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| SOS 〜喪われた教室〜 |
白衣をまとった戦の女神が、颯爽と立っている姿は、美しかった。
横顔を見つめながら、オレは、ついさっき見た、外の光景を思い出していたんだ。
いや、元はと言えば、さ、廊下からふっと見た「外」の世界が、やばいほど削り取られてる、って気がついたのが先だったんだけどさ。
あの時、外を見た先生は、ゆっくりと瞬きをしてから、オレの方に向き直ったんだ。
「時間がないわ、強行突破よ」
戦いの女神の表情は、あの時からだったと思う。
「だけど、委員長が中に」
オレの耳には、かすかに、美久の悲鳴が聞こえていたんだ。いや、悲鳴じゃないかも。
それが、とてつもなくエッチな声だって、気がついたけど、オレは気がつきたくなかったんだ。
ふっと、扉を見つめる先生が、眉をひそめた後で、顔はそのままでつぶやいたんだ。
「大丈夫よ、まだ」
「まだ?」
オレの言葉に応えもしないで、まるで独り言のようにつぶやいてる。
「まだ、大丈夫。だけど、急ぐから」
まるで、中が見えているみたいなんだけどさ、急ぐのは、「外」のせいなのか、それとも「美久」の方なのか、オレは聞けなかったんだ。
つかつかと扉の前にぴたりと足を止める先生。
もはや明るい、窓からの光で、壮絶な、まるで大理石の美しい彫像のような表情に、オレは息を飲むしかなかった。
一瞬、こんなすごい人と、オレはエッチしちゃったんだってのが信じられなくなるくらいの、気高い美しさを感じたんだよ。
戦の女神は扉に向かってつぶやいたんだ。
「このくらいの結界くらい。見てらっしゃい……」
額と手をコツンと当てた先生は、目を閉じて一瞬だけ何かの力を込めた気がしたんだ。
次の瞬間、ドアが、吹き飛んだんだ。
あまりのことにオレは茫然とするしかなかった。
それに吹き飛んだドアの向こうの光景を、オレはとっさに見てしまったからね。
実験台に、腰を突き出すように、脚を広げて縛られている裸の美久。
美久の脚の間から、腰を抜かして尻餅をついた瓜子も裸。
おまけに、くっつけていたはずのそこが、先端まで、ヌルヌルに濡れていたのを、オレはドキンと心臓をがわしづかみにされながら目撃したんだ。
「さて、私達を元に戻してもらおうかしら、それとも、生まれてきたことを後悔させて上げる方が先かしら?」
凛と響き渡る先生の声で、オレはその光景から、いきなり現実に引き戻された。
ようやく衝撃から立ち直ったのか、瓜子が、股間を隠しもしないまま、ゆらりと立ち上がった。
ついでに言うと、股間のソレも、ビンと立っているのが目についたんだ。
『げ、まだ、立ってるじゃん。それに、オレのよりデカくね?』
オレはヘンなことに感心してたんだけど、さ。まあ、自分と比べちゃうのって、男なら気持ちは分かるよな?
傲然と、股間をそそり立たせたまま、瓜子はフンと小さく笑って見せたんだ。
「ふん、戻る方法?そんなモノなど、もうないわ。おまえらのせいだぞ」
オレの顔を見る瓜子。
え〜 そう言われてもなあ。
「どうやら、何も知らないらしいてめえらに、ものを教えてやろう。おっと、そこから一歩でも入ったら、こいつをこぼすことにするぞ」
美久の顔の上に、無色透明の液体が入った試験管が、今にもこぼれそうに傾けられていたんだ。
「見苦しいわよ。今さら、ハッタリなんて」
「ハッタリだと?ふん。だと良いがな。で、てめえは、こいつの中身が何か、そこから見分けられるとでも言うか?塩酸かなぁ?硫酸かなぁ?」
ひひっ、と嫌らしい笑いを漏らしてから、ねめつけるように、睨む瓜子。
「りゅーさん……?」
思わずつぶやいたオレの方を見て、瓜子はニヤリと笑う。
「ひょっとしたら、蒸留水かもな。試してみるか?」
わざと大きな動作で、試験管を傾けてみせる瓜子。
「いやああ!」
「や、やめろ!」
美久の悲鳴と、オレの怒鳴り声が響く実験室だが、瓜子は一つも動じずに、にやりと笑ったんだ。
「どうせ、長くない命だからな。今さら、顔が焼けても、どのみちたいしたことじゃないが、どうせなら、この、可愛い顔がそのままの方が良いかもな」
「長くないって、何よ?短いのは、あんたのこの先だけでしょ!」
「うん?おお、まだ分からないのか?ははは。やっぱり、しょうがねぇな。下賤な血は、その程度かよ」
へへへと、卑しい笑い方を瓜子がしたんだ。
「あのな、分かっていると思うが、この結界を作ったのはあいつだ」
「貴田先生ねっ」
