《Reika's Vision》

「――親父……?」

 私はたっぷり10秒ほど沈黙し、膝を付いてこちらを向いている男に問いかけ、そして歩み寄った。
「ふん、生きてたのね」
「久しぶりだな、レイカ……」
 間違いない。この声色は私の父、汐崎聡のものだ。ここは再会を喜ぶべきか、それともこの愚行を罵るべきか。いや、それより――
「アキラさんは? どこに監禁してるのかしら」
 彼は苦笑し、
「その扉の先だ」
 背後の扉を指差した。私は父の隣を通り過ぎ、扉にたどり着いた。カギは掛かっておらず、錆び付いた扉はやはり不快音を発しながらこちら側に開いた。扉の向こうは少々暗めの狭い部屋があり、アキラさんは監禁と言うよりは軟禁されていた。
「やあ。助けに来てくれるって信じてたよ」
 疲労が明らかに顔に出ている。昨日の夜からだから、丸一日閉じ込められていたことになる。ただし拘束具などは全くつけていない。
「逃げようと思えば逃げられたんじゃないですか?」
「そうだね……。多分迷うと思うよ」
 そうですね、と適当に返し、私は後ろに向き直って父に歩み寄った。
「――で」
 私は父の目を睨みつけ、
「とりあえず、全部話しなさい」
 と切り出してみた。
「フフ。お前の容赦ないところは母さんに似てるよ」
 さて……と彼は立ち上がり、
「何処から話せばいいんだろうな」

「とりあえず――幻神龍持ち逃げ事件のところからか」





《Yuri's Vision》

「先生」
 ディスクからカードを取り外していた先生に、あたしは話しかけた。
「何かしら」
 一時作業を中断して、こちらを向く。
「どうしてこんなことを……」
「何故か……ねえ……」
 先生は5秒ほど考えて、
「本当はね、こんなことしたくなかったのよ」
 それってどういう……。
「この"組織"にいるやつらはね、最初は"本当の目的"を知らずに"組織"に入るのね」
 確かに、目的が知れたら誰も入らないでしょうけど。
「私、昔から遊戯王このゲームが好きなの。それで、その趣味を生かせる仕事ってことで"組織"に入ったわけ」
 詐欺じゃないですか。
「そうね……。ま、それでまんまと騙されて今ここにいるわけよ。あなたたちが止めてくれて助かってるわ」
 そういえば、レイカちゃんたちは大丈夫かな。
「彼女達なら大丈夫でしょう。驚いてるかもしれないけど」
「は?」
 いやなんでもないわ、と先生は返し、作業を再開した。


