さくらんぼ

ひまわり☆(小6)

第七話♪「さくらんぼ、救出!」

   

「ええっと。杉白町までは、電車で一時間半位だね」

「そうだね。今から行こうか?あたしの両親、十時過ぎじゃないと帰ってこないし」

山村さんが遠くを見ながら言った。

「あたしもなんだよね〜最近両親ともども家にいないこと多くなったって言うか・・・」

「そっか。じゃ、なおさら、今日ヒマになるね。学校終わったら、あたしの家にカバンおいてから、駅行ってくる?」

「うん。イイヨ〜山村さんの家のほうが近いもんね」

あたしはのんきに考えて、その通りにした。

♪♪♪♪♪

放課後。あたしと山村さんは、すぐ学校を後にした。チクリ魔三人組の目がギロッと光ったけど、無視無視。

走れば、もう10分。山村さんの家は、マンション。でも、なんと・・・・3LDKっっ

!?すごぉぉぉぉぉいっ!!

あたしがその事を言うと、山村さんは悲しそうな顔をした。

「フン。父さんも母さんも仕事ばっかり。あたしの事なんて、これっぽちも気にかけてくれないし。あたし、二人のことだいっ嫌いだから。今からでも、おばあちゃんの家にでも行きたいよ。って、春野さんに言っても意味ないよね」

一人でつぶやいてから、山村さんはお財布を持ってきた。あたしも、用意していたお財布を取り出す。

「それじゃ、いこっか」

チラリ、とお父さんの書斎が見えた。本だらけで、散らかっていた。ほんのうえにはホコリがたくさんかぶっていて、カーテンも締め切ってる。

そして、だぁれもいないリビングルーム。ココで、山村さんがいつも過ごしてるんだと思うと、あたしも悲しくなる。

♪♪♪♪♪

「さ〜くらんぼぉっ!!!!!!!」

「会いたかったよ〜〜〜〜〜ぉ!」

結構簡単に、さくらんぼを救出することが出来たあたし達。さくらんぼはいつも通り元気。

「さ、おうちに帰ろうか」

山村さんがうながした時・・・・。

「あっあっ、ボール、ボールとってくださぁいっっ!!!」

男の子の声がした。あたし達は振り向いた。すると、ボールが勢い良く飛んできて・・・・

ゴンッッッッ!!!!!!!!

「・・・・いたっ・・・・・・・」

山村さんに、そのボールが直撃した。

「おぉ〜い、どうしたんだよ、達也っ」

「ボールなくなったのかぁ?」

「大丈夫かっ?」

「はやく、野球の続きしようぜ〜」

「大変だっ。俺の投げたボールが・・・この人に当たって・・・・!」

一気に4人の顔が青くなる。山村さんの背中に直撃したボールをあたしは拾った。

「ちょ・・・ちょっと!!あんた達、山村さん―――ううん、この女の子けがしちゃったかもしれない!!早く、大人の人呼んでッッ!!」

「うん。わかった!!」

「そうだ、大樹、お前その女の子を運んで行ったら?力持ちだし」

「おうっ、わかった」

さくらんぼが「どうしたの?」と言ってるみたいにじゃれ付いてきた。

山村さんは、やっぱり痛そう。

・・・どうしよう。杉白町なんて、となり町だけど知らない人ばっかりで・・・・。

あたし、どうしたらいいの??

 

 2006/3/14

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