「なんだ、わかっていたじゃねぇか。大人しくレズってれば、オレも、後で参加するつもりだったんだが。あいつが死んだ今となっちゃ、この結界はな……」
「術者がいなくなれば、結界が解けるだけだろ」
遮ったオレの言葉に、瓜子が、ほうと言いたげな目でこっちを見たんだ。
「ほう、さすが、ヲタ留年生、その通りだ」
「ヲタは余計だ。あ、留年生ってのも!」
先生のシラッとした冷たい目。
へいへい、分かってますって。
「と、とにかく、良くも、み、みくを、あ、えっと、委員長を!あ、いや、えっと、だから、結界が解けたら戻れるだろ!」
瓜子は、皮肉な表情を浮かべて、ひひひっ、とわざとらしい笑い声を上げて見せたんだ。
「あいにくと、結界は解けるが、そもそも、オレ達は、別の空間にいるってもんでな」
「別の空間?」
「異世界、地獄、冥界に、異次元、超時空…… ま、天国とだけは、呼べないのは鉄板だがな。お前の好きなように、何と呼んでも勝手だ、ふん」
底意地の悪い笑いを左の頬だけに浮かべている。
「だが、悪意の塊のこの世界で、結界が解けたらどうなるのか。知りたかったら窓を見ろ」
今さら窓の外を見るまでもなかった。
もはや、その「音」は、聞こうとしなくても耳に入ってくるほどだったんだ。
巨大なグラインダーで削り取られるような音を響かせながら、「外」は、恐ろしい勢いで、削り取られている。
その後に残るのは、巨大な「無」
暗闇ですらない。
むしろ、不気味なほどに白い、光だけの、何もない空間。
無に浸食された、この学校は、刻一刻と、無に戻ろうとしていた。
グラウンドの大半は消失し、既に、西校舎も、体育館も消え去っているのを、さっき確認したばかりだった。
この「消失」を止める方法を聞き出すことは、何よりも、一刻を争うというのは、わかりきってたんだ。
先生は、一つも動揺した気配がない。むしろ、いつも以上に、高ビーな、調子のままなんだ。
「さ、観念して、私たちを元の世界に戻すのよ」
「ふん、下賤な一族の娘よ。お前達は、そんな基本も知らないのか?」
試験管を、そっと傾けるふりをしながら、あざ笑う瓜子だ。
美久は、悲鳴すら上げるのを恐れるように、クリンと大きな瞳を、恐怖の表情で広げきっていた。
「何よ。基本?基本というくらいなら、あなた、できるのよね?できないなら、単なる、ばかってことじゃない?ほら、おばかちゃん、やってごらん遊ばせ、オホホ」
まるで、2ちゃんで見かけるような、あおり方。
「できないなら、あんたが単なるおバカさん、ってことよね」
ひょっとして、キツネちゃん、やってるのかもって、チラッと思っちゃうんだけど、もちろん、今は突っ込んでる場合じゃない。
強気を崩さないキツネちゃん。
もはや、朝の光と言えるほど明るくなった窓から照らされて、ちらりと見えるその表情は、真剣なだけに、壮絶な美しさが、宿っていたんだ。
「ふん、強がりはやめろ。他人の作った結界に封じ込められて、力を出せる人間なんていやしない。裏飛ばしを戻せるのは、古来、術を使った本人だけだ」
「裏飛ばし?」
「お前が付いてきたのは余計だったが、本来は、この女狐とオレ達を連れてくるはずの、この世界。ここに連れてくるのを裏飛ばしという」
まるで、公式でも説明するように、淡々としゃべりながらも、瓜子の目に宿るのは狂気、いや、恐怖だったのかもしれない。
「裏飛ばし」をした貴田先生が死んだ今となっては、元に戻れない。つまりは、このまま、全員が、まもなく無に飲み込まれると言っているということだった。
「ふん、今更、どうでも良いことだがな」
だが、授業でもしているかのような話しぶりとは裏腹に、既に、真昼の明るさになった不気味な白い外光に照らされた瓜子の目は血走っていた。
そこに、理性の光はない。
一瞬、瓜子の狂気に当てられたように、さすがのキツネちゃんも、言葉を飲んだ、その時だった。
「あう、あ、あん!」
その時、場違いな甘い声が響いたんだ。
「あん、いやん、あん、だめぇ、いや〜ん、あ、あ、あ、あん、ああ!」
『美久?』
オレが見たそこで、美久がもだえいた。
腰をヒクンヒクンと動かしながら、どう見てもエッチな声を上げている美久がそこにいたんだ。
神様じゃあるまいし、なんでもわかってしまうわけではない。
今、この瞬間も、さっき逝ったばかりの美久のクリに貼り付けられたローターが、最大限で動いていたなんてこと、知るはずもない。
だから、美久が、どう見ても、感じてる、それも、今にもイキそうになってる姿を見て、戸惑うしかなかったんだ。
