| ぴぴぴぴぴぴ・・・・。目覚まし時計がなる。
「う〜〜んっ!!いい天気!!」
あたしは、カーテンを開けると窓から差し込んでくる光を体中に浴びた。もう、今は毎日が楽しくて仕方ない。
あたし、「杉野チカ」小6。学校が大好き。後、大きな声で言えないけど・・・。クラスメートの、「高橋ナツカ」をいじめることも結構好き。
だって、アイツは、かなり最悪なヤツ。やたらと暗いし、何いっても返事はノロノロしてて、イライラする感じ。あたしの、かなり嫌いなタイプ。それに、ほかにもいじめる理由はある。
―――忘れもしない、小学校最後の運動会。最後だから、勝ちたかった。あたしのそんな気持ちとは裏腹に・・・負けてしまった、最後だったのに。そう、アイツが・・・ナツカが、あそこで転ばなければ・・・。ナツカだって、足は速いほうだから、絶好調なペースで走っていた。なのに・・・。何で、転んだの!?信じられない。
あたしが、どれだけがんばったかも知らずに、アイツは・・・。それからだった。あたしが、アイツをいじめるようになったのは。まず、ガビョウを上履きに入れた。かばんの中に、ボロボロの雑巾を入れた。教科書に、落書きをした。
それでも、あいつは泣かなかった。ずっと、くちびるをかみしめて、下を向くだけだった。あたしは、あいつが泣きながら「ごめんなさい、ごめんなさい」って言うところを想像してた。でも・・・。ずっと泣かないアイツが、かなりムカついた・・・。
「いってきま〜す!」
あたしは、元気よくスキップしながら、学校への道を歩いていった。友達のカナが「おはよう!」と声をかけてくれた。あたしも「おはよう!」と言い返す。
「ねえ、チカ。今日は、ナツカ泣くかな?」
「さあ。どうだろ?ま、がんばってみるよ」
あたしは、ヨユウそうに答えた。その後、教室に入ると、ナツカがいた。あたしは、かばんを背負ったままナツカの元へ歩いた。
「ねえねえ、ナツカ。顔色悪いよ〜?もしかして、昨日、夜ゲーセンでも行ってたんじゃない?それでお金使い果たしちゃってガッカリしてるとか。ねえ、どうしたのよ?」
私は、その後、ナツカの髪の毛をグシャッと引っ張ったり、服を乱暴に引っ張ったりした。ナツカは、何も言わずうつむいている。
なんか、だんだんイライラしてきた。早く、泣いてよ。あんたの、泣く姿見たいんだから。あたしは、つまらなくなって席に戻った。すると・・・。とんでもない名案が頭に浮かんだ。
(今朝のニュースであったけど・・・。階段からつきおとされて、大ケガした小学生がいるって・・・。しかも、いじめだったって・・・。ナツカにもやってみようかな・・・。あたしが、先生から頼み事されて、大きな荷物でも持っていて、それでバランス崩してぶつかった、っていえばいいんだから)
昼休み。あたしは、教室を出て行くナツカの背中を追った。あたしは、小さい段ボール箱2つを持ちながら・・・。
ナツカと距離が詰まる。次の瞬間、あたしの中で何かがプチッとはじけた。ためらわずに、あたしはナツカの背中を思いっきり押した。
ナツカがよろけて、まっさかさま・・・・。ううん、あたしもまっさかさまに落ちる。やだ、どうしよう、死んじゃう・・・・。あたしとナツカは思いっきりぶつかってから階段の下に落ちた。そのまま、気を失った。
このときはまだ気づいてなかった。あたしたちの体に起こっていた大変なことにも気づかずに! |