《Takuya's Vision》

「おい、起きろ」
 目を閉じて力が抜けているユウカに覚醒命令を出し続けているが、未だに起きない。荒く呼吸はしているから、死んじゃいないと思うんだが。
「救急車は呼べねえし……大丈夫か?」
 役に立たない携帯電話をポケットに仕舞い、もう一度ユウカを見てみる。汗も随分かいてるし、呼吸もだいぶ荒い。良く見れば結構可愛いじゃないか――ってこのモノローグをアイツが聞いたら殴られるな、とか思っていると、突然ジンが口を開いた。
「無線ならある。ビルの受付に繋がるが、どうする?」
 思いもよらない提案を持ちかけてきた。そういうキャラだっけ?
「敵に助け舟を出すなんて何考えてる?」
 そう訊いてみた。ジンは一瞬訝しい表情をつくり、
「敵……ね。俺様たちが"組織"の仕事をやりたくてやってると思うか?」
 思わないな。
「なら何故それを訊く? はっきり言うが、俺様たちは感謝してるんだよ。籠から逃がされた鳥みたいにな」
 やりたくないならどうして入ったんだよ。
「金のためだ。とでも言っておこうか。俺様……いや、俺たちは――」
 と、おもむろにジンとナギはマントを取った。良く見ると、2人とも整った顔立ちをしている。ジンは短い金髪に蒼い瞳、ナギも同じく金髪で蒼い瞳、髪は長く肘まで届いている。そして2人とも似た顔をしていて……ってまさか――
「そうさ、俺たちは兄妹だ。アメリカのスラム街で拾われた」
「金が無かった……か。実感は沸かないんだけどな」
 スラム街と言えば、貧困な人々が集う過密地域の事だ。つまり、ジンとナギは金が無くてスラムにいたところを、"組織"に拾われたってことか。でも何故……?
「俺たちが住んでいたスラムには1枚のカードがあった」
 話が飛躍してないか?
「飛躍などしていない。そもそも何故スラムに"組織"が来たのか? それを考えれば分かる話だと思うが」
「……?」
 何故スラムに"組織"が来たのか。"組織"は何も無ければ、貧民街などに来るはずは無い。つまり、それは何かの目的があって……――目的? そうだ、組織の目的は――
「幻神龍……か」
「その通り」
 ジンは邪魔になったのか、黒マントを投げ捨てた。
《狂龍−生け贄を求めし狂乱の龍王−》……とか言ったか。全く、狂ってるのは持ち主の方だろうが」
 ガムを吐き捨てるような口調でそう言った後、ジンはこちらに歩み寄ってきた。ジンはオレの横を通り過ぎ、ユウカの前で腰を屈めて、何やら首に手を当てたり呼吸を確認したりしている。
「呼吸は荒いが、脈はだいぶ整ってる。軽い脱水症状かなんかだろう」
 脱水症状……か。まあ、結構暑いしな……。
「とりあえず、奥と連絡が取れないか? コイツの姉にも伝えなきゃならん」
「通じることには通じるが……素直に応じると思うか? 要は汐崎麗華をここに呼ぶということだろう」
 あー……、そうか。コイツはまだ、オレ達が騙されてここに入ってきたと思ってんのか。
「その心配はないと思う」
「何故だ」
「裏切り者はお前だけじゃないってことさ」
 オレは、ジンにこれまでの経緯を説明した。河嶋斎が組織を崩壊させようとしていることを。しかし、ジンはこう返した。
「イツキ……か。実はアイツこそがこの作戦のキーパーツなんだがな」
「なに?」
「端的に言えば、イツキはお前達をここに誘き寄せるための、言わばエサというわけさ」
 エサ……だと?
「イツキがお前達に真実を話し、そしてここへ呼ぶ。これが作戦の流れだ」
「つまり、河嶋は……偽善者だったってのか」
「そういうことになる。まあ、アイツの心中は良く分からん。表情に出さない奴だからな」
 く……、一先ず救急車を呼ぶのが良策か……いやそれより汐崎に――って携帯は使えないんだったな……。
「――ん?」  と、突然無線から機械音が鳴り響いた。ジンは色々頷きながら答えているが、段々表情が笑みに変わって行くのが良く分かる。
「そうかい、フフ」
 ジンは不敵に微笑み、
「裏切るのが好きだな、イツキは」


《Reika's Vision》

 父の話によれば、発端はアキラさんの父にあるという。佐藤秀則というらしいが、その彼は"組織"に所属しており、その目的を知った時に、それに反抗しようと、10年前に幻神龍2枚を持ち逃げしたという。日本まで帰ってきた彼は、その2枚を「友人」と「息子」に託した。即ち、「友人」とは私の父、「息子」とはアキラさんのことである。その後、組織は佐藤秀則を抹消したらしい。それが比喩的なものかは定かではない。
 だが、父は"組織"に狙われることを恐れ、それを「娘」――つまり私だ――に渡した後、幻神龍の行方を不確かにするために自らも"組織"へ入った。これが父失踪の原因である。そして、理不尽ながらも「娘」対「父」の構図が出来上がったわけである。
 父は黙秘していたが、やはり時間の問題で、幻神龍の居場所が特定された。そのために、ここ東京に支部を置き、そして父もそこに所属したわけである。この時入ってきたのがイツキである。
   できるだけ損害を少なくしようと言う"組織"の方針により、「誘い込み」の作戦が取られることになった。要は、「力」ではなく「知略」を使っての奪還を考えたわけである。この時点では詳しい手順は決めていなかったが、その内に「真実を話して誘い込む」という短絡的かつハイリスクな方法になったわけである。要はイツキの言っていたことは真実と受け取って言いのだろう。
 そして、この作戦に名乗り出たのがイツキである。本来は鈴鹿先生が適任と考えていたらしいが、「年が近いほうが良い」という意見により――イツキのフレンドリーな性格もあって――イツキはめでたく真星学園に転校することになる。ちなみにイツキが転校してきてからまだ2日である。恐るべし。

