あいにくの霧 13.7.12

この時点では車も人影も見えない。

空の明るさにつられて沖根婦に行ったのに霧だった。根高の坂を下って太平洋側に出たとたんに天気が変わるのはよくあることだ。

誰もいないように見えたが、灯台が近づくと先客がいて、K彦だ。一級下で隣だったから、中学の頃はよくわが家開帳のトランプの面子不足から呼びにいった。去年まではお母さんが昆布干しの手伝い(助かった)やお茶飲みによく現れたが、家を継ぐ兄が沖根辺の家を買って引っ越してしまった。去年同じこの場でカニについて教わったのは書いたことがある。やはりカレイはあがってない。この前外に投げて釣れるのを見たと話したら、スガモの生える底だからあり得るという。知らなかった。ごめんバカボン。でもスガモって磯に多いし、砂に寝そべるカレイの生息域ではないと思うのだが、詳しい者には異論をはさめない。
 アタリがなくなったとK彦は片づけだし、港内のアメマスをルアーで狙うと言う。彼には釣り師としてのキレと品格が感じられる。あのアメマス?と思ったが、今の時期いるらしい。それが海に降りたアメマスは美味く、身も赤くなって、二度も両手を広げてみせた幅は60pを越える。まもなくマス、来月にはアキアジが入る。近辺の釣り事情を押さえている。沖根辺と一番地の川から来るのか、なぜ港の中なのかは聞かずじまいだった。まさか実家の横の小川ってことはないだろう。直接港内に流れ込んでいて、兄貴がよその川で釣ってきたのをいくら放流したところで。
 誰か潜水写真を撮ってくれないだろうか。中村ナントカさん(二人いる)のような立派なのでなくていいから、この狭くて浅い港内でカレイとアメマスが競演するのが想像できない。


日焼けしたのは夢まぼろし。これでも霧は薄らいでいる。
コマイに小っちゃいのがついてきてピチャピチャはねる。何のコッコだ?オレより長生きするかもな。

コマイしか釣れないのは覚悟の上でも、前回のせいで小ぶりに見えてしまう。霧でK彦の様子は分からない。日曜は日焼けしたというのに、着込んできても寒いほどだ。コマイ36カニ2でサンマ二匹分使い切る。

帰りがてらテトラにワームを試してみるが反応なし。それにしても、今まで見たことがないほどテトラがゴメのフンを被っている。どこもが白いペンキを瓶から繰り返してぶちまけたように凄まじい。ただテトラを這う一つ分の形がどれも多量に垂れて延びている。フンではないのか?しかしほかに思いつくものもない。


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アメマスを検索した。鮭科だから海にも降りる。陸封、湖沼型がエゾイワナ。無知な私はこの両者は別種と思っていた。子供のときの竹竿の川釣りは<ザッコ釣り>と呼ばれていた。ヤマメもイワナもひっくるめて雑魚だった。北洋漁業基地に鮭鱒がドッと入り、水産資源豊富な半島において、川魚は小さいし喜ばれる味でもなく、その扱いも納得できる。そのなかで私はアメマスを他のザッコより大きいので上位に置いていた。
 生態をチョイ見のつもりが、野付漁協の看板が五月に問題になったのを知った。おもなニュースはネットで分かるので、市内記事のみの根室新聞をとっているため、道内のことに穴があいてしまったりする。隣町のできごとだ。<アメマスはリリースしないように。アメマスをホタテと交換する>というもの。参照ブログ(写真を引用させて頂きます。ためになる意見が寄せられている) 放流した鮭の稚魚を食らうから駆除せよとの趣旨である。軽はずみなことは言えないが、彼らにとっては商売上の害魚でも、アメマスはこの川に蝦夷地の遙か昔から棲んでいたのだし、漁業権があるからといって川も海も漁業関係者のものではない。放流事業の成果が得られないのをアメマスに転嫁してるようですらある。批判されたせいなのか期間が過ぎたのか、看板はすぐに外されたらしい。ノコノコとホタテと引き換えにいった釣り人っているのだろうか。私は問題の本質よりも、賤しくもアメ2対ホタ1の比率を考えたりしてしまう。

海アメはルアー釣りとしての人気はかなり高いらしい。ザッコ釣りはミミズ一辺倒だった。近所の兄弟がヨコノミ(正しい名前は不明)を揚げたのを使ったと聞いたが効果は知らない。大きくても2pでエビの格好をしてるが殻質ではなく、横の小川を泳ぎ、ときどき子供を腹に抱いていた。動きも遅く憎めなかった。三十年前にはいなくなったろう。
 ミミズは沖根辺沼を東に上がった通称バンペさんの牛糞の山をほじくった。なぜバンペさんか、ミミズ捕りを番兵してるからとは次兄説である。おととし長兄が冷蔵庫に餌らしきパックを残してゆき、防波堤で開いたらミミズだったので試したことがある。笑われてもしょうない。一時間ばかりでまったくアタリがなく、海の魚は海の餌しか食わないんだなあと納得したものだ。塩水に入れられたミミズは悶絶したかも知れない。アメマスは海の魚とは呼べないが、もし鮭定置やってるイトコが「たまに混じる」なんて答えたらどうしよう。でも魚屋にはない。何か餌で可能なのかはK彦先生に聞かないと分からない。

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