| 「ほら、行くよ!!エリー」
サリーが私に呼びかける。私は、リュックを背負いなおすと、サリーを追いかけた。そう、私達は、あの地獄の家から抜け出して、おばあちゃんのたからものを探す旅へ出発するのだ。サリーが言った。
「昼間はやめたほうがいいわ。夜のほうが、危険だけど、安全。2人でね、あの船に乗り込むのよ!!」
サリーが指差す方向には、大きな客船があった。そう言えば、あの客船は、「トロピカル島」って言う所まで行くのよね・・・・。
「エリー、ペンダントは持った?私ね、思ったんだけど・・・」
懐中電灯の光で、ペンダントを照らす。すると、ペンダントの裏側に小さい文字が、彫られていた。
「コレ、何て読むと思う?私のカンだと・・・ト・ロ・ピ・カ・ル♪」
「なるほど。だから、トロピカル島までいくのね!」
って言ったけど、本当にそれは、トロピカルと読むのだろうか・・・。ちょっぴり不安だったけど、私達は客船に乗り込むことにした。
「サリー、あそこに警備員がいるわよ。どうするの??」
「こんな時こそ!!ほら、ロープ持ってきたでしょ?コレをあそこの窓に結び付けて・・・・ほら、コレを登ればいいじゃない!!」
私は、サリーを肩車した。サリーは、厨房の所の窓にロープを結びつけて、それをリズミカルに登って行った。私も続く。サリーに引っ張ってもらいながら。
「あ〜。エリー重いよ。ダイエットしたら?」
サリーは冗談っぽく言うと、厨房の窓を開けた。その日は、初夏の蒸し暑い天気だったから、窓は開いていた。幸いにも、厨房には誰もいなかった。私達は、船の中に乗り込んだ。ドキドキ胸が高鳴る。
「つかれた〜〜っ」と私。「で、この後はどうする?」とサリー。
「どうするって・・・わ!!どうしよう、見つかっちゃうよ!!」
コックが1人、厨房にやって来た。見つかっちゃう、どうしよう。私達は、隅のほうへ隠れて、丸まった。コックは、電気をパッとつけてから、私達のほうへ近づいてきた。・・・きゃ〜〜〜っ!!
がたんっ!!!
コックがゴミ箱に足をぶつけた。「今よ。エリー!!」サリーは私の手を引っ張り、グングン走って行った。コックは「え?」という表情で私達のほうを見た。
「どうしよう、見つかっちゃったよ!?」
「大丈夫だって!!冒険にはトラブルがつきものよ♪」
メチャクチャに走り回っていると、いかにもお金持ち風のマダムと真正面にぶつかった。マダムは、持っていたワインを自分の高そうな服にこぼして・・・・ぼちゃ〜〜〜。
「きゃあああああ!!一体何よ!?誰、この女のコはぁ???」
この声で、他の部屋にいた人たちが振り向いた。私達は、とにかく船内を走り続けた。
「サリーどうしよう??」
追いかけてくる人はいなかったけど・・・・見つかっちゃう。
「まずはもう寝ない?眠いよ〜〜」・・・・がくっ。
まあ、確かにそうだ。私達は、もう使われていないような倉庫を見つけた。ホコリっぽかったけど、私達は毛布を持ってきたから十分寝ることが出来た。
明日には、トロピカル島へ着く。―――私達の旅の幕開けだ。 |