 そして現在に至る。結果的に作戦は失敗……でいいのか。

「――それで?」
 父の話を一通り聞き終わったあと、邪魔になったデュエルディスクを地面に置きつつ、腕を組んでイツキの方を向いた
「支部は崩壊、この作戦は終了でいいのかしら?」
 う〜ん、とイツキはたっぷり5秒くらい考えた後、
「少なくとも、組織自体を消すまではついて来てもらうことになるかも」
「どうして?」
 即答してやった。
「キミは支部を潰した。これに気付いた組織が強硬手段に出るかもしれないよ。キミが狙われるのは、ボクのプライドが許さない。」
 それは只の自分本位だ。ただ、私も自分が強制連行されるのは御免だ……いやしかし、組織を潰すとなると結局本部に行くわけで……。

 つまり、結果は同じ。

「仕方ないわ。連行されるよりはマシよね」
 イツキはふっ、と微笑み、
「あと、幻神龍は本部に持って行ってもらいたいんだけど」
 何故そんな真似をする? それでは飛んで火にいる夏の虫というやつだ。
「作戦が成功したと思い込ませて、油断させるの。どう?」
「…………」
 私は暫くおもんばかり、1つの答えを出した。
「良いでしょう。とりあえず……」
 私は父とアキラさんを一瞥し、
「帰りましょう。暑いわ」
 本当に暑い。出来るだけ早く、地上に帰りたいのだが。
「分かった」
 父は応じ、
「その前に、ジン、ナギとマリナに連絡しておこう。あいつらも今日から解雇だ。マリナは良いとしても、ジンとナギには今後の職を渡してやらなきゃならん」
 組織はそんな面倒なことまでするのか……。というかジンとナギって誰だ。あの黒マントコンビの事か。父は部屋に置いてあった無線を取り、色々話している。話し終えるまで暫く掛かりそうだったため、イツキを手招きした。訊きたい事がある。
「イツキ」
「なあに」
「あなたの両親はお元気?」
 思いっきり皮肉っぽく、そして微笑みながら質問した。
「あはは……。もう死んでるよ」
 やはり、転校初日の「両親はアメリカ在住」というのは嘘だったか。さらに質問してみる。
「亡くなったのはいつ?」
「えと……、9年前かな」
 本当だろうか。
「ほ、本当だって……神に賭けて誓うよ」
 へぇ……そうか。成る程。
「ありがとう、もういいわ」
 ――と、ここで父の無線会話が終了したらしい。全員が部屋を退去し、「またこの道を帰るのか」と思いつつ、廊下を歩き続ける。そして若干3分程経ったところで、何故か、例のドーム状の部屋の前に辿りついてしまった。走ってはいないし、壁を突き破ってショートカットしたわけでも……ショートカット?
「レイカちゃん、この迷宮には無駄な道がたくさんあるんだよ」
 イツキがそう言った。迷宮なのだから当たり前だ……と返そうとして、私は1つの解答に到達した。

