ののは、重い足取りで学校へ向かった。昨日の、お母さんの言葉が頭の中を、グルグル何回も回っている。
「おっはよ〜ののチャン。オーディション、何にするか決めた?」
朝香が、元気よく話しかけて来た。ののは、ちょっと笑いながら言った。
「あのね、お母さんが、『ののは、何も出来ないのに、アイドルなんかなれない』っていったの。本当にその通りだもん。あたし、可愛くもないし、得意な事もないし」
「ふぅ〜ん。そっか・・・」
朝香がポツンとつぶやいた。
「あたしもね、ママに同じこと言われた。『芸能界は厳しいわよ』って。なれるわけない、っていわれちゃった」
ののは意外だった。何でも出来る朝香も、同じことを言われたのだ。でも、どちらのお母さんも言ってることは正しい。
(アイドルになれっこない事は、100%分かってる。でも、何もやらないなんて・・・チャンスはあるのに)
ののは、家に帰るとお母さんにもう一度お願いしに言った。すると、またまた意外な返事が返ってきた。
「んじゃ、やってみれば?どうせ、落ちるって言うのは、ののも分かってるんでしょ?なら、イイと思うわ。もし、本気で「受かる」って思ってたら困るけど。実は、昨日ののが寝たあとに、お父さんが『ののがかわいそうだ、オーディションを受けさせてみたらどうだ』って言ったから、ビックリよ。そうだ、朝香チャンも受けるんでしょ?あのこなら、もしかして・・・よね」
「えっ!?本当に、朝香チャンも受けれるの??」
「そうよ。朝香ちゃんのお母さんも、やってみたらって最後はあきらめたらしいわよ」
(やった。他のファンよりも、あたしは、るのちゃんに近づけた)
それから。オーディションまでの短い間に、ののと朝香は毎日特訓をした。朝香は、バトンダンスをするらしい。
「ののちゃん、もう明日がオーディションだね」
朝香が意気込んで言った。ののは、
「そうだね。落ちるとは思うけど、がんばんなきゃ」
ののは、そう、自分に言い聞かせた。
=あとがき=
とうとう、ののたちがオーディションへ行きます!皆さん応援よろしくお願いします! |