れるヘッドホンのイヤピースくらいの大きさで、オッパイ本体から、クリンと勃っていたんだ。
「どう、胸。気に入ってくれた?」
 どう返事をすればいいのか分からなかったから、カクカクカクって、また、首だけ振って、乳首に吸い付いたんだ。
「あん。ああ、そうよ、上手。そうやって。いいわ、とっても。でも、もうちょっと、優しくしてくれると、もっと、ね」
「え?」
「オンナの胸ってね、結構、デリケートだから、もうちょっと、優しくしてくれると」
 真由美さんは、言葉を選んでくれたけど、オレはとっさに分かったんだ。
「ごめんなさい。痛かった?」
「大丈夫。初めてですものね。喜んでくれると私も嬉しい」
 気がついて、改めて見たら、オレが握り締めた柔らかくて、白いオッパイに、強烈な、赤い跡が付いていたんだ。
 どうやら、夢中になって、力を入れすぎてしまったらしい。
「落ち着いたみたいね。そ。感じてきたら、時には、ギュって握っても感じるけど。もうちょっと優しくすると、とっても感じるからね、ああ、それと……」
「何?」
「私みたいなオバサンなら良いけど、若い人ほど、そうね、膨らみかけの時だと、もっと、敏感だから、もっと、ずうっと、ずうっと、優しく触るものよ」
 思わず、結衣の胸を思い出していた。
 ペッタンコではあるけれど、風呂に入るときに洗ってやると、かすかに、男にはない柔らかさがある。
『確かに、力を入れて洗うと結衣は痛がるよな』
 痛いのなら自分で洗えば良いのにと思うのだが、甘えんぼの結衣は、オレに洗ってもらいたがる。仕方なく、そっと洗ってあげるんだけど、どうやら、そう言うことだったのか。
『ふくらみかけは痛いのか』
 女の子というのは、分からないものだ。
 それにしても、あの指先に微かに分かるような微かな柔らかさが、オレの掌の中にあるオッパイほどに膨らむっていうのが信じられない。
『おっと、いけない』
 今は、この掌の中のオッパイが大事だった。
 オレは、オッパイを握る力を、慌てて抜いたんだ。
「ごめんなさい」
「いいのよ。私は、結構感じたもの。裕也くんが、とっても喜んでくれている顔が、とっても可愛かったわ」
 オレは、きっと照れて、真っ赤になっていたと思う。
「ね、裕也くん。でも、そこだけでいいの?」
 ドキッとした。
 いよいよ、ネットでしか見たことのない場所を、俺は ……見る。
 いや、見るだけじゃあないんだよな、やっぱ。
 思わず、ゴクリと唾を飲み込んだんだ。



  
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