前夜双沖着。一時頃南防。祭以来になる。今年の沖根婦港は魚が寄らなかった。半島太平洋側全般に言えて、叔母のところの鮭定置も良くなかった。
アブラコは去年一昨年から十日後あたりが狙い目なのだが、いけるはずと予想し、裏切られる結果となった。
まず期待の竿呑み穴が駄目。小さいの二匹をキープしたのが気まずい。
陸寄りに移動。諦めて巻いたらガッツリ動かない。ハリの予備がないというのに。テトラでやる以上覚悟していたが兄貴の作った仕掛けをバラさなければならない。バラしたくはないが、二本バリだとますます根がかりしやすくなる。二本一緒に失くすよりは一本ずつにしたい。ハリは安いけれど釣り道具屋に行くのが面倒なのである。
ひとまずゆるめる。再び巻いたら意外やはずれていて、しかも、むむ、ズンと重いのが抵抗している。テトラでは小回りがきく千円の竿を使うので、折られた経験から、並みサイズでも手で巻きあげる。大物間違いない。どれっと一歩踏み出して穴を覗くと、アブラコではなくカジカだ。頭になかった。それがブルンブルン強烈に躍る。これまで釣ったカジカたちは水面を出たら、ただ重い宙ぶらりんになったのに、こいつはとことん身を振る。しかし口にかかる全体重で吊り下げられたハリから、糸が切れない限り逃れられない。落としたこともあるので慎重になる。クーラーには窮屈でレジ袋に入れる。重くてもカジカだから40p弱か。いつもならここからヨッシャとなるはずが、どうも気持ちが上向かない。釣りも生活と連動してるということか。
その後は二か所移動してアブラコのサイズはまずまずの二匹のみ。予想からは惨めな釣りに終わり、かろうじてカジカに救われた。それにしてもカジカは生命力がある。母が捌こうとしたら、水なしで三時間たっているのに跳ねかかった。アブラコなら五分でお陀仏だ。ふだんスカリは使わないのでクーラーに海水を汲んでコマイもアブラコも入れるが、時間がたてば死んでいく。しかし、納竿となって生きているのを見るとちょっと迷う。振り切って持ち帰る。きっと慰め程度に生かすべきではないのだ。
帰る前に母が作ってくれたカジカ汁は最高だった。何度か近くのコープ札幌で汁用のパックを買ったことがある。種類はともかく小物で、チョコンとキモが添えられている。チュウにお目にかかったことがなく、卵つきのは一度だけだ。豪快さはなくても味はそこそこ、私の舌ではそれで十分なのだが、いつからか買わなくなった。だから夏に戸田の客人と食べて以来の三か月ぶりになる。やはり一本デカいの丸ごとからのに限る。