 道案内をしたのは、イツキだ。

「この地下道はね、昔は一本道だった道に、たくさん"無駄に長い通路"を加えたものなんだ」
 イツキの奴……その"無駄に長い通路"をわざと選んで行ってたのか。
「フフ、ゴメンね。時間を稼げって言われたからね。この人に」
 イツキが父を指差す。言い訳は後で聞いてやる。とりあえず、今は前の扉を開けることに体力を使おう。ギイィィィとやはり不快な音を発しつつ、扉が口をあけた。やはり無駄にしか思えないような、ドーム上の空間が姿を現す。あの金髪二人は黒マントのコンビか? そしてタクヤもいる。ユウカは……、冷たいコンクリートの上で薄幸な眠りを……って、
「ユウカ!」
 すかさず駆け寄る。呼吸が荒い、汗も掻いている。タクヤ達の落ち着きようを見る限り、とりあえず命に別状は無さそうだが……一応事情を訊こうではないか。
「あんた、このに何をしたのかしら?」
「何って……脱水症状らしいぞ。軽いやつ」
 脱水症状か……確かに、この暑い地下では体調を崩すことも無いとは言えないか……。父が、ユウカの首の裏と膝の裏を抱え――俗に言う「お姫様抱っこ」というやつだ――「早く病院に連れて行こう」と皆を促す。金髪の2人も付いて来るようだ。
 再び3分ほどの歩行の後、今度はユウリ&鈴鹿先生のコンビに出くわした。先生は「これでやっと教師に専念できるわ」とか言っていたが、とりあえずスルーすることにして、すぐ近くの出口から迷宮を脱出した。現在時刻、18時10分。夕食時だ。
「さて、今日からお前達は解雇だ。マリナは教師に専念してくれ。ジンとナギは……近い内に転職先を確保してやる。それまでの生活資金は後日渡すとしよう」
 父が、支部の面々に色々言っている。その間に、私達――私とユウリとタクヤとアキラさん――はビル前に止めてあった父の軽自動車に、ユウカを寝かせ、冷房をつけておいた。
「さて……と」
 話が終わったのか、父はイツキと共に車の方に歩いてくる。支部の面々(イツキを除く)は、それぞれ帰路につこうとしている。
「見ての通りこれは軽自動車だ。従ってこれだけの人数を乗せることは出来ない」
 父はやや遠回りに言っている。単刀直入に言えば良いものを。
「はいはい、帰ればいいんでしょ。歩いて」
 イツキが皮肉っぽく微笑みながら、タクヤとユウリとアキラさんを連れてここから離れるべく歩き出した。
「すまないな。それじゃあ行こうか、レイカ」
 私は助手席に乗り込み、程なくして車は病院へたどり着いた。


 ガチャリ、と玄関のドアを閉め、靴を脱ぎ、そしてリビングのソファに腰を下ろす。いつも何気なく行っている一連の動作だが、今日は何かが違う。いや、答えは分かっている。つまり、"今、家には私しかいない"。
 いつもはユウカがいた――そういえば、私が家に居るときは、必ずユウカも居た気がする。もしかして私を気遣って……いや深く考えすぎか。でも本当に、家に居るのが私がだけというのは初めてだ……。今、ユウカは入院中だ。体調も落ち着き、意識もはっきりしているため、すぐに退院できるそうだ。父はその付き添いだ。
 これからのこと――組織を分解すること――については、明日、THIEVES(店名の方だ)にて討議することになる。場合によっては、学校を欠席しなければならなくなるだろう。その辺は鈴鹿先生に任せる。
 とりあえず今は、今後のことは保留にして夕食でも作ることにする。適当に残り物をつつき回して、空腹を満たした後は適当に入浴し、適当に時間を潰した後、「さて寝るか」とベッドに潜り込んだ。


 ――しかし、何故か眠れない。いや理由は分かっている。そう信じたくないだけだ。
 睡眠不足はいけないから、眠るためにも私は携帯電話を取り出し、コールした。誰でも良い。私を、安心して眠らせてくれ。


