野草随想100
ビワを仙台の子どもたちへ
25.06.06
(これは私の食べるくずビワ)
○○○小学校のみなさん、お元気ですか?
私は、静岡のおじさんです。5月14日に、青葉城でお会いしましたね。おぼえているかな。
その日、私はたまたま何十年かぶりで仙台市を訪れ、大学時代の懐かしい思い出の場所などを巡っていました。青葉城も懐かしい場所でした。城から見下ろす仙台の街はずいぶんとビルが増え、しかも高くて立派なものが多くて、改めてびっくりしていました。もうひとつびっくりしたのは「ずんだ餅」の甘さ。本当に甘いね。甘すぎて全部は食べられませんでした。
そこに君たちが現れたんだよね。グループで何か目的を作って、集団行動しているようでしたが、私を見つけて、「すみませんが写真を撮ってください、お願いします」と、しっかり伝えることができました。私は、ひげを伸ばし始めていて、むさくるしいなりで、少し怖そうに見えたのか君たちは始めはもじもじしていましたが、そのうち決心して、お願いを伝えてくれました。しかも、グループ2つとも時間をおいて、私に写真を頼みました。私もこんなことは初めてでしたね。
元気のいい君たちの姿を見ていて、とてもうれしく思いました。
実は前日、津波被害の復興を知りたいとおもって荒浜地区に車を走らせました。だいぶ片付けたのでしょうがまだひどい状態で私もうーんとしか声が出ませんでした。それから若林のほうに向かっていくときに、たまたま「六郷」という地名を、(電柱か何かだったでしょうか)目にして、「このあたりはそんなに被害を受けなかったのだな」考えていました。
ところが、君たちが○○まるの小学校だったとは、なんという偶然でしょう。○○校長先生に話をうかがい、まだ避難住宅で生活しているお友達がたくさんいることを知りました。学校も中学校に仮住まいなんですね。私は車から見た判断がまちがいだったことに気づきました。そして、そんな状況なのに君たちが元気なことに、改めておどろいて、かえって私も元気をもらったように思いました。
「静岡から来たんだよ」というと、「静岡なら富士山!お茶!みかん!」と、すぐに大きな声で回答。よく勉強してるなと感心しました。
今日は近くの農家さんでとれたビワを送ります。ビワもあたたかい土地でとれるんです。ほんの少しだし上等品ではありませんのであしからず。
皆さんが一日も早く、もとのような生活に戻れるよう私も願っています。それまで一生懸命勉強して、運動をして友達と仲良くして、いい学校生活を送ってください。
○○○小学校のみなさんへ
2013.06.05
静岡のおじさんより
(寒い2月に毛布に包まれたように花をつける)
校長先生、先生方ご一同様へ
前略
今日は、突然のお手紙で失礼します。5月14日、たまたま訪れた青葉城で、4〜6年の2グループに出会い、さらに校長先生のお話を伺えたことが、私の仙台訪問に深い思いを残しました。
生徒さんも心にいろいろなものを抱えていると思います。若い男性教師の指名で4年生の小さい女の子が、私たちに、授業の意味などを話そうとしてくれましたが、けなげで一生懸命な姿をみて、思わず健全に成長してほしいと願わずにはいられませんでした。
学校運営にも難しい課題があろうと思います。小さな学校で複式のようですから、教育のあり方にも様々な課題があると思われます。先生方のご苦労も大変だろうとお察しいたします。
是非、先生方におかれましてもお体にご留意され、気持ちが折れないようお勤めいただくことを祈るばかりです。
今日は私たちのささやかな気持ちからビワを贈ります。恥ずかしながら些少なうえ贈答用の良質なものではありません。農家の方が早朝に採ったものです。これは日持ちが悪いので、よい状態でお届けできるか心配です。
草々
(ある小学校に送った手紙をそのまま掲載しました。了解を得ていないので名前は伏せました。)
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