「くくく、そうかそうか。今、やってやるからな」
試験管の丸い底で、美久のピンク色の乳首をクリンと撫で上げるその仕草が、あまりにエロすぎて、オレはついつい「あ、いいな」って思っちゃうのは、バカなんだけどさ。
「さて、おまえらが、そこでオ○○コしようと、オレは気にせん。だから、オレが人生、最後のオ○○コを味わうのを邪魔しないでくれ」
赤黒い怒張を、片手でグッと一回扱くと、美久の脚の間に立ったんだ。
「横山、お前も、男を知らないで死ぬよりも、オレがちゃんと教えてやるからな。安心しろ」
「あん、いやん、あ、ああ、あう、だ、め、い、いいい!」
ロータは、まだ動いていたんだ。
場違いな声を上げる美久の声は、とってもエッチなんだ。
「いやああ!」
ヒクンと腰が動いたのは、恐怖なのか、それとも、また、イッちゃったの、わからない。
だけれど、美久が、今にもヤらちまう、ってことだけは、確かなんだよ。
「おっと、動くなよ。特に、そこの女狐。少しでも手を動かしたら、これが、こぼれるからな」
試験管をギリギリに傾ける瓜子の手。
動くに動けない。
「さて、人生、最初で最後の一発だ。横山、楽しみにしろ」
「あん、いやあああ!」
美久の叫びで、瓜子のアレが、美久のソコに、くっついたんだって分かったんだけど、動けない。
イッちゃった美久が、縛られた脚をさらに広げるようにして、仰け反っている。
そこに試験管をギリギリに傾けている瓜子の、狂気の入った目はじっとこっちを見ているからだ。
『クソ。なんとかしなくちゃ、だけど、どうやって』
その時だった。
またもや、場違いな、甘い声が響いたんだ。
「ねぇ、ちょっと、待って、ね、瓜子先生ぇ〜」
「は?」
オレは、ビックリして横を見た。
突然、キツネちゃんは、いきなり白衣をふわりと脱ぎながら、さっきの音楽室で聞いたよりも、もっともっと、甘い声を出してるんだ。
まっすぐな背中に、一つも余分な肉が付いてないのに、細い腰からボーンと突き出るお尻までの見事なカーブに、オレは一瞬、場面を忘れて、目が釘付けになっちまった。
「ね、どうせなら、そんな小娘よりも、どう?私と、してみない?私だって、どうせ死ぬなら、男を知ってみたいものぉ〜」
一瞬、瓜子の目が、キツネちゃんを見て、丸くなった後、ひどく淫猥な表情が、浮かんだんだ。
理科室に場違いな、見事なヌード。
ゆっくりと動く先生を目で追う瓜子の視線が、先生のオッパイに集中しているのは、オレの方から見ても丸わかり。
もちろん、先生は、その視線を十分に意識しているはずなのに、少しも隠そうとしないどころか、見せつけるように胸を突き出して、ゆっくりと動いたんだ。
「ね、瓜子先生。同じ処女でも、私のボディ。ふふ、どうかしら?」
『え?処女?だって、先生……』
もちろん、表情には出さなかったけど、さすが、女の度胸というのは、すごいと、思っちゃうんだよなあ。
きっと、先生のナカには、さっきオレの出した精子が、まだたっぷりと溜まっているはずなのに、平気で、言えちゃうんだもんなあ。
ついさっきの先生の「処女」の感触を思い出して、妙に落ち着かない気分のオレのすぐ前で、また一歩、先生はゆっくりと瓜子の方に踏み出したんだ。
長い髪を、ふわりと左手でかき上げながら、先生は、輝くばかりのヌードをみせつけるようにね。
「近寄るな!」
「あら?怖いの?じゃ、これでどう?」
その姿は、キツネというより、まるで、メスの猫科動物の猛獣の身のこなし。
視線を瓜子にぴたりと付けたまま、その手前の実験台に、ひょいと、腰掛けたんだ。
「どう?いいのよ、好きにして。ほら、どう?」
瓜子から、微妙に見えない角度で、長い足をパックリと思い切りよく広げたその姿は、まさに、犯してと言わんばかり。
「さ、来て。そんなオッパイも小っちゃいガキよりも、どう、ね?ほら、手だって、後ろにしておくから。ほら、これなら怖くないでしょ?」
後ろ手に組んで、とっさに抵抗できません、というそのポーズ。
つまりは、とんがった乳首を、ツンと突き出して、男の手を誘う姿だったんだ。
こぼれんばかりのそのオッパイは、確かに美久よりも遙かに、男心をそそるだろうなって思えちゃうよ。
抜群のスタイルだもんなあ。
美久は確かに可愛いし、オッパイだってちゃんとあるさ。
だけど、こうやって突き出された胸を見ちゃったら、よほどのロリコン以外は、迷っても当然だろうって、思っちゃうよ。
とっさに、オレはどっちかを選べるのかなって、思ってしまうったのは、オトコとして無理ないことだよな、な?な?