《Takuya's Vision》

「……ん?」
 さて、そろそろ寝ようかと言う頃に、突然携帯から着信音が鳴り響いた。別に着メロとかに執着しないタイプだから、デフォルトのままだ。
「誰だよ……」
 画面を確認すると、そこには「汐崎麗華」という明朝体の文字が躍っていた。珍しいな。
「はあ、何だってんだ」
 少し溜息をついてから、電話に出た。
「ハイハイ、何だよ」
『遅いわ。スリーコールまでに出なさい』
 いきなりそれかよ。
「で、用件は?」
『用件……ね。それと言った用でもないのだけど』
 用も無しに電話するなんて、アイツらしくない。アイツは合理的に物を考えるクセがある……と、思う。
『眠れないのよ』
「眠れない?」
 危うくロー方向に妄想しかけた。慌てて思考を現実に戻し、
「もしかして緊張してるのか? 当たり前だよなー、世界を任されてるんだからな」
『違う。第一、世界が止まるなんて実感が沸かないわ」
 確かに。
「だったらなんなんだ」
『理由は至極単純』
 一呼吸置いて、アイツは本当にらしくない言動を口にした。

『寂しい……からよ』

「さび……本気か?」
『嘘をつくメリットは無いわ。そう、今私は物凄く寂しい。寂しくて寂しくて、だから貴方に電話を掛けたの……ねえ、今から会わない? どこか人気の無い場所で……』
「う……」

『なーんて、ギャルゲー染みたイベントは期待しないほうが良いわ。そしてその沈黙は何? 変な妄想に脳使ってないで勉強しなさい』
「(くそ、この意図的ツンデレ女め)」
『何か言ったかしら?』
 「何でもない」と返し、記憶に引っ掛かった部分を質問してみる。
「でも、寂しいのは本当なんだな? まあ、妹は入院中だからな」
『親父もその付き添いよ。ま、親父がいても恐いだけだわ」
 恐い?
「何だ、お前の親父さんはロリコンなのか」
『知らないし知りたくもない』
 だんだん話が脱線してるぞ。
「で、寂しいから眠れない……か。お前らしくないだろ」
『私らしいって何? 貴方に私の何が分かるの?』
 今日は必要以上に突っ掛かってくるな。
『貴方は、孤独の恐さを知らない』
「孤独? オレは独りの方が何かと便利だと思うけどな」
『ふざけるな』
 何でこんなにツンツンしてるんだよ。何かトラウマでもあるのか? そう訊いて見ると。
『私は、中学の時"いじめ"にあっていた』
「それで……か。仲里は?」
『ユウリは真星学園からの友達よ。中学の奴らは、誰も真星学園には入ってない』
 完全に縁を切ったわけだ。
『でも、忘れたくても忘れられない。段々とクラスから孤立していく恐怖。私はマゾヒストじゃない。本当に怖かったの』
 そうかい、そりゃ大変だったな。としかオレには言えない。重すぎる。
『だからね、私は話し相手が欲しかった。誰でも良い。私の孤独感を癒してくれるなら』
 それでオレに電話を……仲里で良いだろ。
『五十音で上にあったからよ。本当はイツキの方が早かったんだけど忙しいと思って』
「ふうん。で、オレは何をすれば良いんだよ」
『別に。ただ他愛もない話をしてくれるだけでいい、ただ雑談をしてくれるだけでいい、それで私は安心できるから。"私は独りじゃない"ってね』
 分かった。と応答し、長い長い夜の電話が始まった。別にそれ程特別なことは話してない。こんな本を読んだとか、このドラマが面白いとか、最近の遊戯王OCGがどうだとか、友達がどうだとか、本当に普通すぎて、コイツと話すには物凄く異常なことだった。その内に、会話が途絶えた。電話の向こうから落ち着いた吐息が聞こえる。寝たのか。
「もう12時回ってるし……」
 電話を切り、その辺に放置した後オレはベッドに入った。
「やっぱり……アイツはオレより上を行ってる」
 会話の内容を思い出しながら、オレは間も無く熟睡体勢に入った。

 アイツにも弱点って有るんだな……と思いつつ。




この作品はフィクションであり、実際の人物、団体、建設物等とは一切関係ありません。


BACK NEXT 小説トップへ