あいどる★でいず

作:ひまわり☆(中1)

I

 

劇団アジサイに入団してから、ちょうど1ヵ月が経った。

ののは、友達もたくさんできて、先生たちからも可愛がられる存在になった。・・・ただ、そんなののを嫌う人も出てきた。

その中の一人は、美香だ。美香は、初心者ののばかりがほめられて、気に入らないらしい。

そんなある日の事だった。ののはいつものように劇団アジサイに入った。ホールに入ると、裕子や他の女の子達が、キャーキャー騒いでいた。

「ねえ、何してるの?」

ののは、最近仲良くなった『村上沙世』(劇団アジサイには、小学2年生から入団)に話し掛けた。沙世は、少し笑いながら言った。

「あのね、美香ちゃんがCMに出演するんだって!!すごいよね」

「ええっ!?本当!?」

ののも、一応劇団アジサイの身だ。CMに出るということが、どれだけすごい事かくらい分かっている。

「でもね、ココの劇団から、後何人かも美香ちゃんとCMに出演するんだって。誰だろうね?」

沙世がそこまで言った所で、レッスンが始まった。涼子がホールに入ってくる。

「皆さん、美香さんがCM出演をすることになりました!そして、美香さんと一緒にCM出演をする子を2名決めていただきたいそうです。この2名は今から呼ぶので、後で私のところへ来てください」

ののは、どきどきしてきた。哲人と会った時のどきどきとはちょっと違って、もう、何がなんだかわからないような感じだ。

「えっと・・・笹山裕子さん、赤坂ののさん!!この2人は、私のところへ来てください」

そこまで言った時だった。美香が叫んだ。

「先生!!何で、ののまでいるのよ!!ののなんかより、他のうまい人を選んだ方がいいじゃない!!!」

それにつられて、他の美香の友達も言った。

「そうよ!私達よりも、赤坂さんは初心者じゃない!」

「もっと、現実的に選んでください!」

涼子は、静かに首を振った。

「ののさんは、確かにまだまだ初心者。でも、イイモノを持ってると思うの。それに、CM出演でキャンセルがでるかもしれない。美香さんだけで充分って言われるかもしれない。だから、まだ分からないわよ」

そう言われると、みんなは黙った。美香は、ののと涼子をにらんでいた。

(許さない・・・。あたしは、お母さんとの約束があって、ココまでがんばってきたのに・・・なんで、ののなんかに・・・)

 

 2006/4/12

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