――いまやカードゲームが世界中に広まった頃。これは5枚のカードと少年少女と大人の話――


《Author's Vision》

――およそ10年前――

「ハァ、ハァ……、ここまで来れば何とか……」

 東京某所。追われる様に――実際追われているが――逃げてきた彼の前には1つの空き地があった。

 周りには民家が並んでいるだけで、住宅街のような場所だ。

「とにかくこれを……なんとかしなければ……」

 彼の手には1枚のカードが握られていた。

 黒いスリーブに丁重に入れられているが、カードには2本、線のような傷が入っている。

「見てろよ…、お前らの思い通りにはさせない」

 発せられた言葉は、かつての仲間に対してだった。

 彼の手に握られているカードには、枠一杯にはみ出しそうな龍が描かれていた。

「"時の糸"は切ってはならないものなんだ……」






この作品はフィクションであり、実際の人物、団体、建設物等とは一切関係ありません。



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