もちろん、瓜子は、突然の「ごちそう」に、戸惑いながらも、確かに、好色の表情を浮かべたんだ。
だけど、さすがに、瓜子も、こんな見え見えの色仕掛けに引っかかるほど間抜けじゃないらしい。
好色さを、皮肉な笑いで隠そうとしたんだ。
だけど、差し出された見事なヌードに、一瞬だけ、欲を出したのも確かだったんだ。
「ふん、その手は食わんぞ。どうしても、オレとしたかったら、そこで待ってろ。いや、違うな。オイ、落第生」
オレは、何とか隙をうかがおうとしていて、一瞬、返事が遅れたんだ。
「な、なんだよ」
「ふん、やっぱり隙を狙ってるな。まあ、いい。だが、せっかくのお申し出だ。こっちも、いただくからよ。といっても、メギツネが人を化かすといけねーからな」
コンと、左足で蹴り飛ばしてきた、茶色い塊。
ガムテープ?
「そいつで、メギツネの手を、後ろ手にグルグルに巻け」
「え?それは?」
一瞬、ためらったオレに、二つの声が同時に飛んだんだ。
「良いわ。やって」
「早くしろ。こぼれちまうぞ」
くっ。
先生は、早くもこっちに背中を見せて、両手を後ろに組んでるんだ。
「もたもたしてると、こっちを先にいただくぞ」
「それは待って。私の後にして。ね、瓜子センセ。私が、そんな小娘の後だなんてことはないわよねぇ〜」
「ええい!うるさい!おら、留年生、早くしろ!グルグルと、すくなくとも10回は巻け。サボろうとしてもみてるからな」
これがロープだったら緩く巻いておく手もあるんだけど、ガムテープじゃ勝手に張り付いて、緩めておきようがないんだ。
「いち、にー、さん、まだまだま、そう、ご−、ろく、もっと、もっと」
いちいち声を上げて数えられれば、いやも応もなかった。
あっという間に、先生の手を、オレが動けなくしてしまったわけなんだ。
「大丈夫」
柔らかな肩越しに、小さな声をかけると、先生は無言のまま。
あれ?
気がついた。
後ろ手にグルグル巻きにされた右手は、なんとピースサイン。そして、右手の指をくるっと曲げて、キュッと引き寄せた左の中指を、その中に入れるそぶり。
そしておもむろに、親指をグッと立てるんだ。
『瓜子が先生に入れる、そのスキを突いて、襲えってこと?』
オレが先生のサインを、そう読んだ瞬間、まるで俺の心が見えているかのように、うんと、頷いて見せたんだ。
『だけど、先生……』
止めようとしたんだけど、止められなかった。
実際、また、妖しげな声でもだえ続けてる美久の顔の上から試験管を離さない慎重さを見せている瓜子だ。
それしかスキは作れそうにないのかもしれない。
「ふん。どんなつもりか知らんが、オレに犯されたいのなら、その机で寝ろ。M字になってな。留年生。さがってろ。そっちの端にいけ」
さ、どうぞ、ってな動きで、先生はコロンと机に仰向けになると、その長い足を惜しげもなく広げてから、クッと、膝を曲げたんだ。
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