夜にBBSのオフ会があるので、それまで試してみるかと、バッグに仕舞40p竿と磯の塩イソメを忍ばせチャリで出かけた。初めての根室港遠征になる。詳しくは根室港区。太平洋岸に花咲港区がある。重要港湾でもあるし、明治からの歴史もあり、さすがに広い。沖根婦の5、60倍はある。ただし西端にいる時点で繋がれた船はない。東寄りにでも漁船用岸壁があると思われる。
何人かやってるがチカ。そこから岸壁を東へ。港内に折れる地点にまた四、五人固まっている。どうもこのあたりの釣り人は背を丸めてこじんまりしてるのはチカ相手だからかなのか、そう思って見るせいなのか、堂々としてない。竿を持たず立って話だけしてる人がいて、目が合った。
「カレイとか釣れないんですか?」聞いてみるとニヤリ。む、一家言持ってそうな遣手?「太平洋側でしかやったことなくて」
要約。今は引退したが入れ込んだ。黄金道路を渡り日高の全道大会にも出かけた。五万円の竿も使っていた。煙草の仕事してたから、友知のM、沖根婦のU、フラリのK…(知る名前がズラズラ)に配達した。イソメ捕りといえばゴヨーマイの方ですごい経験をした。石を起こさなくても、ウジャウジャ浮いてきた。タモでもあればバケツいっぱいは取れた。
「カレイならいいポイントを教えてやる。そこの…」
「いや、いいんです。オモチャの竿しか持ってきてないし、見物がてらで」粗末な装備が申し訳なく、恥ずかしくもあり、辞退して町の方に戻った。しかしためらって停まった。まもなくさっきの人の車が帰っていった。グルーっと回り、岸壁に引き返し、チカ釣り団から50mばかり離れて座った。
自分自身期待はしていない。「根室(港区)でカレイが釣れてる」というのを聞いたことがない。花咲、落石ならよくある。チカにしても、花咲のは25pクラスと知られている。つまり根室釣民の常識としてここではやらない。カレイ釣るなら太平洋に決まっている。
それでも初めてのところはワクワクする。しかし藻ばかり。昆布並みの海草はないが、トロロ昆布を溶かしたようなカタマリがヌラーッと必ずついてくる。つまり海底一帯を覆っている。これでは魚君に餌が隠れてしまうんでないの。この竿で遠投は不可能。諦めかかったときアタリ。チカってことはない。べべ?水際で覗いたら、おやや、クロガシラが。慎重になる。20pチョイでも記念すべき根室港初ガレイ。意外といっては失礼、シャキッと洗われる海でなくても釣れたての魚体はキレイ。
弁天島を前にカレイを釣ったのはひとしおな感もある。その後一度はずし、一枚だけ同じサイズをあげた。沖根婦だってカレイなしはよくある。装備にすると悪くないだろう。
それにしても、カニ祭とサンマ祭の会場になるのと、保安庁の巡視船、四島訪問船の基地を担うにしろ、市街地続きの港としては活気がない。
六時を回った。緑町のオフ会に向かわないと。小汚い釣り人のなりそのままで。もう私には洒落っ気も色気もない。なにやら人間根室港区なのだ。
オフ会は埼玉の☆夫妻とBBS管理人だけだったが楽しい夜になった。☆主人は学生時代訪れた根室に惚れてしまった変わり種(根室人から見れば)。明治公園、常盤台公園と車内泊というので、汚ないけど部屋が空いてるから、泊まって釣りをやってみないかと誘ったのだが、明日には層雲峡に行くことになっていた。
問題は帰りに起こった。高校の坂で距離を稼ごうと加速に任せた。前カゴには釣り道具入りバッグとコンビニでの買い物、酔いもある、ハンドルがぶれ出し、いうことをきかなくなった。瞬時死がよぎった。急ブレーキで転倒し、しかしカスリ傷ひとつない。深夜で車が通らないので助かった。散らばったものを拾うと竿先が壊れてる。チャリを漕ごうとしたが動かない。外灯のあるところまで引き摺って確かめると、後輪がグンニャリなっている。諦め、歩くことにした。外灯間隔があり、月も星もなく、霧降る道は真っ暗闇である。先週この辺りで熊が出たと新聞にあったのを思い出す。カエルの合唱が読経楽団みたいなタンネ沼付近で恐る恐るしながら、金属より丈夫な体を襲う熊もいまいと強がるのであった。
